本の虫、中毒日記

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Fujisaki

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基本はシャーロッキアン。
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愚人の毒/小酒井不木
その他何人も未亡人の死とは関係ありません

小酒井不木さんの古い短編推理小説ですが、よく出来た作品です。

ある未亡人の死にまつわる事件です。
彼女には三人の子供が居た。
その内、長兄にあたる健吉は長らく子供が出来なかった夫婦が貰った養子で、その下の弟の保一と妹のきよ子はその後に生まれたので血の繋がりはなかった。
しかしこの健吉は疎まれる事もなく、むしろ子宝をつれてきてくれた存在として大切に扱われ、その人物のよさも含めて、義父は自分達の子供ではなく健吉に家督を継がせるようにと遺言するほどだった。

しかしそんな家庭にもやがて亀裂が入る事になった。
まず次男の保一が遊女と交際を始め、身請けをすると言い出したのです。
母親はこの事に反対し、彼との交際を一切絶ってしまうのです。
健吉は親子中を修復しようと、保一たちを独立させてほとぼりが冷めるのを待つように手配しました。
そんな健吉の気持ちも露知らず、その次に亀裂が入ったのは健吉と義母でした。
今度も恋人絡みで、健吉が勤務先のデパートの女性との結婚を願ったのに反対し、もし結婚するようであれば家督はきよ子に婿でも貰って、その男に継がせると言い出したのです。
このことにより、健吉は母親と殆ど会話をしない生活、保一は連絡を取り合う事もかなわないといった状態に陥ってしまったのです。

そんな中、母親は急に体調を崩し、何度かの発作を起こして死んでしまったのです。
彼女をずっと看ていた医師によると亜ヒ酸中毒でした。
容疑者は母親との関係が上手くいっていなかった健吉と保一。
健吉は決算の時期で家に居ない事が多かったのですが、その時に限って発作が出るという事で怪しまれ、それを怪しんだきよ子が保一をこっそり家に入れて様子を伺っていたのです。


古い古いとは言っても、そのまま二時間ドラマにでもなりそうな作品ですね。
昔は血が繋がっていなくても子宝を呼んだというような評価のされ方もあったんだなぁ…と、この辺りが少し意外なような気がしました。
言葉の表現や登場人物への個性の与え方など、とても読みやすい作品です。
そして完全過ぎるトリックゆえのほころびから犯人が暴かれるラストシーンはなかなか驚かされます。

ネタバレ等は続き以降で。



段取りを組みすぎたゆえの失敗でしたね。
『偶然』という要素は推理小説の中ではなかなか許容されません。
それこそ西村京太郎さんの時間表を分析した上でのトリックのような完全さこそが求められがちのように思うのですが、この作品は完全なトリックを作ったうえで、そこに偶然を加味して面白く仕上げています。
完全犯罪のはずが、死因だけが完全犯罪から外れていた…。

弱っていた被害者が犯人の毒牙に掛かる前に自然に死んでしまうという計算外は面白いと思います。
『謀殺未遂』…この言葉を読んだときに、『あぁ、こうきたか』と作者にしてやられた感触を楽しめますね。




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