本の虫、中毒日記

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Fujisaki

Author:Fujisaki

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京都の祭に人が死ぬ/山村美沙
山村美沙さんのミステリーを久し振りに読んでみました。
久し振りついでに、僕としては珍しくキャサリンシリーズ以外を読んでみました。

□ お祭を舞台にした殺人
今作、京都の祭に人が死ぬは、タイトルにもある通り京都のお祭を舞台とした短編集です。
お祭自体がトリックに用いられたり、情景として用いられたり…。
読んでいて情緒溢れる作品が揃っています。
…まぁ、どの作品でも人が死ぬんですけど
○○シリーズといった形にカテゴライズされる作品ではありませんが、女流推理作家の矢村麻沙子が登場する作品が多いので、彼女のファンは必読でしょう♪
余談ですが矢村麻沙子はきっと山村美沙さんご自身がモデルなのでしょうねぇ…。
他に俳優さんもよく登場するのですが、名前はもじったような名前が多く、「あの人だろうな」などと想像してほくそ笑むのも面白いかもしれません。
では、各作品のあらすじは以下で。

□ 華やかな殺意
城南宮で行われる曲水の宴が舞台となる作品です。
庭園を流れる小川へ酒を満たした盃を流し、その盃が自分のところに来るまでの間に歌を一首つくり、その盃を取って飲み干す…という催しです。
歌が出来ていない場合は盃を取らず、下流にいる人へと回っていくというシステムなのですが、この盃を飲んだ一人が青酸カリで毒殺されてしまった。
犯人は誰が飲むか判らない筈の盃を、どうやって特定の相手に飲ませることに成功したのだろうか…。

□ 祇園祭殺人事件
祇園祭の長刀鉾が舞台となった作品です。
長刀鉾の稚児となった俳優の息子は実は誘拐されていた。
犯人がそのような目立つ舞台を控えた子どもを誘拐した理由とは…?
…本編上、余り必要とは思えない死人が出ているのは内緒です。

□ くらやみ祭りに人が死ぬ
くらやみ祭りとは宇治の県神社の祭りの事だそうで、今回はこちらが舞台です。
著者には珍しく、最初から犯人目線で描かれている作品です。
短編と言う制約の為か、それとも著者が不慣れだったのか、警察と犯人の行き詰まる攻防戦という感じではなく、ちょっとコミカルな感じさえ漂う作品です。
理詰めにすれば素人の犯罪なんてすぐ暴かれちゃうんですよという趣の事件でした。

□ 鞍馬の火祭り
借金取りから逃げる為に鞍馬の火祭りの日に紛れて、取立て屋を焼き殺した犯人のその後の人生を描いた作品です。
新たに奪った戸籍…しかし、その戸籍の本来の持ち主に気づかれない為に悪戦苦闘しなければならない…。
山村美沙さんの作品は京都を舞台とする事が多いせいか、登場人物は誰もスマートな感じが多いのですが、この作品の主人公たちは非常に人間臭く生きています。
誰かに成りすますことの難しさを描いた作品です。

□ なぜあなたは京都で死ぬの
この作品はお祭りは関係ないようですね…。
自殺に見せかけられた死を、お茶の作法で解き明かすという作品です。
そういえばFCゲームの『京都・花の密室殺人事件』でもそういったトリックがありましたっけ。

□ 鬼法楽殺人事件
京都廬山寺の鬼法楽が舞台です。
この豆まきに登場した女優が死に、そして続けて男優も死んでしまいます。
間違えて殺してしまった…という、結構推理小説では禁断の手法のような気がするのですが…。
ペアのセーターが三枚…という、愛憎入り混じる設定が、山村美沙さんらしいような気がします。
愛云々は…ちょっと難しかったかなぁ。(←読んだら判ります♪)

□ 時代祭に人が死ぬ
時代劇のような衣装を身にまとい、町中を練り歩く時代祭が舞台となった作品です。
市長が殺され、そして続けて静御前が殺される。
っていうか、市長の乗った車が爆破された時点でお祭り、やめましょうよ

□ 感想
お祭りの概要を呼んでいるだけでも楽しめる一冊です。
ただ人が殺されたのにお祭り、続くんだーとか、ちょっと思うところはあります。
後、青酸カリ多いですねー。
短いながらも、どれも山村美沙さんらしい作品になっているのはお見事です。
後、長編と違いとしてラストシーンが挙げられます。
長編の場合は山村美沙さんの場合は一番しんみりさせると言うか、女王らしい美しいラストシーンを描くのですが、短編では謎解きのキーとなる一言を投げかけて終わらせてみたり、読後感に凄く違いがあります。
ちょっと山村美沙さんの印象が変わった一冊でした。




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