本の虫、中毒日記

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
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高名な依頼人 The Adventure of the Illustrious Client/シャーロック・ホームズの事件簿
僕のおひきうけする事件では、謎は一方の側にだけあれば充分です

時間の経過によって発表が許されたと言う古い事件です。
どうやら我らがワトソンは古くなった事件の公開をホームズへ定期的に求めているようで、この事件の許しが出たのは『長年私がそれを繰り返して、その時がもう十回目ぐらいだっただろうか』との事です。
発表が1925年、事件の発生は1902年。
20年以上の長きにわたって「まだ発表しちゃ駄目?…けち」という会話を続けてきたのでしょうか。なんという粘着気質
っていうか、ホームズもきっと根負けしたんだろうな…。

この頃のワトソンはホームズと別々に暮らしていたそうですが、二人の交友は変わらず続いていたようで、この事件について『手を貸してくれるんだろう、ワトソン?』とホームズが協力を要請した場所は、なんとトルコ風呂です。
…勿論、古風な日本の悪い表現の方ではなく、本当のトルコ風のお風呂―蒸し風呂の事です。

裸の付き合い!!

…それはさておき。
少し前の『フランシス・カーファックス姫の失踪』という事件では、『だるくなる上に高価』という、日本人に微妙な誤解を呼びそうな表現を用いて(いや、そういう用法で使うのは良くないんですよ、今は)トルコ風呂を否定していたホームズですが、この時は好きで一緒に行っているくらいなので、あの発言の後にワトソンに「いいトルコ風呂があるんだよ!」とでも紹介されたのかもしれませんね。

ホームズの下へ依頼人が訪れ、事件の調査を依頼した。
オーストラリアからやってきたグルーナー男爵は、浮いた噂で知られる人物だった。
しかしそれだけではない。彼の周辺では疑わしい死を遂げた人物が何人も居ると言ういわくつきの人物で、ホームズは名前を聞くや否や『オーストラリア生まれの殺人者』と断じるほどだった。
その男が高名な将軍の一人娘たぶらかし、結婚をしようとしているという。
自分の過去の噂についても、素直に話した上で否定するなど徹底しており、既にその娘は妄信的にグルーナー男爵の虜になってしまっていた。
ホームズへの依頼は何とかこの結婚を打ち壊して欲しいと言うものだった。


ところで、この依頼人は本来の依頼人の代理で訪れた人物です。
その本来の依頼人は余りに高名な人物であるために名前を出すことは出来ないといいます。
しかしホームズは
謎は一方の側にだけあれば充分です』と突っぱねて、詳細を言えないのであれば断ると言う態度をとって見せます。
最大限の情報を聞き出した上で、依頼を受けています。
ちなみに後々にワトソンが得た情報で読者にも大体の身分が想像できるようになっているのですが、ホームズは既に話を聞いた時点で『謎めいた笑みをもらした』との事なので、既に気づいていたのでしょう。

ネタバレ等は続き以降で。


ホームズたちはまず過去にグルーナー男爵に騙されたと言う人物を見つけ出して、一緒に娘の下へ説得へ行ってみたものの、肝心の同行の女性が感情的になってしまった為に話は上手く纏まりませんでした。
そこで最後の切り札としてグルーナー男爵の変わった性癖である、過去に騙した女性の写真つきノートを奪い取って、娘に見せつけようという事になります。

最後まで読めば判るのですが、貴重な証人だったのでしょうが、人選を誤ってしまった事件ですね。
証人のはずの女性は話をぶち壊した上に、最後の最後でもっと派手な事をやらかしてしまいます。

さて、過去に仮病を使った事があるホームズですが、この事件では自分へ対して危害を加えようとしていると察したグルーナー男爵によって、暴漢に襲われて本当に大きな怪我をしてしまいます。
ちなみにその出来事は夕刊において大きく取りざたされたそうで、それを見かけたワトソンは代金を払うことも忘れて売り子からひったくってしまった為に売り子に食って掛かられると言う経験をしています。
お医者さん、幾ら興奮してても強盗は駄目です。

実は無事とは言えないものの、上手く避けて最小限の傷で留めていたホームズですが、怪我をして動けないという情報を世間に流すことでグルーナー男爵の油断を誘おうとしていました。
ちなみに怪我が危惧していたよりも浅かったいう事を知った時でさえ、ワトソンの興奮は収まらなかったようで、ホームズへ対して『君がうんと言いさえすれば、すぐにでも乗り込んでいって、いやってほど叩きのめしてくれるんだが』という恐ろしい発言を残しています。

もちろんそんな荒っぽいやり方ではなく、ワトソンは中国の陶器へ深い造詣を持つ男爵の興味をそそるような陶器を持って男爵と面会するという役割を与えられました。
その為にある程度の知識があるキャラクターを演じるために、ワトソンは一日を費やして陶器の知識を詰め込みます。
本人も大きな事は言わないものの、結構詰め込んだ自身がある事を伺わせる記述を残しています。
…何の役にも立たずに失敗するけど。

しかし、それなりに時間稼ぎをした為に全ては上手く行くのでした。
なんていうか、いつも上手く行かないけど仕事はきっちりこなした風になるワトソンが、とても素敵です。

ラストシーンは、女性の恐ろしさを感じさせてくれるような内容ですね。




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