本の虫、中毒日記

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こちら葛飾区亀有公園前派出所・秋本 治自選こち亀コレクション3
1976年連載開始、以降休載無しで連載を続け少年誌における最長連載記録を更新し続けているのが、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』です。

その長い歴史を総決算する為に、現役連載中の作品でありながら文庫化されたのが、この著者が毎回作品を抽出してまとめていたこの『秋本 治自選こち亀コレクション』でした。

第3巻は1991年11月〜1992年3月まで、72巻〜74巻から選ばれた作品です。
解説はあの有名な大学教授、大槻義彦さん。
下町で寄席や大道芸人を楽しむ為に、週に一度くらいしか会えない教授のゼミをサボっていたという意外なエピソードを紹介しています。
ちなみに落語家では志ん生さんが好きだそうで、寝る時に三十本以上のテー無の中からその日の出し物を選んで聴きながら寝入るそうです。
そんな教授が自分の学生時代に見た下町の面影を思い出させるのが、このこち亀シリーズだそうで、色々な人々の中にいる感覚は、教授に安堵を与えてくれる。
そう感じさせるのは、学者の世界には『交流そのものがない』からのようです。
大槻教授こそ、その学者の代表のようなイメージがあるので、この解説は凄く新鮮に感じました。

ネタバレ、収録作品は続き以降で。


・突撃!クレーンゲームの巻
クレーンゲームも得意な両津勘吉が参加することになった高額商品を取る実物大の人間クレーンゲーム。
人がクレーンとなるこのゲームで両津勘吉が狙ったのはポルシェ。
RRの設計からフロントは軽いという計算からの選択でした。
ちなみに他の参加者でいちばんがんばったのは、軽自動車で車種はアルトのワークスでした。

・親父は強かった!の巻
両津勘吉の実家である歴史ある浅草の佃煮屋。
漫画の中では余り取り上げられないものの、歴史を考えれば結構な老舗のはず…と思っていたら、その雰囲気からテレビドラマのロケに使われることになりました。
映画のスタッフが人のぬくもりが感じられると評した柱に対する両津勘吉の感想は『わしにはただのきたないい柱にしか見えん』。
この作品の最後部で両津勘吉によるこち亀の実写化計画が出ていますが、両津:高倉 健、レイコ:マドンナ、中川:アーノルド・シュワルツェネガーという人選でした。

・盤上の熱き舞い!の巻
将棋に凝り始めた両津勘吉。
四人で将棋を打つなどの離れ業をしながらも勝利を重ねるが、どうしても部長には勝てない。そこで有名な棋士に弟子入りを志願するのだが…?

・激走機関車レース
機関車を改造してレースをするという変わった作品。
最後のどんでん返しの結末は?
尚、こういう作品では意外と珍しく、最後に賞金を獲得しています。

・星に願いを!の巻
意外に星に詳しい両津勘吉。
みんなに褒められて勢いづいて天体望遠鏡を買いに行くのだが、その天体望遠鏡で新しい彗星を見つけてしまう。
名付けて両津彗星
この彗星で金儲けを企んだ両津勘吉だが、意外な出来事からビジネスは失敗してしまう。

・晴天ひきうけます!の巻
草野球の助っ人で小遣い稼ぎをしていた両津勘吉にとって最大の敵は雨。ノーゲームになってしまうと『死活問題』だそうで、テントを使ったドーム球場を考案する。
それが高じて亀有商店街全体をドーム商店街へ作り変えてみたのだった…。

・翻堕羅拳スキー合宿の巻(前・後編)
修行の合宿と称したスキー旅行へ出たいつもの面々+翻堕羅拳。
しかし最終的な結論は『スキーはやはり温泉にかぎるね』。
妙な結論に行き着いている

・甘露を求めて!!の巻
ミネラルウオーターにビジネスチャンスを感じた両津勘吉は派出所の隣を掘り下げて井戸を掘ろうとする。ちなみにこの場所を選んだ理由は『人の土地を勝手に掘るわけにいかんだろ』。…派出所の土地も勝手に掘っちゃダメです。
そして最終的に出てきたのは…味噌汁?

・林間に燃えた商魂の巻
横に六人乗れるF40からはじまるインパクトたっぷりの軽井沢でのコテージを訪れた派出所の面々。嵐で道が寸断されたところへ両津勘吉は食料などを調達してくるのだが、やはりそこは彼らしく独裁的なビジネスを繰り広げる。
しかしその半面に人間の欲望が垣間見えるような、ちょっと社会派な風味を持った作品です。

クレーンゲームチャンピオン大会!の巻
先のクレーンゲームのチャンピオン大会です。
さらにパワーアップした内容にも、両津勘吉は対応して、ピラニアが入った水槽の中の賞品を取りに行く際には売れるという理由からピラニアも捕獲して戻ってきました。

・とっても便利な達筆くんの巻
字の汚さを指摘された両津勘吉は一念発起で様々な字体や他人の文字の書き方の癖を覚える機能を持った印刷機の開発を行う。
なかなか便利でオチもひょんなトラブルから発生はするものの、機械自体の機能を否定するものではないという、意外な成功作です。

・恐怖の剣道仮面!の巻
両津勘吉の才能の一つといえば、剣道などの武術。
今回はその腕を買われて交流戦に向かう事になる。
ちなみにここでマリアの剣道の技術も一流であることが発覚。大原部長意外に剣道で叩きのめされる両さんという珍しい風景が見られます。

・人気漫画化を目指せ!の巻
両津勘吉による地元出版社の救済事業。
漫画家が書く漫画家の話で、アマチュア漫画家の作品を商業ベースに乗せようと言う内容は、ネタであると同時に本人もこういうのがあれば面白そうだなぁと思っているのかな?と興味深く読める作品です。
ちなみに売れない出版社が返品になって困っていた本のタイトルは『世界のペン先』。
実に気になるタイトルです。

・水の中の忠治の巻
区営水族館の杮落としに参加することになった派出所の面々。
水槽の中で交通安全のキャンペーンと国方忠治の水中劇をする事になりました。これがなかなか面白そうです。
ちなみに給排気などを全て水槽外と繋いで水中を走らせたのは、これまたアルトワークス。この時期の筆者の好みでしょうか。

・バッカス両津!の巻
桜の季節の両津勘吉のアルバイト、場所取りと場の盛り上げ。
ちなみに前者のコツは玩具のうんちを用いたバリケード。
後者は豪快な酒の一気飲みなどを披露するもので、呑めば呑むほど元気になる様子を見た大原部長は『バッカスの生まれ変わり』だと呟いていました。

・省エネ大作戦!の巻
エアコンなどの家電の普及に伴い、寮でも電気代値上げの話が出ていた。
そこで両津勘吉は自家発電を検討する。
ソーラー電池や、ビル風を利用した風力発電、生活排水を利用した水力発電…。
ありとあらゆる発電方法で自給率100%以上を達成…そこで少し悪い虫が騒ぎ出すのだが?
様々な方法の全てがクリーンエネルギーである事も興味深い。














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