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Fujisaki

Author:Fujisaki

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本の虫、中毒日記
読書感想文、乱発中。
生還/石原慎太郎
お年を召されても尚、鋭く世相を切る発言で世間をにぎわす石原慎太郎さん。
これまで映像化された作品は何度か見た事があるものの、作家としての活字作品を拝読したことが無かったのです。
総理大臣になって欲しい人ランキングでも上位の常連である程の方だけに、読んでおかねば!と思い立ち、著作の中から『生還』という一冊を読んでみました。

主人公である働き盛りの男性は、自らが手術さえも出来ないような末期の癌である事を知る。
普通に行けば、抗がん剤治療を進めながら、残された余命を生きていくしか選択肢は残されていなかった。
しかし彼の知人である田沼という獣医は、彼へもう一つの選択肢を提案した。
それは現在医療による治療を全て止め、家族からも離れて、自分の提案する新しい治療のみを受けると言うものだった。
彼は意を決し、家族には自分が死んだものだと思うように告げて遠く離れた地で、たった一人の生活を始めるのだった…。


主人公の男性の一人称で語られるこの物語は、ちょうど弟で俳優として知られる石原裕次郎さんがお亡くなりになったのと近い時期に発表されています。
特にそれを意識した作品と言うわけではないのでしょうが、自分が深刻な病状の癌であるという事を知った男性の心理描写が非常に生々しく感じられる作品です。
自分が死が目前に迫った病人であると言う事実が、自分と世間の間に大きな隔たりを作ってしまうのです。
そんな死への覚悟と、もしかすると助かるのではないかと言う希望とに揺れ動きながら、彼は新しい生活を営んでいくのです。

ネタバレ等は続き以降で。



ネタバレといっても、タイトルにある通りですから『生還』しちゃうんですよね。
ただ主人公は数年間、自分の育ててきた会社からも、そして愛してきた家族からも離れて暮らすことで、随分と人が変わってしまいます。
達観すると言うか、人の本音をすぐに読み取れたり、自分の考えに対して嘘偽り無く居られる人格になっています。

だから数年間の間に気持ちの離れてしまった妻に対しても、離婚を回避しようとせず、寧ろ積極的に離婚への動きを進めてしまいます。
妻が再婚を考えていた相手は、主人公の友人で、その縁故から主人公の留守中に色々と相談に乗っていた相手でした。
しかし彼は主人公への義理から離婚した後も再婚をしようとする事はありませんでした。
一方の主人公は子供のある女性ながらも、再婚をして幸せに暮らしていきます。

このエピソードだけを読むと、幾ら生き延びるためとは言えど家庭や大切なものを等閑にする事は駄目だと言う結論に至る方も居られるのでしょうが、ここはもっと深い意味があるのではないかと思うのです。

死と隣りあわせで全てを捨てた生活を何年も送ってきた主人公と、普通の生活を送ってきたその友人。
やはり重大な経験をしてきた主人公のような達観した思いへ、彼は至れずに、主人公や、恐らく周囲の目へ気を使って手に出来るかもしれない幸福を掴みきれなかった。
一方の主人公も、友人とのやり取りの中でどうにか夫婦と言う形を取り繕える可能性もあったのに、こだわる事無く離婚の手続きをとって、やがて新しい伴侶との生活を見出していきます。

又主人公の胸にある、自分が死ぬべきだったのにそれに反して生きてしまったという罪悪感のような、自分の居場所への喪失感等、石原慎太郎さん自身も大病をされた経験がおありなのかと感じさせる内容でした。


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌


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