そもそもは『おしどり探偵』というタイトルで出版されたもので、トミーとタペンスの夫婦を主人公にしたシリーズの短編集に収録されています。
この本自体がパロディをテーマにしたような内容になっており、短編ごとにホームズに限らず様々な探偵小説のキャラクターの身振りや発言、推理方法を採用して事件に挑むというコンセプトになっています。
そしてもちろんこの『夫人失踪事件』はシャーロック・ホームズのやり方を踏襲することで事件に挑んだ作品です。
なので、主人公はホームズではなくトミーであり、助手も黒子役に徹するワトソンではなく夫婦として同じくらい活躍をしてみせるタペンスです。
さて、ホームズのやり方でいってみようと思ったトミー。
わざわざ化粧着、ペルシャ風のスリッパ、バイオリンというアイテムをそろえて構えています。
依頼人を迎えるや否や、『あなたはタクシーでここへ来られましたね』と、例のアレで迎え撃ちます。
ちなみにこのタクシーだと言い当てたのは『あてずっぽう』だそうです。
依頼人は冒険家で、北極からイギリスへ帰って来たばかりだった。
たまたま知人のヨットに同乗できたので予定よりも二週間も早く帰還でき、さっそく婚約者に会いに行こうと思ったのだが、その婚約者の所在がどうもはっきりしない。
親戚の家を訪ねてみても、数日後には戻ると嘯くばかりで、言われた知人の家にも行っていない様子だった。そこでトミーの元へ調査依頼が舞い込んだのだった…。
ネタバレ等は続き以降で。
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