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Author:Fujisaki

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本の虫、中毒日記
読書感想文、乱発中。
760号と玉野市電の軌跡/玉野市電保存会
岡山県玉野市の本屋に立ち寄った際に見つけたのが、岡山県にかつて存在した玉野市電こと玉野市電気鉄道に関する本です。

本というよりは手作り感あふれるパンフレットという趣きでしょうか。

今では玉野市にJR以外の電車が走っていたということを知っている人のほうが少ないのではないでしょうか。僕も仕事で、何十年ぶりに岡山に来たという高齢の方と話をするまでは知りませんでした。
その歴史は非常に短く22年間程度の間、一度も黒字に転向することなく消えていったそうです。
元々は玉野市のみではなく児島半島を一周する壮大な計画だったようで、玉野市電は現在のJR宇野駅辺り〜三井造船の玉野造船所付近までの短い路線でしたが、将来を睨んで免許は水島の辺りまでいけるように取得していたそうです。

この本の著者である『玉野市電保存会』は香川県の琴電に売却されてつい先日引退が決まった琴電760号こと、玉野市電モハ103号を玉野市へ帰郷させ、保存/展示していこうという取り組みを行っています。
そしてこの本の中ではその電車の構造や歴史などが紹介されています。

この本を読んで意識しながら玉野の町を走ってみたのですが、面影は非常に薄いという感想でした。
玉駅付近で川がやけに深くっているものの、橋脚が残ってる様子は見てとれるくらいしか当時の面影めいたものには行き当たりませんでした。
線路の大半は自転車/歩行者専用道路として改装されているので車では見ることが出来ませんでしたが、本の『玉野市電配線跡紹介』を見る限り、ところどころに言われてはじめて気づく程度の痕跡が残っている程度な様子。

玉野市電現役当時を知る人の短いエッセイや写真の他に、つい先日まで同僚として働いていた琴電の関係者の方のエッセイなどが紹介されています。

何とか残したかった』。
当時の最終運行を担当した運転手の方の言葉が心に沁みます。

玉野市電保存会では帰郷した電車をテーマに様々なイベントを行っていくそうです。
もうこの電車は走らないけれど、玉野の町にあの電車の音は戻らないけれど…。
人々の想いが玉野市電の欠片を、何とか残したのです。
その歴史は決して明るいとはいえないけれど、こんなに幸せな電車って無いですよね。

末永い保存と、人々の記憶に追憶だけではなく新しい思い出を作っていく電車であることを願っています。

玉野市電保存会
(本の購入はここから通販できる模様。他、玉野市内の本屋、岡山市内でも購入可能な店舗があるそうです。ちなみに価格は760円。103円にはならない模様?)

テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

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