本の虫、中毒日記

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Fujisaki

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基本はシャーロッキアン。
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彼女はたぶん魔法を使う/樋口有介
元敏腕の刑事にして、今はフリーライター兼探偵業を営む柚木草平を主人公としたシリーズから、タイトルからしてらしいなぁと唸らされる本作を読んでみました。
これがシリーズの第一作で、後々の作品ではぼかされている設定が結構ダイレクトに登場しているのが特徴的です。

□ あらすじ
柚木草平の元へ、不倫相手で警視庁の吉島冴子から持ち込まれた事件があった。
二人きりの姉妹の妹がひき逃げされ、死んでしまった。
姉としては殺人であると強く思っていたが、警察は単なるひき逃げ、交通事故として処理しようとしているようだった。
そこで元々は刑事であり、今はフリーに動ける彼へ調査の依頼を持ち込んだのだった。
死んだ少女の身辺を調べると、色々と不審な点が出てきて調査はそれなりに順調に見えたのだが、調査の途中で話を聞いていた死んだ少女の同級生が死体となって発見されるのだった…。
男女の愛憎劇、そして柚木の周辺に現れる様々な美女とのやり取りが興味深い一冊。


□ 初期の設定
第一作目とあって、後の作品では仄めかす程度で流されている設定がはっきりと綴られています。
まず柚木草平が警察を辞めた理由。
彼は元々警察の中で順調にキャリアを積む、有能な刑事でした。
しかし事件の途中にヤクザを射殺します。この出来事自体は正当性を認められており、警察からお咎めがあったわけではないのですが、結局、この事件を原因として彼は退職します。
その理由は、表向きには殺した相手に子供がいたということを知った為ですが、実際の理由は自分が殺意を持って相手を殺したという自戒から来るようです。
しかし表面上はヤクザを正当な理由で死なせたのに、子供がいたという理由で取らなくてもいい責任を取って辞めたのであり、この事で奥さんとの関係が悪化し、別居に発展してしまいます。
その奥さんとの間には長女がおり、月に一度は会うようになっています。
お互いにもめながらも、子供の為もあってか離婚にまでは至っておらず、同じく単身赴任中の夫が居る吉島冴子とはいわゆるW不倫の関係です。
奥さんは警察に取材に来ている記者だったそうで、別居後には人気の評論家として活動し始めます。
ちなみに柚木草平自身も犯罪のルポライターとして人気を博しているので、別居中とはいえなかなかの文筆家の夫婦だといえるでしょう。

□ 感想
登場人物の女性が一から十まで全員いい女というのは、定番でしょうか。
軽妙なトークで、結構女性から興味を示される割りにいい関係にまでいたらないように一歩引くあたり、ハードボイルドになりきれない柚木草平の性格が出ていて面白いです。
奇麗事の奥にある切実な現実や、複雑な男女関係などが出てきて、怪しい人は犯人じゃないけど、でもやっぱりグレー…みたいな、直接の犯人、犯罪のきっかけとなった人、利害関係でそれを言い出せなかった人、最後まで読み終えてみると予想外にたくさんの関係者が出てくることに驚かされるのではないでしょうか。
本格派というわけではないのですが、最後まで読み終えて思わず感嘆の声が出るような鮮やかな結末でした。
物語としては結構重たいところもあるのですが、それを主人公の絶妙な切り返しで上手く和らげていて、とても読みやすい作品でした。
著者の作品はページ数以上に手軽に読めるのですが、やはりその最高峰はこの柚木草平シリーズではないでしょうか。



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