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Fujisaki

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本の虫、中毒日記
読書感想文、乱発中。
語録・ユニクロの戦略戦術/近藤道郎
普段通っている道が、急にいつもの倍ほど渋滞が出来るようになった…と不思議に思っているとユニクロが出来ていた!なんて経験がある方もおられるでしょう。
巧みな広告戦術や手軽な価格なのに好みで選べるたくさんの種類で人気のカジュアルウェアのユニクロは、フリース人気で一気にメジャーになったようなイメージがありますが、そこにこぎつけるまでの経営戦術や考えなどを、主に社長の(現会長兼社長)柳井 正さんの語録から辿ったのがこの本です。

□ 日本のGAPを目指して
本文中で何度も登場するのですが、柳井さんが目指していたのはアメリカでユニクロと同様に国民的なブランドとして人気を集めているGAPのような形でした。
ユニクロの目指すべき方向性として、『生活消費財』という言葉を掲げ、コーラや花王などのように、手軽に手に取り、手軽に消費していけるような形を目指しているそうです。
ただし昨今の分化して色々な方向性を模索し始めているGAPの姿に関しては『自ら業態としての制約を作っているのではないか』と批判的な意見を述べています。
これはユニクロ自身も以前、分化して幾つかの店舗を作った経験からの発言だと思います。
その時は回るのが面倒だったという社員の言葉から、一店舗で全て完結する現在の形へ戻しています。
柳井さんのこの方向性はぶれることなく、ユニクロで取り扱う以外の衣料については手を伸ばすのではなく、共存する形を貫き続けています。この軸の強さもユニクロの強みの一つでしょう。

□ 品質へのこだわり
ユニクロの品質へのこだわりはとても強いようで、本文中にも中国でユニクロ製品を作っている工場の方の証言からも非常に厳しく、なおかつ工場の側も何かが起こった際の対処をとても迅速に取る事が求められているようです。
僕の住む岡山はユニクロの店舗が比較的早い時期(1985年10月に1号店出店)から進出していたのですが、当時の印象としては他のアウトレットショップと同列にあるお店でしかありませんでした。まさに安かろう、悪かろうのイメージだだったように覚えています。
そのイメージが実際の品質以上に定着していたのか、『店の近くに捨てられたうちの袋がたくさんあって、ユニクロで買ったことを隠したいんだな、と暗い気持ちになったものです』という言葉が紹介されています。
ユニクロの細やかな品質へのこだわりや、返品に関する大きすぎるとも思える配慮は、こうした過去の苦い経験から来ているのではないでしょうか。
今でもユニクロは返品について同業他社より遥かに緩やかに受け付ける姿勢をとり、品質保持の為の努力を続けています。
ところで上記の岡山店は郊外への出店で、この出店は柳井さんにとってはとても大きな契機となり、以後、意欲的に郊外へ出店を続けて行く事になります。

□ 経営の形を変えていくこと
この本を読んでいると、どんどんと成長を続けるユニクロと、それに対応していく柳井さんがとても興味深いです。
まず店舗数に関しては、『300店を越えると人の顔が見えなくなってくる』として、チェーン店の曲がり角と考えていたそうです。
POSと呼ばれる情報システムの導入、マニュアルに縛られずに柔軟に対応できる店長の育成、また売り上げの上昇に伴いなんと役員の7人中5人の入れ替えも行っています。
規模に合わせて適材適所で人事を変えなければ、会社はやっていけません
確かに会社の変化についていけずに老害のようになってしまう従業員も居ます。
柳井さんはそうした事を把握した上で、常に適材適所に従業員を置けるように考えているそうです。
その時々の規模に応じた人員、体制で臨んできたからこそ大企業病を免れる事が出来たのかもしれません。

□ フリース、原宿店
ユニクロのそれまでのイメージを払拭したのが原宿への出店、そして日本国中を巻き込んで大きな騒動となったフリースによるキャンペーンです。
なんとこのキャンペーンのきっかけとなったのは女性社員の『私、ユニクロに、はまっています』という一言だったそうです。
安くて高品質な服が買えるユニクロに対する評価は、まさに中にいる従業員が一番よく知っていたのです。
この言葉でユニクロは『今、うちがいちばん自信のある商品に絞って打ち出してみよう』と決め、フリースによるキャンペーンを打ち出したのだそうです。
ちなみにこの頃には品質に対する自信はかなり強くなっていたようで、常務の堂前宣夫さんは『集客さえ出来れば、なんとかなると考えた』と述べ、実際にフリースブームの影でフリース以外の商品も順調に売れており、ユニクロは一過性のフリースブームで終わらずに人気を保ち続けていく事に成功しています。

□ 信念
以前、セーフガードの問題がありました。
日本国内の産業を保護するための政策で、一定の産業に関して輸入制限をかけるというものです。
一時期、これにタオルが加わるのではないかという動きがあり、中国で製品を作っているユニクロはその影響を受けてしまうのではないかという憶測が流れていました。
柳井さんはダメージそのものに関しては問題ないとしつつも、一部の産業のみを保護する事に否定的な立場を取っています。
今の日本は、保護されている産業が多くなりすぎました
効率の悪い企業を保護しても生き返るとは思えないでしょう
ユニクロの本社にはビル・ゲイツさんのこんな言葉が紹介されています。
泳げないやつは沈めばいい
生き抜くためには仕事を精一杯やろう…自分自身が守られる事ではなく、努力によって乗り切ろうという信念を持っているからこそ、柳井さんはどのような形であれセーフガードのような保護政策には批判的な立場を取っているのだと思います。
たとえばユニクロは返品の期限を三ヶ月に設定しました。
他社と同じくらいでも問題は無いはずなのに、そうしたのには返品された商品から自らの商品の品質や弱点を知ろうとする立場からです。返品率の増加に伴う出費より、それから得られる情報が大切だとの判断でしょう。
柳井さんは成長するために保守的な政策は不要だと考えられているのではないでしょうか。

□ 感想
目指す方向性がはっきりしているのはユニクロの強みだと思います。
まさにGAPのような国民的なカジュアルウェアを目指しているのでしょう。
その為か、様々な商品を扱うスーパーや百貨店といった業態には若干否定的な意見を見せています。
そして自らが目指す理想への準備にも万全に行っています。
会社の規模が大きくなった時のための準備、そして在庫が急に大量に必要になった場合に備えての生産管理など急成長にも耐えうる体質が作られています。
先のフリースのブームではさすがに予想をはるかに上回るムーブメントになってしまった為か品切れが目立っていましたが、それでも当初の想定から言えば倍ほどの量を流通させる事に成功しているといいます。
先見性と対処の早さ。そしてグローバルな視点。
ユニクロの成長が一過性のブームではない事は、この本を読む限り疑いようがありません。


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