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Fujisaki

Author:Fujisaki

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本の虫、中毒日記
読書感想文、乱発中。
上海氏の蒐集品/横溝正史
幻の『死仮面』と同時収録が横溝正史さんの絶筆!という事で楽しみに読んでみました。

…で、唐突なのですが。
横溝正史さんの絶筆と思って読んでいたのですが、よく調べてみると絶筆ではなくて未発表のままにされていた作品というのが正しいようで、書かれた時期は昭和40年代と推測されていました。
横溝正史さんは昭和56年にお亡くなりになったので、絶筆ではないですねー。
寧ろ人気低迷期の作品ですね。

この作品は金田一耕助などのシリーズではなく、単発の作品です。
主人公は戦争で記憶を失った上海太郎氏。
この名前も自分の名前さえも覚えておらず、仮に与えられたものです。
彼は絵を描くのが得意だったので画家として生活していた。
そこである少女と出会った彼は、徐々に変化していく町並み、そして彼女と母である未亡人の生活の変化を見つめ続けるのだった…。


この作品を見て感じたのは、社会派の作品だなーという事です。
前述の低迷期は社会派のブームに押されてのものだったと聞きますが、横溝正史さんも時流に乗った作品を作られたということなのでしょうか。
一応、推理小説に分類されるものですがトリックやシチュエーションの特異性で描くものではなく、犯罪に至った人々の心理状態などが中心に描かれている点で、他の作品と少し毛色が違う感じがある作品だと思います。

ただ最後のどんでん返しは、横溝正史さんらしい感じがしますね。



テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学


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