本の虫、中毒日記

読書感想文、乱発中。

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

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さぬきうどん 至高のうまさとは/プロジェクトX
僕の一家は元々が四国のほうに由来するとかで、幼い頃はよく墓参りに香川へ行ったものです。
なので一家共にうどんが好きで、うどん屋に行くと評論家ばりにうどんを語っていました。

実際、香川県に住む人々にとってうどんと言うのは、凄く身近な食べ物であり、思い出の味なんですね。
今回は外国製の小麦の導入によって失われた香川県の思い出の味を取り戻すためにさぬきの夢2000を生み出したプロジェクトに関する話題を読んでみました。

讃岐うどんは一時期殆どが『ASW』(オーストラリアスタンダードホワイト)と言う海外製の小麦で作られていたそうです。
長雨の影響で香川県内の小麦の生産自体が下火だったことや、ASWが製麺に適した居たことや仕上がりが美しい純白になる事が消費者に好ましく受け入れられた事などから、讃岐うどんも全国の動向に沿ってASWを使用していたそうです。
今回、このASWに代わる品種の開発をする為のエピソードを読むのですが、このASWの品質が低いわけではなく、今もって日本でも麺では主流ですし、後に問題となる不当表示(さぬきの夢2000として売り出されたものが、実は80%別の小麦だった)の際に混ぜられていたのも、このASWです。
では何が失われたのか…?
それは実は風味だったそうです。
思い出の味、そして思い出の風味を持った国産の小麦を作ろうと動き出したのが、このプロジェクトだったのです。

このプロジェクトは県が主体で行われた為に、予算や設備投資も充分とは言えない規模だったそうです。
ただし讃岐うどんに適した小麦という、ピンポイントの開発だった事から、規模に
最初に胚が出来るまで一年だったり、うどんを作ってみるのに、手先が器用な人が選出されたのは良いけれど、うどんを作るのは未経験だったりと、もうちょっと専門家を選べば良いのにと思いつつも、それでも情熱でやってのけたのは、やっぱり香川の人たちにとって、讃岐うどんの存在が特別だったと言う事もあるのでしょうか。

そうして出来上がったさぬきの夢2000という品種は、従来のASWをメインに考えられていた機械や手法では上手く使えない弱点を持つ物でしたが、地元の人たちが技術面でカバーすることで無事にデビューすることが出来ました。
これって大変な事ですよね。
美味しくても使いづらいならいらない!と言われたら、さぬきの夢2000は頓挫していたかもしれないし、2003だか2005だかという数字でデビューしていたかもしれない。
しかし、さぬきの夢2000の試食では思い出の味だったと言う意見が寄せられ、地元業者の方もそれを使いたいと願った。

この小麦の名前は、名実共に『さぬきの夢』だったんだろうなぁと思うのです。

最後に文中に登場する一文を紹介します。
讃岐の、讃岐による、讃岐のための小麦開発

エイブラハム・リンカーン!!

※この作品は電子書籍で美味しく頂きました。


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われら九人の戦鬼(下)/柴田鎌三郎
中まで読んだら下も読まにゃ気がすまん!…という事で、読んでみました。

伊吹野へ水を取り戻すために、かつての領主たちが山の上で水をせき止めている状況を打破しようと、文字通り全員が一丸となって戦います。
この為に組まれる決死隊こそが戦鬼となる九名だったんですね。
右近が入らなかったのが、少し残念です。

上・中と人間の生々しい感情が描かれていたのに対し、この下巻では、みんな一様に悟りを開いている感じがあります。
勿論、それは素晴らしいことなのですが、ちょっと退屈に感じてしまう部分もあるかもしれませんね。
そういう部分では上・中に一歩劣るかな?と思うものの、人の死や、誰かの為に生き、死んでいくことを覚悟した人々の美しい人間ドラマと言う意味では、本当に素晴らしいです。
特に梨花の死に際して、多門夜八郎の言葉は戦いに明け暮れてきた夜八郎の人間としての成長が伺えて興味深いです。
あの世に行ったら、海の見える小松に囲まれた家で犬や鶏を飼いながら暮らすんだそうですよ。(猫は何故か却下。鶏の卵が狙いでしょうか)
あの世では、もう死ぬことはない。そうとすれば、人間同士の争いもなかろう。わたしとそなたのくらしをさまたげるものは、何もないであろう



※新しい版では上下二巻に分かれているようです。


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美空ひばり 復活のコンサート/プロジェクトX
僕の幼い頃の記憶で、お亡くなりになった著名人として残っているのは、やはり昭和天皇、そして沢山の若者が泣いていたのが印象的だった尾崎 豊さん、そして大きな話題になっていった美空ひばりさんでした。
彼女が人生で最初で最後となる東京ドームのコンサートに臨んだ際のエピソードを読んでみました。

まず一ついえるのは、プロジェクトXというのは舞台裏を描いたものであって、例えばこのエピソードであれば、とても遠い位置から、長い闘病からの復活の象徴とも言える花道を歩くシーンへスポットを当てた山本ひとみさんであったり、舞台の演出などを担当していた野村真紀さんが中心になる傾向が強い作品だと思います。

でも、やっぱり今回の主人公は美空ひばりさん自身なんですね。
取り扱い方の違い自体もあるかも知れないけれど、やはり随所で輝きを放つのは、美空ひばりさん。

世の中には、そういうスター性を持っている人って言うのは、必ずいるものなのだと思います。

この作品の中では、美空ひばりさんの長期休養、そして復活を象徴する東京ドームでのコンサートが描かれています。
残念ながらこのコンサートは彼女の復活の象徴と言うよりは、最後の晴れ舞台としての位置づけをなされることが多いようですが、マスコミで流れた重病説を振り払うための、今までで最も高い音に挑戦した『みだれ髪』や、この東京ドームでのコンサート、そして花道の演出だった事を思って、再びあのコンサートの映像を見てみると、より生き生きとした美空ひばりさんの表情に気づかされるかもしれません。



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悪霊がいっぱいで眠れない/小野不由美(ゴーストハント3 乙女ノ祈リ)
この作品は表紙を見ても判るとおり、基本的には女性向けの作品なんだなぁと痛感する第三作目を読んでみました。
いやぁ、30目前のオッサンが読んで本当に申し訳ないです。
でも面白い作品に境界線なんて必要ないんです。

閑話休題。

□ あらすじ
ある私立の女子高では心霊現象と思われるトラブルが多発していた。
主人公である谷山麻衣と渋谷一也のいる渋谷サイキックリサーチの元にも依頼が舞い込んでいたが、所長であるナルこと渋谷一也は請け負おうとはしなかった。
しかしある日、ぼーさんこと滝川法生も同様の依頼を受けて相談を持ちかけてきた。
そこで話をよく聞いてみると、学校中のいたるところで心霊現象のような事が続いており、けが人が続出していると言う。
そこでいつものメンバーを動員して片っ端から浄霊を行おうと試みるのだが、なぜかそれは上手く行かなかった。


□ 上手く行かない除霊
面白いなぁと思うのは、渋谷一也という人物は、自ら霊現象について調べ続けている割に、霊と言うものに対して、基本的には否定的なスタンスを取り続けるんですね。
狐に憑かれたといった相談などに対して、一貫してカウンセリングを勧める。
実はこれがこの作品のミソとなる部分っていうのが、シリーズ名に対して皮肉な感じです。
前作では思い切り心霊現象に振っていたのが、今回に関しては真砂子も霊が居ないと主張し続けます。
しかし起こり続ける心霊現象としか思えない出来事、そして一也や麻衣を襲う謎の鬼。
著者の小野不由美さん自身、こういった事に造詣が深いんだろうなぁと勉強しながら読み進めていきました。
PKとEPSの違いなどなど、結構面白かったです。
この作品にはユリ・ゲラーとその代表的なパフォーマンスだったスプーン曲げ、そしてそれに感化されて自らもスプーンを曲げられるようになった少女などが登場してきます。
ちょうどこの作品の出る少し前くらいが、日本におけるユリ・ゲラーブームだったんですね。

□ 女子高校生だもの。
冒頭でも掲げたとおり、この作品はとにかく少女向けの作品なんだなぁと思わせる色合いが強いです。
舞台となるのが女子高という事もあって、麻衣はその学校の生徒と親交を深めます。
そして今で言うところの『恋バナ』に花を咲かせているので、ハートマークも多いのです。
ぼーさんがしているバンドの追っかけの子も登場したりで、オッサンはちょっとついていけません。
こんな気持ちが実るときがくるのかどうか…は、今後の展開に期待でしょうか。
…っていうか、麻衣はバイトの為にずっと学校につめているようにも思うのですが、この人自身の学業は大丈夫なのでしょうか。

ネタバレ等は続き以降で。
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いま、殺りにゆきます/平山夢明
昔、この人が出演している番組がgyaoにあったのを覚えていて、読んでみました。
怖いお話しばかりを集めた短編集で、全部で36話が収録されています。
一つ一つはかなり短めですが、中身は結構読んでいて精神的に痛みを感じるものが多いです。
恐怖と言うよりも不気味な感じだったり、不快感だったり、個人的にはそういった感情の方が強かったです。

この本は実話とされているのですが、もし本当にそうなのだとすると、その事実が一番怖い。って思いました。

一人暮らしの方をピックアップしたものが多いので、実際に一人で暮らしている方は読まないほうが良いかも知れません…。
また、単純に怖い話しが読みたい方は、別の本を探した方が懸命かもしれません。
結構、ディープです
結局のところ、生きている人間が一番怖いって言う結論に行き着くのでしょうか。




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使えるヤクザ語実戦会話術/向谷匡史
ビジネスに生かせるウラ社会「業務用語」なんてタイトルに惹かれて読んでみました。

この本には二面性があります。

まず一点にはヤクザと呼ばれる方々が使う業界用語の解説です。
業界用語と言うのは有名、無名を問わずに面白いものです。
例えば前にペットショップの熱帯魚売り場で働いていた事があるのですが、そこでは魚が死ぬことを『落ちる』と言っていました。
直接的な死という言葉を避け、魚が泳がずに沈んでいる様子を表現した言葉ですね。
こういう雑学的な楽しみ方が、まず一つ。

もう一つは本当にビジネスに活かす事です。
著者も言うとおり、一つの言葉の言い回しがビジネスチャンスの喪失ではなく命に関わってしまうような業界で、使われてきた言葉を習得することで、(さすがにそのままの用語を使っても通用しないでしょうけども)実際のビジネスの現場においても、一つ一つの機会を慎重に掴み取っていく事が可能になるはずです。
…本当かなぁ(笑)。

著者の挙げる例文は、それだけで微妙な間を取りながら話を進めていくのにはとても良いものだと思いました。

ただ…この手の本にしては珍しく、そのままを活用しようとすると何かを失う危険な一冊です。



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旗本退屈男第六話 身延に現れた退屈男/佐々木 味津三
この門を外に出でなば斬り棄て御免じゃ。三目月傷も存分に物を言おうぞッ。

前回は穏便に物事を片付けた旗本退屈男、今度は派手に決めてくれます。
やっぱり時代小説はこうでなくっちゃ!な、第六話を読んでみました。

早乙女主水之介は旅路の途中で馬子(馬を引いて人や荷物を運んだ当時のタクシーのような仕事。馬子にも衣装の馬子はこの職業から)たちが喧嘩をして客を争っているのを見つけた。
退屈男は威勢よく喧嘩をする二人に酒を飲ませようと誘うのだが、その旅路の途中で何人もの人間たちが財布をすられている様子を見て、その犯人と目される女スリ師を探し出すために、ある寺院へ辿り着くのだった。


この作品は江戸時代の仏教について勉強になるような気がします。
色々と調べながら読み進めてみました。

ネタバレ等は続き以降で。
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半七捕物帳7 奥女中/岡本綺堂
半七捕物帳の続きを読んで見ました。
今回はそうご無沙汰せずに半七老人の下を訪れた私が聞いた話から始まります。

半七もよく知る女性の娘が、ここ最近定期的にいなくなるのだという。
というのも、どこかのお屋敷へ連れていかれているのだが、特に酷い仕打ちを受ける訳でもなく、ただ奇麗な服を着せられて本を読んだり食事をしたりして十日完を過ごし、やがえて何両かのお金を渡されて家にもどらされるのだという。
何をする訳でもなく大金が貰えることに母親は喜んでいたが、しかしよく考えて見ると何やら気持ちが悪い話し出し、娘も気味悪がっている。
そこで半七の元へ相談に来たのだった。

娘の仕事は茶屋だったそうですが、当時の茶屋の女性というのは、今で言うところの芸能人、アイドルのような存在だったそうで、人気の有る女性スタッフになると、目当てのお客さんやチップまであったというから驚きです。
この娘さんというのも、美しい方だったそうです。

ネタバレ等は続き以降で。
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天にマのつく雪が舞う!/喬林 知
カロリア編の第三弾を読んでみました。
続き物に弱いのは本の虫の性です。

閑話休題。

前作で危険な力である「地の果て」が誤った方法で開放された為に、カロリアは国中に大きなダメージを受けていた。
そこで渋谷有利は自ら既に故人である領主に成り代わり、国の再興に眞魔国の力を動員して勤めていた。
そんな時、『大シマロン記念祭典、知・速・技・総合競技、勝ち抜き! 天下一武闘会』(略してテンカブなんだそうです)が大シマロンで行われるという通知が来たのである。
このテンカブは大シマロンが優勝することを前提にした出来レースのような試合であったが、優勝者には望むままの褒美が与えられると言う。
「風の終わり」を取り戻せる…!
彼らは、そのテンカブへ参加を決めたのであった。


いつの間にかキャラクターの変わったフリン、良い味を出している羊、そしてカロリア編に入って初めて眞魔国入りしながらも意味深な言動を残し続けた村田 健の正体も明らかになります。
よく見ると最初の段階から伏線はあったんですよね。
ツェリ様やコンラッド等々、お馴染みのキャラクターも続々登場、物語の雰囲気も徐々に明るくなってシリーズらしさが久し振りに味わえる一冊でした。



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旗本退屈男 第五話 三河に現れた退屈男/佐々木味津三
旗本退屈男の第五話を読んでみました。

時代小説の定番って、やっぱり勧善懲悪だと思います。
水戸黄門的な感じですよね。
やはり封建社会では、こういう創作の中ででも、痛快な展開を期待したものなのでしょうか。

旅路の途中で出会った聡明な青年が持つ馬が薩摩の藩士へ粗相をしてしまった。
怒った藩士は持ち主の青年を斬ろうとするが、主水之介に馬がしたことだからと窘められ、それでも腹が収まらずに馬を斬り殺してしまった。
そこで退屈男は青年のために、胸のすくような仕返しをして見せるのだった。

物語のテーマとしては、切った張ったという大立ち回りがある訳でもなく、地味な展開ではありますが、相手にしているのは結構大きな相手です。
血なまぐさい話にせず、爽やかな着地点になっているのが、なんとも痛快な作品でした。

ところで、この作品に出てくる「ぐずり松平」という方は実在なのでしょうか?
気になって調べて見たものの、今のところはそれらしい人物には行き当たりませんでした。




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人は見た目が9割/竹内一郎
なんていうか、タイトルで引き込まれて読んでみました。

このストレートなタイトルに、帯には『理屈はルックスに勝てない』の言葉。
毒舌が好きな僕としては、理想的な一冊に思えたのですが…。

結論から言うと、美人・美男子の方が得だよという内容ではありません
『はじめに』で早々に登場してくるのですが、『「言葉以外の情報」をすべてひっくるめて、「見た目」と捉えてみた』というのがこの本の趣旨であり、ノンバーバルコミュニケーションと言われる言葉以外で何かを伝える事を説いたのがこの本です。
、言葉がコミュニケーションの中で重視される割合は僅か7%程度なのだそうです。
それ以外の93%の部分をもって『人は見た目が9割』なのです。

タイトルがちょっとした罠になっていますね。
著者は演劇や漫画の原作などに携わっているので、例題もそういったものが多いので、そういったジャンルに興味がある方にもいいかもしれません。

例えば日本人はオーバーアクションを底の浅い印象として受け取るので、それを逆手に利用して、演劇などではコミカルな役どころの人にオーバーなリアクションをさせたりするそうです。
その他にも足の開き方、髪形などなど。
憎茶やぶぶ漬けといった言葉以外で意思を伝える物もあります。
前者は熱いお茶で来客に対する嫌悪感を、後者はそろそろ上がって欲しいという気持ちを伝えるものです。
日本人は余り主張を好としない農耕民族だった為に、こうした非言語のコミュニケーションを重視してきた部分もあるようです。

また、色もノンバーバルコミュニケーションの一つです。
これは国際的に決められたりすることからも良く知られていますね。
赤は警告の色であると同時に目立つ色。
本旨からはずれますが、目立つから警告なのか、警告に使われていた色だから人が本能的に反応するのか、ちょっと興味深いです(笑)。
黄色は注意を促す色。信号の黄色や、道路標識でも注意を促すためのものが多いですね。
また大きな荷物には明るい色を用いると軽く感じるそうです。
気持ちと色の関係性は昨今よく見直されているようですし、自己主張のために用いるのもいいかもしれませんね。

途中、間や匂い、しゃべり方など『見た目』からはかけ離れたものが登場するのは愛嬌として(なんたって、それもひっくるめて見た目と定義した上でこの本は作られているのですから!)、コミュニケーションに苦手意識を持っている人にとっては、『見た目』から相手に与える印象をコントロールできるような情報が詰まったこの本はなかなかに興味深い内容だと思います。
勿論、話術には自身があるのにイマイチ人との付き合いが上手く行かない…なんていう方にもお勧めの一冊。



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シャーロック・ホームズの破滅
あいつはこれまでに出会ったなかでも一番手ごわい相手なんだ

探偵:シャーロック・ホームズ
語り手:ワトソン

ホームズのパスティッシュには時折ホームズ自身ではなく、彼の子孫へスポットを当てた物語が登場します。
今作もそんな作品の一つです。
女性には興味を持たず、女性をワトソンの領分だと言っていたようなホームズが、どのような女性と結婚したのか…や、そんなホームズがどんな父親になるのか、どんな子供が生まれるのかといったifの物語はいつしもシャーロッキアンをわくわくさせるものでした。

ただし、この作品がそんな甘っちょろい内容ではない事は『破滅』という言葉がタイトルへ含まれる事からも判るのではないでしょうか。

ところでこの作者のA・E・Pという方。
エラリィ・クィーンの解説によると、謎の人物なのだそうです。
シャーロック・ホームズの私生活などで知られるヴィンセント・スターレットさんは『アラン・エドガー・ポー』の事ではないかという説を持っているそうです。
作者までなぞめいているなんて、素敵じゃないですか♪

ネタバレ等は続き以降で。
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いつかマのつく夕暮れに!/喬林 知
カロリア編の続きを読んでみました。
続き物って…なんか読んでしまいます。

さて。

前回まででカロリアにて捕まり、領主(実は既に故人で成り代わった妻)のフリンと共に、兵士を返してもらう大小として大シマロンへ連れて行かれることになったユーリ達だったが…?

という展開で。
前作に引き続き、とてもシリアスです。
ユーリ、ヴォルフラムは勿論旅の連れはいるものの、初めて見知らぬ土地で自分の力で歩くことを覚えます。
この二人の成長は特筆すべき点があると思います。
わがままプーと言われた貴族も、ただの高校生だと自認していた少年も、それぞれの立場に応じた方へ歩いていきます。
実際にはわがままプーの方は年齢的にはかなり高齢なわけですが、この年頃の少年たちの成長は本当に著しい。
そんな頼もしい二人が印象的です。

この作品で徐々に魔族側の登場人物も揃ってきます。
ギュンターもひっそり復活します。
意外とオキクギュンターも良かったのですが…。

主人公二人の影に隠れていますが、グレタの成長もむずかゆいですね。
名ばかりの養女かと思いきや、きちんと義父であるユーリならどうするか?を考え、ヒューブを守ってみせます。

やっぱり次回作が気になります。早く読み終わりたいですね♪



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きっとマのつく陽が昇る! /喬林 知
普通の高校生が急に魔王になってしまうという風変わりな物語の続編を読んでみました。
ここからがカロリア編と呼ばれる異国での長編シリーズになるそうで、なんと一冊で完結しません。

海の家のバイトに来ていた渋谷有利だったが、いつものごとく眞魔国へたどり着くが、いつもと様子が違う。
敵の襲撃を受け、生死も判らぬままコンラッドと別れ、見知らぬ異国の地へたどり着いてしまうのだった。
ギュンターも仮死状態に陥り、有利はなぜか人間の世界から一緒に来てしまった村田 健と共にカロリアの国を旅することになるが、何とかヒントを得ようと辿り着いた領事館で、有利がつけていた青い宝石の為に生まれを間違われ、利用されることになってしまうのだった…。


この作品は文句なしでシリアスに仕上がっていますね。
この作品としては初めての展開ではないでしょうか。

本編とは無縁に思えた土佐日記の内容も、いい具合に入り込んできます。
魔族から離れて行動する渋谷有利、そして彼を探そうとあらゆる手を打つ元プリ達、そして仮死状態に陥っていたギュンターを救おうとするアニシア。
様々な角度から進んでいく物語の展開に、振り落とされないようにじっくり読み込んでいける作品です。



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夜光虫
最近、ちょっとしたきっかけで手にしたSFCでまたサウンドノベルを楽しんでみました。

SFCのサウンドノベルの金字塔といえば、やはり『弟切草』、『かまいたちの夜』ですが、本作はそのブームに乗って作成されたといっても良いソフトで、チュンソフト以外がサウンドノベルを手がけた記念すべき作品とも言われています。

ゲームの舞台は航海中の船なので、クローズド・サークルかと思いきや、サスペンスと言うか、ホラーと言うか…。
謎解きを楽しむゲームではないような気がします。
蜂と争ったり、幽霊と争ったり、夜光虫と思いきや蛍がメインになってみたり、密航者とドタバタしてみたり…。
どちらというと、本当にノベル寄りな作品だと思います。
密航者編ではこの手のゲームにしては珍しく、悪いほうの立場をプレイすることも出来ますね。

ただ、やっぱりかまいたちの夜って偉大だなぁと思ってしまうのです。
まだまだ創世記の作品ですが、GBに移植されたそうで、実はそちらの方が高評価だったそうです。
…またいつかGB(カラー)を手にする機会があれば、是非挑戦してみようと思います!




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にぎやかな部屋/星 新一
星 新一さんが始めて手がけた戯曲、にぎやかな部屋を読んでみました。
元々は上演することを前提とした作品ではなかった(レーゼドラマ)そうですが、その後本当に実演されたそうです。
ただ戯曲としては処女作だからと言う為か、はたまた読むことだけを前提に書いた戯曲だった為か、その出来に関しては、『理想的な上演とは、読者の頭の中でなされるもの以外にありえない』と述べておられます。

さて、この賑やかな部屋の中には二種類の登場人物が出てきます。
まず一種類は生きている人間
金貸しと占い師の夫婦、その娘、そしてそれぞれを訪れる来客です。
もう一種類はその生きている人間についている守護霊です。
この二種類の登場人物たちが金貸し兼占い師業の事務所に集まり、人間たちのやり取りに対して霊たちもそれぞれに色々な意見を述べる…それが、まさに賑やかな部屋なのです。

生きている人間の持つ欲を、死んでからそういったものの価値の浅さを悟った霊たちが眺めている風景はとてもシニカルで、面白い作品です。
霊も生きている人間には殆ど干渉できない存在を守り続けているのが、独特な世界観を作り上げています。
彼らも読者と同じく、傍観者の立場から離れられないのです。

長編ではあるものの、戯曲として書かれた為か、作品は発言が中心になっているので著者の得意とするショートショートと変わらないくらい、容易に読み進めていく事が出来ます。
出来れば上演された演劇のほうも見てみたいのですが、今のところ動画が残っているのかどうかも確認できていません。
著者にはテレビで作品化すること、生きている人間に対し死者を灰色にすることでより生死を判りやすくする…といったアイディアがあったようですが、当時の技術的に無理なのだろうと諦めておられたようです。
今なら余裕で出来る!のに、うーん、残念。



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半鐘の怪(半七捕物帳6)/岡本綺堂
半七捕物帳より、僕の大好きな作品である『半鐘の怪』を読んでみました。

この作品は、なんていうかオーギュストな感じなわけですよ。
初めて読んだ際には思わずポーっとしつつ、思考してしまいました。
半七捕物帳は場所が日本で江戸時代という舞台設定などから雰囲気は大きく違えど、ホームズの影響を強く受けた作品です。
…が、この作品を読むと岡本綺堂さんが古今東西の色々な作品に目を通していることがよく判ってきます。
ところでタイトルにもなっている『半鐘』ですが、江戸の町で火事を知らせるために使われていたものです。
江戸は木造建築ばかりが並び、更に当時の世界を見てもかなり人口の密集した町でした。
なので火事の発生は最も迅速に対処しなければならない出来事だったそうです。
ちなみに彼らには毎日入浴する習慣が既にあったものの、火事の恐れから、相当大きな屋敷にならないと家にお風呂はなかったそうです。

舞台は江戸の下町。
ある場所で夜な夜な町内の半鐘が鳴らされると言う悪戯が続いていた。
しかし火事かもしれない可能性を考えると無視できないということで、それを見張り始めると今度は洗濯物や女性に悪戯の矛先が向けられたのである。
しかしその犯人と言うのが、人間なのかそれ以外の何かなのかがよく判らない。
そこで半七が調べに出てくることになったのだが…?


ネタバレ等は続き以降で。
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とある魔術の禁書目録3/鎌池 和馬
いつの間にか禁書目録(インデックス)が前座の漫談のようなキャラクターになってきたなぁ…と思いつつ、第三巻も読んでみました。

この作品で取り上げられるのは、初回からずっと登場してきた学園内でも屈指の能力者である御坂美琴がようやくヒロイン役として登場します。実際に幼いんだけど、好きだから構うっていう、幼い思想を不意に思い出して、ちょっと苦笑いをしてしまいました。
こういう単純な感情との再会って、オッサンになると照れてしまいますね。

そしてもう一人登場するのは学園最強能力者である「一方通行」と呼ばれる少年です。
あらゆる攻撃を反射してしまう彼、そして御坂美琴そっくりの御坂妹が繰り広げる、ちょっとシリアスな物語です。

それにしても、最近のライトノベルというのは独特の文体の物が多いんだなぁと、シミジミ。
個性的というか、何気ない文章だけで作者が判るような癖がありますね。
少し前に流行した携帯電話向けサイトから登場したケータイ小説も、文章の書き方が良くも悪くも話題になっていましたが、今時の若者たちにはこういう癖のある文章の方が好まれるのでしょうか…なんて事をぼんやりと考えてしまいました。

ネタバレ等は続き以降で。
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お化け師匠(半七捕物帳5)/岡本綺堂
岡本綺堂さんの本領発揮?
少しホラーっぽい雰囲気の作風で構成された『お化け師匠』を読んでみました。

水木歌女寿(かめじゅ)という踊りの師匠が死んだ。
彼女は欲に捕らわれ、実の娘も早死にさせてしまった事からお化け師匠という渾名をつけられていた。
しかもその死に方が蛇に巻き殺されたというから、娘の怨念が母を殺したのではないかと噂されていたのだった…。

物語としては、昔の世相がキーポイントになります。
蝮よけ蛇除けの御符売りの商売道具がキーポイントになるなんて、和製ホームズもなかなか風情がありますね。

ちなみに主人公の『わたし』と半七老人は、随分と親交を深めているようで氷川様のお祭りの際には強飯やお煮染めを食べたり、酒を飲んで気持ちよくなったりと、なかなか楽しそうな時間を過ごしています。
犯人に自白を迫るのに『悪く片付けていやあがると引っぱたくぞ』なんて語った半七も、年を重ね、軒提灯で明るくなった町の風景を楽しみに出て行くのでした…。



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学校であった怖い話
先日、46億年物語をプレイするためにSNESを再び手に入れたので、勢いで幾つかサウンドノベルなどにも手をつけてみました。

このゲームは何度か再発されている有名なゲームですね。
学校の新聞に載せるために学校にまつわる怪談話を同じ学校の生徒から聞くという形式のもので、主人公自身がホラーを実体験するシナリオもあるものの、主立っては他人の話を聞くばかりです。
勿論幾つかの分岐点はあるものの、一般的なサウンドノベルのゲームと比べると、プレイヤー自身も読む作業が中心にあるような気がします。

ただ、このゲームの分岐には一つユニークかつゲームとして最も重要なものが与えられています。
それは順番です。
新聞部へ怪談をするために集まった生徒たちの『誰を何番目にしゃべらせるか』によって、話される物語が一変するのです。
更に最後に誰が話すのかによって七番目の怪談が変わってきます。

例えば表示される順番に読むと、七番目の怪談は主人公が知る事が出来ないエピソードになります。
でも順番を入れ替えてみると…?

シンプルなゲームに見えて、実は収録されているシナリオの数は相当な数である事に気づかされるでしょう。
順番の入れ替えと、選択肢によるストーリーの分岐とを加えると、結構お買い得な作品です。
まぁ、僕みたいに二回目以降のプレイでもずーっと順番どおりにやってしまう人も、きっと世の中には何人かいたはずです。
きっと。



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