本の虫、中毒日記

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風の人―浅見光彦ワールド
旅情ミステリーという特色から、推理小説意外にも色々と派生した作品
を生み出している浅見光彦シリーズ。

その中でも俳優の榎木孝明さんが事件の舞台となった地域のイラストを描き、作者の内田康夫さんがエッセーを添えるというスタイルで、キャッチコピーは『描くのは浅見光彦、綴るのは軽井沢のセンセ』という近作がお勧めです。
榎木孝明さんは二時間ドラマで映像化された浅見光彦を演じた俳優の一人で、現在では兄の浅見陽一郎を演じる俳優さんで、絵描きとしても展覧会を開くなどの実績がある方です。
軽井沢のセンセは、浅見光彦シリーズではおなじみ、家政婦の須美子が作品中で顔を出す内田康夫先生自身を指した愛称(蔑称?)です。
そういう意味で、この作品を夢の競演と位置づけています。

イラストが、やっぱり凄い。
これを見てから小説をもう一度読み直すのも一興。

そういえば先述のドラマで浅見光彦から浅見陽一郎として映像化作品へ留まったのは作者の内田康夫さんの希望があったからと言われています。
気があうところがあるのでしょうね。
この作品でもいいコンビネーションでお互いに高めあっています。

伊香保殺人事件
おなじみ浅見光彦シリーズで、今回の事件の発端は家政婦の須美子。
里帰りの為にレンタカーのコルサ1300で出て行く須美子…。彼女がその先で巻き込まれた事件とは!?

…冒頭で一番印象に残るのが、浅見光彦がソアラの貸し出しの提案をする事(理由は少しくらいぶつけても平気だから)や、雪江未亡人が街角を曲がって行ってしまった須美子を、ずっと見守り続けていること。

どれほど心配しとんねん。

そんなおっちょこちょいなキャラクター設定だっただろうか…とか思うものの、トラックの運転もしていたことがあると豪語する須美子は旅先で

しっかり事故をする。

その事故がきっかけで事件に巻き込まれます。
もう帰りますという電話を受けていた浅見家では、事実関係の確認も取れない時点で『事故』を既定路線に慌てふためく。
実にすばらしい流れです。

そこへ須美子からの電話。
坊ちゃん、助けて!

事故を起こしたすぐそばに、殺人事件に関係すると思われる車両があり、浅見光彦の兄、陽一郎の地位を考えて住所をぼかした為に事件の重要な容疑者とみなされてしまった須美子。
彼女を救う為に、名探偵・浅見光彦が事件の地へと足を踏み出す。

火事の寺から発見された男の死体、そしてその直後に発見されるその妻の死体。
二人の過去を探っていくと、やがて政治、金、踊り、そして竹下夢二…。
これらのキーワードが、事件解決へと絡み付いていく。
日陰道を二人三脚で、日のあたる場所まで登りつめた夫婦に、一体何があったのだろうか…。

ネタバレ等は続き以降で。
浅見光彦の謎/浅見光彦の履歴書
現在の旅情ミステリーの代表格、浅見光彦
旅行雑誌のルポライターとして走り回るその先々で遭遇する殺人事件。
そしてそれを解決する…というストーリー。

兄が警察のお偉いさんということで、事件調査中に容疑者と疑われて、だけど兄の身分が判明して解放されるという、ある意味水戸黄門的な王道パターンを確立した作品でもあります。

旅情ミステリーという特色からか、設定なども細かく決まっている部分が多々あり、ファンの中ではまるで実在の人物のように愛されるキャラクターで、今作はその謎を解く…というか、細かい設定を一冊にまとめた本です。
ルックス、住居、周辺の人物像、生い立ち、また旅情ミステリーらしく旅先で食べた物、気に入っていた観光地、そしてもう一つの王道パターンである事件のヒロインとの関係…など、多彩に掲載しています。

ラストでは、ファンによるクラブハウスも紹介。
浅見光彦が愛した初代ソアラの写真を掲載!
また、漂白の楽人で登場したワープロの写真も掲載しています。

初版が『浅見光彦の謎』で、9年後に改定されたのが『浅見光彦の履歴書』です。

ネタバレ等は続き以降で。

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