本の虫、中毒日記

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Fujisaki

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新世紀GPXサイバーフォーミュラ
“いつか”なんて日が来るんですか?挑まぬ者のカレンダーに

久し振りにDVDで観たのが、この新世紀GPXサイバーフォーミュラ。
日本テレビ系列でTVアニメ化され、様々なメディア展開をしながら本編が10年も続いた日本のレースアニメの金字塔の一つとも言える作品です。

□ あらすじ
時代は近未来、従来のガソリンカーから無公害の車が開発され、レースの世界では車自身が状況判断をして運転手を補佐するサイバーシステムが搭載された『サイバーフォーミュラ』が人気を博すようになっていた。
主人公の風見ハヤトは、ある一台のレースマシーンをサーキットへ届けるのに同行していた。
そのマシーンこそ、サイバーフォーミュラのシステムの中でも画期的な人工知能を搭載したアスラーダだった。
しかしその優れたシステムゆえに、アスラーダは軍事転用を目論む組織に追われていたのである。
移送中にも襲撃を受けてしまい、なんとか車を無事にサーキットへ届けようと風見ハヤトは自らハンドルを握り、命からがら走り続けた。
無事に車を届けることは出来たものの、なんとアスラーダはスゴウのレーサーではなく、最初にハンドルを握った風見ハヤトのみをドライバーとして認証してしまった。
自身も責任を感じた風見ハヤトは、仕方なくドライバーとしての参戦をする事になる。
こうしてサーキットの若き帝王と呼ばれるようになる、彼の長いサイバーフォーミュラでの戦いが始まるのだった…。


□ TVシリーズ
全ての原点となる作品です。
あらすじにも書いた事情からレースへ参戦する事になった風見ハヤト。
しかし幾ら優れたシステムを搭載しているとは言えど、これまで車よりもバイクが好きだった少年にプロとしてのレースは非常に厳しいものがあった。
特にはくじけ、特には周囲に当たり、そして時には自身に失望し…。
それでも徐々にカーレースの世界、そしてサイバーフォーミュラの魅力に取り込まれていく姿が描かれています。
様々なレーサーとの交流も描かれており、本編であるレース以外の部分でも見所が多い作品です。
父の死や、勝利の喜び、敗北の屈辱を乗り越えながら成長していく風見ハヤト、そしてエリートコースを進みながらも苦戦し、苦悶する新条直輝といった魅力的なレーサー達に魅了される作品です。
以降のシリーズにも登場するメインのドライバーはほぼこのTVシリーズで出揃っています。

後にOVAで展開されていくと、作品数が絞られてしまう為にサイドストーリーが豊富という点ではCDドラマかこのテレビシリーズが最良ですね。
テーマソングを歌っていたG-Gripのメンバーも実際のバンドとして登場したりしてましたね。

□ 新世紀GPXサイバーフォーミュラ11
テレビシリーズの次のシリーズが展開される作品です。
ダブルワンは勿論『連覇』の道です。
しかし前作においてマシーンの性能を見せ付けたスゴウですが、それに伴い他のチームもマシーンスペックを上げてきているために、非常に苦戦を強いられます。
チャンピオンらしい戦いをしなければならないと自分を追い詰める風見ハヤトは周囲にきつく当たってしまいます。

また前作でアスラーダを守る為に素性を隠して参戦していたナイト・シューマッハが非常に挑戦的な態度でレースへ復帰してきます。
またチーム内にはアスラーダの開発に携わったクレアが、城之内みきの居場所を奪いかねないほどの鋭さで車の状態を観察、風見ハヤトのサポートをしていた。
前作ではテレビアニメらしい綺麗ごとでレースを勝ち上っていったのに対し、リアルなレースの厳しさが伝わってくる作品です。
この作品で風見ハヤトは後々まで必殺技として使い続けるドリフトの技術を手に入れます。
ドライバーは勿論、メカニック、マシーン、作戦…。
レースに携わる人間全ての向上心がなければ勝ち続けられない、厳しい勝負の世界が描かれた作品です。

□ 新世紀GPX サイバーフォーミュラZERO
シリーズの分岐点ともなる作品です。
順調に優勝を目指していたシーズンの途中で、異様な感覚に捕らわれた風見ハヤトはランドルを巻き込んで大きなクラッシュを起こしてしまう。
二人とも命に別状は無かったものの、ランドルは顔に大きな傷を残し家族の意向によりレーサーを引退、そして風見ハヤトも事故の際の精神的なトラウマからレースの世界から身を引くことを決意した。
この引退の時期に風見ハヤトは菅生あすかとの結婚を決めています。
しかしレースから離れた平穏な日々を望むハヤトはレースの際に捕らわれた感覚に苦しめられ、精神的に復調できない毎日を送っていた。
事故のトラウマに恐れる自分を振り切るため、そして何よりもレーサーとしての自分を取り戻すため、彼はレースの世界への復帰を決めます。
しかし、どうしてもブーストレバーを押す事が出来ずに、苦戦を強いられるのだった…。

この作品で鍵となる、ハヤトが捕らわれた異様な感覚は後に『ゼロの領域』と呼ばれます。
同じサンライズの作品であるガンダムに登場するニュータイプのような感覚で、レースの先の展開が予想できたり、他のレーサーの感情が伝わってきたりする超能力のような力です。
面白いもので同じ時期に展開されていたガンダムWの方では、機械的なシステムとしての『ゼロシステム』が搭載されていました。

ブーストをどうしてもオンに出来ない風見ハヤトへ、レース復帰に際して決別していた菅生あすかが、『もしも今、その力がほんの少し足りないなら私の力を貸してあげる』と言い、風見ハヤトを勇気付けるのはシリーズ中でも屈指の名シーンではないでしょうか。
またこの作品では私的な事情とは言えど、風見ハヤトを恨むアンリというキャラクターも登場し、彼の前に立ちふさがります。
アンリの子供っぽさを見て自省したのか、事故で成長したのか…周囲へ当り散らすことが少なくなってきた作品です。

□ 新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA
シリーズとしてはゼロの続編ですが、少し雰囲気が違った作品です。
作品の冒頭が1シーズンの終わりなのですが、ジャッキー・グーデリアンの乗る画期的なデザインを採用したシュティールが優勝を決めます。
全てのチームにとってマシーンの性能アップが課題となる大会となります。
この作品の中で風見ハヤトは一度、アスラーダを降ります。
システムの難しいアスラーダは開発が遅れていた為、先に仕上がっていたアンリ用のガーランドを使用する事にしたのです。
そして参戦したシーズンで結果を残したのは風見ハヤトでも、先のチャンピオンであるクーデリアンでもなく、アオイの新人フィル・フリッツが乗るアルザードだった。
脅威とも言える完璧な走りを見せるアルザードとドライバーの秘密とは…?

この作品ではドライバーの有無を考えさせられます。
サイバーフォーミュラというシステム自体、突き詰めれば運転手不要論になるのではないか、と。
物語としては未熟なシステム、レギュレーションなどの問題もあり結論は出ていませんが、将来的にはメカニックだけがレースの世界へ残るような時代も来るのかもしれませんね。
でもレースの世界を熱くしてくれるのは、生身の人間同士の戦いであると信じたいものです。

ところでこの作品ではアンリが風見ハヤトフリークになっています。
ちょっと危険な世界を感じさせるほどの転身ぶりは見ていて微笑ましいくらいです。
また菅生あすかが医者を志してチームと完全に帯同しているわけではない状況下からか、レースクィーンが新たに雇用されているのもみどころ(?)です。

□ 新世紀GPXサイバーフォーミュラSIN
シリーズ最終話となる作品です。
これ以降の映像作品は出ておらず、ゲームでそれ以降が描かれている作品があるものの、ストーリーは非公式扱いになっているようです。
物語の中心になるのはSAGAの出来事で一年間出場停止になっていたアオイチームです。
なので時期はSAGAのシーズンから1シーズン経過した後です。
本編では余り触れられないこのシーズンを制したのは風見ハヤトで、二回目の連覇を成し遂げています。
一年のブランクや運営主体の経営の問題などから、チームに存続の危機が訪れています。
新型の開発が出来ない上に、成績を残せない場合は解散もありうる状況でのシーズンとなります。
そこへもたらされた一台のニューマシーン、凰呀。
この曰くつきのマシーンで、ブリード加賀と風見ハヤト、ゼロの領域で走る二人のドライバーの決着が付けられます。

ちなみにDVD版でエンディングが少し延長されて、SINのシーズン後のキャラクター達の後日談が描かれています。
風見ハヤトは菅生アスカと無事に結婚。
ZEROから続く長い婚約期間でしたが、2022年の結婚であれば本人が21歳、菅生あすかは23歳の若いカップルですね♪
ブリード加賀は髪型を戻し、気ままなバイクの旅へ、彼のポジションが空いている為に新条直輝はアオイへ復帰。
やっぱり続編見たいなぁ…なんて(笑)。

映像シリーズは以上ですね。
小説版、CD版などはまたちょこちょこと個別の記事で紹介できればと思っています。




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