本の虫、中毒日記

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Fujisaki

Author:Fujisaki

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恐怖の谷/アーサー・コナン・ドイル
敏速な推理、巧妙な罠、次の起こる出来事の鋭敏な予測、大胆な見込みの誇らしい立証―これがあればこそ、僕らは生涯の事業を誇りとし、正当化できるのではないか?

シャーロック・ホームズシリーズ最後の長編となる『恐怖の谷』を読んでみました。

こちらも長編とは言うものの、二部構成の作品ですね。
一つの作品としては短編くらいのサイズなので、結構気軽に読むことが出来ます。

またこの作品は時代としてはホームズがまだモリアーティとの決着をつける前へ遡ります。
なので作品中にモリアーティへ対する言及が数多く見られます。
モリアーティが自らの知識を提供する代わりに金銭などの利益を得るといった犯罪へ加担する理由なども解説されています。
また、以前よりホームズがモリアーティをマークしていたことや、接触を図っていたことなど、短編の中では触れられなかったホームズのモリアーティへ対する意識や確執が描かれているので、これからシャーロック・ホームズシリーズを読む方は先にこの作品を読んでおいても面白いかもしれません。

ホームズはモリアーティの部下であるポーロックという男と連絡を取り合っていた。
途中で連絡は途絶えてしまったが、暗号を解読したホームズはある男の元へ危機が迫っている事を知る。
しかしその危機に対処する間もなく、マクドナルド警部の手によってその危険が現実のものとなった事が知らされるのだった。
男はダグラスという男性で、他所から移住してきてたちまちに持ち前の明るさと人望で地域の人気者へとなっていた。
そんな彼が自宅に置いて銃で頭を吹き飛ばされた死体となって見つかった。
館は堀に囲まれ、夜間は橋を引き上げてしまう為に、犯人は水のある堀を泳いで脱出したとしか考えられなかった。
なのでずぶぬれになった不審人物がすぐに見つかるはずだと思われたのだが、犯人は一向に見つからなかった…。


ところでこの事件が発生する前後、ホームズは随分と退屈な日々を送っていたそうで、事件が持ち込まれたことに対する喜びの様子が描かれています。
ホームズは喜ぶと目が輝き、青白い頬が熱ばんできて、更に真剣な顔一面に喜びが溢れてくるそうです
な、なんていう興奮状態
普通の依頼人は話をする内に探偵がこんな様子を見せたら逃げ出してしまいそうな気がします。

そんなホームズと暮らすワトソンは一般的な常識人だからさぞかし大変なのだろうと思いきや、事件の起こった館で執事を勤める男性をこんな風に表現していました。
『風変わりな、ささくれだってひからびた男
…干からびた!!
この医者、以前にもホームズの兄の手をアザラシのヒレに例えたことがありますが、女以外の人間を描写させると、たまにとんでもない毒を吐きだすことがありますね。

さて、事件の陰には被害者のダグラスの過去が関係しているのでした。

ネタバレ等は続き以降で。


思い切り結論から書いてしまいますのでお気をつけくださいね。

さて、この事件から派生した言葉で『バールストン・トリック』と呼ばれるトリックがあります。
この事件が起こった館の名前から取られたミステリー用語で、死んだはずの被害者が死んでいないというトリックです。
殺された人物がたまたま殺された筈のダグラスと体格が似ている別の人物であったら?という事ですね。

応用の仕方は多いので、現在のようにすぐに鑑定で死体が誰なのかが判明するような時代でもバールストン・トリックの系譜にあるトリックが見られます。

この恐怖の谷の第二部というのは、たまたま正当防衛で死なせてしまった『死体』を、ダグラス本人が死んでしまったと見せようとした動機から始まります。
ダグラスは自分が死んだことにして、自分の過去と決別しようとしていたのです。

それはダグラスが探偵社の使いによってある地域のマフィアのような団体を壊滅させるまでの出来事でした。
緋色の研究四つの署名と、これまでの二部構成では一部がホームズによる事件解決で二部が犯人の心理描写という構成でしたが、この恐怖の谷は第一部と第二部に物語上のつながりはあるものの、それぞれ独立した作品として成立する推理小説になっています。
二部のトリックを見ると、ダグラスさんというのは昔から入れ替わりが得意だったのかなと思ってしまうこと間違い無しです。

僕は二部構成の作品の第二部としては一番楽しめました。
ドイルのホームズ以外の作品を読む機会が無かったという人には、是非お勧めです。




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