本の虫、中毒日記

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

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シャーロック・ホームズの恋/セナ・ジーター・ナスランド
あぁ、ホームズよ、きみもついに!自分でわかっていたかどうか知らないが、きみの行動は諮問探偵の枠を超えてしまった。心を奪われていたのだ

まず最初に断っておくが、ホームズはもうこの世にない』…こんな衝撃的なワトソンの発言からはじまる、ちょっと異色のホームズのパスティーシュです。
ベーカー街で探偵と医者が事件を追いかけていた当時から時は流れ、ホームズは天寿を全うしてこの世を去っていた。
一人残された相棒であるワトソンはベーカー街の、あの懐かしい下宿で暮らしていた。
このごろ彼を困らせていたのは、ホームズの幻影だった。
時には行き過ぎる人の中に、時には見上げた部屋に…、ことあるごとにホームズを見かけたような気分になり、慌てて駆け出す…そんな日々を過ごしていた。
ワトソンはこの亡霊を振り払う為に、自分の中でホームズと過ごした日々に決着をつける目的で、シャーロック・ホームズの伝記を記す事を思い立ったのだった…。

この辺りの描写、凄く寂しいです。
ホームズに関する書籍で、記録などからワトソンやホームズの没年まで推測した年表を見る事は珍しくないのですが、こうして『残された者』としての姿を見せられると、凄く寂しい。
年老いたハドスン夫人は視力を失い、ホームズが浮浪者の子供を集めた不正規隊のリーダーだったジャック・ウィギンズはホームズの助力で医者になっていたりと、その後の物語もそれらしく描かれています。

伝記の用意を始めたワトソンの元へ送られる警告…。
そして、部屋から奪われていく過去の事件を取り扱った資料。

それらを辿っていく内に、ワトソンはある事件、そしてある人物との出会いを描いた記録に行き着いた。
ホームズにバイオリンの指導を施し、そしてホームズ愛用のストラディヴァリウスを残していった人物、V・シーガスン。
発表されないままだったこの物語に、ホームズの残した日記を重ね合わせたとき…決して語られることの無かった『シャーロック・ホームズの恋』の物語が奏でられ始めた―。

ネタバレ等は続き以降で。


物語自体はよく出来ていると思いながらも、ワトソンはシーガスンが一流の楽団で演奏する為に男装をした女性である事も、ホームズとの想いをも知らないという設定のまま、事件をワトソンが記すという設定が少し苦しかったのか、ワトソン目線で見ると、シーガスンは少し気持ちの悪い男のようにさえ思えてしまいます。
事実、ホームズに抱きつくシーガスンの様子を見て、『いま目撃したことをどう解釈すべきか大いに混乱していた』と記しています。
そりゃ、そうだよなぁ。同居人が男と抱き合ってる姿なんて見たら身の危険を感じます、普通。

でも、こういう物語があってもいいなぁと思う。
死んでしまったと思った愛すべき女性―。
その思い出の籠もったバイオリンをいつまでも愛用し続けたホームズ。
ホームズが感情的に事件の解決に挑む様子も、なかなか面白かったです。
シーガスンがホームズの妹だったという事実により、お互いに離れていくことを決め、そして死を装った男装の麗人、シーガスン。
老いた彼女は『私の人生を返して欲しい』とワトソンに求めた。
二人で過ごした、僅かな時間を封印することではなく、解き放つ事―。
ワトソンが彼女の人生をこの世に解き放った、会心の一作です。

尚、ちょこっとだけ『あの女』も出てきます。
何しにきたん?と思いつつ、思いがけない衝撃のラスト。

女性はキミの領域だ
…そんなホームズの声が、聞こえたようなきがした。




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