本の虫、中毒日記

読書感想文、乱発中。

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

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カブトガニ/惣路紀通
カブトガニに関する本を読んでみました。

…といっても、別に僕が人並みはずれてカブトガニに興味を抱いているわけではありません。
この本、岡山文庫なんですね。
岡山県笠岡市はカブトガニで知られる場所で、博物館があったり、地名にカブトが付いたりしてます。
そうした流れで登場した本なのでしょうが、岡山文庫から出ている本で、もしかしたら最も岡山県とかかわりが薄い一冊なのかもしれません。

タイトルにも岡山という字がついていないことからも想像できるように、この本は岡山に生息するカブトガニをフィーチャーしたものではありません。
カブトガニの外観、生態、研究成果などを記したものです。

知っているようで知らないカブトガニ。
クモの仲間に近いとかで、見ていると結構サブイボが出てきそうな写真もありますが、なかなか興味深いです。

生きた化石と呼ばれる仲間に数えられるのですが、こうした生き物に共通して言えるのは、凄くシンプルな動きを取るのと同時に、とても効率的で、シンプルゆえにある程度柔軟だったりするんですね。
生き残ったのは奇跡のような確率なのかもしれませんが、生物の神秘に触れる事が出来る一冊です。




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学校では教えてくれない失われた文明の謎―世界遺産を含む77の謎の遺跡を解説! /学研編集部
僕は子供の頃から、失われた文明系の本が大好きです。
子供の頃はムー大陸や、アトランティス大陸を読み漁り、大人になると放置されていた都市やらを楽しむようになり、少し前には廃墟を探訪する本に熱中していた時期もありました。

有終の美とか、そういった感覚が好きなのかもしれません。

さて、今回は失われた文明の謎として、ピラミッドなどに代表されるような、歴史上のどこかで破棄したり、消滅したりしてきた文明の遺構を巡る一冊を読んでみました。

この本のテーマは『学校では教えてくれない』です。
教科書に登場するような有名な歴史的な建造物でも、解明されていない謎が幾つも残されているものです。
この本では、見開きの左ページで教科書で勉強するような概要を紹介し、右ページでは教科書では勉強しないような解明されていない部分、そしてそれらに対する仮説が紹介されています。

解明されていない部分といっても、内容は様々です。
僕のようなタイプの人間が好むのは、当時の科学力や技術力では作れなかったり、計算できないような手法が用いられている建物といったケースです。
実際にこのケースも多くて、充分に萌えました。
しかしそれ以外にも、建てられた目的が判らない、また史料のようなものが残されていなくて詳細が判らないといったものも含まれています。

理想は全て読む事ですが、たとえば古代遺跡だけに興味があるという方は左ページのみを読み漁り続けてもいいですし、謎という言葉に心ときめく方は、右のページを中心に読み進めていけば、二倍のスピードでときめく事が出来ます。

全体的には良くも悪くも、広く浅くの本です。
興味がある遺跡があれば、それを多く扱った本を読むか、ネットで検索をするしかありません。
そうやって興味があるところは片っ端から調べながら読めば、実に御買い得で長く楽しめる一冊だと思います♪

ちなみに少量ですが日本の遺跡もアジアのコーナーに入っています。




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正しい欲望のススメ/一条ゆかり
一条ゆかりさんの自叙伝のような一冊を読んでみました。

この方は少女漫画のジャンルで活躍される漫画家さんです。

残念ながら、僕は少女漫画は読んだ事がないので、経歴やドラマ化された事があるといったWikipediaの情報から手に入れた知識です。
こんな僕が一条ゆかりさんの本を読んだきっかけは、この本が郷土の本のコーナーヘ並んでいたからです。

本書では嫌いだったというように表現されている故郷というのが、岡山県玉野市というところにある港町です。
岡山県出身の著名人としては、もはや定番ともなっている方ですし、同郷人なら話題にもなるだろうし読んでみようと思い立ったのです♪
まぁ…実際は話題どころか、自らのトラウマの始まりの地として描かれていて、ちょっとした話題に「岡山の著名人といえば一条ゆかりでしょう!でも、あの人って玉野市の事を嫌ってみるみたいですね」…とは、しゃべれないですよね(/□≦、)

それはさておき、タイトルは「正しい欲望のススメ」なんて、読者へ欲望のありかたを説いてくれるような感じがしますが、この本の多くの部分は自叙伝であると思っていいでしょう。

一条ゆかりさんが自分が抱えてきたトラウマと対峙するまでを描いたのがこの作品です。
そしてそのきっかけとなったのが、テレビの番組で久しぶりに訪れた岡山県での出来事だったのです。

トラウマという言葉を使うと、一条ゆかりさんの過去にどのような後ろ暗い出来事があったのかなんて邪推されてしまいそうですが、人はそれぞれ家庭環境や学校など、自分を取り巻く環境の中で処世術などを身につけていくものです。
一条ゆかりさんは、久し振りの帰郷によって、自分のそれを作り出した根源を見つけます。
恐らく見つけるというよりは、人生経験を積むことによって向きあえるようになった、受け入れることができるようになったといった方が正しいのではないでしょうか。

そしてその根源から、自分の物事の考え方などがどのようにして作られているのかへつながっていくのです。
それを淡々と分析していく著者の冷静さは、ちょっと羨ましいくらいですね。

後半では、自らの作品の紹介と、人生に関するQ&Aが掲載されています。
こちらの方がタイトルに沿った感じかもしれませんね。




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幻の指定席/山村美紗
山村美紗さんの古い作品、短編集を読んでみました。

□ 幻の指定席
電車の遅れを利用した、特急券の指定席のトリックです。
犯人の目線から描かれる作品です。
山村美紗さんの鉄道ミステリーというと、ご親友だったと言われる西村京太郎さん作品と比較してしまいます。
西村京太郎さんの数学のような綿密な組み立てとは異なる、山村美紗さんらしさの滲み出る鉄道ミステリーです。

□ 死人が夜ピアノを弾く
二時間ドラマにでもなりそうな、愛憎劇からの殺人を描いた作品です。
お風呂の水と、ガスを利用する事で死亡推定時刻を操作するなどの細かいトリックが行われています。
被害者が習っていたピアノの演奏で、周囲にも生きていることを伝え、かかってきた電話にも対応しました。
しかし思わぬところから事件の真相は暴かれることになります。
山村美紗さんらしい、女性心理を上手く描いた作品です。

□ 密会のアリバイ
自宅で殺されていた妻を手にかけた犯人を捜す、夫の執念の作品です。
山村美紗さんの作品で、男性のキャラクターがこれだけの執念を燃やすのは珍しい気がしますね。
テープレコーダーを使ってのアリバイ作りというのが、古きよき時代を思わせてくれます。
常連だから許される暗黙のルールを利用したトリックでした。
でも主人公が報われないですよね。
自分を裏切った妻の敵をとっても仕方がないと思う時もあったが、何かに熱中してなければ、たった一人になった淋しさをまぎらすことが出来なかった。

□ 新幹線ジャック
不可能とされた新幹線ジャックを実行した作品です。
グリーン車二両を人質とした理由は…?
いつの間にか犯人が増えていく、痛快なトリックです。

□ 不用家族
不倫相手との密会から戻ってくると、家が焼けて夫と子供が死んでいた。
犯人を探す中で、容疑者となった人物とは…。
こういう愛憎を描いた作品は、やっぱり山村美紗さんは上手いですね♪

□ 小さな密室
コインロッカーを使った犯罪です。
まだコインロッカーが真新しかった時代の作品だったようですね。
思わぬところから発覚するトリックなのですが、これも女性らしい視点といえるのかもしれませんね♪

□ 危険な忘れ物
刑事が、自らの子供の医療ミスで裁判相手だった医者が関わっていそうな殺人事件を全力で調査するという、倫理的にどうなの!?といった感じのする復讐劇です。
機械を共犯者とする手の込んだトリックが用いられています。
広いと白いって…東京弁であるんですねーって思ったりして。

短編集ではありますが、一つ一つ読みごたえのある短編です。
短くとも登場人物がしっかり描かれているのが、山村美紗さんの技量だなぁと思うのでした。




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行ってみたい!と思わせる「集客まちづくり」の技術/大下 茂
自分の作っているHPへ活かせられないかなーと思い、街づくりについての本を読んでみました。

この本はいわゆる町おこしのような、観光客を誘致するための方法などを書いてある本です。
なので読むべきは、市町村や県の役場などに勤められている方、またはイベントなどを提案するようなお仕事をされている方に限定されているものだと思います。

街づくりと言うと、昨今では批判の多い箱物が思い浮かびます。
しかしそれを作るだけでは、話題性が新鮮さを失った時点で集客力を失ってしまいます。
長期にわたって集客力のある事をするためには、何をすべきなのか。
それがこの本のテーマです。

著者は集客力のある街づくりの為に、町の歴史を振り返る事を提案しています。
新しい価値、魅力を想像するのは難しくても、もしかすると外から見たら真新しかったり、ひどく懐かしく感じたりするようなものを、既に町が持っているかもしれない。
これはちょっと感動したと言うか、自分自身が自分の事を判って居ないケースって有りますよね。

僕は港町に生まれ育ったのですが、僕にとっては海がある風景も当たり前だし、海に船が行き来している風景も当たり前です。
でもよそから転居して来た人に言われた事があります。
「この辺りに住む人は、この海がきれいな事を知らない」
客観的に外の立場から見て、何が自身の魅力なのかを考える事は大切なのではないでしょうか。

この本ではそうした魅力の発掘、そして見つけた魅力をどのようにして売り出し、長期的な集客力を持つプランへと昇華させて行くのかという事を提案しています。




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マンガで読む「ロングセラー商品」誕生物語/藤井龍二
いきなりですがロングセラー商品を持つ会社は羨ましいなぁと思います(笑)。
それを維持し、トップを走り続ける事も大変でしょうが、定番商品があるというのは実に羨ましいのです。
…ということで、色々なロングセラー商品がどのようにして生まれてきたのかを、簡単なマンガで紹介した本を呼んで見ました。

紹介されているのは以下の商品です。
・カップヌードル
・写ルンです
・ヤクルト
・味の素
・金鳥の渦巻
・カルピス
・ごきぶりホイホイ
・セロテープ
・サトウの切り餅
・ダスキン
・キューピーマヨネーズ
・カゴメの「トマトケチャップ」
・キッコーマンの「しょうゆ」
・エスビーカレー
・ロッテガム
・桃屋の「江戸むらさき」
・ミツカンの「味ぽん」
・菊正宗
・花王石鹸
・三菱鉛筆
・シャチハタ Xスタンパー ネーム
・ぺんてる筆
・マックスの「ホッチキス」
・タカラの「リカちゃん」
・ワコールの「ブラジャー」


ゼロからの発想もあれば、既存商品の改良や、販売方法の熟考などで切り開いた商品もあります。
しかし意外と出発地点だけを見ると考えて、煮詰めて難産というケースは少なく、思いついたことを実現してみようという、チャンレンジ精神から生まれた商品が多いようです。

与えられた課題に挑戦するのは、難しいように見えて実は簡単なことです。
その課題自体の難易度はともかく、頑張って結果(成功でも、失敗でも)を出せばいいのです。
しかしその課題自体を作り出すことは、本当に難しいことです。
そんな事を、日常生活から見つけ出した方々は、やっぱり長く売れる商品を作るだけに着眼点がちょっと違った人々なのかもしれませんね。





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読書感想文を楽しもう―本と子どもを結ぶ読書感想文の書かせかた/若林千鶴
こういう読書感想のブログをしているということもあり、ちょっと参考に読んでみようと手に取ったのがこの本です。
学校の課題などで出てくる読書感想文的な感想文というのは余り書いていないブログなのですが…読んでみました。

まず第一に、この本は教員をされている方向けの一冊です。
僕は対象外です。・゚・(*ノД`*)・゚・。
著者は国語の教員で、自らも図書館を担当されている若林千鶴さんという方です。
ご自身が読書感想文を通じて、生徒へ対して読書の楽しさや、新しい本との出会いを提案してきた記録です。

僕自身の経験を振り返ってみても、読書感想文というのはただの宿題でしかありませんでした。
テーマが本に限られている作文…それを読書感想文だと思っていました。
なので決められた(又は自由に選んだ)本を読み、あらすじや感じたことを書けば、それで終了です。

しかし著者である若林さんは読書感想文をそれだけのことに終わらせません。
提出された読書感想文への感想を書き込んだり、みんなの読書感想文を共有したり、生徒が抱いた感想などへ対して、新しい本を紹介するなどのフォローを続けています。

読書という行為は、気をつけないと凄く偏ってしまいがちです。
限られた著者や、限られたジャンル、限られた出版社…。
とても沢山の本を読んでいる人でも、ジャンルや著者で見てみると、幅広く読んでいるとは言いがたいというケースもあるのではないでしょうか。
それは読書が個人で行われがちだからではないでしょうか。

たとえば音楽なら誰かの鼻歌や、テレビや有線放送など沢山の出会いがありますが、本はそういうわけにはいきません。
だから自分が好きな著者、ジャンル、広げていってもよく買う出版社で探すくらいで、なかなか全く新しい本とは出会えません。
本を読む習慣が無い人にとっては、そこでまた暫く本を読む機会から離れてしまうこともあるでしょう。

若林さんの取り組みというのは、切り離されがちな読書体験を繋いでいくことだと思います。
誰かが感動したことを知ったり、時には誰か(たとえば若林さんのような方)から、それならこれはどう?と勧められることで、読書は点の連続から、線になり、やがて輪になっていき、広がっていくことでしょう。

僕も、もし学生時代に提出した読書感想文へお勧めの本が書いてあれば…また違った読書体験が出来たのではないかと、とても残念に思い、また若林さんの生徒の皆さんが非常に羨ましいです。
せっかくこういったブログを立ち上げ、多くの人にも来て頂ける環境があるので、僕自身も色々な方法で感想を共有したり、お勧めの本を提案したり、教えてもらえたり出来れば良いなぁと感じました。




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広瀬旭荘の津山紀行/津山市教育委員会
津山紀行というタイトルだけで読んでみました。

…これがちょっと失敗でした( ̄∇ ̄;)

この本は江戸時代に活躍した広瀬旭荘さんという方が津山を訪れた記録です。
しかも足跡を追うというものではなく、『日間瑣事備忘』という日記を現代語訳にしたものです。

不勉強なもので広瀬旭荘さんという方を知りませんでした。
調べてみたら詩人として活躍していた方で、この本は大阪から出雲まで旅行をした際の日記を現代語訳にしたものですが、出雲市では出雲の滞在の記録を現代語訳にした本を作っているそうです。
津山と出雲は交流が多いとかで、津山市さんも作ってみたら?…といった経緯で完成したのがこの本です。

大阪から出発して、津山に到着し、更に出雲へ向けて発つまでの経緯が記されています。
紀行文というよりは、本当に日記です。
真面目な性格がよく出ていて、旅先でのお金の支払いなどに関しても、相手から誠意が感じられなかったり、理不尽だと思ったらきちんと話し合うなどしているシーンもよく見られます。
日記の中へ登場する地名や、建物などで現存するものはカラーの写真で下部へ紹介されています。
…が、やはり紀行文として楽しむものではなく、どちらかといえば当時の旅のあり方などがよく判るといった具合で、民俗学的な資料と思った方が正解だと感じました。

ただの紀行文が読みたかった僕には、ちょっと肩透かしな部分がありましたが、非常に丁寧に書かれているので、楽しく学びながら読めました。

※この本は図書館でお借りしました。
amazonさんで検索してみましたが、ヒットせず。興味がある方は岡山県内の図書館を検索してみてはいかがでしょう♪


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古代山城・鬼ノ城を歩く/村上幸雄.葛原克人
岡山県の総社市にある鬼ノ城は、記録に残されていない謎の山城です。
記録に残されていないとは言えど、規模はそこそこ大きなものですし、築城に用いられている技術も非常に高いものです。
現在も調査が進められている山城です。
一度行ってみたいなと思いつつ、なかなか行けないままなので先に本で予習してみようと思い、読んでみました。

この本を選んだ理由は、カラーの写真が豊富なことです。
簡単な解説を挟んで前半部にかなり写真があるので、これで好奇心を燃やして、その勢いで後半の推察などがなされている部分を読めます。

すっぱりと分けられているので、もしそれほど深く立ち入らずに調べたいだけという方は、導入部~写真のページまでを楽しんで、後は拾い読みでもいいかもしれません。
写真の部分だけでも、実際に見に行った際に押さえておくポイントは充分に伝わります。

勿論、歴史のロマンスを楽しむのであれば、全部読むのが一番です。
鬼ノ城は白村江(現在の韓国の地方)の戦いで日本が敗戦した際に、後に追撃を受けることを懸念して作られたものだという説が存在します。
この本はそうした部分から、同時代の他の山城などのつくりなども考慮しつつ、どのような城で、どのような目的で建てられたのかなどを推察しており、初めてこうした研究を知る方にも優しい内容になっています。





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津山三十人殺し―日本犯罪史上空前の惨劇/築波 昭
岡山県の美作地方では一般に『津山三十人殺し』と呼ばれる、日本でも屈指の連続殺人が起こりました。
別に岡山県に住んでいるからといって特に詳しくなることも無いですし、集落の人々が30人も殺されているという事件なので、結局僕自身も八つ墓村のモデルとなった事件という認識しか持っていませんでした。

そんな中で、書店で見つけたのがこの本です。
驚きというか、一冊の本になる程、著名な事件であることを始めて知りました。
興味半分で読む内容ではないと思いつつも、自分の住む県で起こった著名な事件くらいは知っておいても…という気持ちで、読んでみました。

この本は大きく3つの部分に分けられます。

まず最初が、事件の概要と関係者の調書や調査に当たった方が実際に調べた事の報告書です。
こういった書類が出回ることに驚いてしまいます。
有る意味生々しく、著者の方も本書の中で再三仰られている通り、若干の嘘と思われる部分も混じっています。
死人に口無しといってしまえば残酷かもしれませんが、人それぞれに触れられたくない部分もあれば、小さな集落ゆえに自分が事件の発端になったと思われては困るという保身もあっての事でしょうか。

そして続くのが、犯人である都井睦雄の人生を描いたものです。
多くは実のお姉さんの語ったものによるようで、青年期以降に関しては、大阪で娼婦の案内をしていた悪友が語ったものも含まれているようです。
ネットなどで簡単に調べてみた際には後者の友人からの情報は余り見かけなかったので、貴重な情報かもしれません。
この部分では都井睦雄が興味を抱いた物事や、当時の世相、また書き写したとされる阿部定事件の調書なども登場します。
両親を早くに亡くしてしまった為に、育ててくれた祖母や姉に強く依存する傾向はあったものの、賢く純朴な少年だった時代から、自らを実際以上に重篤な肺病だと思い込み、徐々に心が追い込まれていく青年期への推移が興味深いです。
そして何よりも調べれば、事件を起こすまではなんというともなかった一人の人間の一生が、一冊の本にでも出来そうな形にまとめることも出来るのだと言うことに驚いてしまいました。
それくらい、ただの優秀な子供だったはずの少年時代まで丁寧に記されています。

そして最後が実際の犯行の風景です。
生存者の証言を基にされているようで、どのように危害が加えられたのか、そしてそれぞれの家の見取り図、遺体の発見された場所などが記されています。
命乞いをされて、あっさりと見逃している場合もあれば、命乞いをされた女性に、優しく顔を上げるように告げたそばから銃撃をする(尚、この女性は一命を取り留めています)事もあり、犯人の心理というのは全く理解できません。
ちなみに著者は、調書などでは否定をされている夜這いの習慣をあったとして考えているのですが、犯人が色々な家を襲撃した際の手順の良さなども、夜這いの為に出入りしていた為に勝手が判っていたのだろうと推測しています。

この本を読んで、何か勉強になるのかといえば…NOでしょう。
ただちょっとのきっかけで人の心が壊れてしまうことを見ていると、自分自身も人との接し方には気をつけないといけないなと思いますし、また周囲の人々の心情も、自分の基準ではなく、きちんとケアしていけるようになりたいなと思います。




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なぜ、ぼくのパソコンは壊れたのか?/マイナク・ダル
少し前にドラッカーさんの教えを判りやすく、部活動での実践に置き換えた小説『もしドラ』が人気を博しましたが、この本も同じような流れにあるもので、自己啓発本の説明の部分を小説としたものです。

ビジネスマンとして第一線で活躍していたマユクのパソコンに、ある日奇妙なウィルスが入った。
彼の人生に干渉するようなメッセージを残しつつ、急にシャットダウンしたり、スケジュールのソフトを入れ替えたり…。

しかしマユクはウィルスの気まぐれに引っ張りまわされながら、だんだんとこのメッセージが、彼のキューブ(ワークスペースを区切った敷居の中のこと)での仕事と生活のあり方へ対するメッセージであることに気づき始めます。
そしてそれに沿って仕事と生活を続けていく中で、彼は自分が良い方向へ変化していくことを感じ始めます。
更にウィルスは株価と、彼の私生活を組み合わせたチャートさえ作って見せたのです。

この本における『ウィルス』は、自己啓発本の一つ一つのセンテンスのタイトルに相当します。
奇妙な現象という形は取られているものの、家庭や自分自身の生活が充実してこそ、仕事だって結果が出てくるというものなんですよという事を説いているんですね。

ワーカホリックな人々へ向けて、ごく当たり前のメッセージを伝え続ける素敵なウィルスの物語です。
マユクはコンピューターをハックされて、強制的に従いましたが、この本を読んだ僕たちがそれを実践できるかどうかは、今の状況を打破したいと願えるかどうかにかかっているのかもしれません。
出かける前に少しの運動をしてみること、仕事の合間にちょっとだけ自分の為の時間を入れてみること…。
定時に帰ったり、社外でのミーティングをすぐに実践するのは難しいかもしれないけれど、明日から、もしかすると今日から実践することも可能な内容だってあるんです。
頑張って実践してみたいですね。




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烏啼天駆2 心臓盗難/海野十三
海野十三さんが描く義賊物、烏啼天駆シリーズの第二弾を読んでみました。

ルパンのような格好いい義賊というよりは、寧ろルパン三世のようなコミカルな義賊と探偵が活躍する作品です。
第一作目では、烏啼天駆が探偵である袋 猫々を上手くやり込めたわけですが、第二作目となる本作では、逆に袋 猫々がやり返してみせます。

袋 猫々は心臓を盗まれたといって苦しむ青年を発見する。
心臓を盗むという奇抜な方法、そして相手を殺さないように人工の心臓を付け替えた鮮やかな手口などから、烏啼天駆の犯行であると見抜きます。

ちなみに二人のやり取りには警察も疲れているのか、猫々が烏啼天駆の犯行であることを明らかにしている途中から、『もう、そのへんでよいです』や、『待った。もういいです。われわわれも、烏啼の仕業たることを大体確認しましたから』と、さっさと話を切り上げるような態度を取り始め、それでも喋ろうとする猫々を制するために、被害者の搬送をネタに逃げてしまいます。

最後はとんちの効いたやり方で、心臓を元に戻してみせる猫々。
次回はどちらが勝者となるのでしょう♪


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枯葉色グッドバイ/樋口有介
樋口有介さんの作品を久し振りに読んでみました。

独特な世界観が、やっぱり好きなんですよねー。
でもなかなか読めないのは、彼の描く主人公というのが、自分自身と似ているような気がするからでしょうか。
読み始めるまでに時間がかかり、そして読み始めると一気に終わってしまいます。
今回の作品は元刑事が関わる殺人事件という、ありがちな展開ですが、その刑事がホームレスになっているという、ちょっと飛んだ設定の話です。

□ あらすじ
吹石夕子はある一家殺人の犯人を追い続けていた。
ある日、唯一生き残った長女の友人が公園で殺害されていた事を知り、事件との関係性を確かめるために現場を訪れた。
そこで、かつて自らの教官だった椎葉明郎と思われるホームレスを見つけたのだった。
まさかと思いつつ、彼女は椎葉明郎を確認して、彼を日当二千円+必要経費+いくらかの酒代で雇うことになった。
一家殺人、公園の殺人、そして生き残った長女の『実父』…。
三つの問題が絡み合う殺人事件へ、ホームレス刑事が挑む。

□ 無気力な元刑事
樋口有介さんの描く中年の主人公ってそもそも無気力な感じがしますが、いい感じで力の抜けたところがホームレスに合っているのかもしれませんね。
必要以上の正義感や義務感にとらわれず、淡々と処理をしていきます。
ある意味、ハードボイルドな感じもしますよね。
老練な刑事としての勘や、ホームレスらしい目線を駆使して調査を進めていきます。
とてもいいキャラクターなので、出来ればレギュラー化して欲しいと思うのですが、今のところ続編は無しのようですね。
二人も美女がご帰還を待っているのですから、ぜひ戻ってきて欲しいですね♪

ネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


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桃太郎/芥川龍之介
『進め! 進め! 鬼という鬼は見つけ次第、一匹も残らず殺してしまえ!』(桃太郎)

芥川龍之介さんの桃太郎を読んでみました。
桃太郎を鬼が島への侵略者という視点で描いた作品です。

平和に暮らす鬼たちは、人間を恐れていました。

角の生えない、生白い肢体。
そして嘘をつき、欲深く、同士討ちもするケダモノ…。
鬼の目から見た人間であり、そして襲撃者です。

物事には表裏、色々な見方があるものです。
こちらに言い分があるとき、相手にも言い分がある。
桃太郎という英雄伝説を、暴力によって島を征した乱暴者という目で見る事で、そんな問題提起をする作品です。
そして平和を愛していたはずの鬼たちは、恋をすることさえも忘れて、桃太郎への復讐へ心を奪われます。
争いが、新たな争いを生む…。その繰り返しで、心がすさんでしまうのです。
世界中が戦争へ向かっていた時代柄を反映しているような、社会風刺の効いた作品ですね。

ちなみに桃太郎は雲よりも高いという桃から生まれたという設定で、その桃には沢山の天才が眠っていて、再び世に落ちるときを待っているのだそうです。
この設定にも皮肉めいたものを感じてしまいます。


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明智光秀/桑田忠親
歴史にまつわるミステリーって好きです♪
学生時代から好きだったら、多少は人生も変わったかもしれないのに、好きになったのは大学生くらいの頃からでした。

その中でも本能寺の変にまつわるミステリーは好きです。
織田信長が生きていたかもしれない、明智光秀も生きていたかもしれない…なんて、ちょっと胸がときめいてしまいます。

閑話休題。

今回は明智光秀が本能寺の変を起こしたのは何故なのかという点に触れた一冊を読んでみました。
この本を知ったのは本能寺の変の原因とされる、野望説と怨恨説の争いである『高柳・桑田論争』を通してでした。
桑田忠親さんは怨恨説を取った方です。

どちらの本もamazonマーケットプレイスで意外にも安価で購入可能なのですが、高柳光寿さんの明智光秀 (1958年) はさすがに古いので、ちょっと躊躇ってしまいました。
新しい版の方は、ちょっと楽しみで読む…というには、高すぎるかなぁ…。
桑田さんの方は古いとは言っても、僕が岡山文庫でよく読む1980年代なので、安心です。
しかも価格は100円台♪(送料別…って、念のために書いておきます)

この本は明智光秀の人生にスポットを当てながら、野望説ではなく怨恨説であるということを説明していきます。
明智光秀の反省を描いた小説としても充分に楽しめますし、明智光秀の立場から見た戦国時代の動きという点でも、読み応えが充分にあります。
色々な説があるという点を頭においてなら、明智光秀に関する著書として一番最初に読むのもありだと思います。
かなり読みやすい文章です。

怨恨説と野望説のどちらが正しいのかは、正直よく判りません。
実際にはどちらでもなく、衝動的に今なら出来るのでは…!?という勢いで動いてしまった可能性だってありますしね。
でも判らないから面白い、そんなわがままが許されるのも歴史のミステリーなんじゃないかなぁと思います。




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或阿呆の一生/芥川龍之介
芥川龍之介さんの或阿呆の一生を読んでみました。

この本は芥川龍之介さんが自殺をする少し前に書いたもので、発表は死後の事です。

非常に短い作品を51個からなる作品です。
ショートショートのような完成した短編というものではなく、物語の一場面を切り抜いてきただけのような『断章形式』がとられています。
この作品は死を覚悟した上で書かれた芥川龍之介さんの自伝だとされています。
もしかすると、これは生前にきちんとした文章で作り上げられた走馬灯なのかもしれません。

一つ一つの場面で、芥川龍之介さんの人生への絶望や失望、そして死への憧れが描かれています。
第三十一話にある『大地震』では、子供の死体を見て『何か羨ましさに近いものを感じた。』として、生への執着が失われている様子が描かれています。
続く三十六話の『倦怠』でも、『彼は実際いつの間にか生活に興味を失つていた』と書いています。
死にたいと願うのではなく、生きることに疲れた…そんな感じが文章全体から伝わってくるようです。
砕いて言うと、人生のどんな場面においても、彼は生きていこうという気持ちを抱けなくなっていたのではないでしょうか。
第四十九話の『剥製の白鳥』では『彼の前にあるものは唯発狂か自殺かだけだつた』とあります。

人生における選択肢をそこまで絞ってしまうものが何だったのか…。
それは或阿呆の一生からだけでは読み取れないことだと思うので、芥川龍之介さんについて詳細に記した本を読んで考えていくしかないと思います。
ただここまで追い詰められても、それを文章として、作品として記せる力に、長く名前を残し続ける作家・芥川龍之介の真髄を感じるのです。

第八回目の『火花』で、彼は命に代えても欲しかったという『紫色の火花』というものを記しています。
これは彼にとって、何かを表現すること、小説を書くことだったのではないかと思うのです。
書くことに生きる意義をなんとか見出していたのではないかと。
しかし一番最後の第五十一話の『敗北』に、こんな文章が登場します。
言はば刃のこぼれてしまつた、細い剣を杖にしながら

彼にとっての文章が剣だったのだとすれば、もう何かを表現する事さえも、彼を生へ繋ぎ止めておく事が出来なくなったのかもしれません。




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雨月奇譚
雨月奇譚というゲームで遊んでみました。

元々はPC向けゲームだったものを、PS1へ移植したものです。
古きよき時代のPCゲームの匂いが凄く残されたホラー系のゲームです。

ジャンルはアドベンチャーになります。
元々が古いゲームと言うこともあり、基本的には総当りでクリアできます。
但し一部にある行為をすると時間軸がずれ、その時間軸内で行えることを終わらせて、徐々に時間軸をずらし続けていくという行為が必要だったり、総当りとは言えど、決して一本道だけのゲームではありません。

後、もう一つの特徴としてはキャラクターが実写であることでしょう。
ゲームの画面はCG、イラストからなっているのですが、会話の画面でキャラクターの顔が出てくるのですが、その顔が実写です。
技術の稚拙さからくるのか、微妙な実写の使い方が妙に迫力満点で癖になります。

肝心のストーリーですが、平たく言えばテレビ番組の『世にも奇妙な物語』に近しい感じです。
幾つかの短編が続いていくもので、短編の内容は怪談に近いものです。
実はオリジナルの作品ではなく江戸時代に出版された『雨月物語』(上田秋成・作)がベースにあります。
この作品をもう少しだけ近代風にアレンジしたものが、この作品のシナリオになります。
なので雨月物語を読んでいる方が見れば、元ネタが見えてくると同時に、ネタバレしてしまいます。

もちろん、アレンジも多いので雨月物語を読んだことがある人でも充分に楽しめると思います。
個人的にはゲーム~小説~ゲーム二周目…という流れがお勧めです。
最新の技術で作られているゲームと比べると、安っぽさが目に付きますが、逆にローテクの時代だからこそ作り出せた独特の雰囲気と言うのは、現在手に入りやすい形で売られているゲームでは希少だと思います。




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赤磐きらり散策
岡山市のベッドタウンとして賑わう赤磐市。
微妙に市内から近いせいか、なかなか行く機会がありませんでした。

どういったところがあるのか調べて、遊びにいってみようかと思い、この本を読んで見ました。

岡山文庫の「赤磐きらり散策」です。
もちろん、遊びに行ってみようとは思っても岡山文庫なので、内容は観光というよりは歴史の勉強に近いです。
なんたってしょっぱなから古墳です。
古墳できらりって、それ人魂…。

順に古墳、寺社、博物館、石碑、そして赤磐八十八箇所霊場です。

古墳が多いのにはビックリでした。
造山、作山に隠れがちですが赤磐地方も結構大きな古墳があります。両宮山古墳は周囲を取り囲む堀が、重要人物の古墳に用いられる二重の作りだったことが判明するなど、今後の研究に興味が寄せられる場所です。
また寺社も趣がある建物が多いので、歴史散策にはいいかもしれません♪
また八十八箇所については、住所の表記の他に地図も付いています。
こういうのって、意外といざ廻ろうというときに手に入らなかったりするので、非常に便利です。

この一冊で、赤磐の歴史は充分に堪能できます。
後は、観光向けのガイドブックで赤磐のページを調べたら出発☆ですね♪




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