赤川次郎さんが持つシリーズは多数。
この本の裏表紙によると、30年の作家人生で480冊以上の著作…だそうです。
定番の三毛猫ホームズなどは別として、どこから読み始めれば良いのか?という人も少なくないはず。
そういう方にお勧めなのが、シリーズ・キャラクター総登場短編集。短編集を集めたアンソロジーです。
『名探偵、大登場!』、『名探偵、大行進!』という先に出た短編集に続く、短編集最後となる第三作目で、こちらは先の二作に比べると、少しシチュエーションに癖のあるシリーズが取り上げられています。
短編五作目は『一億円もらったら』。
大金持ちになったものの、親類もいない宮島 勉。
彼は秘書の田ノ倉良介に自由な判断で一億円を渡す相手を選んで良いと告げたのである―それは、『そこに何かドラマがあること』を条件とした、慈善事業というよりは…そう、人間観察のゲームに近いものだったのである。
お金の使い道は本人の自由である。但し、使い道を決めたら報告を入れる義務を課される。
何らかの理由でお金を必要とする人に、そのままのお金を渡す…。
そのとき、人はどのように動くのだろうか?
この最初の相手に選ばれたのが『会釈する女』という原題で出版された今作。
いつも通勤途中で会釈をする中年男性と、若い女性。
ただそれだけの関係だった―が、あるひ女性は男性に悩みを打ち明ける。
それは父親が大金を使い込んだという話であり、もちろん男性にどうする事も出来ないし、女性もそれを望んでいなかった。しかし、そこへ提示された一億円。
このお金がやがてもたらす『最高の会釈』…。
そこには一億円の価値を超えた、人間ドラマがあった。
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