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Fujisaki

Author:Fujisaki

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シンデレラ/水谷まさる
先日のラングさんのシンデレラに引き続き、日本の童話作家の水谷まさるさんの手によるシンデレラを読んでみました。

日本人だからというのか、こちらは伝統的な日本人が好む形のサクセスストーリーになっています。

最初は同じで、父親の再婚によって継母と義姉妹が訪れ、そこから美しかったシンデレラは疎まれて汚い仕事に従事させられる…。
しかしシンデレラは自分がよくないから冷たく当たられるのだと割り切っていました。
そんなシンデレラに対する家庭内の態度は、ラングのそれに比べると、継母のみならず姉妹も非常に冷たく、シンデレラを完全に見下した態度で接しています。

そんなシンデレラはやはり舞踏会にはいけず、悲しんでいます。
そこに訪れたのは見知らぬお婆さん。彼女がシンデレラを美しい姫に変身させるのです。
ちなみにラングの描いたシンデレラはネズミやトカゲを捕まえてくるたくましい少女でしたが、そこは大和撫子の国で描かれた物語だけに、お婆さんが調達したように描かれています。

そしてラストシーン。
ラングのシンデレラは片足をガラスの靴に入れると、サッともう一方の靴を出してはいて見せるという、ちょっと見せ付けるような演出をしましたが、水谷さんのシンデレラは履いて見せた後にもう一方の靴を片付けていた場所から出して念押しのような形にしました。

これはやっぱり国民性なんだろうなーと思います。
水谷さんは数々の童話を意訳して発表しておられる方ですが、やはりそれだけに日本で受け入れられやすい形に整えるという作業をきちんとされているのでしょう。
最後には姉妹のみならず継母までもが今までの所業を謝罪し、シンデレラもそれを受け入れるという勧善懲悪のようなキレイな終わり方で、これぞ日本の美学!といった具合に仕上がっています。
ラングのラストシーンも美しく、日本人の美学にも受け入れられやすい形だと思いますが、そういえば継母までも謝罪したのは水谷さんの著書の方ですね。
僕自身が子供の頃に読んだシンデレラが誰の手によるものだったのか判りませんが、このシンデレラのあらすじは、確かに僕の記憶の中にあるシンデレラの物語でした。

テーマ:古本 - ジャンル:本・雑誌


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