本の虫、中毒日記

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鷲羽山/山本慶一、西田正憲
岡山文庫に鷲羽山がないのはおかしいんじゃ、ぜひ書こう


岡山県倉敷市にある鷲羽山の過去、現在を一冊にまとめた本です。
さしもの岡山文庫でも一つの限られたエリアに絞って一冊へ仕上げるのは意外と少なめ。
このほかだと旭川や由加山、児島湾、藤戸といった顔ぶれが並ぶ中、鷲羽山で一冊というのは、内容的にどうなんだろう?と思ってしまいましたが、その歴史を紐解けば思わず語るべきポイントにあふれていて、気づけば一冊をあっという間に読み終えてしまいました。

歴史という意味では著者の山本慶一さんが鷲羽山展望台のビジターセンターの所長を勤められていたこともあり、採集された化石などからナウマン象などが住んでいたような時代にまでさかのぼっていますが、興味深いのは国立公園として指定される前夜の鷲羽山の詳細でしょうか。
今では瀬戸内海国立公園の一角として、瀬戸内海の島々や新しく加わった瀬戸大橋の風貌を眺めることが出来る展望ポイントとして知られる鷲羽山ですが、大正時代に国立公園を制定しようという動きが出た当時、瀬戸内海の国立公園として候補に挙がったのは小豆島/屋島でした。
しかし国立公園制度を創設した『国立公園の父』こと田村 剛さんが故郷の岡山へ戻って、その時に初めて鷲羽山の展望のよさに気づいたそうです。

山本慶一さんの記述どおりに読むのであれば、倉敷市に生まれた田村 剛さんはこのときまで鷲羽山の存在を知らなかったそうです。
…国立公園の父は意外に地元に疎かったのだろうか。

田村 剛さんは小豆島/屋島のみで瀬戸内海の国立公園とするには少し足りない部分があると感じていたそうで、この鷲羽山の展望の再発見は現在の瀬戸内海国立公園というものの誕生そのものだったのでした。

尚、この本では鷲羽山を景勝地として世間に広めた人物として田村 剛さんの他に史蹟名勝天然記念物の調査に訪れていた脇水鐵五郎さん、そして田村 剛さんと脇水鐵五郎さんの双方を鷲羽山に案内した当時の下津井町役場の土木観光担当だった高本恭夫さんの存在が紹介されています。
それぞれに鷲羽山を再発見し、そして広めていった人物です。

作中で白黒写真なのが惜しいほどの美しい展望は、瀬戸大橋が架かり人々の生活が多き変貌した今も変わらぬ価値観で人々に感動を与え続けています。
その瀬戸大橋についても触れていますが、瀬戸大橋の大半部分が香川県にかかるためなのか、余り詳しくは触れられていません。岡山文庫の『瀬戸大橋』の巻が既に手に入りにくくなっているだけにこの点が非常に残念でした。

ところで、この本は著者である山本慶一さんにとっては遺稿となった作品です。
共著として名前を連ねている西田正憲さんのあとがきによると、企画を受けた後にガンである事が発覚し、病魔と闘いながらの執筆だったそうで、最後は病院で原稿を書いていたそうですが、結局最後まで仕上げることは出来ず、遺された原稿を西田正憲さんが補足して仕上げたそうです。
自らの最後の作品となることを覚悟して仕上げた一冊、どうぞ存分に楽しみ、下津井に生まれ、下津井の研究に半生ささげた山本慶一さんの見てきた鷲羽山の歴史を感じてください。



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