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Fujisaki

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本の虫、中毒日記
読書感想文、乱発中。
デルの革命
私は従来の常識が間違っていると言っておこう

ユニクロの柳井 正さんが紹介していた本の中に、デルの名前を見つけたときには、なんだか妙に納得しました。
デルもユニクロもお客の声を最大限に取り上げ、自社製品を従来だと中間に入っていた業者を省く事で低価格を実現するというビジネススタイルを採ってきた企業です。
デルはその中でも店頭販売には全く力を入れず、お客から注文を受けた希望通りのスペックのパソコンを提供する『ダイレクト・モデル』と呼ばれるスタイルを貫き通してきた会社です。
僕はDELLのパソコンを使った事はありませんが、柳井さんのおススメと言う事で読んでみました。
この本はデル誕生以前から、成長期やその弊害、そして現在に至るまでの流れをマイケル・デル自身の言葉で語ったものです。

□ ダイレクトの始まり
デルのCEOであるマイケル・デルさんが中間業者を配する商法のメリットに気づいたのは、彼の少年時代のことだったそうです。収集した切手を売るのに自らが主催者となる事で子供ながらに大きな収益を上げた事だったそうです。
彼は成長してPCに興味を持つようになるのですが、この時のPCの市場と言うのはとても雑なもので、今のように販売店の店員がPCの専門的な知識や技術を持つという事は少なく、メーカーのサポートも充実していない状態でした。
デルはそんな状況の中で、部品を調達してPCを組み立て、アップグレードさせて知人に販売すると言う事を行っていました。
この頃には『僕はIBMと張り合いたいんだよ』という発言までしています。
これは徐々に事業となり、『PC's Limited』という会社を立ち上げます。
IBM-PCの高性能版の需要が高まるのに、IBMはそれを作らなかったので、デルは過剰な在庫が原価割れの価格で取引されているものを入手し、それを顧客に必要なスペックに増設して販売していたのです。
やがてPCはIBM-PCからデル自身が作るものになって行きますが、これこそがDELLのダイレクト・モデルの起源だったようです。


□ 顧客とダイレクト
デルは『オリンピック』と呼ばれるPCを作っています。これは製品化はされなかったものの、彼自身が『教訓』と称した失敗したプロジェクトです。
これはとても高スペック、多機能なPCとして開発されているものでしたが、そこまでの機能を求めている客がいなかったということで、開発中止に追い込まれたものです。
当時も、そして今でさえもPCの販売はメーカー主導な部分が大きいです。
ワードやエクセルが使えれば、それだけで充分と言う客も、インターネットで動画や音楽を楽しみたいと思っている客も、店頭に用意されているPCを購入するのです。
前者の人は、もう少し自分の目的を絞って注文すれば、安価で購入する事ができるかもしれない。
デルのダイレクト・モデルは推測するのではなく、『顧客の要望を正確に「知って」いた』上で作るのです。
それは顧客にとってもいいことだし、デルも顧客の需要を的確に吸い上げていく事ができます。
ダイレクトな関係であるがゆえに、情報もダイレクトです。
インターネットの時代が到来し、デルは更に顧客との関係を親密にする事に成功しました。
『双方向性』とデルが呼ぶこのような形は、たとえば大手の顧客が参加する『プラチナ・カウンシル』、技術説明会などで更に高い精度で補完されます。
そこでデルは『処理速度は速ければ速いほどいい』という従来のエンジニアの考え方が、顧客の『(処理速度が少し遅くても構わない)本当に必要なのは安定性、何年でも変化しない製品なんだ』という意見と食い違っている事に気づく事ができたのです。

□ 業者とダイレクト
この本を読んでいて面白かったのは、各種パーツを作る業者間でもダイレクトな関係を築いている事です。『意思決定を担う人々と直接コミュニケーションをとる』として、社員や顧客同様にサプライヤーとのコミュニケーションを重視しているそうです。
デルは長らくCPUにインテルのみを採用し、現在でも多くをインテル製のCPUを採用していますが、相手にもデルの考え方を理解してもらい、そして自身もデルと同様に世界的な戦略に挑んでいく企業として成長してもらう事を要求しています。
これは言うのは簡単ですが、本当はとても難しい事ですよね。
一方が『このサービスをとても重視している。すぐに対応して欲しい』と言っても、相手方が『いや、これはすぐに対処しなくても問題にはなりませんよね?』と応える事は間々ありますし、行き過ぎれば『「それに応えられるサプライヤーを見つけてください「と、切られてしまう危険性もあります。
こちらが何を達成しようとしているのかを分かってもらわなければ、サプライヤーは絶対にパートナーにはなってくれない』とし、理解を求めています。
尤も、デル自身もその事には苦戦したようですし、今のように大きな企業として成功していなければ未だに苦戦していたのかもしれません。
しかしダイレクト・モデルを通して得られる顧客の要望をサプライヤーに伝えていく事で、新しい技術開発のきっかけとなるのですから、サプライヤーにとっても悪い事ではありません。
デルはこの流れに関して『ある意味では、デルがコンピューター業界全体の効率改善を促してきたと自負している』と述べていますが、確かにデルほどの規模の企業が顧客の声をダイレクトにくみ上げてきた事は、業界にとっていい影響を与えたと言えるでしょう。


□ 社員とダイレクト
社員に対しても、サプライヤー同様に自分の思いや目指す方向性、目標などを綿密に分け合っています。
この中で面白かったのは、インターネットの普及時期に自身がメールやインターネットを活用する事で社員に対してその重要性を見せた事でしょうか。
これは大切なやり方だと思うし、一番判りやすい方法だと思います。
またメールと言う手段はデルほど大きくなった企業の中において、代表者の率直な意見を伝えていくうえではとても有用なやり方です。
大企業でも社長が積極的に現場に出て従業員と話をするというのはたまに耳にする話ですが、電子メールというやり方もいい手段だと思います。
デルのダイレクト・モデルではありませんが、間に第三者が入ると伝達の中で本来の意味合いと多少違ってきたりする危険があります。代表者の思いをダイレクトに届ける。そうする事で会社の共通の目標を確認したり、従業員同士がそれぞれの仕事に参加している尾言う意識を持つ事が出来ます。
たとえばサーバの販売を開始する際、やはり社内には同意する人ばかりではなかったようで、それを悟ったデルは『サーバで成功するには』というニューズレターによる連載を始め、サーバ販売に対する不安を打ち消す事に勤めています

そして、その社員に求める事も変化していく事です。
インターネットの時代を最大のビジネスチャンスとしたように、デルは変化に対して非常に柔軟な企業です。
それは顧客が持つ『些細なこと』が、大きな変革へと繋がっていくことを重視する事、そして社員に対して採用している投下資本利益率(ROIC)によって優れた業績を上げている事業、そうでない事業を把握する事…様々な要素があります。
しかしそれを支えるのは社員が自社株を持つという事での目的意識の高さ、デルの言葉で言えば『オーナー意識』を持たせる事だったのではないでしょうか。

□ 感想
國領二郎さんが解説でも述べておられるのですが、デルのしている事は実はとても簡単です。
客の要望を聞き、その通りのものを作る。そして時に何かを提案する。
不要なもの…たとえば、デルにとっては店頭販売などは大胆に割愛する。(デルは1994年に小売販売から撤退してる)
これも明確な目標があり、そしてマイケル・デル本人が自分の言葉で説明してきたからこそ実現できた事ではないでしょうか。
デルは開業からずっと、従来の常識では考えられない、上手くいかないと思われてきた事を続けて成長してきた企業です。
マイケル・デルが最後に『だがここでも、私は従来の常識が間違っていると言っておこう』と述べているように、彼は従来のあり方にとらわれずに出来ると思った事を(それはもちろん顧客からの声に裏打ちされている)実践してきたのです。

今後、大きくなったデルという世界的な企業が大勢の従業員、たくさんの拠点を引っ張りながらどれだけ従来の常識を壊していけるのかはとても興味深いところです。
彼の頭にも、恐らく常識や通例といった中間業者が存在しないのでしょう。
アイディアの次は、実践だ。


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