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Author:Fujisaki

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本の虫、中毒日記
読書感想文、乱発中。
ホームレス中学生/田村 裕
公園で住んでいたことがある…。
人気お笑いコンビの麒麟のメンバーである田村 裕さんの衝撃的な学生時代を描いた一冊です。

『ご覧の通り、まことに残念ではございますが、家のほうには入れなくなりました。厳しいとは思いますが、これからは各々頑張って生きてください。…………解散!!
こんな言葉を残して、当たり前の日常からホームレス生活に入った田村一家。

一番年少の田村 裕さんは他の兄弟に迷惑をかけないようにと、一人近所の公園で暮らすことにした。
これが彼のおかげで不名誉な『まきふん公園』の名を日本中に知られることになる、彼の新たな住居で、ここで彼はウンコのオバケとして子供と戦ったり、時にはダンボールを食べたりと、おおよそたいていの日本人が体験することが出来ない経験をするのだった…。

ところで、この本はここまでのあたりが非常にセンセーショナルに描かれていますが、実は意外と公園でいわゆる『ホームレス』として暮らした部分はそれほど長く描かれていません。
その後、友人の親などの善意により、どうにか住む場所を確保した上でお兄さんとお姉さんと暮らせるようになります。そしてお兄さんの協力の下、きちんと生活をし、ホームレスになった中学時代を経て高校にも入学をしています。
僕は読んでいて、田村 裕さんよりもそのお兄さんの人柄に感嘆しました
もっと自分のことを考えれば、もう少し弟に我慢をさせれば、自分自身がもう少し楽が出来たかもしれないのに、弟に親が居なくなったことをペナルティとしない生活をきちんと送らせています。
(注:お兄さんの目線で描いた『ホームレス大学生』という作品も出たそうです)

本の中盤辺りで唐突に語られ始めるエピソードですが、田村一家の離散の始まりとしてお母さんの早すぎる死が挙げられます。
直腸癌でお亡くなりになったお母さんは非常に優しい方だったそうで、物語の中でもくじけそうなとき、道を誤りそうなとき…お母さんの面影に救われたという発言が幾度も登場しますし、この本も『いつか、僕を見て周りの人が、僕ではなく、お母さんのことを褒めてくれるような立派な人間を目指して。』という決意のメッセージで締められています。
そして妻と母を急に亡くし、自分自身も妻と同じ直腸がんをわずらってしまい入院中に会社をクビになるなど苦しい状態に陥った父親の口から解散という宣言が飛び出たというのが経緯だそうです。

田村 裕さんは、この本を読んでいる限り、非常に人に恵まれていると思う。
それは亡くなった母親、そして面倒を見続けてくれた家族といった肉親に限らず、友達の親によるサポートもあれば、熱心に話を聴いてくれる担任の先生も然り。
しかし彼が幸運だった…というのも、少し違うような気がします。

自分の父親に対して、『感謝の気持ちでいっぱい』と語り、本を出版した時点では行方がわからないままだったお父さんへ『今度は僕たちがお父さんを守る番』と語る田村 裕さん。
この人柄が自然とやさしい人をひきつけたのでしょう。
そういえば本の表紙の内側にある写真が、色が変わった現在の『まきふん』です。


テーマ:読んだ本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

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