本の虫、中毒日記

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

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ショスコム・オールド・ブレース-The Adventure of Shoscombe Old Place-/シャーロック・ホームズの事件簿
ぼくの関心事は、他の全ての善良な市民諸君と同じこと―すなわち法を維持することにあります。決して"きさまの知ったことじゃない"では済まされない

ワトソンが競馬の事に詳しいことが発覚した事件です。
…別にワトソンが競馬に詳しいから事件が起こったのではないので、念のため。

なんとワトソンは『傷病年金の半分をそれつぎこんでるくらいだから』というほど詳しいそうです。
幾ら判りやすい表現だからって、傷病年金の半分を…なんて言い方をしなくてもいいのに…。
ホームズの新しい事件は競馬に関するものだったので、ホームズは『だったら、これから僕の簡易競馬便覧になってもらおう』と、ワトソンに質問をします。
そして、詳しい
調教師の家庭事情にまで精通しており、ホームズへ詳しい情報を提供します。
この医者、相当はまってるぞ!

ショスコム荘に住む調教師のロバート卿は、大きな屋敷に住んでいたがその名義は自分の物ではなく、仲の良い妹のもので、妹が死んでしまうと妹の死んだ夫の家系に全てが帰属する事になっていた。
自分はといえば借金に首が回らない状況で、次のレースで勝たなければ全てを失ってしまうような状況だった。
しかし次のレースに出る馬は、世間的には全くの無名だが非常に優れた馬だった。
そこでロバート卿は有り金を全てつぎ込んで次のレースに備えていたのだが、屋敷ではおかしなことが起こっていた。
ロバート卿と仲の良かった妹の関係がおかしくなっていたのである。
その以上は主に妹に起こっていた。
いつも面倒を見ていた馬の元を訪れなくなり、またロバート卿は彼女が大切にしていたスパニエルを近くで旅館を営んでいる家に譲り渡してしまったのである。
また兄との関係もおかしく、今まで必ず妹の部屋を訪れていた習慣が途絶え、そして妹はお酒におぼれるようになってしまった。
そしてロバート卿は古い礼拝堂で何者かと落ち合い、1,000年も昔の死体を掘り返していたというのである…。


この事件、ワトソンの活躍の場が多いんですよ♪
最初は競馬に関する情報をホームズへ指南、そして暖炉から出てきた骨を『解剖学上の初見は紛れもなかった』とし、人骨であることやその部位までを断言して見せます。

ホームズとワトソンはスパニエルを譲ったという旅館に釣り客を装って滞在します。
随分と田舎だったようで、『お声がなければ通過します駅』という駅で下車しています。
釣りの名所だったようで、ワトソン曰く『目をむくほど沢山の』釣具が見られたようです。
ちなみにワトソンたちが怪しまれないように、釣り人を装って宿へ泊まったときの名目は『近隣一帯の淡水魚を根絶やしにしようという計画』でした。
釣りぐらいで大げさな…。

さて。
僕が読んだホームズの事件簿は、この後に隠居絵具師の事件が登場するのですが、ドイルが書いた順番で言うと、この事件はドイルの手による最後のホームズシリーズ作品です。
なんだかいつもより活躍するワトソン、そしてリラックスして旅行ついでのような感じで現地へ赴くホームズ、ワトソンの姿を見ていると、長く活躍し続けたキャラクターをいたわるドイルの姿が思い浮かぶような気がしました。

ネタバレ等は続き以降で。



犬が吠えないトリックというのは、ホームズシリーズで偶然にも同じように馬が題材になっていた白銀号事件で披露されたものですが、今回はここから派生したトリックが出てきます。
それが慣れているはずの犬が噛み付くというものでした。
この行為で全てが明らかになるんですね。

急な妹の死。
これは自然死です。
しかしロバート卿はその事実を隠匿しなければならなかった。
それは妹の財産が自分の手元からはなれ、債権者が一気に押し寄せて肝心の馬まで奪われてしまう危険性があったからだった。
木の枝を隠すなら森の中、死体を隠すのであれば…という事ですね。
妹さんが急に変わったように見えたのは、死んでいないように見せるためにしていたから。
犬を引き離したのは、妹が別人だと気付いてしまう為…でした。

吠える犬の推理、とでも命名したくなる作品ですね。




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