『トミー夫人には、いささか探偵業に従事されるのも、おもしろいんではないのかな』
トミー&タペンス夫婦が国際秘密探偵社を開設するまでのお話です。
結婚したときには何でも返るお金に愛すべき旦那様…という結婚生活にばら色を思い浮かべていたタペンスだったが、そんな生活に物足りないものを感じ始めていた。
そう、彼女が求めていたのは刺激だった…。
『以前、危険に満ちてはらはらしながら過ごしたあの生き生きした日比のことを考えてみてよ』
彼女は毎日の生活に退屈をしきっていて、帽子を買う事以外は楽しみを感じられないといった様子。
もうこの夫婦関係そのまんまな会話です。
トミーの方はといえば平穏な暮らしを望みんでおり、タペンスからは『暮らしに余裕が出来て、栄養もたっぷり、肌などテカテカして、何の心配なしに毎日を送ってる』と痛烈な皮肉を食らっています。
ちなみにトミーが自分が居なくなってありがたみを判るようにさせようと浮気をにおわせた際には、『あなたがほかの女に夢中になれないことぐらい、あたしは百も承知よ』と余裕の一撃。
この流れだけでこの本の方向性がはっきりと見えてきます。
さて、そんな夫婦の下を訪れた局長のカーターから提示されたのは、ブラント探偵事務所という探偵事務所の建て直し―。トミーはなんと、夫婦でこの探偵社を経営することになったのだった…。
最初の事件、『お茶をどうぞ』とネタバレ等は続き以降で。
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