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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

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本の虫、中毒日記
読書感想文、乱発中。
液晶 執念の対決-瀬戸際のリーダー・大勝負/プロジェクトX
素晴らしい出会いは必ずある。ぜひ、そのチャンスを生かし、突破口を開いて下さい

僕はPDAのZAURUSを使い続けていたということもあってか、家電メーカーではシャープを愛用しています。
他の会社とは少し異なる、ちょっと尖った感じが面白いメーカーです。
創業者である早川さんの口癖は『よそが真似をしてくれる製品を作れ』だったというので、今も昔もそういった社風だったのでしょう。

今では液晶のシャープですが、もう少し昔には計算機を始めて量販したメーカーとして業界をリードする立場にあったそうです。

そんな時代、シャープで研究職から離されて、技術管理部門で働く和田富夫さんという方が居られました。
現在、世間に当たり前に出回る液晶付き計算機のみならず、全ての液晶ディスプレイの実用化となる最初の一歩を刻むことになる方です。
随分と古い機種になってきたにもかかわらず、未だに美しいZAURUSの液晶画面で、その物語を読んでみました。

□ リーダーの責任
このエピソードを読むに当たって、一番重要なのは開発というものの難しさと、リーダーへ掛かる責任の重さだと思います。
僕は商品開発のような仕事はした事が無いのですが、やはり膨大な時間と費用がかかるものなのでしょう。
シャープでは一度研究に失敗をするとチーム解散後、メンバーの多くは研究/開発から離されて全く別の部門へ異動となってしまうそうです。
液晶のリーダーとなる和田さんは、この前にブラウン管に取って代わる次世代の技術として『エレクトロルミネセンス』の研究をしていたそうですが、この研究は上手く行かないままチームは解散させられ、和田さん自身も自ら液晶の可能性に対する立案をするまでの間、別の部門へ異動になっていました。
チームの研究が上手く行かないと、リーダーについてきた他の方の将来まで潰してしまう…。
そんなプレッシャーのかかる立場だったのです。

□ 液晶の開発
元々、液晶の将来性について発見したのはRCAという会社の方だったそうです。
シャープとは親しくしている企業だったようで、そこから技術などを提供してもらっています。
和田さん自身はテレビでその特集を見て、自分が以前取り組んでいた研究への可能性を感じたそうです。
ちなみにこの時に企画を持ち込んだのが、後に自らの進退問題にまで発展しかねない独断による契約を不問とした相手…佐々木 正さんです。
しかしこの時の液晶の技術というのは本当に拙いもので、実用化はとても無理な段階で、テレビで見たちょっとした技術の紹介もテレビ向けに演出されたものだったそうで、実際はあっという間に気泡が発生して使い物にならなくなってしまうそうです。
液晶というのは実は自然界に存在するそうですが、その数は数万種類、科学的に作り出すことも出来るそうで、この中から最適な組み合わせを作り出すことから始まったそうです。
最終的に液晶の中に電流が流れやすくなる添加剤を加え、交流の電力を用いることで寿命が飛躍的に延びるということを発見するまで、この組み合わせの研究はずっと続いていたそうで、最終的に四種類の配合で決まるまで一万通り以上の組み合わせが試されたそうです。

□ 実用化へ
今でも計算機といえばカシオ。
勿論当時もシャープの最大のライバルはカシオでした。
液晶の実用化に目処が立ったころ、カシオは従来の計算機の半値以下という安価な計算機を発売しています。
この影響でシャープはそれまで守り続けていた計算機シェア1位の座を失ってしまうのですが、この時にシャープの計算機の責任者だった鷲塚さんという方は一つの決断をします。
価格戦争を続けるのではなく、液晶を搭載した計算機へシフトするのです。
価格では勝てなくても、当時の計算機としては圧倒的な省電力と省スペースという性能で勝負をしようとしたのです。
この判断は文字だけを読むと新しい技術の取り込みということでしかないのですが、実際にはそれまで直流で作り続けてきた計算機を交流にしなおすということで、計算機の部門としても一からのスタートということになってしまう、大きな決断でした。

□ 感 想
技術の研究を読む本としては、実は液晶技術の普及のために必要な不純物の混じった液晶は容器を密封することを忘れたことから生まれてきていたり、長く組み合わせの研究を続けたりと、僕のような素人が読むのに心弾むような展開があるわけではないのですが、やはりこのエピソードで一番重たいのは液晶の将来性に期待する和田さんと、リーダーとしての責務を背負い込む和田さんという二つの立場なのではないでしょうか。
液晶付き計算機の開発期限の為に、和田さんは生産用の機械の発注を通常の納期を大きく上回るように発注しなければなりませんでした。
その時、納期を何とかする代わりにその場で契約することを求められた和田さんは、会社の決算も取れないまま独断で契約を結んでしまいます。
納期を考えると会社に判断を仰ぐ余裕は無く、液晶の可能性を潰さない為…自分についてきてくれた部下が再び別の部門へ散り散りへされるような事が無いようにとの願いだったそうです。
ちなみに、この報告を受けたのは先述のとおり、液晶の企画を最初に持ち込んだ佐々木さん。
そしてその返事は『俺が社長の事後承諾を取る』でした。

人の上に立とうと思うのであれば、立つのであれば…。
やっぱり自分を支えてくれる人のことを最優先に考えられる人じゃないと、駄目ですよね。



…それにしても、漫画版の表紙は凄いな。
電子書籍はSpaceTownブックスで105円にて購入しました。

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