本の虫、中毒日記

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江戸の繁盛しぐさ/越川禮子
口を開けば国際化とよく言われますが、まずは自国の伝承文化である「江戸しぐさをしっかり見直し、把握することが必要だと思います

本を買うときにタイトルで選ぶことが多いのですが、この本で『江戸しぐさ』というものを知りました。
これは江戸の承認が人間や経済の動向を知るためにしていたものが発展したもので、その為にこの本のタイトルにもなっているように『繁盛しぐさ』とも呼ばれていたそうです。
それはたとえば『忙しい』という言葉が心を亡ぼすと分解できることから、心を失った人は人間ではないとさえ考えていたために忙しいという言葉を使うことを否定したことや、ありがたいという言葉に込められた自分の店を選んで買い物をしてくれたことへの感謝の気持ちといった価値観であったり、腕組をしていてはお客さんが安心して飛び込んでこれない、著者の越川禮子さんも芝 三光さんから実践された打てば響く反応の速さなど、お客様に対する姿勢のあり方であったり、人ごみの中で人の足を踏んでしまった時に踏まれたほうからも『こちらこそうっかりいたしまして』と謝るような気遣いであったり…。
様々な他者への思いやりが『江戸しぐさ』というものを生み出したのです。

そしてこの江戸しぐさは、江戸時代の庶民文化の根底にあった『粋』というものを判りやすく具現化したもののような気がします。

そういえばこの本の中で紹介されているエピソードですが、GHQもこうした江戸しぐさや、それを生み出した江戸の文化を研究していたといいます。
倒幕後、江戸時代の文化を必要以上に否定した明治以降の日本教育。
芝 三光さんも敗戦後にアメリカ軍から江戸のすばらしさを教えられたそうです。

何でも舶来の時代。
僕の中にも海外から最新のトレンドが来れば、なんとなくそれが優れているように思ってしまうところがあります。
仕事上でも『アメリカや欧米ではこんなシステムだ』と聞くと、なんとなく日本の既存のシステムが時代遅れのような気がしてくることが多々ありますし、それを取り込んでいく事が改善であると思っている人も少なくないと思います。
しかし日本の文化が劣っているとは限らないし、もしかしたら何百年も昔の文化が今を凌駕している事だってあるかもしれない。
事実、GHQは当時の日本が否定さえしてしまいそうだった『江戸時代』を評価していたのだから。
そんなことを教えてくれる一冊です。













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