本の虫、中毒日記

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犯人にされたくない/パーネル・ホール
事故調査専門探偵、スタンリー・ヘイスティングズを主人公に据えた探偵小説の第二段です。

前作での出来事を機にスタンリーは探偵業から足を洗おうとしていたようです。
以前の事務所を実際に数ヶ月間は離れ、必死で本業の作家として身を立てようと努力を重ねたものの、雑誌などのコピーの仕事が取れただけで、彼が望む『ほんとに読んでくれる読者のいる本を書きたい』という理想には届かなかった。

しかしそれでもこの業界へ戻って現役の探偵として推理小説の舞台へ戻ってきたのには深い事情があり、息子が私立の保育園へ入園したからだそうです。
色々な探偵を見てきたけれど、なかなかこういうシチュエーションはなかった。
尚、所属する法律事務所でのコードネームはエージェント005。名前だけは出来そうな名前になりました。

ちなみに、彼が理想とする作家はカート・ヴォネガット。
アメリカを代表する人気作家の一人で、独特の表現を用いて人類の本質等を語る作家として有名な方です。
彼にあってスタンリーにないもの。

才能、スタイル、ウェット、そして実績
…他に、何があるんだろう。

今作ではスタンリーの才能を信じて疑わない妻が、友人の抱える問題の解決を依頼する。
当初、彼は前作『探偵になりたい-DETECTIVE-』の反省(話を聞くだけに留めて終わるつもりが、事件に巻き込まれてしまった!)から、話を聞くだけでも…とい提案に対し、それを拒否するがページが変わると早々に妻の友人と話している

知人が一人で子供を養っていく為に行っていた売春。
母が急病で食事に付き合うだけでいいと拝み倒され、代わりに行ってレイプされてしまい、その後撮影された写真とビデオを脅しに売春を強要されていた。
しかしその犯人は死体で発見されてしまう。
スタンリーは新たな捜査術である『嘔吐捜査法』によって、撮影されたビデオを回収する。
そして警察へ連絡を入れるのだが…。

警察との会話も、さすが親近感溢れるものです。
室内で触ったものがないのか?の質問に電話に触れた理由を答えた一言が『警察に電話するために』。
ごもっとも。そして死体を見て一番に嘔吐したので、トイレにも触れた。
気楽な会話はここまで。メモ一枚の行方によって、スタンリーは事件の容疑者になってしまったのだから。

ネタバレ等は続き以降で。


パメラのビデオを確認する為に見た事を妻に問い詰められているシーンの描写はすばらしいと思いました。著者、何らかのシチュエーションで体験済みなのではないだろうか。
私は根っからの好色なのだと決め付けられて、終わり
切ないねぇ…。

最後のシーンは意外と正当な感じで終わっています。
犯人との対峙、はったりでの自白。
そして窓から…中途半端に落ちる。

最後のおまけで、通報を怠り、取調べで嘘をついた下院議員を懲らしめるシーン。
売春行為を撮影したビデオで金を強要し、受け取りの名前を告げる瞬間。
このシーンで、スタンリーはハードボイルドの世界に、一瞬だけ足を踏み込んだと思いました。














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