絶版車と書くとモデル自体が消滅したように感じられてしまいますが、内容はそれだけではなく過去モデルも含めた1980年代に現役だった車を網羅した一冊です。
各メーカーから合計342台。
付属のDVDにはトレノ/スカイラインRS-X/SAVANNA RX-7/スタリオン/ピアッツァが日光サーキットでドリフトをしている映像が付属されています。
メーカー別、今回は富士重工業 スバルを見てみようと思います。
ピックアップされた一台はありません。
寂しい限りです。
今ならインプレッサWRXのようなイメージを支える一台があるものの、アルシオーネは大仰な外見からは想像できないほど非力な一台としてデビューしていたりと、これといった一台がなかったのかもしれません。
しかしスバルの代表車種に成長するレガシーは1980年代の終わり、1989年にデビュー。
デビュー時から4WD+ターボというスバルのアイデンティティを備えた一台でした。
またジャスティは1984発表のモデルは日本でも販売されていましたが、レガシーのヒットによってジャスティの役割を継ぐのはインプレッサとなった為に海外専売モデルとなり、2代目の時にはGM傘下だったために同じ傘下にあったスズキのカルタス~スイフトとOEMされ、現在ではトヨタとの提携からダイハツのブーンのOEMを受けて販売されているので、実はこれが最後のオリジナル開発のジャスティでした。
そして先述のアルシオーネ。
外観は非常に強烈なスポーツカーですが、そのデビュー時の出力は1.8lのSOHCエンジンから発生する120ps。その本格的かつ個性的な外観とのギャップは恐ろしいもので、途中で2.7l、150PSを設定するなどてこ入れが行われたものの、人気は盛り返さなかったようです。
また今では軽自動車からの撤退を表明してしまいましたが、当時はヴィヴィオの前身であるレックスもあり、ホットモデルのVXが用意されていました。直4を搭載しており、後のヴィヴィオにも引き継がれる普通自動車顔負けの実力を備える一台です。
そして何気にこの時代に存在していたスバルの3列シート…ドミンゴも1980年代デビュー。後のミニバンブームには乗り損ねたスバルですが、三列シートを持つ車は早い段階から保持していました。
これはサンバーのパーツを流用して作られた小さな車で、後に軽自動車の規格変更の際に優位性を失って消滅してしまいました。
確かにレックスと並べてみていても、軽自動車といわれても何の疑いも無いような風貌でした…。
1980年代のスバルを見て思うのは、今ほど個性的ではないなぁという事でしょうか。
レオーネで確立させたフルタイム4WDブーム、そしてその決定版となるレガシー…。役者は揃ってきているものの、まだ夜明け前という雰囲気が否めない1980年代でした。