表紙には『確かな史料に基づいた、最も事実に近い本当の忠臣蔵!』とのキャッチコピーが記してあるので、さぞかし小難しい内容の本だろうと思って手に取った忠臣蔵の史実集です。
…で、開いて最初に出てくるのがウサギ。
表紙だけすりかえられてるのかと思った。
この本、忠臣蔵について勉強しようとしているウサギ(モコちゃん)と、講師の一対一による会話スタイルで忠臣蔵について勉強する内容。
最も事実に近いはずの本が、これまでに読んだ忠臣蔵についての史料の中で最もフランクな雰囲気の本だった…!
しかも、ウサギ。
ただ、この本は意外に侮れない。
史料の選び方も、『後の時代に成立したものは、いくら面白くても信頼できないんだ』とバッサリ。
その上で信頼できる史料を日記や手紙、同時代の人が書いた覚書であると切り捨てる。
するとウサギも『やっぱり一番事実に近い話が聞きたいもん』とのたまう。
このウサギ、なかなか侮れない。
内容は忠臣蔵の出来事についての解説+その時代の背後関係など。
意外と忠臣蔵以外の部分に対する言及、冒頭部で言えば武士の身分の上下関係や吉良の名前が実は地位を指すモノである事といったような事も説明したり、後半では切腹の手順を説明したり、当時の武士の生活を知るための歴史の教科書としても興味深い内容です。
史料重視の姿勢で、ズバズバと諸説を一蹴したり、本の雰囲気と比べると不釣合いなほど本格的な内容です。
ただウサギをどう捕らえるか…。微妙に気持ちの高ぶりをそがれるような機会も多々。
吉良邸討ち入りでは『なんか僕、じ――んときちゃった』との感想…こいつ、オスだったのか。
イラストも多く、地図や写真、年表に四十七士が討ち入りの際に装着していた黒の小袖や武器、松明などもイラストつきなので、読んでいて想像しやすいです。
ちなみに堀部安兵衛の正しい読み方はほりえやすびょうえ…だそうです。
妙なところで厳しいんだ、このウサギと講師。
ちなみにウサギのイラストを描いている八木泉美(イラストはウサギ、本人はヤギ。)さんと著者の山本博文さんは実際に大学の先生と生徒さんだったそうです。
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