本の虫、中毒日記

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Author:とんとんみ

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ノーウッドの建築業者/シャーロック・ホームズの生還
僕にとっては仕事そのものが報酬なんです

『モリアーティ教授が死んでから、ロンドンは、まったくつまらない都会になってしまった』と、自分の興味の惹く事件が無くなった事をぼやくホームズという、実に生還後のホームズを象徴するような発言からはじまる発言です。
余りに退屈だったのか、自らを『仕事が無くなった、あわれな専門家』と称したり、モリアーティ教授の存命中、その手の内で行われる事件を朝刊から読み取っていた頃を思い出して愚痴をたれるホームズ。
ちなみにこの名探偵、ロンドンの空気は、僕の手で清らかになったって満足げな遺書を書いたのと同一人物です。

さて、前作での復活劇でベーカー街の下宿をそのまま保存していたホームズですが、奥さんをなくし(一般に死別とされています)一人暮らしをしていたワトソンを誘って同居生活を始めています。
元々は一人では下宿代が高いという事で同居生活を始めた二人でしたが、この時は単にお互いに必要としていたのか(なんかこの辺、表現によっては危ないなぁ…)ホームズはワトソンが営んでいた診療所の売却の際には自らの親戚に買い取らせ、価格も言い値で自ら支払うなど気遣いをしていました。

さて、そんな二人のところへ舞いこんできた依頼…。
私があの不幸なジョン・ヘクター・マクファーレンなんです
話を聞いているそばから、レストレイド警部が依頼人を逮捕する為にベーカー街の下宿を訪れる。
調べれば調べるほど依頼人に不利な証拠ばかりが見つかり、今にも冤罪に陥れられようとしている依頼人の為に、ホームズが立ち上がる。

ネタバレ等は続き以降で。
空き家の冒険/シャーロック・ホームズの復活
『最後の冒険』でモリアーティ教授と共に滝つぼの中に消えたシャーロック・ホームズ。
ワトソンはホームズの死後、その損失の大きさを感じながらも、様々な事件に目を光らせてホームズのやり方を借用して解決しようと試みていた。
そんな彼が最近いちばん興味を惹かれた事件―それは、ロナルド・アデア卿の殺人事件だった。
トランプ好きのロナルド・アデアはその日もトランプをたしなんで帰ってきた。
堅実なプレイヤーだった彼は大きな負けをすることはなく、勝利を重ねていた。死の数週間前にはクラブの常連として顔見知りだったモラン大佐とペアで大きな勝利を手にしていた程だった。
そんな彼が、密室の状況下で、頭を撃ちぬかれた死体となって見つかった。
机の上にお金が積まれて幾つかの山を作られており、トランプの勝敗の計算をしていたようだった。

この事件に興味を惹かれたワトソンは亡き友の言葉を思い出し、現場を見に向かった。
そこでワトソンはある老人にぶつかって持っていた本を落としてしまった。
ちなみにここでワトソンはすぐに詫びたのだが、老人が無愛想に立ち去ってしまったのが気に入らなかったのか むさくるしい老人だの、貧しい愛書家だのと相変わらず毒の効いた表現をしています。

しかし家に帰ってみると老人が尋ねてきたのだ。
先ほどの非礼を謝りに後を追ってきたのだ。

近所で本屋を営んでいるという老人は、ワトソンの書斎の本棚について語り始めた。
そして彼が本棚の隙間を指摘されて振り返って、顔を戻したとき―。

老人は消え、そこにはシャーロック・ホームズが笑いかけていたのだ。

ネタバレ等は続き以降で。
バスカヴィル家の犬
シャーロック・ホームズが滝つぼに消えてから現実では8年が経った頃に出版されたシャーロック・ホームズの長編物語です。長編としては唯一、前編と後編に分かれない純然たる長編ですが、ホームズの復活というわけではなく、ホームズの存命中の時期の物語として発表されました。

この作品で注目は、なんと言っても名探偵ワトソンの冴え渡る推理でしょう!
バスカヴィル家の犬』の物語において、ワトソンはついに主役の座を射止めたのである。物語の中盤まではワトソンの活動と推理が満載、しかも外れてない
ワトソンファン垂涎の展開となった経緯は以下の通り。

ある朝、ワトソンは昨晩訪れたものの面会できないまま立ち去った依頼主が置き忘れたステッキを手に取っていた。そこには依頼主の名前であろうと思われる名前と、ステッキの贈り主と思われる頭文字が刻まれていた。
ホームズに求められるまま、ステッキから推理を始めるワトソン。
その推理を聴いたホームズはシャーロッキアンの間ではよく知られる名言を残します。
きみは習慣的に自分自身の才能を見くびりすぎているきらいがあるよ。君自身は輝かないまでも、少なくとも光るを伝える能力はあるんだ。(中略)天才を刺激し、発揮させる異常な力を備えているものだ
こんな言葉と共に謝辞を伝えられたワトソンは『ひどくうれしかった』と感想を漏らすのだが、一瞬の後には『君の下した結論は大部分まちがっているよ』との返答をくらい、撃沈されてしまいました。

その依頼主が再訪してホームズへ伝えた事件…。

ある地方に住む富豪、バスカヴィルが急逝したのだ。習慣にしていた夜の散歩に出たまま、戻ってこず、主人を探しに出た執事が、恐怖に歪んで人相の変わり果てたチャールズ卿の死体を発見したのだった。
世間的には心臓麻痺とされたその死だったが、依頼主であり、チャールズ・バスカヴィルの友人、主治医だったジェームズ・モーティマは一つだれにも言わずにいた事実を打ち明けた。
死体のすぐそばに、巨大な犬の足跡が残ったいたのだ。
それはまるで、バスカヴィル家に伝わる魔犬の伝説を彷彿とさせるようだった。

そして子供の居なかったチャールズ卿の正当な相続者として、ヘンリー・バスカヴィルが見つかったのだが、巨万の富があること、バスカヴィルの後継者がいないとチャールズ卿の手がけてきた公共事業が水泡に帰してしまう事と、バスカヴィル家に伝わる悲劇の歴史のどちらを重視すべきかを判断付きかねていたのだった。
事実、ヘンリーの元には新聞を切り抜いた文字で来ないようにと警告を促す手紙が届けられていたし、ベーカー街の下宿を出た二人を尾行する影があった。

そこ、ホームズは提案したのだ。
自分が事件の調査をしている間、いつでもヘンリーを守れるようにバスカヴィルの館へワトソンを同行させることにした。そしてワトソンはその間に起こった出来事をホームズへ伝えるという大役を担ったのだ。
頑張れワトソン、普段の屈辱を晴らすときはいまだ!

ネタバレ等は続き以降で。

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