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Fujisaki

Author:Fujisaki

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本の虫、中毒日記
読書感想文、乱発中。
ワトスン、事件を解決す/スティーヴン・キング(シャーロック・ホームズの新冒険 下)
きみはすばらしいよ、ワトソン!

ホームズの生誕百周年記念で作られた作品だけに、豪華メンバーの参加が見られるこの作品集。
短編としては最後の作品となりましたが、最後はなんとミステリー作家の超売れっ子として知られる(日本ではグリーン・マイルやスタンド・バイ・ミーが有名でしょうか)スティーヴン・キングが贋作ホームズを描いて見せます。

しかも。
今回の作品はタイトルそのまま、ワトソンが事件を解決するというお話しなのです。
スティーヴン・キングらしい心理描写によって、探偵が犯人を言い当てるという行為に伴う感情を深く掘り下げて描いているのが興味深い作品です。
犯人を言い当てるという行為は、ホームズは慣れると言い切ったものの、そういう職業に就いていない人にとっては、非常にプレッシャーや罪悪感のようなものが伴うものなのではないでしょうか。
ワトソンはたった一度の自らが解決した事件を誇らしく思うのではなく、苦しくさえ感じていたようです。

その辺りの描写の仕方については、やはり著者は上手いですよね。
キングの描く人の心理というのは、ホラーから出発したものなのでしょうが、人の心をしっかりえぐっていきます。

ネタバレ等は続き以降で。


ところでこの事件でホームズが事件を解決できなかった理由は一つあります。
ホームズ自身が間違えた方向に推理を進めてしまったとかという理由ではなく、単純に猫屋敷のようになっていた部屋の中でアレルギーの症状が出て涙で良く見えていなかったという事が原因だったようです。
この辺り、ちょっとホームズファンに良いように仕上げてくれているのが憎い感じですね。

トリック自体も、『え、可能なの?』という、ちょっと著者のカラーが強すぎるくらいのものですが、なかなか面白くて…、寧ろスティーヴン・キングのオリジナルで推理小説を読んでみたいなんて思いました。



テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学


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