本の虫、中毒日記

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Fujisaki

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車井戸はなぜ軋る/横溝正史
本陣殺人事件と一緒に収録されていた車井戸はなぜ軋るを読んでみました。

この作品、本陣殺人事件に出てきたのでてっきり金田一耕助シリーズなんだと思っていましたが、元々は別のシリーズとして描かれた作品に、後から登場シーンが付け加えられたというものなのだそうです。
それもそのはず、本編は事件に関わった人々の手記、手紙、そして新聞記事で構成されていて、その中には探偵らしいキャラクターは登場しないのです。

□ あらすじ
時代は戦時中。
かつてはいずれ劣らず栄えた三つの家があった。
しかしその内の二つの家は没落して、本位田という家のみが栄え続けていた。
二つの家は本位田の家より借金をするなどしていた。
そんなある時、没落した家の内、秋月家に生まれた子供にある異変があった。
秋月家の家主は病んでおり、本位田の家からの援助で食いつないでいるような状態だったのだが、そんな家に子供が生まれた。
そして、その子供は偶然にも同時期に生まれた本位田の家の息子とそっくりで、更に本位田家の特徴である二重瞳孔までも備わっていたのである。
そして戦火は勢いを増し、秋月と本位田に生まれた二人は同じ戦地へと向かうことになるのだった。
終戦後、秋月家の長男は死んでしまい、失明しながらも一人生き残ってきたのは本位田家の長男、本位田大助だった。
しかし、彼は戦争の前と様子が違っていた…。


□ 感想
探偵役には本位田家の長女、本位田鶴代が登場します。
彼女は次男であり体が悪く療養所へ入っている慎吉へ向けて手紙を書く習慣を持っており、その手紙と言う形式を取って事件の進展を伝えてくれます。
登場人物の一人称による叙述トリックの範疇になる作品なのではないでしょうか。
凄く王道の展開をしているように見えて、実はちょっと違う展開を見せます。
叙述トリックの作りもそうですが、古い時代の作品なのでストレートで来るだろうと思いながら読んでしまった僕は引っかかってしまいましたよ。

ネタバレ等は続き以降で。



□ 本人がそうだと言ってるんだから。
叙述トリックとして、まず本位田大助が秋月家の長男と入れ替わっているという方向にミスリードされます。
失明によって義眼を入れていること、そして大助が家族や妻とさえろくすっぽコミュニケーションを取らないこと、何かを疑うようなそぶりを見せること…。
あぁ、コレは二重瞳孔という特徴以外はそっくりな二人の入れ替わりだなと思い込んでしまうと、著者の術中です。
本人が本位田大助だと言っているんだから信じればよかったのです。
そして尚且つ、本位田大助は妻と同時期に殺されてしまいますが、彼は被害者だけでなく、加害者でも有りました。
短い間隔で二人の人間が死ぬと『連続殺人事件』だと思い込んでしまいますが、これは連続して起こった殺人事件というだけの可能性もあるのです。

紐解けば、込み入った叙述トリックではなく、結構シンプルというか、大胆な叙述トリックなのですが、意外と引っかかってしまいますねー。
判り易さという点では、叙述トリックとは?と言う質問があれば、この作品をお勧めしてもいいかもしれません。
僕が好きな叙述トリックには『殺戮にいたる病』がありますが、あちらは手が込みすぎていて、トリックを明かしても釈然と出来ない人もいるようですし、こちらの方が判りやすいでしょうね♪
※ちなみに映像化作品でも金田一耕助シリーズとして登場しています。タイトルは『水神村伝説殺人事件』です。





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