本の虫、中毒日記

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
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海軍条約文書/シャーロックホームズの回想 The Adventure of the Naval Treaty
ワトソンの学生時代の友人から、ホームズの助力を求める手紙が届いた。
手紙では詳しく述べられていないものの、その出来事から受けたショックは相当なもので、友人は九週間もの長期間に渡って病に伏し、そして尚ようやく回復しつつある…そんな状態だという。

手紙の人物は『おたまじゃくし』のフェルプスと名乗ってワトソンの記憶に訴えかけていた。
もちろん、ワトソンは彼の名前を覚えていた。
年齢は余り変わらないものの、非常に優秀な少年で、学年もワトソンよりも二つ上だった。そして親戚に政治家が居るツテもあり、いまや外務省でかなりのポストについている人物だ。

尚、そういう少年ではあったものの、ワトソンの記憶にあるのは運動場で追い回した挙句、クリケット(イギリス発祥で、野球の原型とも言われる競技)のバットで向う脛(弁慶の泣き所!!)をひっぱたいて面白がっていたのだった。
悪質ないじめじゃないですか!
そして現在は医者という地位についたかつてのいじめっ子は淡々と『彼の事はすっかり忘れていた』と語る。ワトソン、意外と冷酷である。

この事件を伝える為にホームズを訪ねたワトソンだが、ホームズは丁度研究中。待ってもらう間に煙草を勧めるのだが、置き場所はペルシャスリッパの中。
名探偵は相変わらずの日々を過ごしていたのだった―。

事件の概要は以下の通り。
依頼人が仕事場に一人で残って重要な海軍条約を模写していたところ、急に眠気に誘われてコーヒーを小使に頼んだのだが、なかなかコーヒーが来ない。不審に思って様子を見に向かったところ、小使は沸騰したコーヒーの傍で居眠りをしていた。
依頼人は彼を起こそうとしたのだが、その時…誰も居ないはずの自室でベルが鳴り響いたのだった。
そして、彼が戻った時…重要な文書は忽然と姿を消していたのだった。

ネタバレ等は続き以降で。


この事件の中で、珍しく花を賛美するホームズなど、名探偵の人間的な一面が見れます。
最初はコケバラを見て、『神の恩寵の最高の証』と語り、また公立の小学校は『灯台』だと称した。その理由は学校から未来のイギリスを担う人材が飛び出してくる為…。
ワトソンも舌を巻くような詩的な表現の数々です。

また事件の調査に出るのに、本業が暇だから大丈夫だという事を言いかけたワトソンだが、『僕は本業の方が―』とまで言った時点でホームズから『僕の事件より君の患者の方が興味があるというんなら―』と不機嫌に返事をしています。
わがままだな、名探偵。
寧ろホームズの立場なら、患者を優先することを勧めるべきではないのだろうか。

そして極めつけは、ラストシーン…。

ホームズは依頼人とワトソンの三人で一旦ロンドンへ戻るように見せかけるが、突然駅で二人をおいて調査へ戻っていってしまった。
ちなみにホームズはこの時、『君達は昔の学校仲間だから話題には困らないだろう』と告げたものの、本文の冒頭から察するに昔のいじめっ子といじめられっ子の関係であり、話題は非常に気まずくなるような気が…。

病が完治していないことや、極度の不安からか、ワトソンに何度もホームズの能力を確認し、そして布団には潜った物の依頼人は眠れぬ夜を過ごした様子だった。
翌朝、依頼人はホームズの戻りを気にしており、ワトソンは『約束の時間には、必ず戻るよ』と答えたものの、ホームズの時間のルーズさを知っているワトソンは内心ヒヤヒヤした事でしょう。

そして珍しく時間通りにホームズが戻ってきたとき、ワトソンたちは調査が上手く行かなかったのだろうと察した。
それほどにホームズの顔色は青ざめ、腕には包帯さえ巻いてあったのだ…。

ホームズは報告に先立ち、朝食を取ることを提案した。
依頼人はとても食事どころではなかった…。しかし、ホームズに急かされる形で料理の蓋を取り上げた時、そこには喪失していた文書が戻されていたのである。

家に帰ってから、二階の部屋へ戻ってくるまでに多少時間があった―。
ホームズの茶目っ気のあるトリックが記された一行でした。




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