本の虫、中毒日記

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Fujisaki

Author:Fujisaki

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死仮面/横溝正史
金田一耕助シリーズの岡山編から、死仮面を読んでみました。
岡山編とは言うものの、『八つ墓村』の事件を解決した金田一耕助が挨拶しに行っていた磯川警部から聞かされた岡山の事件が発端となる、ほぼ東京を舞台とした殺人事件です。

□ あらすじ
ある男の、行きずりの女性との出会いと悲しい別れが記された供述書から事件は始まります。
彫刻家の男は体調を崩していた女性を自らの家に連れて帰り、看病をしてやっている内に深い関係となった。
しかし女性はそのまま死んでしまうのだが、最後に自分のデスマスクを作り、東京へ送って欲しいと願ったのである。
男性はその願い通りにしてやったのだが、死体をそのまま家に置き続けたのでやがて事件となった。
警察は彼を逮捕しようとしたが、旭川に飛び込んでそのまま行方不明になってしまったのだった…。
そして東京で、そのデスマスクを受け取った家族の下には異変が起こっていた。
殺人、そしてもう無い筈のデスマスクが再び送られてきたのであった…。


□ 幻の作品
この死仮面は作品上の設定と同様に八つ墓村と同時期に連載されていた作品なのだそうです。
しかし書籍化はされないまま、横溝正史さんの晩年から収集が行われ、死後にようやく単行本になったのだそうです。
ただし要注意なのは、この死仮面は二つあるのです。
一つは完全オリジナルの横溝正史さんの作品で、もう一つは最初に作品を確認した際に見つからなかった連載時の第四回分の部分を、別の方が書いたものです。
もう一つはその後に見つかったオリジナルの第四回分を入れて作られた完全版ともいえるものです。
今回僕が読んだのは角川文庫から出た方で、読んだ後で知ったのですがこちらは前者の欠けた部分を作り直したバージョンです。
ちょっとがっかりしましたが、実はもう一つ『上海氏の蒐集品』という作品が収録されています。
こちらは横溝正史さん、最後の作品なのだとか。
完全版となる死仮面には収録されていないようなので、ちょっと嬉しいかも(笑)。

□ 感想
発表された当時としては幻の作品という話題性もあったのかもしれませんが、ずっと後から読む僕にとっては読み終わってから、そうなんだと知ったので希少性を知らないまま読みました。
ネットで調べてみたところ発表されなかったのは著者が余り好きではない作品ではなかったという事なのだそうです。
他の作品と比べて特にどうこうという事も無く、横溝正史さんの作品らしい、多少の恐怖や意外性も含み、また第三者から見た金田一耕助のキャラクターと言うのも良く強調されていて面白い作品だと思います。
ただデスマスクはこの作品の肝となるアイテムですが、実はこんなものを作る必要はなかったんじゃないかと思うのですが…どうなのでしょう(笑)。




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