その後も余り繁盛してはいない様子で、本棚を片付けようとしていた途中に椅子ごと倒れこんでしまった夫を見たタペンスは『あなたって、何をしているの?』と、実に冷めた対応をしています。
この物語の冒頭のくだりは、『シャーロック・ホームズの災難』での『夫人失踪事件』へ移植されています。
古今東西の名探偵のやり方を試してみよう…!というのが、初心者探偵トミーの当面の指針となったのでした。
まずシャーロック・ホームズを意識したトミーはバイオリンをかき鳴らし、ペルシャ風スリッパを用意して、依頼人が訪れた際にもタペンスを紹介した後、『この人の前では気兼ね無しに話してくださって結構です』と、定番の台詞で出迎えています。
しかし初っ端の『この時間ではバスは大変な混みようでしたでしょうね』の推理を外してしまったので、記念すべきアガサ・クリスティによるホームズのパロディは持ち越しとなり、今回はソーンダイク(ホームズと同時期に人気を集めた法医学の知識を用いた科学捜査を得意とする命探偵)のやり方を試してみることになりました。
さて、トミー演じるソーンダイクが今回直面した事件は、依頼人の女性の家へ泊まりにきていた夫人が桃色の真珠を紛失してしまったというものでした。おそらくどこかに転がり込んでいるのだろうと思っている婦人は、警察に言って騒ぎを大きくするよりも、トミーに探してもらおうと踏んだのだった…。
ネタバレ等は続き以降で。
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