本の虫、中毒日記

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Fujisaki

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基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

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竹取物語
日本最古の物語の一つにも数えられる竹取物語を読んでみました。
この本に触発されて竹を切り倒して怒られたという方もおられるのではないでしょうか。
そう、竹の中から美しい姫が登場するというかぐや姫の物語なのです。

僕もいい加減いい年齢になってきたので、絵本ではなく原作とその現代語訳を交えながら読んでみました。

そういえばこの竹取物語は作者が不詳です。
wikipediaには作者の推察が紹介されており、その中には『土佐日記』の作者でもある紀貫之さんも有力候補の一人として含まれていました。
では、あらすじと簡単な現代語訳は以下でどうぞ。

□ じいさん、姫と出会う
竹取物語のおじいさんは竹を切って様々に加工して販売するような仕事をされていたようで、『野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり』と紹介されています。竹取の翁と呼ばれていたそうで、恐らくかぐや姫を竹から見つけたからそう呼ばれたのではなく、竹取を仕事にしていたから元々そう呼ばれていたのではないでしょうか。
そんな彼だから竹が光っていて、そこに三寸くらいの女の子が詰まっていたのを見て『子となり給ふべき人なめり』(現代語訳で自分の子供になるべき子だろう)と想い、持ち帰ったそうです。
ちょっとじいさん自分に都合よく考えすぎじゃないか通報!とならない古きよき時代の物語です。
この子を育て始めて以降、たびたび光る竹に出くわし、そこから金が得られてじいさんは裕福になっていったそうです。じいさん、KO・U・HU・N☆。(BY 僕の見た秩序

一方、かぐや姫も只者じゃない様子を発揮しています。
三月ばかりになるほどに、よきほどなる人になりぬれば、髪上げなどさうして、髪上げさせ、裳着す。』とあるように、三ヶ月で美しく育っていったそうです。
この辺り、桃太郎とは違うんですね。桃太郎は桃から出てくるという異常な出生の秘密を抱えながらも、きちんと成長して鬼退治に出ています。

□ かぐや姫への求婚
余りに美しかったのでかぐや姫は様々な身分の人間から求婚をされています。
それでもかぐや姫自身や彼女を大切に育てている家族も含めてまったく取り合わなかった為に、徐々に周囲も仕方がないと諦めるのですが、それでも粘るしつこい志の強い人たちが5名どうしても諦めきれずに昼夜を問わず訪れていたそうです。
その様子を見てじいさんの方が気持ちがほぐれてきて、自分も高齢だし、これほど熱心に求婚してくれる5人の内の誰かならきっと大丈夫だろうから、結婚して落ち着かせてくれないかと言った旨のことを伝えます。
70歳を超えているということで、当時の男性からすれば結構な高齢になるのでしょう。万が一にでもかぐや姫を一人きりにして死んでしまう事があってはよくないと思っていたようです。
ところでじいさんはわが子の仏(現代語訳:仏のように大切なわが子)とか言いながら、自分の娘を女の身体を持った変化の人呼ばわりしています。
かぐや姫もこの説得を受けてある条件付で結婚を考えると答えています。

□ さぁ、宝探しだ♪
かぐや姫の出した条件は自分が見たいと思うものを持ってきてくれた人と結婚するというものです。
求めたのは以下。
石作の皇子には、仏の御石の鉢といふ物あり、それを取りて賜べ、と言ふ。
庫持(くらもち)の皇子には、東の海に蓬莱といふ山あるなり、それに白銀を根とし黄金を茎とし白き珠を実として立てる木あり、それ一枝、折りて賜はらむ、と言ふ。
いま一人には、唐土にある火鼠の皮衣を賜へ、大伴の大納言には、龍の頸に五色に光る珠あり、それを取りて賜へ、石上の中納言には、燕の持たる子安の貝、一つ取りて賜へ、と言ふ。
どれも実在さえも怪しい伝聞にのみ存在するような代物です。
今のように『楽天にないから無理だよ、ヤフオクに出品されるの待つ?』というわけにもいかない時代ですが、彼らはそれをどうにか探し出そうとします。

□ 石作の皇子
石の鉢の中には光があるはずだったそうですが、かぐや姫が献上された鉢には光がありません。
実はこれが皇子の狙いでした!そこまで短歌と返歌でやり取りしていたので、すかさず、『白山にあへば光の失するかとはちを捨ててもたのまるるかな』(白山のように光り輝いて見える姫と出会ったので鉢の光が消えてしまい、鉢を捨ててしまったが、恥を忍んでまだ諦め切れない気持ちを伝えます)とキザったらしい詩歌を送りますが、返歌はありません。
かぐや姫、今で言う『はぁ?』の状態ですね。
一人脱落。

□ 庫持皇子
特殊な木の枝を求められていた彼は模造品を作る事を思いつきます。
この人、実はこれで上手くいきかけています。かぐや姫も『しまった!』と思ったのか、『われは皇子に負けぬべしと、胸うちつぶれて思ひけり。』という心情を吐露しています。かぐや姫、既に勝ち負けの世界に入っています。
じいさんもその苦労話に感激して乗り気で、かぐや大ピンチ!です。
しかし手の込んだ模造品を作るために掛かった費用を未払いにしていた為に、職人達はなんとかぐや姫に支払いを求めてやってきます。かぐや姫が支払いをどうしたのかは不明ですが木の枝を突っ返してお引取りいただいています。

□ 右大臣阿倍御主人
この人はお金にものを言わせて火鼠の皮衣を買い付けることに成功します。
…が、大金を支払ったというの偽物でした。限りなき思ひに焼けぬ皮衣(現代語訳:限りない想い=恋慕でも焼けないような皮衣)とかなんとか臭い台詞を吐いた割には、本物なら燃えないだろうと火にかけるとあっさり燃えてしまって撃沈でした。
奥さんはもらえないわ、大金は注ぎ込んだわで最悪の状態の彼ですが、かぐや姫の反応は『あなうれし。』(現代語訳:よっしゃぁ!!)。だんだんと嫌な奴になってきました。

□ 大納言大伴御行
この人も最初は他人に依頼して探そうとするのですが、どうにも結果が返ってこない。
みんなが遅れているのであれば、『我弓の力は、龍あらばふと射殺して首の玉はとりてん。』と自信満々に自分で行くからいいよ!と、自ら竜の頸の玉を探しに旅立ちますが、その途中で雷にあい、気持ちが折れてしまったそうです。
余りに悔しかったのか、かぐや姫に殺されるところだったという旨の愚痴をこぼしています。

□ 中納言石上麻呂
この人は宝探しの中でももっとも悲劇的な結果に終わってしまった方です。
御ぐしもたげて御手をひろげ給へるに、燕のまりおける古糞を握り給へるなりけり。
燕の持たる子安の貝を手に入れようとツバメの巣に上って手を突っ込み何かを掴んだ彼ですが、幸せの絶頂は長くは続かず、転落事故を起こしてしまい、大怪我を負います。
息も絶え絶えにそれでも何かを掴んだ!と勝ち誇った彼が掴んでいたのが上記の文章です。
ツバメの巣に手を突っ込んで糞を掴んだ挙句に大怪我を負ってしまったのです。
彼は腰が折れてしまった以上に精神的に参ってしまい、この後でなんと死んでしまいます
ついにかぐや姫の被害者から死者が…!
かぐや姫は『年を經て浪立ちよらぬすみのえのまつかひなしと聞くはまことか』というお見舞いの詩を送っています。
それに対して『かひはかくありけるものをわびはてゝ死ぬる命をすくひやはせぬ』と、お見舞いの詩をもらえるだけでも怪我をした甲斐がありましたと返すしゃれた返歌が、彼の最後の詩になってしまいました。なーむー。
そえを知ったかぐや姫は『これを聞きて、かぐや姫少し哀あはれとおぼしけり。』と思ったそうです。驚くべき事に少しだけです。だんだん悪女になってきたなぁ…。

□ 帝も惚れた!!
こんな噂が流れ、ついには帝までかぐや姫に興味を持つようになりました。
しかし権力にも屈しないかぐや姫は遣いのものがやってきても会おうともせず、周囲がどうにか説得しようとすると『国王の仰せごとをそむかば、はや殺したまひてよかし』(現代語訳:国王のいう事に逆らうんだから早く殺せばいいじゃん)と言い放ちます。
この人、年月がたつごとに言動が男らしくなっていきます
帝も負けじとじいさんに『この女をもし献上するなら、翁に五位の位を授けるものを』と、餌をちらつかせて対処しますが、かぐや姫はそれでも『なほそらごとかと、仕うまつらせて、死なずやあると見たまへ。』と、自殺をほのめかして拒否します。
これにはさすがのじいさんも参ってしまい、帝も自ら動き出す決意を固めます。
そして初めてかぐや姫を見て、その美しさに感嘆するのですが、かぐや姫は姿を消してこの世のものではないという旨を実証して見せる事でとうとう帝を諦めさせることに成功しました。

□ 
そうこうしているうちに、かぐや姫は月を見ながら物思いにふける日々が続くようになりました。
そしてある日、かぐや姫は自分が月から少しの間だけという条件で訪れていた『月の都の人』である事、そしてもうお迎えが来ることが決まっていることを伝えました。
こんなわがまま娘でもこれまで大切に育ててきたわが子が急に居なくなるというので、じいさんはあわてて帝へ、迎えが来る十五日にどうにかかぐや姫が連れて行かれないようにして欲しいと嘆願します。
帝もまだ未練があったのか、『六衛の司合はせて二千人の人を、竹取が家につかはす。』と、とんでもない迎撃体制を敷いて迎え撃つことを決定しました。
しかしかぐや姫はその事実を聞いても無駄であるとし、『親たちの顧みをいささかだに仕うまつらで、まからむ道も安くもあるまじき。日ごろもいでゐて、今年ばかりのいとまを申しつれど、さらに許されぬによりてなむ、かく思ひ嘆きはべる。』と、恩返しもできないまま発たなければならない事を残念がっていました。
実は月を見ながら物思いをしていたのは宇宙と交信中だったのです!!(昔チャットでしばらく黙ってるとこんなフレーズを使われたなぁ…)

そんなこんなでかぐや姫は月へ帰ります。
泣き崩れるじいさんたちや帝へお別れの手紙をしたためるなど、お別れに際してようやくいい子のかぐや姫が戻ってきたようです。しかしそんな気持ちは『天の羽衣』を羽織る事ですっかり消え、自分の生まれ故郷へと帰っていったのでした…。
ちなみに帝へは宮仕えを断ったお詫びと『今はとて天の羽衣着るをりぞ君をあはれと思ひいでける』という詩を残しています。さっすが、他の男達とはちょっと扱いが違います。
この手紙と一緒にかぐや姫は帝へ『不死の薬』を献上しています。
しかし『会ふこともなみだに浮かぶわが身には死なぬ薬もなににかはせむ』(もうかぐや姫に会えないと涙に暮れている自分に不死の薬なんていらない)と、その薬ともらった手紙を天に一番近い場所で焼き払う事を決めます。
それが富士の山なんだそうです。当時は活火山だったせいもあるのでしょうが、その薬と手紙を焼いた煙がいつまでも立ち上っていたそうです。




と、こんな物語です。
ザーッと読んでみると結構なボリュームのある作品です。
かぐや姫の結構な悪女っぷりも面白いですね。最古の物語の一つに数えられる作品ですが、古臭さは感じず、なかなか面白いものです。
絵本のボリュームだと少なすぎたなぁと今になって思います。
小中学生向けくらいで、ほどほどのボリュームに仕上げてみると面白そうですね!




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翠香
こんばんは。記事楽しく拝見しました。
学生の頃に読んだきりなので、懐かしかったです。
いわゆるおとぎ話のかぐや姫はかなり話を端折っていて、
実はSFチックなお話なんですよね。
あと、妙に親父ギャグ満載ですよね(笑)
本当に誰が書いたのでしょうね?
2009/05/13(水) 22:42:49 | URL | [ 編集]
Fujisaki@とんとんみ
>>翠香さん
おはようございまーす。
竹取物語、熱いですよ!(笑)。
詩歌あり、冒険物あり、色々な視点で楽しめる作品ですよね♪
親父ギャグは…詩歌でよく利いてますよね。
個人的にあの五人は大好きです!!

そういえば作家さんは紀貫之さんが有力説のようですねー。
言われてみれば土佐日記と雰囲気が似ているような気もするのですが、古文で読むと書き方とかの特徴が判りづらくって…。ミステリーですね!!
2009/05/14(木) 09:47:20 | URL | [ 編集]












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