本の虫、中毒日記

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
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マザリンの宝石/シャーロック・ホームズの事件簿
シャーロック・ホームズのシリーズ中、三人称の物語は意外と少なく僅か二編のみです。
その貴重な作品の一つが、このマザリンの宝石です。
もう一つは物語を時系列で見た時に最後の事件となる『最後の挨拶』です。
ワトソンの語りではないという点でも違和感の有る作品ですが、この作品にはもう一つ変わった特徴があります。
実はこの作品は演劇作品の為に作られたものが小説へ転用されているのだそうです。

なのでよく見てみると、劇場の一つの場面上で全ての物語が完結するようになっています。
コナン・ドイルは生前より、自身の作品の舞台化などには積極的だったそうなので、そういったドイルの情熱も含めて楽しめる作品になっているといえるのではないでしょうか。

ワトソンは久し振りにベイカー街のホームズの部屋を訪れていた。
給仕のビリーによると、ホームズは今大きな事件に取っ掛かりきりになっており、毎日変装しては外出していくという。
その事件というのは世間を騒がしていた宝冠ダイヤモンドの盗難事件だった。
首相や内相がじきじきに依頼に来たという事件だったという。
非常に危険な事件である為に、ホームズはかつて用いた手法である人形を室内へ用意していた…。


人形ネタはワトソンが『前にも一度、おなじようなのを使った事があるよ』と言った通り、二度目です。
かつてホームズの復活が描かれた『空き家の冒険』で使われたものですね。
ワトソンの来訪は随分と久し振りだったのか、ホームズはやけにワトソンに懐かしそうな口ぶりで話しかけます。
炭酸水製造機も、葉巻も、もとの場所にある。君も昔よくかけていたあの肘掛け椅子、あれに座って見せてくれないか
ホームズにとってはワトソンのいてくれた日常が懐かしく、あるべき日常になっていたんだなぁ…と、しんみり感じさせてくれるひと言です。
まぁ、炭酸水製造機や葉巻と同列で語るのもどうかと思いますが。

ところでこの事件中、ホームズはタバコを食事代わりにしていたそうです。
食事の時間を確認しようとするハドソン婦人に対して、『七時半だ。明後日の』という、すさまじい返答をしています。
以前より見られた、ホームズの食事を抜く習慣ですが、この作品中ではその理由が語られています。
腹が減っている時の方が、頭が冴えるからさ。(中略)消化作用に血を取られれば、それだけ頭の方は血の巡りが悪くなる』との事です。
…本当なのか?この理論。

ネタバレ等は続き以降で。


しかしワトソンの出番は少なめで、この後は通報係りに任命されます。
危険を察したワトソンは忙しいのを隠して『ここ一両日、手が空いているんだ』と協力を買って出ます。
それに対するホームズの返答は『昔からの悪徳に加えて、嘘までつくようになったのかい』という、ホームズらしい皮肉のきいたものでした。

ホームズは犯人たちへ交渉を持ちかけ、一度退席して、その隙に人形と入れ替わる。
簡単なトリックですが、ホームズは自分が動いていないように見せる為に、蓄音機でバイオリンを弾いている不利をしていました。
凄くベタだし、失敗しやすそうな方法で犯人へ立ち向かうという事で、幾ばくかの批判もあるようですが…。
演技好きのホームズらしくてなかなか良いのではないでしょうか。

ちなみに自分に対して批判的だった依頼人の一人であるキャントルミア卿へは、芝居がかった方法でギャフンと言わせてみせています。三人称ではありますが、それでも変わらぬ主人公二人の人柄が微笑ましい作品でした。




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