本の虫、中毒日記

読書感想文、乱発中。

About Me

Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

最新入荷記事☆

本棚

カレンダー


05月 | 2017年06月 | 07月
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -


お勧め。


ポストで買取,eBook Off

年代別ブログ図鑑

皆様の感想文

トラックバック

ベストセラー

にほんブログ村 小説ブログ ミステリー・推理小説へ

苦い雨/樋口有介
樋口有介さんの作品は今回が初めて…と思ったら、『探偵は今夜も憂鬱』という作品を読んでいましたので、二作目です。
ハードボイルドな世界観を持ちながらも普通の生活に幸せや充実を見出す主人公はマイクル・Z. リューインの描くキャラクターにも共通するようなところがあり、とても大好きな世界観でした。

過去に大会社の社長交代に関わるトラブルで会社から離れた主人公、高梨。
彼は小さな雑誌の編集社の代表として、家庭を守りながら生活を送っていた。
そんな彼の元にかつての会社の役員から連絡が入った。
それは彼自身が世話になった先代社長の愛人である女性を探して欲しい…というものだった。
世間に明るみに出ないように、銀座で店を出せるように手配した女性…。
しかし彼女は忽然と姿を消していた。
会社内の派閥争いで彼女が相手側へつき、自分たちにとって不利な発言をするのではないかというのだ。
先代社長への義理、そしてその女性への一方ならぬ感情。
彼は社会の中に渦巻く陰謀へと再び踏み込んでいくのだった…。


作品としては会社内の派閥争いだけに留まらず、銀行をも巻き込んだ業界再編への含みを持ったところまで展開するので、読んでいて先の展開や黒幕の存在にドキドキさせられます。
普段、自己啓発以外の本だとハードボイルド系でもミステリーが多いのですが、こういう思惑がもつれ合うような作品も面白いです。
特に樋口有介さんの作品に出てくる人物は魅力的です。
夫を信頼しながらも、夫の本音を聞かせてもらえないことを不満に思う妻、そしてその連れ子で二人の関係を少し大人びた目線から観察している娘…。

家庭を大事にしたい。
でも自分の信念も捨てられない。


人って多かれ少なかれ、こんなジレンマの中で暮らしているんだと思うんです。
必要なだけの仕事をこなして、アフターファイブや休日は家庭での会話や旅行を楽しむ―。
書いてしまえば、それだけの方がシンプルなのに、人はどうしてもシンプルになりきれない。

本作の主人公である高梨という男は、まさにそんな人物。
関わらなければ…。
少し離れたところで美味しい部分だけをつまめば…。

そういう風になれれば楽なんだろうなと思うことはあります。
だけど、そうはなれないから人は魅力的なんだと思います。

そしてもちろん、この作品の主人公も…とても魅力的です。



もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。












管理者にだけ表示を許可する


トラックバックURL:

ブログ内検索

amazonさんで探す

本の虫を管理する!

copyright 2007 本の虫、中毒日記 all rights reserved. powered by FC2ブログ.