山田かまちさんの作品を年代別に分けた『10歳のポケット』、『15歳のポケット』と同じシリーズで、山田かまちさんの高校時代、そして死に至る最後までの作品を収めた一冊です。
出版順に言えば、シリーズの中ではこの作品が一番最初に出ていたようで、表紙には、山田かまちさんの肖像に良く使われる見慣れた少し髪を伸ばし大人びた表情を浮かべる写真が飾られています。
作風は『15歳のポケット』の頃の作風をより尖らせた感じで、より抽象的に、より感情的に、より鮮明に…。
詩の内容はより迷い、混沌とした雰囲気です。
一浪を経ての高校入学は山田かまちさんの中に様々な変化をもたらしたのかもしれません。
色使い一つを見ても、既成概念から解放されたかのような独特の彩色で写実的というよりは抽象的に表現しており、素人目に見ると絵の具を塗りたくっているだけに見えるような、その奥から人間の姿が浮かび上がってきたり、思春期の青年の心情をそのまま絵にしたような、混沌とした複雑さです。
哲学者と表現したくなるような深遠さを醸しつつ、一方では年齢相応の純粋な恋愛感情で好きな女の子への思いを吐露したり、山田かまちさんの体の中には幾つもの人格が備わっていたのか、それとも思春期という時期にはその幾つもの人格を誰もが抱え、山田かまちさんはその全てを表現する事に長けていたのか…。
17歳、高校一年生。
既に貫禄さえ感じさせる圧倒的な存在感でした。
1977年8月10日、『明日の計画を考えなきゃならない』と綴ったその命が尽きるまでの記録でした。
解説は辻 仁成さん。
歌手としての作風が山田かまちさんに近い物があった為の人選のようですが、この解説の仕事がきっかけで初めて山田かまちさんの作品へ触れたそうです。
『十代の頃の僕自身ではないか』と綴り、『有難う』の言葉で占める解説でした。
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