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Fujisaki

Author:Fujisaki

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本の虫、中毒日記
読書感想文、乱発中。
無惨/黒岩涙香
日本における探偵小説の始祖とされる黒岩涙香さん。
その最初の探偵小説がこの『無情』です。
舞台は明治22年、夏の東京です。

物語はかなりきわどい死体描写から始まります。

ある夏の日、築地の川に死体が投げ込まれていた。
それは35歳くらいの男の死体で、全身傷だらけの状態で発見された。
この死体の状況から、世の中には無惨な話がいくつもあるが、これほど無惨な状態の死体は珍しいだろう…というもので、確かに怪奇小説顔負けの詳細且つ凄惨な死体の表現は無惨そのものです。
そしてその傷を作った犯人への手がかりも見つからない…。

暑い盛りで、まだ有効な死体の保存技術を持たなかったので、区役所はとりあえず死体を仮に埋葬して新聞へ情報提供を呼びかける記事を掲載した。

さて、そこでこの事件の調査をする刑事が登場します。
刑事巡査、下世話に謂う探偵』。
ここへ近代日本の探偵物語が幕を開けるのでした…。

ネタバレ等は続き以降で。


時代で言えばオーギュスト・デュパンは既に登場して久しく、ホームズもその諮問探偵という仕事を始めている時期です。日本の探偵もなかなか検討しています。

ただちょっと気になったのは刑事に対する表現。
黒岩涙香さんの表現を用いれば、刑事という仕事の忌々しい面は以下。

鬼々しき心を隠し友達顔を作りて人に交る
いや、刑事でも友達くらい普通に作るでしょう。
信切顔をして其人の秘密を聞き出し其れを直様官に売附けて世を渡る
もちろんそれが仕事ですが、こういう表現をすると凄く嫌なヤツのようです。
切取強盗人殺牢破りなど云える悪人多からずば其職繁昌せず
うぉ、なんだか客商売みたいだ。

この人、刑事が嫌いだったのだろうか…。

さて、こんな刑事が事件の捜査をします。まず谷間田と大鞆という二人組ですが、ホームズとワトソンのような関係になりきれないコンビです。
この二人の押し問答によって事件を解決へと導いていきます。
死体の状況から、殺人が起こった際の状況を探っていく二人。
一方の推理が違うと指摘されれば、『一寸と君の智恵を試して見たのだ』と嘯き、自分の考えを披露する段にまぁ聞きたまえとでも言おうものなら、又聞たまえかとの厳しい突っ込みも。

ちなみにチラリと海外の推理小説の話も登場していて、『小説などに在る曲者は足痕が残ッて居るとか兇器を遺れて置くとか必ず三ツ四ツは手掛りを存して有る』と、ごもっともな指摘も。
しかし、実際は証拠は存在していた。
手に髪の毛を四本握っていたのだ。
そしてその刑事の一人が三本をこっそり持ち出し、一本は証拠の隠匿になるといけないからと残していたのだが、もう一人がその一本もこっそり持ち出していた…。
お前ら、自分たちがやってることの重大性をもっとよく考えてみろ
反発しあう割りに、妙に似た者同士です。

さて、その大鞆刑事は髪の毛を分析します。
ここで萩沢という警部との会話ですが、こちらは余り反目しあうわけでもなくスムーズ。
…なんだ、ここまでの展開は黒岩涙香さんの作風というわけではなくてただ単に二人の仲が悪かっただけか…。

この髪の毛の分析は決して科学的とまではいえないものの、なかなか読み応えたっぷりの展開です。そして結局、この髪の毛が事件解決の手がかりとなります。
そして最後…。
事件解決に際して、大鞆刑事が下した谷間田刑事への評価は…?
まぐれ当たりだ

あぁ、無惨―。

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学


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