本の虫、中毒日記

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桃色真珠紛失の謎/アガサ・クリスティ(おしどり探偵)
タペンスの尽力により最初の事件を無事(?)解決したトミー&タペンス夫婦。

その後も余り繁盛してはいない様子で、本棚を片付けようとしていた途中に椅子ごと倒れこんでしまった夫を見たタペンスは『あなたって、何をしているの?』と、実に冷めた対応をしています。
この物語の冒頭のくだりは、『シャーロック・ホームズの災難』での『夫人失踪事件』へ移植されています。
古今東西の名探偵のやり方を試してみよう…!というのが、初心者探偵トミーの当面の指針となったのでした。
まずシャーロック・ホームズを意識したトミーはバイオリンをかき鳴らし、ペルシャ風スリッパを用意して、依頼人が訪れた際にもタペンスを紹介した後、『この人の前では気兼ね無しに話してくださって結構です』と、定番の台詞で出迎えています。

しかし初っ端の『この時間ではバスは大変な混みようでしたでしょうね』の推理を外してしまったので、記念すべきアガサ・クリスティによるホームズのパロディは持ち越しとなり、今回はソーンダイク(ホームズと同時期に人気を集めた法医学の知識を用いた科学捜査を得意とする命探偵)のやり方を試してみることになりました。

さて、トミー演じるソーンダイクが今回直面した事件は、依頼人の女性の家へ泊まりにきていた夫人が桃色の真珠を紛失してしまったというものでした。おそらくどこかに転がり込んでいるのだろうと思っている婦人は、警察に言って騒ぎを大きくするよりも、トミーに探してもらおうと踏んだのだった…。

ネタバレ等は続き以降で。


トミーのソーンダイクに対して『この事件には法医学的知識が必要かしらね』と嫌味を言われたのですが、トミーが今回ソーンダイクにこだわったのは新しいカメラを買ったからです。

単に使ってみたかったんです

一方のタペンスはその協力者のポルトンで行くことを決めました。
そして『ご機嫌の時、手をこすり合わせるぐらいはできるわ。それだけできれば十分よ、うまくやれるわ。あなた、足型の石膏模型を作ったらいいわ』とやり込めています。
いつの時代でも女に口では勝てないのは男の常のようです。

事件自体は庁舎途中で浮上する怪しい人物の印象を利用した犯罪…というアガサ・クリスティらしい型どおりには決着させないひねったものでした。
そしてクリスティの上手さは事件の解決に見事にカメラを取り込んでいるところです。
そう、トミーは見事にソーンダイクを演じ切るのです!!

ちなみにトミーは事件の真実をタペンスには伝えずに警察へ出向いて証拠固めをしています。
これもまたソーンダイクのやり方、最後まで真実を口外しないというものである…かと思いきや、どうやら前回、タペンスに事件の計画を自分にまで内緒にされていた事への仕返しだったようです。

なんだかんだで仲のイイ二人だなぁ。
一つの作品を通してあてられっぱなしといった感じです。














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