本の虫、中毒日記

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
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シャーロック・ホームズとマフィン/ドロシー・B・ヒューズ(シャーロック・ホームズの新冒険)
ドロシー ・B・ヒューズさんが描いたホームズは、時代背景を色濃く反映した内容になっています。ある程度は原作に忠実でありながら登場人物が裕福に感じる作品に仕上っています。
その理由は単純で、当時のイギリスでは身分がある程度はっきりしており、たとえば下宿にはハドソン夫人の他にもホームズやワトソンの身の回りの世話をしている人が勤めているものの、その多くは名無しな上に、たまに何かしらの用事で登場したとしても殆ど言及されることもなく、同一人物であるかどうかさえ判らないといった表現に留まっているからです。
当時はそういう関係が専らだったのです。
この作品ではそういった人物にスポットが当てられていることもあり、身分の差のようなものが良く伝わってくる作品になっています。

作品中でもワトソンは今回の主要キャラとなるマフィンという少女が就く女中という職業に関して『召使の中で最低ランクで、給料も最低だった』としており、また何度かホームズたちと会話をする機会を得た際にも戻るのが遅れるとハドソン夫人に叱られるという事を気にしたり、はたまたホームズが履きふるしたブーツをもらう際にもハドソン夫人に見付からないように隠したりと、職務上での自由もかなり制限されていた様子です。
彼女のマフィンという名前は、母親がお金を貯めて買ったマフィンがとても美味しかったという理由だったそうで、一旦産まれついた身分から這い上がる事の大変さを痛感させられます。
また作品後半でやってくる火夫に至っては、いつも寝ている際に作業をするので顔を見るのも初めてだったという事で、ホームズの時代を知るという面ではこの作品は非常に興味深い内容を含んでいるといえそうです。

さて作品は遭難船などから漂流物を集めている仕事をしている人間たちの中に密輸業者が潜み、貴重なダイヤモンドを奪っていたという事件の解決です。

ネタバレ等は続き以降で。


結局、マフィンの知合いの子供達とのツテで事件が解決に導かれるという内容で、事件自体はそれほど手のこんだ内容ではありませんが、子供…それも身分の低い、普段は余り接する状況が描かれない人達とのかかわりを描いているところがやはり見どころではないかと思います。

作者は中々上手くホームズを再現しているので、その辺りを楽しむのにはもってこい。
実際、ホームズは事件を解決した後でその立役者となった子供達に住居があたえられるように手配したり、特にヒロインたるマフィンに関してはその利発さ等も考慮して、なんとか奨学金のような形で勉学を、そして将来的には医者になって欲しいと願っています。

ところでひとつだけ違和感があったのは、作品中でそれぞれ一度ずつファーストネームでの呼称を使うことです。ワトソンはホームズの行動を『シャーロック』という名称で表現し、ホームズに至っては事件後にワトソンに話しかける際に『ジョン』と呼びかけています。
妻でさえ間違えるのにホームズは滅多に呼ばないワトソンの名前を覚えてるんだなぁ…。
この表現はリラックスした状況とは言え、ちょっと違和感がありました。
著者としてはオフタイムの二人を表現するという意図でもあったのでしょうか…。




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