本の虫、中毒日記

読書感想文、乱発中。

About Me

Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

最新入荷記事☆

本棚

カレンダー


04月 | 2013年05月 | 06月
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -


お勧め。


ポストで買取,eBook Off

年代別ブログ図鑑

皆様の感想文

トラックバック

ベストセラー

にほんブログ村 小説ブログ ミステリー・推理小説へ

出雲信仰殺人事件/吉村達也
この本を読んでいる際、偶然にも吉村達也さんの訃報をお聞きしました。
偶然とは言え、まだまだお若い方ですので驚いてしまいました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

さて、吉村達也さんといえば、僕の中では『定価200円の殺人』のイメージが非常に強い方です。
しかしこれまで長編を読んだことが無かったという事もあり、今回は僕の住む岡山からも近い出雲を部隊とした長編を読んでみました。

□ あらすじ
平田 均はあるホテルのリニューアルに携わる仕事の為に、出雲大社の近くへ来ていた。
名ばかりのホテルをリニューアルして、雰囲気のある旅館へ…と奮闘していた。
しかしそこで宿泊客が殺される事件が発生する。
殺された男性の傍には出雲の伝説にまつわるヘビの死体があった…。
また同時期に東京では八岐大蛇を思わせる八匹のマムシに取り込まれた死体が発見され、続いて顔の皮をそぎ落とされた…まるで因幡の白兎を案じさせるような死体が発見された。
関係性はまるでなさそうな三つの死体、しかしそのどれもが出雲の伝説との関係を伺わせる。
平田 均は友人で、推理作家にして名探偵の誉れ高い朝比奈耕作に助けを求めるのだった…。


□ 名探偵・朝比奈耕作
僕は吉村達也さんの作品をあまり読んでいなかったので、朝比奈耕作を探偵とした作品も今回が初めてでした。
イメージがわきづらいのですが、ロック歌手のような風貌(染めた髪に、軽い化粧など)という異色の探偵です。
僕自身もシリーズを順番で読まなかったクチなのですが、初めて見ると謎の人物かもしれませんね。
作品の時系列も発表順とは前後している部分があるようで、(作品の時系列上では)この事件の後に起こる(?)事件の話題にも触れてあったりするので、第一作目の『私が私を殺す理由』から順に読んだほうが無難かもしれませんね。
後、とても興味をそそられる表現で紹介されている恋人も、今回は登場しません。

□ 感想
正直、前半は構築されているキャラクター像を把握するだけで大変でした。
もちろん徐々に紹介されていくので、シリーズの途中から読んでいてもすぐに大体のことは把握できるようになります。
そうなってくると、三つの事件を繋いでいく糸が徐々に見えてくる様子が楽しめます。
最初に出てくる人物たちが事件に関わるのかと思いきや…という展開は、読者の先入観を上手く利用しているようでにくい演出だなーと思いました。
少しずつでもシリーズを読みきっていこうかなーなんて思いました。
ただ最後に登場する告白文で一気に事件が解決されてしまうのは、シリーズを始めて読む僕としてはちょっと残念だったかもしれません。
やっぱり推理小説の醍醐味は、主人公が全てを解き明かす瞬間でしょう!

ネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
赤ずきんちゃん/グリム
買い物に行った先で、赤いターバンを見かけて以来何故か童話の『赤ずきんちゃん』が気になるようになってしまいました。

…ということで、こういうときに便利な青空文庫さんでグリム版の赤ずきんちゃんを読んでみました。

もちろん有名な童話なので、初めて読んだわけではないと思うのですが、いくらか記憶と違った部分がありました。

あらすじ
あるところに赤ずきんちゃんと呼ばれるかわいい少女がいました。
特に彼女の祖母は溺愛していて、ビロードで作った赤い頭巾をプレゼントしました。
とても似合っていたので、彼女はいつもこの赤い頭巾をかぶるようになり、『赤ずきんちゃん』と呼ばれるようになりました。
ある日、病気の祖母を見舞う為に一人で村から少し外れた場所にある祖母の家へ向かいます。
その途中、彼女は狼と出会い一緒に歩きます。
そこで狼は悪事を思いつき、彼女をそそのかして花摘みなどの寄り道をするように仕向け、自分は先におばあさんの家へと向かったのでした…。

□ 記憶に無かった部分
僕、子供の頃に聞いた記憶では赤ずきんちゃんと狼は同行していなかったように思います。
ってか、いくら狼が悪い生き物だって知らなくっても毛の生えた四足歩行をする獣くら警戒してもいいんじゃないかと。
後に知人の狩人が通りすがって狼に丸呑みにされた二人は救出されるのですが、ここでも描写が違いました。
確か…、二人は中で再会して励ましあうか何かしていたと思うのですが、まず赤ずきんちゃんが飛び出してきます。
曰く、『おおかみのおなかの中の、それはくらいったらなかったわ。』。
そして、後から『やがて、おばあさんも、まだ生きていて、はいだしてきました』と続きます。
もしかして赤ずきんちゃん、真っ暗でおばあさんがいたことに気づいていなかったのかな?
もう一人の被害者であるおばあさんは相当弱っていて『虫の息になっていました』だそうです。
ちなみにそんな状況で赤ずきんちゃんは『でも、さっそく、大きなごろた石を、えんやらえんやら運んできて(以下略)』、おばあさんの心配より先に復讐に走ります。
この作業が致命傷となり、狼は死んでしまったようです。
僕が読んだバージョンではぼかした表現になっていますが、彼女たちを助けに来た狩人は『おおかみの毛皮をはいで、うちへもってかえりました』とあります。
直接的な表現より、妙に迫力があるのですが…Σ(・ω・ノ)ノ!

□ 物語の意味
一時期、本当は怖いグリム童話…なんてタイトルで、初期の版などにあった残酷な表現や、エピソードが取り上げられたことがありました。
時代ごとに表現が変わってくる事は多々ある事ですが、こうした童話には教訓的な意味などが含まれていたりするようです。
この赤ずきんちゃんにもそうした意味は含まれていて、実は寄り道を諌める為のお話なのです。
この話で言えば、寄り道さえしなければ、狼に先回りされることが無く、おばあさんも赤ずきんちゃんも食べられることは無かったでしょう?という事なんですね。
だから物語の最後で、赤ずきんちゃんは寄り道は今後しないと心に誓っています。
そうした教訓的な意味合いから、グリム以前の時代に伝わっていた赤ずきんちゃんの物語は、二人とも助かる描写はないのだそうです。
死にたくなければ、まっすぐ行ってまっすぐ帰れ!…ということだったんですね。




もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
家にいるのが何より好き/岸本葉子
前々から岸本葉子さんの著作は読みたいと思っていました。
彼女の名前を知ったのは、デビュー作である『クリスタルはきらいよ』です。
…と言っても、読んだ事はありません。
かの有名な『なんとなく、クリスタル 』に対するアンチテーゼ(反対の意見のようなもの)とされる作品だと言うことで知っていたのです。

いつか、機会があれば両方をと思いつつ、未だに両方とも読んでいないままです。
そこで少し違う内容をと思い、エッセイの『家にいるのが何より好き』を読んでみました。

何で小説作品を読みたいのに、エッセイを買う!?という突込みが出てきそうですが、どういう著作があるのか探そうと思ってgoogleの検索をしてみたところ、検索候補にこの作品が出てきたので、これに決めました。
今や、google先生がお勧めの本まで教えてくれる便利な時代です。

閑話休題。

この本のタイトルを見ると、家の中での過ごし方を書いたエッセイのように思いますが、実際には異なります。
一番最初に出てくるのが『もっと暖かいババシャツ』で、男性用の下着から最終的には登山用の衣服まで登場しますが、もちろん外出したときに寒いから探すわけですし、ご自身も仰られる通りに旅行好きです。
このタイトルは旅のエッセイではなくて、日常生活を楽しんでいる様子が描かれています。

より暖かいババシャツを求めたり、英語の勉強に励んだり、テレビドラマにどっぷりハマったり。
体のことに悩んだり、ゴミ出しや事故の顛末なども綴られています。

著名な作家さんであり、その日常は一般の人とは違うのかと思いきや、意外に庶民派の生活感たっぷりな感じが楽しい作品です。
僕は男なので、30代(作品当時)の女性の一人暮らしの様子を楽しく読めましたし、逆に女性の方だったらいっぱい共感できたりするのではないかなと思います。
何事に対しても誠心誠意向き合っている様子は、ウケを狙ったエッセイよりも、もっと笑いながら読めます。
なんでもない日常こそが一番楽しい。
そんな事を思い起こさせてくれる一冊です。




もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
考えながら歩く吉備路〈上〉/薬師寺慎一
岡山県岡山市~総社市にかけての一帯を『吉備路』と呼びます。
造山、作山の古墳の他に備中国分寺、鬼ノ城、備前と備中のそれぞれの一宮があるなど、かつての吉備の国から、近代に至るまでの、岡山県内の歴史を語る上で重要な建造物などが集中しているエリアです。
観光地としても知られており、岡山のガイドブックには吉備路のコーナーが設けられる事も多々あります。

今回はそんな吉備路を『考えながら歩く』本を読んでみました。

古い時代の伝説には不明な点が多々あります。
その中でも吉備の国は、かつての中央政権に匹敵するような大きな力があったのではないかと噂されています。
それを証明するように、吉備の中山には御陵である茶臼山古墳がありますし、造山や作山といった古墳は、その規模では全国でも上位に入ります。
こうした遺構や、伝わる伝説の数々は多くの研究家たちのロマンをくすぐり、今でも研究が続けられています。

本書は吉備路を観光地として楽しむのではなく、そういった研究家の目線で楽しもうとする一冊です。

この上巻は概ね、岡山市のエリアを扱っています。
吉備津神社、吉備津彦神社、その周辺に伝わる温羅伝説、そして吉備の中山一帯に関する記述です。
考えながら歩くというタイトル通り、大胆な説なども紹介されています。
まだ明らかになっていない部分も多い事なので、全てが真実とは限りませんが、考えるのは自由。
著者の提案にうなってみるのもいいですし、自分なりに更に仮説を立ててみるのも有りでしょう。
ガイドブックでは出来ない、違った楽しみ方が提案されている一冊です。

特に吉備の中山に関しては、ガイドブックなどではなかなか細かい掲載が見られないので、この一冊を持っていくと、かなり楽しめると思います。
室内から屋外まで、しっかり楽しめる一冊です。




もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
岡山のふるさと村/柳生尚志、ゆうざきフォト集団
岡山県には昔ながらの風景をとどめている場所へ『ふるさと村』という指定を設けています。
昔ながらの風習を楽しんだり、景色を楽しんだり、時には歴史を学んだり…。
教育県を自称する岡山県らしい生真面目な雰囲気のある制度ですね♪

この本はそんな岡山のふるさと村の写真と、歴史や文化をまとめてある本です。
少し出版されてから古い(1994年)のですが、基本的にふるさと村と言うのは1994年どころではない、懐かしい風景を留めている場所なので問題ないと思います。

同名のタイトルで巌津政右衛門さんの著書もありますが、ちょっと観光に行ってみようかな♪というノリでしたら、この本が最適です。
…というよりは、他に選択肢が無いですよね。

インターネットでチ、ェックする他には、個別の本になっているか、観光ガイドブックなどで地域ごとに分かれて紹介されている事が多く、岡山県内にあるふるさと村を写真と簡単な解説とで一通り読めるのは、実は貴重な形態なのかもしれません。
実際に訪れないとしても、写真と解説だけでも充分に楽しめますけどね♪

余談ですが、前半がカラー写真、後半が解説という形に分かれています。
なので解説と写真が離れています。
読む際はふるさと村ごとに写真のページと解説ページを交互に見るようにするのがお勧めです。




もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
限界集落 吾の村なれば/曽根英二
郷土関連の本を多く読んでいると、周囲の方から何かしらの本を薦められる事があります。
その中でちょっと異色だったのが『限界集落 吾の村なれば』でした。
タイトルだけを見ると、岡山との関係が見えてこないのですが、舞台の中心となるのが岡山県新見市なんですね。
限界集落という状態への興味もあったので、読んでみました。

□ 舞台は岡山県
限界集落というのは、人口の半数以上が65歳の方が占める地域の事です。
日本の中でも中国地方は限界集落が多く存在する地域で、その中国地方の中でも岡山県は一番多い県なのです。

この本でも中心となる舞台は前述の通り新見市の新郷釜村という地域です。
岡山県の北部、鳥取県の県境近くにある地域です。
ここで暮らす人々にスポットライトを当てたのがこの作品です。

□ 岡山県の南北について考える
話を進める前に少し新見市や、岡山県の県北について書いてみます。
お隣の広島県も限界集落が非常に多い(岡山県より僅かに少ない程度で、ほぼ同じくらいの割合です)のですが、そこには土地柄の問題があるのかもしれません。
中国地方は山陽と山陰の地方に分けられますが、この境目となるのが中国山地です。
気候面についてもこの中国山地周辺を境目に、北は豪雪地域、南は温暖で雨の少ない、まさに県のキャッチフレーズにある『晴れの国』です。
この本で取り上げられている新見市は中山間地域と呼ばれる場所です。
土地の形状や気候でも厳しい中で、農業などを営んで暮らしていたのが当該地域の方々なんですね。
個人的にはこれが問題の一つなのだと思うのですが、県南へ行くと製造業が非常に盛んな地域になります。
倉敷市には水島臨海工業地帯があり、鉄や化学の企業が立ち並び、そして三菱自動車の工場もあります。
また玉野市に行けば自衛隊の船から豪華客船まで手がける三井造船の事業所があります。
地元からそれほど離れないままに仕事は沢山ある。
こういった環境も多少影響しているのではないかと思います。

□ 限界地域の問題とは
限界地域の定義となるのが高齢者の人口です。
じゃぁ若い人が戻ってきて人口が増えれば問題解決だね!…というわけにもいかないのが、この問題の真相です。
なぜ若い人が居ないのか。
そこには産業=仕事が無いという問題があります。
元々の農家で食べてきた人々にとっても農業で上がる利益は少なく、効率化の為に機械を導入すればお金が必要になり、JAから機械を借りても費用がかかる。
著者が取材に訪れた地域は農業が中心だったと思われる地域にもかかわらず、多くの田畑が放置されている様子が描かれています。
人を戻すためには、戻ってくる人が安定した収入を得る必要があります。
しかしその環境が整わない。人が少なくなれば学校やお店も無くなっていく。
どんどんと人が戻ってくるためにいい環境ではなくなってしまう、悪循環の中にあるのです。

本書ではこうした問題を暮らす人々の様子や発言から示しています。

もちろん絶望だけではありません。
県の支援も受けられない『蔓牛』の復活を産業の柱にと頑張る方、ピオーネの栽培で人口を+へ転じた豊永地区、人々に地域へ訪れてもらうための様々な取り組みなどが行われていることも同時に描かれています。
こうした問題は先延ばしにする事が出来ません。
今、かろうじて地域を支えている人たちもやがて歳をとっていきます。
何かしらの目的を持ってきた若い人たちが地域に住んでも、状況が改善されなければその子供たちは、また歴史を繰り返すように地域から出て行ってしまうかもしれません。
何か手を打つのであれば、今しかないのです。

□ 豊島の産廃問題
本の最後に登場する豊島は、著者にとっては世に名を知らしめる事となった、長年にわたって取り組んでいる問題でもあります。
だから登場した…というわけでもないでしょうが、この豊島も高齢が進んでいます。
そういえば余談ですが、本文中で香川県の役人さんが『離島振興という命題があるのですよ、香川県には』と、岡山県側が難色を示した展望タワーの問題の際に答えていますが、四国新聞の記事によると、離島に対する取り組みが最も弱い県になっているのが、先の発言をしたはずの香川県です。
そういった経緯もあってか、島の人たちの発言を見ていると、自分たちで頑張る、どうにかするという意識が非常に強いのです。
ここまでの本のテーマからすると、少し毛色の異なる集落ですが、取り組みをしようという意欲、そして何かをしなければ集落を守れないかもしれないという危惧が良く伝わってくる事例でした。




もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
岡山空襲-63年目の証言/深柢国民学校4年 小国民
図書館を訪れた際に、岡山空襲を回顧した本を見つけたので、読んでみました。

岡山空襲は戦争も終わりに近い1945年6月29日の夜中に岡山市の中心部へ対して行われた空襲です。
この空襲で市街地の73%がダメージを受け、岡山城などの貴重な文化財も多くが焼失しました。
死者は1,700人を超えるとされ、日本各地で行われた空襲の中でも深刻な被害を受けた部類になります。

この本は、その被害を受けた人たちの中で深柢国民学校(現在は統廃合により岡山中央小学校)の4年生(当時10歳)だった児童たちが63年経って、その記憶を後世へ残そうと当時を振り返ったものです。
現代社会が再び戦争を繰り返そうとしているのではないかという危惧、そして自分たちが『あと五年、長くて十年もすれば…私たちの寿命は尽きるのである。』(本文より)という、思いを繋いでいこうという気持ちから綴られた言葉たちです。

内容はそれぞれの人(22名)が個別に当時の出来事を振り返ったものです。
文字通り必死に逃げ惑った人、運良く疎開していたり遠出していたりして直接の空襲は免れた人…。
色々な人がいますが、生き残った喜びと多くのものや親族、知人を失った悲しさ。
沢山の想いが綴られています。

こうした被害を受けた人々の言葉を記録した本は何冊か出版されていますが、この本で一つ特徴的なのは助かった事例が多い事です。
戦争などに関する本を読んでいると、(戦争の被害について)「そんな怖い本は読めない」という方がおられます。
感想はひとそれぞれですので、そういった感想を持つ方というのがいるのも当然だと思いますが、苦手意識がある方でも比較的読み易い内容になっているのではないかと思うのです。

※通販での購入は見当たりませんでした。
興味がある方は岡山県内の図書館を検索してみてはいかがでしょう。


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
ターンエーガンダム/福井晴敏
生きてる間くらい、笑ってなさいよ

小説版のターンエーガンダム、下巻を読んでみました。

上巻でも小説版と原作であるアニメ版の違いはあったのですが、下巻はかなり違います。
小説版はどの作品も比較的対象年齢が引き上げられているのですが、∀はそれがとても顕著です。

多くの命が奪われ、多くの人が狂い、多くの人が傷つきます。

ただ表現こそ非常に厳しく、本当に多くの人が死んでしまうのですが『再生』をテーマにしていた点では一貫してブレていなません。
どれだけ傷ついて、どれだけ疲弊しても希望があれば頑張っていける。

月の住民は、どこかで科学技術を否定しながらもそれを捨てきれずに科学技術による地球再生や冬眠を行った。
地球の住民は、月からもたらされた技術に傾倒し、それを手にすることでより良くなれると過信しすぎた。

でもそんな両者の衝突が、自分たちの手で丁寧に地球を取り戻していく事に行き着いた風景は、やはり人のあるべき姿はこういうものなんだなと思わせてくれます。

傷ついたロランを救ったのが、明確な答えや未来ではなく、ソシエの涙と微笑だったように。




もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
銭形平次捕物控(巻一)/野村胡堂
野村胡堂さんによる、銭形平次捕物控の第一作目を読んでみました。

この銭形平次という作品は、僕が一番最初に知った捕り物帳の作品です。
テレビシリーズが放送されていたのですね。

さて第一作目となる巻一は、短編が5本収録されています。
赤い紐、傀儡名臣、お藤は解く、玉の輿の呪、金の鯉の作品群です。

子供の頃だったのでよく覚えていないのですが、テレビで見た印象よりは、推理小説らしいつくりになっています。

ガラッ八が飛び込んできて、事件を説明して、平次がそれをたしなめながら事件を推理していく…。
まさに捕り物帳の作品の金字塔とも言える定番の流れですね。
時には論理的に推理したり、また時には事件の当事者を集めて推理を披露して見せたり、時代こそ江戸になっていますが、堂々たる推理小説の体裁で描かれているのはさすが名作の誉れが高い作品だけあります。

時代こそは古いものの、判りづらい表現には著者がきちんとフォローを入れているので、時代小説や特に捕り物帳をまだ読んだ事がないという方にもお勧めの一冊です。




もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
探偵神宮寺三郎/未完のルポ
ファミコン時代から続く最長寿の推理アドベンチャーシリーズとなった神宮寺三郎のPSにハードを移しての第一弾だった、未完のルポを遊んでみました。

僕はPSから神宮寺三郎シリーズに入ったので、たぶんこれが最初に遊んだ作品だったと思います。

□ あらすじ

神宮寺三郎の元へ知り合いの記者、池上から手紙が届いた。
鍵を預かっていてほしいと言うものだった。
その後、別の調査で丘安組を調べていた時、池上が死んだ事と、彼が調べようとしていた事をまとめた『未完のルポ』の存在を知る。
事件の背後に隠れる様々な犯罪に、神宮寺三郎が迫る。


□ PS最初の作品
元々神宮寺三郎シリーズはFCのディスクシステムから始まり、普通のFCにも展開していました。
SFCでは作品が出ていないんですね。
なので一気にゲーム機の世代が進んだ本作ですが、ゲームの見た目は意外とFC時代を踏襲したオーソドックスなドット絵っぽい雰囲気があります。
そこにアニメーションと、実際の写真のような背景がはめ込まれていて、初期のPSらしい感じが漂っており、本作はその後の展開を考えると過渡期の雰囲気が強く出ています。
PSの二弾となる『夢の終わりに』ではその後のシリーズと同じ手書きっぽいイラストタッチに変わっていきますし、PSらしさともいえるポリゴンが登場するのもこの作品のみです。

□ システム
システムは今も昔も、神宮寺三郎シリーズは総当りの作品なのでFC時代から大きな動きはありません。
王道のアドベンチャーゲームのシステムを踏襲しています。
選択肢を押し続け、たまにタバコを吸って考える…。
余り詰まる事はないでしょうが、普段は操作メモの役割を担っている手帳が、たまにメモなどの役割に変わったりするので、詰まるとすればそこくらいでしょうか。
PSの容量の恩恵で、事件を様々な人物の角度から見る為に『神宮寺、洋子、熊野、与野』のキャラクターで事件に携われるザッピングシステムも充実していますし、おまけのミニゲームもあるので、アドベンチャーゲームとしては長く遊べる部類になっています。
ちなみに先述のポリゴンでの操作となるのは麻薬の密売人の尾行と、最後に登場するカーチェイスシーンです。
どちらも失敗がゲームオーバーになることがなく、難易度は低いです。
密売人の尾行はただただ十字キーの上を押して、影のようになっている通行人に話しかければいいだけですし、カーチェイスも簡単な車の操作で相手に追いついて拳銃の照準を合わせて撃てばOKです。

□ 感想
この作品の感想と言えば、登場人物…特に神宮寺三郎と助手の御苑洋子がやけに年増に見えます。
特にアニメーションの神宮寺三郎は32には見えません。
普段のアイコンだと逆に若く見えたりもするのですが(笑)。
そういった面はPS第一弾ということもあるので仕方がないのかなと割り切ってしまえば、小気味良いBGMも随所ごとに出てくるジョークのきいたせりふも、シリーズらしさがそのまま残された作品です。
話が少し重たい事や、バーへもう少し行きたかったとか(笑)、その後の作品を遊んでいると、多少思う点もあるのですが、これはこれで充分に楽しめる作品でした。




もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
岡山検定 要点整理「岡山文化観光検定試験」公式参考書
今回はちょっと興味があるご当地検定の公式参考書というのが出ていたので読んでみました。

岡山検定とは『岡山固有の歴史や自然、文化などを楽しく学んでいただくことを目的としています。』(公式HPより)と言うものです。
もちろん、こういう検定なので岡山に関してある程度以上の知識がありますよ!という証明にもなりますが、上記の文言からすると、岡山に関して勉強するための基本的な指針を作りますよ♪こういう感じで勉強してみてはいかがですか?というものなのかもしれませんね。

検定では岡山に関する歴史、地理、、食文化、観光、そして古今を問わず出身の著名人などの幅広い知識が求められます。
試験自体は準三級、三級、二級、一級に分けられていますが、この本にはそういった仕分けはありません。
問題に出そうな事を幅広く扱っているものです。
公式参考書とは言いますが、どちらかと言えば少し小難しく書かれた県内の観光案内といった趣でしょうか。
一つ一つを短く切って紹介しているので、空き時間で少しずつ読むのにも最適です。
前述のような試験が幾つかの級に分かれているとか、費用がどれくらいかかるとかとか、参考書定番の問題のサンプルと言ったものは全くありません。

そういったものはHPや過去問集に譲るようですね。

同じような参考書には運営主体である岡山商工会が出している本もありますが、そちらはまさに歴史の教科書と言った感じです。
読みやすさでは今回読んだ岡山検定 要点整理のほうが読みやすいです。

ところで僕は単純に郷土史を勉強するのが好きで読んでいるだけなのですが、公式HPの更新は随分と前から停止したままですね。もしかして、既に終了しているのでしょうか?





もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
岡山の怪談/佐藤 米司
結構、怪談話が好きだったりで稲川淳二さんのCDを車で流してたりします。
…ということで、岡山の怪談という本を読んでみました。

ただしこの本は、堅実で実直な本を出す岡山文庫です。
コンビニなどで売られているペーパーバックのような、怖い代わりに軽薄な内容ではありません。

怪談というよりは、地域に残る伝承の中から怖そうなものを集めたという感じです。
なので動物が化けて出るものがおおいです。
狼、狐、猫、猿…。
架空の生き物なら天狗などもいます。
こうした伝承が地域の祭りになったり、地名になったり、風習になったり…。

ただただ怖がる為の怪談ではなく、人々の暮らしや風習まで伝わってくる、重みのある怪談話が収録されています。




もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
中国古陶磁/小松正衛
こう言ってはなんですが、僕は骨董品の価値が判らない男です。
テレビなんかでよくあるじゃないですか、お皿とか壷とか出てきて、実はこの価格は驚くべき…!という展開の。
僕はそういうのを見て、驚きを通り越して『なんであんなのが高いんよ!』とか、怒り出してしまうようなタイプです(笑)。
でもそろそろいい年だし、そういうものを見る目も養わないと!なんて思いついて、たまたま手元にあった本を読んでみました。

中国古陶磁というこの本は、まさにタイトルの通り様々な時代の中国の陶磁の写真を紹介しています。
カラーブックスというシリーズのようですが、意外とモノクロ写真も多いです。
著者曰く、『古陶磁は、先人たちのたどってきた歴史の跡であり』なのだそうです。
こうした作品には国の文化の盛衰などが表れているそうです。

掲載されている作品は仰韶文化、漢、東晋、南朝、隋、唐、遼、宋、金、南宋、元、明、清に分けられています。
これらの時代の作品を写真で紹介し、二、三行程度の簡単な解説が加えられているのが前半です。
後半では時代別にどのような作品が登場したのか、どのような特徴があるのかといった解説が細かくなされています。
なので僕みたいな素人は後半部分とその時代の作品の写真を見比べながら勉強すればOKでしょう。
前半はカラーの写真が多いのですが、後半は全てモノクロです。

…まぁ、難しいですよね(笑)。
きっと共感してくれる人が多くいると思って、ぶっちゃけてしまうのですが、機械で作られている食器や花器に囲まれて育ったので、骨董品といわれる道具たちを見ても手作りの温かさや絶妙な感じを荒さとみなしてしまう。
同じものが二つとない…といっても、収納に便利な規格の商品のほうが便利だったりしてしまう。
まずはこの価値観を断ち切ってみないといけないんでしょう。

ただ一つ感じたのは時代が新しくなるごとに、現在にも通じる華やかな作品が増えてきますが、それよりも古い技術や色なども限られていた時代の作品がそれでも表現しようとしているものというのは、凄いなーと思いました。
それは使える技術が多くなるほど、失われがちなものですよね。

こういうブログにしても、人によっては普段の日記をかねている人も居ますし、僕みたいに読書メモだけに使っている人も居れば、更に突っ込んでジャンルや著者・シリーズを限定している人も居ますし。
どれがいいとかどれはよくないということではなく、同じような目的を持っていても、制約をつけることで変わってくる部分ってあると思います。
そういう中で、僕は古い時代が好きなんだなと見つけられたのは、一つの収穫だったのかもしれません♪




もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。

ブログ内検索

amazonさんで探す

本の虫を管理する!

copyright 2007 本の虫、中毒日記 all rights reserved. powered by FC2ブログ.