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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
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本の虫、中毒日記
読書感想文、乱発中。
ウイステリア荘-The Adbenture of Wisteria Lodge/シャーロック・ホームズ最後の挨拶
君の好きなきちんとした簡潔な一編にまとめあげるのは、まず出来ない相談だろうよ

ホームズが気持ちの良い毒を吐き続けるのが特徴的な作品がウイステリア荘です。
冒頭から『人生は平凡で陳腐だ。新聞は空疎だし、犯罪社会には豪胆な夢も、情熱も夢も、永遠にあとを絶ったのかねえ』と犯罪を待ちわびているとしか取りようのない発言をするホームズ。
この名探偵、この事件が起こる少し前に『僕の経歴が今夜終わりを告げたとしても僕は落ち着いてそれを受け止めることが出来るだろう。ロンドンの空気は、僕の手で清らかになった』と、尤もらしい言葉を残して最終決戦へ挑んでいました。

心のどこかでモリアーティの死を悔やんでいたりするんじゃないだろうか、こいつ。
(注:この事件は1893年に発生したとワトソンは記しています。これはモリアーティとの最後の事件の翌年という事になりますが、実際の設定上ではホームズが自分を死んだ事にして身を隠していた時期になり、矛盾していると言われています)

そんな退屈なホームズの下へ一つの事件が舞い込んできます。
怪奇な出来事を経験したという依頼人からの電報が届いたのです。
ホームズは怪奇が犯罪に直結する事がある(例:赤毛組合五つのオレンジの種)として、この事件を受ける事にしています。
…が、実際の本音は『たとえどんなつまらなさそうな事件でも、僕が断ると思っているのかい?』という言葉にありそうです。
ホームズに助けてもらえるかどうかは、ホームズが退屈しているかどうかに大きく左右されたようです。

さて、そんな幸運な依頼人が持ち込んだ怪奇な事件は以下の通りでした。
依頼人のスコット・エクルズが南米出身と思われるガルシアという男と知り合いになった事が全ての始まりだった。
知り合って間がないものの、エクルズはガルシアの自宅を訪問することになる。
訪れた家は事前に話に聞いていたのとは違う、不気味な雰囲気の家だった。
しかし『怪奇』なのはそんな事ではなかった。
彼が目覚めると、家にはガルシアどころか下男もコックも誰一人居なくなってしまったのだ。
その無礼さに怒り、そしてどういうつもりなのか知ろうとエクルズは彼の身辺を調べようとした。
しかしガルシアに行き着く情報には辿り着けなかったのだ。
そこでホームズに助言をもらおうと尋ねてきたのだが、彼はホームズの下宿で彼を追いかけてきたグレグスンから衝撃的な事実を聞かされる。
ガルシアが死体で見つかったというのだ―。


混沌としているのは事件だけではなく、物語自体も短編としてはそこそこ長くて混沌とした感じの作品です。
なので前編の『ジョン・スコット・エクルズ氏の怪奇なる体験』、後編の『サン・ペドロの虎』というドイル得意の二部構成になっています。

ネタバレ等は続き以降で。


短編ということもあってか、物語は結構大胆に展開します。
例えばホームズが事件の関係者をよぎるために用いたのは、ガルシアがエクルズ訪問中に受け取ったと思われる手紙にあった『七つ目のドア』というフレーズと、眠っていたエクルズを勘違いをしたフリをして起こした時に伝えたウソの時間である『一時』という言葉でした。
前者で家が大きいこと、そして後者でガルシアが達成しようとしていた何らかの行為にかかる時間(=移動に必要な時間も含まれる)を読み取り、リストアップするというものでした。

ところでホームズは事件の重要な関係者の命が危険にさらされている可能性を考え、目指す住居への違法進入を試みようとしています。
実は二人が不法侵入をしようとするのは初めてではありません。ちなみにその事件の際に、ホームズとワトソンは何故か手を繋いでいましたが、今回も同行を決めたワトソンは『黙って彼の手を握った』そうです。

なんでいちいち手を繋ぐのか全く判らないのですが、今回は侵入には至らずに終わり、その前に事件は終焉を迎えます。

作品としては結構読み応えのある作品です。短編集であればエクルズがアリバイ工作に利用されようとしていたという部分だけでも成り立つような感じですが、そこにあえて異国の内紛問題を持ち込んでいるのですが、ドイルの得意な作風ということもあり読み物として楽しめました。

また事件に登場するベインズ警部が、意外とホームズまでも取り込んだ陽動作戦を取るのも興味深いですね。
いつもならラストで笑いものにされる警察側が、ホームズと接戦している…なんてシーンもなかなか面白かったです。
ただ残念ながらベインズ警部はこの作品のみの登場なんですね。
彼は調査の途中で田舎にくすぶっている事を愚痴、『こうした事件こそ良いチャンスです。何とかこいつを物にしたいものです』と口にしていたのですが、その後に登場がないところを見ると、事件は解決したものの良いチャンスには繋がらなかったのでしょう。
ちなみにそんなベインズの気持ちを書きとめていたはずのワトソンがベインズを形容したのが次の呼称。
田舎警部

ワトソン、残酷すぎます。
(ちなみにグレグスンはロンドンの警部でした)


あぁ、そういえばこの人って田舎が嫌いなんだっけ。

テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学


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