本の虫、中毒日記

読書感想文、乱発中。

About Me

Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

最新入荷記事☆

本棚

カレンダー


05月 | 2017年06月 | 07月
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -


お勧め。


ポストで買取,eBook Off

年代別ブログ図鑑

皆様の感想文

トラックバック

ベストセラー

にほんブログ村 小説ブログ ミステリー・推理小説へ

ミニ急行「ノサップ」殺人事件/西村京太郎
西村京太郎さんの作品と言うと、時刻表を巧みに利用したトリックが思い浮かびますが、舞台が電車だけど時刻表とは無縁の作品も数多くあります。
今回はそんな中からミニ急行「ノサップ」殺人事件を読んでみました。
余談ですがこの作品はタイトルだけではなくページ数も210ページほどと、非常に手ごろなサイズで読み易いです♪

□ あらすじ
ミニ急行のノサップで列車強盗が起こった。
朝早い時間帯、しかも乗客も少ない路線だった為に被害総額は50万円程度。
乗客の一部が抵抗した際に多少怪我をした以外は、時代遅れな電車強盗という言葉が少し話題を読んだ程度で、徐々に世間からも忘れられかけていた。
しかし、この時の被害者だった乗客が二人、次々に変死を遂げた。
一人は事故後、病院では異常が無いとされたものの、殴られた衝撃で右目を失明してしまった青年。
もう一人は事故の際に写真撮影の仕事でノサップに乗車していたカメラマンだった。

この二人の死は、奇怪な電車強盗が行われた本当の理由と何かリンクしているのだろうか…?


□ 感想
この作品は結構昔の作品なんですね。
余り意識せずに読んでいたのですが、犯人が犯行の際に移動に用いた車両が1984年型のスカイライン(R30、鉄仮面で知られる世代ですね)だったので、えらい旧車だなーと思っていたら、この本の時代自体がその辺りなんですね。
しかしスカイラインとは…。西村京太郎さんは電車だけではなく、車も好きなのでしょうか。

先述の通りトリックは時刻表に関するものではないですし、作品自体も長編としては短めの内容で読み易いです。
時間の制約の中で解決に挑んでいるという事で、物語の途中で登場人物の宿泊先の人に対して、かなり激烈な言葉を投げかけています。
まず旅館のおかみさんに対しては『(犯人をかくまおうとしているかどうかを)どう判断するするかは、これからあんたがわれわれに協力してくれるかどうかにかかわっている。わかるだろう?』との事。最後の念押しがプロの仕事ですね。
次に宿泊した雑居ビルのオーナーに対しては『逮捕されたくなかったらよく考えるんだ』と、もはや恫喝とも取れる発言をしています。
そしてその後に更に『しっかり考えるんだ。逮捕されたくなかったらな』と、言い方を微妙に変えながら脅しています。
ちょっと十津川作品らしからぬ雰囲気が、緊迫した様子を良く伝えていると思いませんか?

絡まっていた糸が鮮やかなトリックで一気に解かれると言う普段の作風も良いですが、熟練の刑事たちが地道な調査を繰り返しながら徐々に犯人を追い詰めていく…というのも、面白いものだと思いました。

ネタバレ等は続き以降で。



□ ご都合だって良いじゃない、小説だもん。
この作品で一番のトリックとなるのが死者の入れ替えです。
最初の電車強盗はある特定のひとりを拉致するための隠れ蓑であり、その拉致と入れ替えに替えの人間がその人物を装って社会に戻っています。
全てはその被害者と似た俳優を見つけられたという事から始まっています。
そして彼は右目が失明した、左目も失明するかもしれない…死にたいと漏らし、本人はもう一度入れ替わった上で自殺を偽装した殺され方をしてしまうのです。
自殺する原因を作ったうえで自殺を偽装した殺人を起こしたわけですが、なかなか手が込んでいますね。
ご都合主義といえばご都合主義ですが、都会における一人暮らしの人間に対する周囲の人の観察なんてそんなものなのかなぁと思ったりします。

□ 読みやすく、入門向け。
この作品では電車が舞台となることが多いものの、実際のトリックは時刻表ではないですし、簡単な暗号なんかも出てきたりで、本文の量自体も含めて西村京太郎さんの入門としてはちょうど良いサイズだと思いました。
読みやすさと言う点では、この頃の作品は句読点の数が最近の作品と比べると少なめになっているというのも良いなと思います。
僕がいつの頃からか西村京太郎さんの作品から遠ざかっていった理由の一つがそれでした。口述筆記に切り替えて以降の作品が句読点が多いと(真偽は不明です)聞いたことがあるのですが、それが原因で手にとれずにいる人もいるとの事で、この事はちょっと紹介しておこうかなと思いました。

…そして、余談なのですが。
この作品を通して一番心に残ったフレーズがあります。

第五章 人間狩り

…猟奇作品か!と言いたくなるようなシュールなタイトルでした。
五章からようやく明確になった犯行グループの追跡が始まるので、こんなタイトルなんですね(笑)。




もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。












管理者にだけ表示を許可する


トラックバックURL:

ブログ内検索

amazonさんで探す

本の虫を管理する!

copyright 2007 本の虫、中毒日記 all rights reserved. powered by FC2ブログ.