本の虫、中毒日記

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

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パンプルムース氏のおすすめ料理/マイケル・ボンド
くまのパディントン』の作者としても知られるイギリスを代表する児童文学の著者、マイケル・ボンドが発表した、元パリ警視庁刑事で今はグルメガイドの覆面調査員、パンプルムースと元警察犬で確かな味覚を持つ犬でもあるポムフリットの二人を主人公に据えた推理小説シリーズの第一作目がこの作品です。

推理小説とは言えど、『くまのパディトン』同様に魅力的且つ個性的な登場人物たちによって織り成される人間ドラマの魅力がたっぷり詰め込まれた作品なのです。
それを象徴するのが愛犬のホムフリット。
彼は現役時代は優秀な部類に入る警察犬だったものの国家予算の削減に際して『ところてん式』に押し出されてしまい、老犬ホームで余生を過ごさなければならない事になっていたのだが、時を同じくして中途体色をするパンプルムースによって飼い犬とされたのだ。
そしてその事に恩義を感じた彼は、飼い主に強い忠誠を誓う…彼曰く『このたぐいのことを、犬はそうそう忘れるものではない』そうです。
さっすが警察犬、忠犬ですねっ。

今回の事件では落下してきた人間によって二度も旅行用の家を潰されるという憂き目に遭いましたが、彼の人間じみていながらも『犬』から脱線していない物の考え方や行動は作品の中で非常に良いスパイスになっており、この辺りで存分にパディトンの作者としての実力を見せ付けてくれます。

事件は突然起こります。
あるホテルに宿泊し、その食事を採点する事になったパンプルムース。
彼にとってこれはライフワークであり、このホテルに泊まるのもいつもの事になっていた。
…しかし、この時は少し違っていた。グルメガイドでの最高評価である『赤鍋蓋』を二度取得し、最大の栄誉である三つ目の獲得を目指している…その評価なのだ。
だが違っていたのは、それだけではない。

パンプルムース氏に出された料理は、生首だったのだ。


もちろん、作り物。余り構ってもらえなかったことや、食事の続きが出てこないことに業を煮やしたポムフリットはそれを食べるが、美味しくはなく、どうやらこれは悪趣味な料理ではなく何らかの警告のようだった。
狙われているのは自分だという青年がいる。しかし一方でパンプルムース氏の身の回りでは異変が起き続けている。
一体全体、どうしたというのだ?

そして更に運の悪い事に、彼は『貞操』まで狙われる羽目になったのだ…。

ネタバレ等は続き以降で。


著者のマイケル・ボンドはこの作品の出版に際してペンネームを変えて出そうかと悩んだそうです。

その理由?と思われるのが、結構なエロス。
ひょんな事から貞操を狙われるパンプルムース、貞操を狙うホテルの奥さん。
二人の攻防戦は中々侮れない。
弱り果てたパンプルムースが取った手段は、某人形メーカーに特注で作らせた電池式の人形
そりゃ、パディトンの作者がこんな事を書いていると知れば少年少女の夢が崩れてしまう!?事もあるかもしれません。

ポムフリットの移動時用の犬小屋も、実は同じメーカーで作られたもので、なかなか犬と同泊できるホテルがない為に活用している物だが、それぞれに思惑はある様子。
飼い主のパンプルムースから言わせると、
ポムフリットは胃にもたれるものを食べたあと大きないびきをかく癖があり、愛し合っているとはいえ、ひとつ部屋を分け合うのが必ずしも幸せとはいえないのだった
飼い犬のポムフリットから言わせると、
夏の季節に家の中で寝るのは、ポムフリットの好みではなかった。(中略)いったん眠りはじめると、パンプルムース氏にはいびきをかく癖があった

非常によく似たコンビです。

しかし双方とも元々は警察にいただけあり、なかなかに調査は上手い。
特にポムフリットは銃を持った人間がいる気配を察知し、自らの主人を狙撃しようとしていた犯人を撃退するという活躍を見せている。

事件自体は、やはりパンプルムース氏は狙われていたものの、狙われるべき人間ではなかったのだった。狙っている人間が、狙わなければならない人間とは違うことに気づけなかったのだ。
そう、事件の冒頭で起こったある口論…多くの読者の中ではそれはまるで、今後始まる人間ドラマのスタートのように描かれ、発生した事件の中でうやむやになっていた出来事だっただろうが、全ては伏線通りに流れていたのだ。

ちなみに事件の合間合間でも、料理の採点は行われており、なんと不意の事故で入院する事になったパンプルムースは病院食の評価をしようと考えている始末。
ちなみにこの時に彼がいた療養施設の評価は『鶏肉を縛った紐のほうが、本体よりましなくらいだった』。

そして事件解決後も、二人は仲良く旅立っていく。
次なる採点をする為に。

新たな食事が近いことを感じたポムフリットは喜びを尻尾で表現する。
犬にとって、それ以上のしあわせはないのだった

あぁ、たまには何か美味い物でも食いに行きたいなぁ。
そんな風に思わせてくれる一冊です。





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