本の虫、中毒日記

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
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マツダ/ユーノスロードスター 日本製ライトウェイとスポーツカーの開発物語
2人乗りオープンカーがほぼ絶滅状態にあった1986年、マツダ社内でLWSプロジェクトと呼ばれる計画が承認され、平井敏彦さんがその担当主査に選ばれました。
このLWSこそ、ライト・ウェイト・スポーツカーの略称であり、後のユーノスロードスター(MX-5、ミアータ.)を誕生させるプロジェクトだったのです。

著者にその担当主査だった平井敏彦さん、ミスターロードスターともいうべき貴島孝雄さんなどを迎えたNAロードスターの公式ガイドブックです。

 どんな本?
開発秘話から当時の貴重な図面、更には出力などなど様々なグラフといったそうそう手に入らないような資料が詰め込まれた一冊です。
特にこれからの初代ロードスターユーザーは小さなレストアを繰り返しながら乗っていかなければならないだけに、細かな図面や断面図などは非常に役立つでしょう。僕自身も初代ロードスターユーザーとして、幌の水漏れを直す際にはこの本に掲載されている図面を見ながら頭をひねったものです。

 スタディモデル
貴重な資料としてはマイナーチェンジ(MC)や特別仕様車、輸出仕様などが網羅されているという他に、開発段階のロードスターのモデルを見ることが出来るというが挙げられます。

まずブリキのおもちゃのように仕上げられたデザインスタディモデル
細部が完成していないせいか、意外と市販時のスタイルに近いように思えます。

しかしそれを元に作られた最初の自走モデルは、ロードスターというよりSA型RX-7に近い感じで、後のFD型RX-7に装着されたような丸いカバーのリトラが印象的な形に仕上がっています。

試作品の二台目はフロントバンパー部に少しリトラが食い込むデザインで、まだリトラ自体も完成形よりも小さめに設計されているのでかなり雰囲気が違って見えます。
能面を意識したという特徴的な口は姿を潜め、フォグランプが装着されています。

そして三台目のデザインスタディモデルでようやくスモールランプがリトラの真下へ配置され、リトラも大き目の四角型になってイメージ的には発売モデルへ近くなりましたが、リトラの部分がボンネットよりもはみ出す形になっており、その影響からか完成モデルと比べるとやや大柄に見えるでデザインでした。

個人的にはやはり自分自身が惚れこんで購入したので完成形が好きなのですが、自走モデルの二台目はちょっと違う雰囲気でいいなぁと感じました。

 発売までの経緯
ロードスターのような車を作るのに、やはり社内では色々な意見があったようです。
そこで続けるにしても止めるにしても、はっきりさせるために市場調査を行っています。
これがロードスターの開発を決定付ける、潜在的な需要を掘り当てた有名な調査です。

その結果を契機に本格的に動き出したプロジェクトの基本理念は今も変わらぬ人馬一体ですが、当時の資料を見てみると最初は『人車一体感』という言葉で表現されていたようです。
この感覚を追求するきっかけとなったのはロードスターへ非力なエンジン(FF形式だったファミリアの1.6lエンジンがチューンアップされたもの)が載せられる事になった事が大きいようです。
実は開発費やらの問題で、開発許可が出たのが新しいエンジンを作ることではなくファミリアのエンジンのチューンアップまでだったという事情だったようですが、この1.6lでスポーツカーを作るということが『速く走るだけがスポーツカーではない』という人馬一体の理念へとつながっていったそうです。
要するに車を作るうえで1.6lで充分だと判断して搭載されたのではなく、1.6lのエンジンでも楽しく走れる車を作ろう!という制約から始まっているのです。
今となってはモアパワーを追求しない事がロードスターのアイデンティティの一つになっていますが、このときにマツダが違う判断を下していれば、今とは違うロードスターが出来ていたのかもしれません。
大型のエンジンを搭載したハイパワーなロードスター、ロータリーエンジンを搭載した独特のフィーリングを持つロードスター…様々な可能性があったわけですが、その中からファミリーカーのエンジンが選ばれたというのは、当時のスポーツカー市場がどれだけ期待されていなかったがよく解るエピソードですね。


 デザインについて
デザイン面ではエクステリアは能面を、インテリアは茶室をモチーフにしているそうです。
ちょっと屈みながら入らないといけないドアや、はではでしさのないデザインは茶室に影響されているようです。

ところで初代ロードスター最大の魅力だと思っていたリトラ
二代目以降で固定式に変更されてがっかりしたというファンも多かったのではないでしょうか。
実はデザインの基礎を担当した林 浩一さんは最後まで固定式ライトにこだわっていたそうです。
しかしこれは当時の技術ではリトラを採用しないと必要な光の量が確保できないという事情でかなわかったというのが事の顛末のようです。
RX-7も最終型までリトラを採用し続けた事から、マツダはリトラクタブルの形式にこだわりがあると思っていたのですが、そういうわけでもなかったのでしょうか。
ちなみに林さんはデザイナーとしてMOMA(ニューヨーク近代美術館)に作品を残すという夢を持っておられたそうで、このロードスターのテールランプの開発を通して見事にそれを実現させています。

 何故バッテリーがトランクに?
ところで、初代ロードスターの困った特徴の一つですが、バッテリーがトランク内にあります。
このためにユーノスロードスター専用とか言う、大して性能が良くない割りに¥20,000以上もする高価なバッテリーを搭載しなければならなくなるのですが、これはリトラクタブルヘッドランプの採用や、オープンカーの弱点である剛性を補う為の工夫が施されていた為にエンジンルームにスペースが作れず、設置できなかった事が原因です。

エンジンルームが無理となって、最初はシートの後ろにあるスペースを考えていたそうですが、これだと製作過程で一旦ラインから下ろしてからバッテリーを搭載することになってしまう為に効率が悪く、没になったという裏話も紹介されています。

このような、ロードスターのちょっとした疑問や知らなかった開発秘話などが多数紹介された一冊です。

ロードスターの開発に関する物語は、限られた範囲で最大限に粘る事の大切さを物語っているように思います。
同社が途切れたロータリーエンジンを復活させるために作ったRX-8もフォードから課された4ドアでかつ4人がきちんと座れるという縛りの中で開発された車ですが、時には制限を加えることで技術や思想というのは新しいものを生み出していくんだと改めて思い知りました。

だけど、誰が感じるんだろう。
ロードスターが開発の際にこれだけ制限された中から生まれたということを、この自由な地上の翼に乗って誰が感じるというのだろう。

NA6CE~NA8C
生産累計:431,544台
この内の一台を所有し、一つになる時間を手に入れた事を僕は心から誇りに思います。



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