本の虫、中毒日記

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美味しんぼ76 雄山の危機!?/雁屋 哲、花咲アキラ
海原&山岡親子の和解が美味しんぼのとりあえずの完結と共に話題になった際に、その反応の中に『もう和解してたんじゃ…』といった意見が少なくありませんでした。

憎み合っていた初期は別としても、作品の中でもところどころでお互いを認め合うような発言をしたりというシーンはいくつか見られていたのですが、その中でも印象的なのが美味しんぼ (76) (ビッグコミックス)に収録されている『雄山の危機!?』の四部作です。

交通事故に遭い、意識不明になった海原雄山。
一命は取り留めたものの、その翌日はアジア首脳会議に参加している各国の偉人を招いての宴会が予定されていた。
リーダーを失い、統率の取れない美食倶楽部…。

その窮地に山岡が参上するという物語。

ネタバレ等は続き以降で。


普段は美食倶楽部とは距離を置いている山岡ですが、この作品では厨房へ入るなり慌てふためく料理人たちを一喝、『雄山から何を学んだか、それを見せてみろ!』とリーダーシップを取って見せます。
また意外な才能として生け花や掛け軸の指示も的確に下しています。
特に生け花の際には使う花器まで事細かに指定しています。
また献立の指示を出す際には『いつも通り、美食倶楽部の本領発揮の献立でいこう』と、まるで美食倶楽部の中の人そのものの発言もしています。

この調理の途中で山岡は海原雄山の病室を訪ねています。意識が戻らない状態を打開するために声をかけてやってほしいとの要求を拒みながらもシリーズ中初めて『おやじ』と呼びかける台詞を見ることが出来ます。

またどうにか意識が戻って現場へ戻ってきた雄山ですが、ソースの指示を出しなおした後、調理人代表の挨拶を山岡にさせています。

尚、この『和解』とも取れる作品ですが、山岡の感想は『冗談じゃない、勘違いしないで下さい』。
へぇへぇ。本人が違うといっているから違うのでしょう。

それでもなかなかの美談であり、二人の親子らしさを感じさせる作品です。
幼い頃にちゃんとした器を使わないといけないと山岡自身やその子供にも専用の茶碗などを用意したエピソード、そして美食倶楽部の中の備品などに精通している様子など、直接的には語られないものの海原親子の生活が垣間見えるような物語でした。














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