About Me

Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

最新入荷記事

本棚

カレンダー


12月 | 2011年01月 | 02月
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -


お勧め。


ポストで買取,eBook Off

年代別ブログ図鑑

皆様の感想文

トラックバック

ベストセラー

にほんブログ村 小説ブログ ミステリー・推理小説へ

本の虫、中毒日記
読書感想文、乱発中。
岡山の駅舎/河原 馨
タイトルそのままです。
平成二十二年時点で岡山県にある駅舎全ての写真です。
道の駅は除かれますが、岡山電気軌道の路面電車は含まれます。
もちろん僕が知っている駅もあるので、読んでみました。

駅というのは、意外と古い建物が残っているんだなと思いました。
僕は田舎の方に住んでいたので無人駅も慣れていたのですが、とても小さくても人が居る駅もあれば、大きい割りに人が居ない駅もあったり、直営の駅と委託の駅など、駅ごとで事情が色々とあり、電車マニアではない僕でも充分に楽しめました。
個人的には電車より、駅かなぁ…。

これはごくごく、個人的な感じ方なのですが、駅には人の生活が染み付いていると思うんです。
僕自身、大学時代は電車で通っていたので駅を毎日見ていましたが、見たことの無い駅のラッシュ時を思ってみたり、この駅を見上げて通勤や通学の人たちがどんな風に感じたのかなど、思い浮かべてみるとなかなか面白いです。
僕が使っていた駅もありますが、別に際立って風情があるわけでもないのですが、もっと簡素な風景を思い出に残している人、多分本人たちは気付かずにすごした、凄く贅沢な風景を思い出に持っている人…。
そういうった人々の生活を思いながら見ていると、思わず時間が経つのも忘れてしまいそうです。
地元を離れられて暮らしている方も、きっと思い出の駅が見つかるはずです。
無人島へ行くなら時刻表―とは思えない人にお勧めの一冊です。


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
金子信雄の楽しい夕食/金子信雄
テレビ番組として放送されていた文庫版です。
1995年、金子信雄さんの逝去直後まで続いていた番組なのだそうですが、当時僕の住んでいた家は朝日放送の受信状況が余りよくなく、僕自身は見た記憶がありません。

料理が大好きだった俳優の金子さんが自ら腕をふるう料理番組だったそうで、この本にも沢山の食べ物に関するエピソードと、色々なレシピが紹介されています。

僕は料理が出来ないので、やはり読み込んだのは前者です。
この方には有名なエピソードとして、外出先で新鮮な素材を手に入れたので、帰宅する日程を一日早めた事によって飛行機事故の難を逃れたというものがあります。
この部分だけを読むと奇跡だとかという言葉が踊りそうですが、それくらい食べるものやその素材に対するこだわりがあったのでしょう。

紹介されているレシピは合計で270もあるそうです。楽しいエピソードと共に頂けば、尚のこと楽しい夕食が待っていそうです。


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
MOTHER2/久美沙織
前作に引き続き、MOTHER2の小説版も読んでみました。
前作はOriginal Storyと銘打たれるくらい、原作から飛躍した表現を試みた作品でしたが、今回の2はより原作から離れた設定で描かれています。
その辺りの流れはあとがきでも良く書かれていますが、ゲーム版のMOTHERは1と2では中心となる三人のキャラクターの設定はほぼ同じです。
主人公がDQなどでいうところの勇者役、女の子が魔法使い役、そしてもう一人の男の子は機械…という感じですね。
おともだち2は前作の通称・テディとは大きく異なる個性を持っているのですが、久美沙織さんは見掛け通りに前回と同じ個性を与えるようなことはしなかったのです。主人公は比較的同じようなキャラクターになっていますが、女の子は結構大人っぽい言動を見せますし、お友達1は芯のある男っぽい性格であると同時に暗い過去を背負っています。
前作の小説も読んだ方は、キャラクターのイメージから引き出された、前作とは大きく違うキャラクター設定を楽しむのもいいかもしれません。

ただ、本当に別物と思えるくらい飛躍したオリジナルストーリーです。
DQのノベライズでも多少賛否はあったようですが、久美さんが原作と同じ設定とアウトラインを与えられて書いたオリジナルの小説だと割り切れる人でなければ、この小説は読まなくてもいいかもしれません。
どせいさんフォントを再現したり、結構描写もハイテンションな感じで、原作の雰囲気を残しつつも、久美沙織さんの世界観満載に仕上がっています。

でも、面白いんですよ。

主人公とその隣人でありボスとなるポーキーの間にある感情や、お友達1にもエピソードがあるし、人と人とのつながりの大切さや、気持ちの奥底に潜ませている複雑な感情といったものが物語の中心にあり、ポーキーという敵は自分の中で悔やんでいたり、忘れてしまいたいような感情の象徴なのではないでしょうか。
あの時こうすればよかった、あんな事はしなければよかった、悪いなぁ、どうしよう…。
主人公とポーキーの戦いは、そんな自分との決着だったのではないでしょうか。

ちょっと飛躍しすしぎたラストシーンは、著者の言うとおりMOTHERではなくBROTHERだし、困ったことにMOTHER3と繋がらなくなってしまうのですが、いいじゃないですか。
残念ながら、現実はこの作品のように過去を変えていく事は出来ないのですが、覚悟を決めて自分のわだかまりを打ち破れば、世界が変わったような新しい生活を送ることは、絶対に出来るのです。
そんな勇気を持たせてくれる一冊。
PK気合で、ちょっと毎日を変えてみませんか?



テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
浅見光彦殺人事件/内田康夫
タイトルから非常に惹かれていた作品です。
著者よりシリーズを三作品以上は読んでいる人が読んで欲しいという注釈付きだったのですが、結構シリーズも読破してきたので…、とうとう読んでみました。

□ あらすじ
主人公となるのはある殺人事件の被害者の娘だった。
彼女の父親は出張先で殺されてしまったのだが、その直前に気になる言葉を残していた。
彼女の母親が亡くなる際にあるトランプの本を守るように伝えて絶命したのだが、ずっとその意味は判らないままだった。
その謎がようやく解けたのだというのだが、結局その謎は判らないままになってしまった。
そんな時、彼女の元へある一人の男性が訪れる。
名前は浅見光彦というルポライターで、事件を調べたいのだという…。


□ 初見さんお断りの作品
一つだけいえるのは、この主人公が死んでしまうような暗示を持つ興味深いタイトルの作品は浅見光彦シリーズをよく読んでいる人ではないとお勧めできない…というより、浅見光彦シリーズの入り口としてこの本を読んではいけません。
まずこの作品では浅見光彦は主人公という立場ではないし、何よりも作品の一番美味しいところが初めてでは楽しめない。
この作品とこの作品を読んでから読んでください…というのではなく、とりあえずシリーズの作品を何作か読んでから…というのですから、難しい注文ではないはずです、きっと。

ネタバレ等は続き以降で。
続きを読む

テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
氷原に響く交声曲(終わりなき即興曲)/山本 弘(ソードワールドリプレイ集3)
ソードワールド初期に行われた、ソードワールド…そしてTRPGの楽しさを伝える為のリプレイ集、最終巻に収録されている第一作目です。

前作で海が見たいということで北へ向かった一行。
…海は海でも凍りついた海へたどり着きます。
あたしは海が見たいんであって、氷が見たいんじゃない!(笑)
…ごもっとも。
ケッチャの料理で出した会心のイチゾロが最大の見所でしょうか。
きっとTRPGにはサイコロの神様がついているんですね。

落ちぶれた漁師を立ち直らせるために、黄金の皮を持つ『ゴールデンワンダラー』を狩りに出て行きます。
そろそろこなれてきた為か、GMである山本さんもルールブックに無い色々な判定を考えたり、ソードワールドがより柔軟に幅が広がった形で展開していきます。

それにしても相変わらずスチャラカ冒険隊の面々はマニアックです。
照明弾を呑みこむ習性とかはないと思うぞ(笑)とか、三日月珊瑚礁とか、結構コアな話題が飛び交っています。
本当に楽しい面々だなぁと思うのでした。

この辺りからチームの中の魔法を使う面々が成長してきているのも見所ですね。
ケインもスネア一辺倒から脱却し、色々な魔法を用いて戦いに貢献して見せます。
リプレイ集によっては最初からある程度のレベルを与えているものもあるようですが、こういう成長していく姿って…やっぱり良いですよね。思い入れが入る。
戦士系の人たちも強くなっているけど、サイコロの目に左右されている部分もあってか、この時期になってくると逆に成長が目立たないのかもしれませんね。


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
彼女はたぶん魔法を使う/樋口有介
元敏腕の刑事にして、今はフリーライター兼探偵業を営む柚木草平を主人公としたシリーズから、タイトルからしてらしいなぁと唸らされる本作を読んでみました。
これがシリーズの第一作で、後々の作品ではぼかされている設定が結構ダイレクトに登場しているのが特徴的です。

□ あらすじ
柚木草平の元へ、不倫相手で警視庁の吉島冴子から持ち込まれた事件があった。
二人きりの姉妹の妹がひき逃げされ、死んでしまった。
姉としては殺人であると強く思っていたが、警察は単なるひき逃げ、交通事故として処理しようとしているようだった。
そこで元々は刑事であり、今はフリーに動ける彼へ調査の依頼を持ち込んだのだった。
死んだ少女の身辺を調べると、色々と不審な点が出てきて調査はそれなりに順調に見えたのだが、調査の途中で話を聞いていた死んだ少女の同級生が死体となって発見されるのだった…。
男女の愛憎劇、そして柚木の周辺に現れる様々な美女とのやり取りが興味深い一冊。


□ 初期の設定
第一作目とあって、後の作品では仄めかす程度で流されている設定がはっきりと綴られています。
まず柚木草平が警察を辞めた理由。
彼は元々警察の中で順調にキャリアを積む、有能な刑事でした。
しかし事件の途中にヤクザを射殺します。この出来事自体は正当性を認められており、警察からお咎めがあったわけではないのですが、結局、この事件を原因として彼は退職します。
その理由は、表向きには殺した相手に子供がいたということを知った為ですが、実際の理由は自分が殺意を持って相手を殺したという自戒から来るようです。
しかし表面上はヤクザを正当な理由で死なせたのに、子供がいたという理由で取らなくてもいい責任を取って辞めたのであり、この事で奥さんとの関係が悪化し、別居に発展してしまいます。
その奥さんとの間には長女がおり、月に一度は会うようになっています。
お互いにもめながらも、子供の為もあってか離婚にまでは至っておらず、同じく単身赴任中の夫が居る吉島冴子とはいわゆるW不倫の関係です。
奥さんは警察に取材に来ている記者だったそうで、別居後には人気の評論家として活動し始めます。
ちなみに柚木草平自身も犯罪のルポライターとして人気を博しているので、別居中とはいえなかなかの文筆家の夫婦だといえるでしょう。

□ 感想
登場人物の女性が一から十まで全員いい女というのは、定番でしょうか。
軽妙なトークで、結構女性から興味を示される割りにいい関係にまでいたらないように一歩引くあたり、ハードボイルドになりきれない柚木草平の性格が出ていて面白いです。
奇麗事の奥にある切実な現実や、複雑な男女関係などが出てきて、怪しい人は犯人じゃないけど、でもやっぱりグレー…みたいな、直接の犯人、犯罪のきっかけとなった人、利害関係でそれを言い出せなかった人、最後まで読み終えてみると予想外にたくさんの関係者が出てくることに驚かされるのではないでしょうか。
本格派というわけではないのですが、最後まで読み終えて思わず感嘆の声が出るような鮮やかな結末でした。
物語としては結構重たいところもあるのですが、それを主人公の絶妙な切り返しで上手く和らげていて、とても読みやすい作品でした。
著者の作品はページ数以上に手軽に読めるのですが、やはりその最高峰はこの柚木草平シリーズではないでしょうか。


テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
しびれるサービス/中谷彰宏
ここ最近、経営者の方が書いた本をよく読んでいたのですが、ちょっと頭を切り替えるのに中谷彰宏さんの本を読んでみました。

経営者の方が業界全体を見渡していたのに対し、この本では各店舗の店長さんや店員さんといった個々の動きに関して触れてあります。
タイトルは『しびれるサービス』ではありますが、基本的には難しいことは書かれておらず、シンプルで実践しやすいことばかりです。
冒頭で語録として幾つかのフレーズが出てきて、その言葉に対するフォローを本文中で行うという形式で書かれているのですが、その語録に登場する一つのフレーズが全てを物語っていると思うので、ご紹介します。

「そんなことは誰でもできる」ということをしよう。

本当にこれが全てだと思います。
アスリートの方のように鍛錬が必要なことや、資格を持っておられる方のような専門知識になるとここの能力は変わってきますが、お客様に接するのに必要な気配りや能力というのは、そんなに大きな違いはないと思います。
やろうと思えば容易い事なのですが、意外と実践できていない事って多いはずなんです。
なんとなく忘れがちなのか、それともこのくらいの事をしたって大差ないだろうと軽視してしまうのかは判りませんが、例えばお店に入ったときに事務的ではない「いらっしゃいませ」は気持ち良いし、おつりを渡すときに手を包み込むように渡されると悪い気はしないものです。(特に可愛い店員さんだと、もうこの店以外のコンビニは行かない!と思える爽快感があります
そんな事の繰り返しなんじゃないかなって思うんです。
この本では軽視しがちなちょっとを再認識させてくれます。
勿論応用的な点も沢山紹介されているのですが、まずは上記のフレーズのように困難無く出来る一つ一つのことへ取り組んでいってみたいなと思いました。



テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
戦国力 逆境を生きるということ/火坂雅志
僕は去年くらいから色々な企業のトップの言葉を積極的に読むように心がけています。

その結果として、今まで興味の無かった方々の哲学を知る事が出来、ユニクロの柳井さんや、セブンイレブンの鈴木さんの言葉との出会いというのは非常に大きなものだったなぁと痛感しています。

もし戦国時代にこのような文化があれば、こんな本が出ていたのかな?と思ったのが、この本です。
戦国時代に活躍した武将たちの行動における哲学や考え方を紹介してくれるのです。
戦略を練ったり、人を掌握するために四苦八苦したり…。
商売と戦い/治世というのは大きく異なるように見えて、実は中で舵取りをしている人たちに求められる能力というのは似た部分があるようです。
彼らが現在に生まれていれば、やはり何か大きな会社で地位のある人物になっていたかもしれないし、前述の柳井さんや鈴木さんという現在のカリスマ経営者たちは全国統一でも成し遂げるような立派な武将になっていたのかもしれません。

それほどまでに、戦国時代の出来事を描いたこの本と、現在の経営者たちの本を読むのとでは読後感が似ています。
歴史が好きという方は、こういう本から現在に反映できるような経営(?)哲学を学んでみるのも面白いかもしれません。


テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
鈴木敏文の「統計心理学」/勝見 明
その原動力は、既存の概念を壊して、新しいものを創ろうという意欲です。それで、すべてを乗り越えてきた。

セブンイレブンの日本における創業者であり、グループの会長である鈴木敏文さんに長くインタビューをし続けてきた著者が、その言葉の中から金言と呼べる鈴木さんの経営哲学を覗かせるようなフレーズを集め、その言葉の意味を掘り下げていく本です。
色々と鈴木敏文さんの言葉に触れ、ファンになってしまった僕にとってはベストアルバムのような一冊です。
勿論、読んでみました。

□ 心理学から読む統計
やはり言葉の節々から感じられるのは『心理学』を重視していることです。
なので『流行に乗って商売するとは“飽きられるもの”を売ることである』と言い切ります。
売れているものをランク付けするABC分析でも、『とかく、人はよく売れた商品をまたそろえようとします。それは”昨日のお客”に対する商売の仕方です』として、統計でありがちな売れているものを充実させようとする動きをけん制し、仮説とPOSシステム(商品の販売データ)による検証によって次に売れるものを見つけ出すことを重視します。
だから鈴木敏文さんは他社見学を否定します。それは、過去に売れていたものの研究にしかならないから、なのでしょう。
これは『モノ不足の時代には経済学だけで考えればよかったが』という言葉とともに、今の時代の心理学の大切さを身にしみて感じているからだそうです。
この心理学には、ソフトクリームと氷菓子のどちらが売れ出すのかといった外的要因によるものや、地域性など様々な要素が絡んでいます。
なのでセブンイレブンのフランチャイズである各店舗へ本部の考えを伝え、店舗を助けるために送られるOFCと呼ばれる方々も、ただ自分たちの持っているデータだけを重視するのではなく、店長や店員など地域に密着している人たちが持っている情報と照らし合わせながら、商品を選ぶ事を重視しているそうです。
だからこそ、POSシステムというのはただ統計から売れている商品をピックアップするためのデータではなく、自分たちがこれはいけるのではないかと思った戦略に対する答えを導いてくれるシステムでもあるのですね。
POSシステムを導入しても上手く行かない企業にとって、この差異は大きなものだと思います。

□ 心理学はより深く
今回、他の書籍よりもOFCの方など、地域の店舗経営に関する考え方などがより深く掘り下げられていました。
そこで感じたのは店舗ごとの差異に、心理学というものが想像以上に深く入り込んでいる事でした。
例えば海に近い店舗では梅おにぎりが多くラインナップされているそうで、これは釣りに行く人が、長持ちしそうな梅を選びがちなことがあるそうです。
しかしこれはまだ序の口で、例えば団地の近くにあるセブンイレブンは全て同じように動いているのかというと、団地が出来た年代によって更に分けられ、そこから学校などの施設の有無であるとか、地域の行事などにも合わせてどんどんと変えていくそうです。
最近のコンビニは表面上、どこの店舗に入っても全く同じように見えるのですが、実は立地や都市部、田舎など条件の大きく異なる店舗ごとではかなり細かいところで違っているのでしょう。

□ 情報交換の大切さ
セブンイレブンでは有名なFC会議というものがあります。
この本ではその様子も細かく紹介されています。
今まで言葉はよく目にしたものの、どういった事が行われているのかはよく知りませんでした。
それもそのはず、従来は公開されていなかったのだそうです。この本で初めてではないのかもしれませんが、貴重ですね。
各店舗に本部の情報や考えを伝えて歩いているOFCという役割の方がおられるのは先述の通りですが、その人たちは毎週火曜日に終結し、会議を行っているそうです。
そこで鈴木敏文さんのダイレクトな言葉を聞いたり、他のOFCの方々と自らが実践したことの成功例や失敗例などの情報をどんどんと交換していくそうです。
その費用もかなりかかっているそうですが、これは鈴木敏文さんのこだわりとして実際に会って話すというスタイルを貫いているそうです。
でも、その熱意って大切なんですよね。
言葉はダイレクトに聴くのと、例え高品質でもスピーカーなどを介すのでは価値が違うし、他の方の真摯な雰囲気に自分自身も飲み込まれるという体験は誰しも覚えがある事でしょう。
今のところ、こうした試みを続けているのはコンビニ業界ではセブンイレブンだけという事で、もしかしたらその強みはここから来ているのかもしれません。

□ 感想
やはり素敵な人ですね。
データを結論とはせず、データから心理学を考える人なんだなと痛感しました。
FC会議における鈴木さんを顧客代表と、著者が評しましたが、顧客の代表になれるくらいお客の心理を知り尽くさないと商売は難しいし、時流に左右されがちです。
だからコンビニというのは著者のいう言葉を用いると『アフォーダンス』(モノの使い方を提案している事なんだそうです)になっていくのでしょう。
それは、気づかない内に。
本当に全てを提供し続けてきたのは、今では斜陽産業になりつつある百貨店でした。
しかし今の時代は無印良品やユニクロのように、提案型が流行る時代です。
実はコンビニというのは満遍なく揃えているように見えて、地域性などを考慮しつつお客様に『こういうものっていいですよね?』という提案をし続けている提案型の業種なのではないでしょうか。
そしてその原動力は今まで売れていたという過去を切り捨てる勇気を持って行動をしてきた事なのではないでしょうか。
冒頭に紹介したフレーズは、セブンイレブンの創業精神として紹介されていた言葉ですが、単純なようで、実践するのは本当に難しい言葉だと思いました。



テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
めぞん一刻/高橋留美子
不意に望郷に駆られて、めぞん一刻を読破してみました。

□ あらすじ
東京にある古いアパート『一刻館』には個性豊かな住民が集まっていた。
酒豪の母親がいる一の瀬家、何の仕事をしているのか不明で覗きとたかりが趣味の四谷、スナックに勤務する色っぽすぎるお姉さん六本木朱美、そして大学受験の浪人で住民からおもちゃにされながら受験勉強に励む五代裕作―。
五代を覗く面々は自由気ままに過ごすため、なかなか管理人が定着せずにいたのだが、そこへ若い女性が管理人として赴任してくることになる。
音無響子という女性は、五代と2歳しか違わないとても若い年齢ながら、前の夫を亡くして未亡人となっていた。
一刻館を舞台に、管理人に恋をした五代、そして前の夫の死から徐々に立ち直りつつ、新しい第一歩を進めていく音無響子の二人を中心とした恋愛コメディ。


□ 長く、そしてぶれず。
物語の最大の特徴は連載期間の長さに合わせる様に時間が流れていくことです。
最初に出会った頃は大学浪人だった五代は、やがて大学に入り、就職浪人を経て社会人にまでなっていきます。
物語の終盤では音無響子が自分自身や周囲から『年増』という言葉が出てくるのですから、リアルタイムで全て読んでいた人たちにとっては、自分たち自身の年齢を感じるような作品だったのかもしれません。
・・・ただ、元々が若いので年増とは言っても、年齢は二十代のはずですが…時代が違うのでしょうか。

著者の長期連載の作品には他に『うる星やつら』や『らんま1/2』といった作品もありますが、これらの作品では色々な登場人物が入れ替わり立ち代り登場しては消えていく…という傾向にあったのですが、それと比べるとこの作品では舞台の一刻館という狭いコミュニティの中での展開が大半のままで、登場人物もそれほど増えず、また登場した人物たちも長く関与し続けます。
主だった登場人物としては五代、音無響子の家族に、三鷹、八神、七尾…といった恋愛がらみの登場人物がいくらかといった具合で、それぞれのキャラクターにじっくり思い入れながら読み進めていけます。
住民も二階堂 望が途中から加わり、最終回で六本木朱実が結婚による転居、五大が管理人室への同居をする以外は動きも少なく、7年も連載された割には、じっくりと二人の関係が構築されていきます。

□  名前
余談ですが、主要な登場人物の名前には全て数字が使われています。
そして一刻館の住民は全て自分の名前に対応する部屋に住んでいました。
少し凝っているのが管理人室=0号室で、そこに住むのは音無=0という事ですが、旧姓はやっぱり数字の千草でした。
逆に名前に数字が入っていない人は、物語の中で大きな役割を果たすことは余りありません。
この設定は面白いなと思うのと同時に、数字が名前に入る人を見かけるとピンときたりするんですね(笑)。
尚、名前の部屋番号に住むという設定は、最終回で一部屋だけ例外になります。

□ 感想
正直、高橋留美子さんの作品は『らんま1/2』が最強という持論を持っていたのですが、こちらも面白かったです。
後半の辺りから急にシリアスな恋愛物語になってくるのも、著者としてはなかなか見られない作風ですね。
リアルな時間の流れで考えてみても、ゆっくりゆっくりと関係を近づけていく二人の微妙な心理も巧みだと思います。
なんとなく意識し始めること、嫉妬を感じること、独占したいと思うこと。
僕自身も上さんと知り合って、結婚するまでに6~7年もあったので、少しずつ変わっていく感情というのは、ちょっと懐かしいようなむずかゆいような感じがして、面白かったです。
また、今はこういう一刻館みたいな人間同士の付き合いというのが希薄になってきていますが、一つのコミュニティが一つの家族のように繋がって生活をしていく、古きよき時代の日本の姿が残されているのも、懐かしいし、いいなぁと思うのでした。
住んでみたいですね、こういうアパート。
…美人の管理人さん込みで。


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
ぼくと、ぼくらの夏/樋口有介
樋口有介さんのデビュー作を読んでみました。

先に一つだけ言わせてください。
18禁じゃないほうです。

閑話休題。
文体には心なしか、若さというか、最近の作品にあるような徹底して作りこまれたような隙のなさは見られないものの、やはり出てくる登場人物の個性は樋口作品に共通する、それです。
どこと無く冷めた目線で見ながら、でも気持ちのどこかでは優しい言葉を見つけられていて、それを口に出すかどうかを迷っていたり、上手く出せなかったり…。
凄く大人びた描写をする反面、実は凄く幼さを感じさせるキャラクター達には、高校生という設定は相性が良いのかもしれません。

□ あらすじ
戸川春一は父子家庭で家事を全て担う高校生だった。
どこか冷めて周囲に溶け込まなかった彼は、不意に刑事をしている父親から同級生が自殺をした事を聞かされた。
自殺したと聞かされてもピンとこないくらい目立たない少女だった岩沢訓子の死に、春一は何か釈然としないものを感じていた。
そしてたまたま出会った同級生で、テキヤの娘である酒井麻子にその話をした事がきっかけで、少年と少女は同級生の死の真相を探ろうと動き始めるのだった…。
少女が妊娠していたという事実、しかし浮かび上がらないその相手。子供たちが独自の目線から事件の真相へ迫る。


□ 刑事の息子とテキヤの娘の恋愛物語
樋口有介さんの作品なので、推理小説といっても人間の描写がやはり面白い。
デビュー時から既に女に引っ張られていくハードボイルド風な主人公…という定番のパターンは生きていました。
でも後の作品では樋口さんの筆の下、こんな高校生本当に居るのか!?というくらい、ハードボイルドな雰囲気をまとう少年が増えてきた中で、この戸川春一という少年には、本当に自分が少年だった頃の匂いが残されていると思いました。
それは樋口さんの描写自体の幼さもあったのかもしれないけど、ハードボイルドというよりは口下手、不器用な感じで、少女はそんな少年に腹を立てながらも、どこかで通じ合っていく。
言葉がないと判りあえないというのは、大人の理論であって、何かを伝えようとしているんだなという事を感じるだけで、本当はコミュニケーションは成り立つものだったんですよね。この幼い二人の間には、そんな尊い関係があるように感じるのです。

□ 個性豊かなキャラクターたち
酒井組の面子があまり登場しないままに終わってしまったのですが、春一の父親や学校の先生、麻子自身にしても、みんな個性豊かで、どこかの作品で主人公になって登場しそうなくらい、表情豊かに登場しています。
父親も樋口作品の定番?離婚した妻との関係や恋愛感情などもあったりで、愛らしい。
デビュー作にしては、スピンオフ作品をどんどん期待したくなるような濃厚さです。
…ただ残念かな、この作品に続編は無かったんですね。本当に惜しいです。

□ 感想
トリック云々を語るような作家さんではないので、どちらかというと結論ありきで一つの真実へ向かっていくまでの描写を楽しむ方が正解なんだと思うのですが、自殺に対して靴を並べて脱いでから行うということへの猜疑心であるとか、女の子ならアドレス帳(今なら携帯電話でしょうか、この作品は1988年発表です)を持っているべきであるとか、凄く新鮮な目線から事件に対して疑問を投げかけていくというのは興味深いです。
春一の父親は自殺をする前に靴を脱いだ好意を自殺の作法のようなものだと受け流してしまいます。
恐らくこれは、推理小説や映像作品やらを数多く見てきた僕らにとっても同じような感想なんだと思うのですが、確かに『なんで死ぬのに靴を脱ぐんだ?』という思いはあったと思うんですね。
そういった若い目線にこだわって書かれている点は、なんとなく幼い頃の自分と対峙するようでむずかゆいような面白さがありました。今の著者とは少し違った魅力を感じられる良作だと思います。


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
常識として知っておきたい 日本の問題/ニュースなるほど塾
こういう本が日経文庫辺りからよく出版されており、僕も参考にさせて頂いているのですが、今回は電子書籍で購入したので…こういった本としては初めて河出文庫のものを読んでみました。

出版は少し古くて2006年ですが、現状と大きな違いはありません。
…まぁ、それだけ日本に変化が無いという事なのかもしれませんが、ちょうど北朝鮮が核実験などをしていた時期という事もあって、その辺りの話題が多かったり、民主党政権成立前ということで税制の話題が少し今と雰囲気が違うなど、多少の差異は勿論あります。

テレビや新聞が言うがままに、なんとなく論調に流されてしまいがちなのですが、結局のところ何が問題でもめているのか、変えなければならないのか…という事を知らないままにいる事って多いと思うんですね。
例えば孤食の問題などは、『寂しい話だけど、女性も働く時代になったんだから仕方ないんじゃない?』しか思えないのですが、孤食という行為自体が精神的に与える影響などが本当は深刻なわけです。
ニュースの本質っていうとアレなのですが、広告主や世論に左右されがちなマスコミに対して、与えられる情報から、自分自身も考えるという行為をするための材料というのは、大切なんじゃないかなと思うのです。
その為に必要な材料を仕入れる為には、この本のような客観的にニュースを見ている本も大切だと思うのです。

※この本は電子書籍で美味しく頂きました。
でも、購入するなら2011年版がいいかな、なんて思いました。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
涼宮ハルヒの暴走/谷川 流
最近、このブログに足りないのは若さだと思い、二十代最後の年は話題になっているライトノベルなどを出来るだけ読んでみようと思っています。
子供の頃は大人が読むようなものに憧れ、この年になって子供の頃に読んでいたものへ回帰してみようなんて思うとは、時の流れというのは面白いものです。

…という事で、涼宮ハルヒシリーズの第五弾を読んでみました。
こちらは第三弾の『退屈』同様に雑誌収録+書き下ろしという構成の短編集になっています。


□ エンドレスエイト
アニメには疎い僕ですが、この作品は話題になっていたので知っています。
夏休みがいつまでも終わらず、最終日になると再び特定の日へ巻き戻されてしまう。
その現象に気づいていたのは長門有希一人だけで、SOS団のメンバー達も気づいていなかった。
夏休みが終われない、涼宮ハルヒの心情とは…?

子供の頃を思い出してみて、夏休みって言うのはひどく夢物語のように楽しい毎日だったけど、やっぱりそこにはある『スパイス』があったからこそっていうのもあると思うんですよね。
それ自体も良い思い出になるっていうか…、これはもしかすると、著者自身も夏休みを思い出していたのかなぁ…なんて思うのです。

□ 射手座の日
久し振りにお隣さんのコンピュータ研が登場する物語です。
SFチックな描写は、やはり著者の得意分野なのか結構趣味に走っているような物語です。
PCを取り戻そうと自作のゲームでSOS団へ挑戦してくるコンピュータ研の部員たち。
今回はズル無しで正々堂々と戦おうとするSOS団だったが…?

この辺りから長門有希に関する記述が増えてくるなぁーと思ったり。
ネットで見かけた『長門は俺の嫁』というフレーズから察するに、この頃から人気が上がりつつあったのでしょうか…。

□ 雪山症候群
雪山での遭難を描いた作品です。
なんだろう、数式を解いた以上のイメージがないかも(笑)。
物語としては、ついにSOS団の外部にいる団体の存在が出てきたり、結構興味深いのですが、ただただ数式に感心するばかりでした。現役の高校生の頃の僕が迷い込んでたら、洋館から出ることが出来ないままだったんだろうなぁ…。


こんな具合です。
ところどころでなされている、クラシカルな作品からの引用がなされているのが興味深いですね。
またそれぞれの作品に季節が振ってあるんですね。
上から夏、秋、冬…なのですが、スタンドバイミーを含むスティーブン・キングの恐怖の四季シリーズ辺りを意識しているのかなぁと思ってみたりするのでした。


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
こころを豊かにするシンプル整理術/著:リタ・ポーレ、訳:清水紀子
実家の部屋を片付けているので、部屋と一緒に心まで豊かに出来れば一石二鳥だと想い、読んでみました。

この本はまさに整理術の本ですが、六部構成で生活、人間関係、仕事、気持ち、考え方、願望をそれぞれ整理させることを考えて生きます。
その為に用いるのは、三つの箱です。

一つは、ゴミ箱
不要な物を入れて処分していくための箱です。
もう一つは、保留箱
すぐに捨てて良いかどうか迷った時に、いったん置いておく為の箱です。
そして最後は、宝箱
ずっと持っておく物を入れておくための箱です。

この三つの箱を中心に、生活の全てのものを片付けていきます。

この本はどちらかというと実際の整理整頓よりも、心の整理…特にストレスとの付き合い方に重きが置かれているようですが、こういう本を読むと、やはり思い切ることが大切なのかなぁと想います。
その思い切りというのは、思い切って切り捨てることだけではなく、時には『でも、あなたが「無理だ」と思ったなら、それがあなたの限界なのです』というように、自分に優しくあっても良いのかもしれません。
不安や心配事というのは、外的な要因よりも自分自身が作っている事が多く、ある程度割り切ってしんぱいしても仕方ない事は心配しないようにするような、気持ちの切り替えの大切さも説かれています。
自分を甘やかす事は良い事ではないと思う人も居るかもしれませんが、自分の心からストレスを整理整頓していくという視点で見たとき、この行為はとても大切なことなのです。

なので、極端には何もしない時間を作ることや、お金を使わずに出来ることで気ままに過ごすことなども大切ですし、自分の時間を侵す対人関係については、ある程度考えていくことも紹介されています。

後、これは本文中のことというより少し余談になるのですが…、願望の整理に関する項目では、やはり願望は具体的に…というフレーズが登場しました。
手帳の使い方などの本でもよく登場する方法ですが、漠然とした目標を持ったままでいるのではなく、具体的な手順などを考え、具体的に動いていく事で、目標を実現させていく為に前進していく事を推進しています。
思っているだけでは駄目…よくこのフレーズを目にしていたせいか、その重要性が段々と判ってきたような気がします。
思っているだけ=何もしていないというのは、絶対の考え方なんですね。

 

テーマ:幸せになるための本 - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
10メートル先の100万円/砂田淳
Win-Winという言葉を少し前からよく目にするようになりました。
この本もそんな流れの中にある一冊です。

あまりWin-Winに関する本を読んだ事が無かったので、読んでみました。

この本の目指すところは、視点を変える事で、自らの限界を超えようではないかという本です。
その為の手法がWin-Winである、と。

ただの僕のイメージなのですが、Win-Winという物に対して、目の前にニンジンをぶら下げて走る馬みたいな?そういうイメージがありましたが、この本で描かれるお互いが成長する為の手法としてのWin-Winの考え方は面白いし、非常に興味深いものがありました。

この本のタイトル自体が、とても判りやすい例題なんですね。
もう動けない!と思って倒れこんでしまっても、10メートル先に100万円を置いて触ったらこれをあげますよ!といえば、もう駄目だと思っても、もう10メートル動いてお金を取りにいけるのではないか、と。
まぁ、余り良い例えではないですが(笑)。
でも本人にとっても100万円が手に入るし、相手にとっても、もう10メートル動いてもらうことが出来る。
この感覚こそWin-Winであるし、更に本人にとっては限界だと思っていた距離から10メートルも自分自身の限界を伸ばすことが出来る。
このWin-Winの感覚を上手く取り込んでいければ、効率よく、しかもお互いに幸せな状態で現状からもっと上を目指していけるのではないでしょうか。


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方/鈴木康之
僕はこのブログで、よく興味を惹いたフレーズを紹介するのですが、今回はその道のプロの作品を読んでみました。

著者はコピーライター界の大家として知られる鈴木康之さん。
ご自身が読んで感動したり、感銘を受けたりしたコピーを紹介し、そのコピーのポイントを解説してくれます。

まず全編を通して判った事が一つあります。
それはコピーライターは凄い事を書いているわけではないんですね。
感覚としては、凄く僕たちのそれに近いことを書いています。
極端に企業側に立つわけでもないし、読み手に媚を売るわけでもない。
ただ普通の慣性で感じたままのことを、ちょっと表現を変えて書いているだけなんですね。

それは著者の例である『雪国』に出てくる『夜の底が白くなった。』という表現に集約されているのだと思います。
単純に『周囲が暗くなり、月明かりを雪が反射していた』という表現で周囲の状況を伝える事は可能なのですが、それを抽象的にさえ思える『夜の底』という言葉に置き換える事で、寧ろより想像力が働いて周囲の状況を思い浮かべることが容易になる。
僕自身、個人的な感想とはいえど開かれた場所へ言葉を置いていく以上、そんな言葉の見つけ方をしてみたいものだと思います。

コピーライターの方というのは短い言葉のプロというイメージがあったのですが、長い言葉のコピーも多いんですね。
広告などで見かける長文はコピーライターのお仕事だとは知らなかったので、ちょっと感動しました。
ちなみにコピーの極意は一行目を二行目を読みたくなるように書く事なんだとか。…僕も見習いたいです。

言葉を尽くして説明したほうが伝わる事もありますし、逆にひと言へ集約したほうが伝わりやすい事もあると思います。
でもどちらにせよ、自分自身の言葉の引き出し、語幹をどんどん増やしていければ…と、猛省させられた一冊でした。


テーマ:本に関すること - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
われら九人の戦鬼(中)/柴田鎌三郎
上巻に続いて読んでみました。

上巻ではそれぞれの登場人物が一人で自らの哲学に沿って生きていく様子が描かれていましたが、この中巻では周囲の人間との接触を通して各々が成長していく様子が描かれており、少し雰囲気も変わりつつあります。

多門夜八郎は行程の途中で行き着いた伊吹野の地で再会した天満坊と、旱魃で水を失い枯れ果てた地で苦しむ農民たちを救うために尽力します。
彼らを押さえつけ、たくさんの蓄えを持つ田丸豪太夫から備蓄を奪おうと企てる。
また同時期には伊吹野の前城主の子供である奈良城義太郎も五年ぶりにこの地へ戻ってきていた。
伊吹野を巡る各々の陣営の思惑が交錯するのだった…。

上巻に比べると、夜八郎の雰囲気が大きく変わります。
自分では行きがかり上といいながらも、伊吹野の農民の為に率先して動き、そして沢山の人々を動かすことにも成功しています。
高貴な血の生まれという設定が、ここに来て生きてきた感じでしょうか。
また彼のライバルたる存在だった左近は、大きな傷を負った事から、一匹狼として生きていく道から、集団で居る事の魅力を感じ始めています。

それぞれが徐々に目標を見つけ、動き出していく。

徐々に登場人物を増やしながら、最終目的地へ全員を集わせていく著者の盛り上げ方が、とても魅力的な中巻でした。


テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
トランスフォーム仕事術/松本幸夫
裏表紙の『仕事のステージ バキッとがる!』という謎のフレーズに惹かれて、思わず読んでみました。

速読、速考、速書、速プレという仕事上で求められるスキルのスピードアップを目指すための本です。
この部分だけを読むと仕事の効率化を目指した本かと思ってしまうのですが、あくまでもこの本が目指すのは『質的転換』です。

この意味として最も象徴的な一文が冒頭にあります。
仕事を効率化して、どうするのか?
仕事が速く片付いて、余った時間はまた別の仕事を入れるのか、それとも休憩時間に充てるのか…。
効率を上げて余った時間をどうするのかという『』がなくては、効率を上げる意味がない。
それが死んだ時間になるのであれば効率を上げる必要は無くて、逆に目標があって、実践や行動をしていくためにもっと時間が必要だという気持ちになれば、時間の質が変わってくるのです。

その為に四つのスキルを上げていく事が本書の目的です。
そのスキルは以下の通りです。

速読
集中力、理解力を高める事。(目的に対して必要な知識が何か把握する)
精読する場面と、流し読みをする場面を意識的に切り替えて読む。

速考
3秒決断法のように、普段から早く決断を出すように訓練する。
また自分の好き嫌いをはっきりと把握しておく。
拡縮省替点の法則(今あるアイディアを大きくしたり、小さくしてみたり、物を替えたり省いてみたり…という考え方)に則って考え、代替案も作っておく。

速書
書く事に慣れる。(考えるより先に文字が書けるまで)
アナログな手書きがアイディアを出し、深めていくのに有効なことを把握する。

速プレ
短くまとめて纏める(1行で纏めるような癖を)
ビジュアルに頼らず、言葉だけで説明できる事を理想とする。
質問を行ったり、休憩を入れたり、ジェスチャーや具体例でより伝わるように工夫する。

一つずつに裏ワザのようなコツがあるわけではなく、自分自身がその必要性を感じて動くことなんですね。
そのことが効率も上げるし、時間の質のみならず仕事の質までも向上させていくのです。
一番重点的に触れられているのは速プレでした。
やはり仕事上で最も必要なスキルなのでしょうか。
速読に関しては、僕は貧乏性な為か、本はゆっくり読んで元を取ろうとする(笑)ので、実行に移すことはあり無いかもしれませんが、やはり興味があるジャンルの本は速く読めたりしますよね。
シリーズ物の作品でも第一作目よりも第二作目以降の方が速く読めたりするのは、シリーズに対する興味であるとか、シリーズを読んでいる中で流し読みに出来る場面を選択していたり…という部分はあるのかもしれません。

まずは自分自身の目標から見つけて、自分自身の仕事の質を向上させられるように頑張りたいと思います。


テーマ:本に関すること - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
もし顔を見るのも嫌な人間が上司になったら/江上 剛
凄いタイトルだなと思って読んでみました。
尚、僕の上司は別に顔を見るのが嫌でもなければ嫌いでもないですし、入社したときから上司です。悪しからず。

ビジネスマン危機管理術として、人間関係や自分自身の心や体、そして会社の不祥事や倒産…仕事上で直面しかねない状況への対処を書いた一冊です。
嫌いな上司と会社の不祥事を揉み消すかどうか…というのは随分と違いがありますが、仕事をしていると様々なトラブルに巻き込まれる事もありますし、特に会社の倒産やリストラの際には自分自身落ち着いて行動することが出来なくなる場合もあるでしょう。
勿論そういった状況を予見している方が悠長にこのような本を読むことはないのかもしれませんが、過去には山一證券、リーマンショックなど、あそこは大丈夫だろうと思った会社でさえも倒れてしまう事だってあったのですから、この本に書いてあるようなことを予備知識としてしっておくのはいい事だと思います。

…とは言えど、無いのが一番。
慌ててこの本を開くような日が訪れないことを願っています。

※この本は電子書籍で美味しく頂きました。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
ヒーローになりたい!―サーラの冒険 1/山本 弘
男の子っていうのは、子供の頃にやっぱり冒険を夢を見るものだと思います。
見知らぬ土地で、見知らぬ何かを手に入れたい、みたいな気持ちは、やっぱり僕にもあって。
だけど結局はせいぜいが学区外の隣町に行って、普段見知っているデパートとは少し違う陳列でおもちゃか本でも買って、ちょっと気持ちよく帰る程度のもので、気がつけばそういう憧れからも抜け出していったりするんですね。

そんな年頃の時に読んだのが、このヒーローになりたい!でした。
サーラという少年は、やはり彼自身も冒険にあこがれ、自らが英雄と呼ばれる存在になってみたいと願っていました。

そしてそんな彼の村へ訪れた冒険者一向…。
彼らは村に出没するキマイラを退治する為に雇われていた。
しかしサーラにとっては、千載一遇のチャンスのように思えたのだった…。


僕、実はこのサーラの冒険が大好きだったのですが…まだ最終巻って読んだ事がないんですよね。
完結したというのはたまたま情報をネットか何かで見かけてはいたのですが、それが2006年ごろの事で、まさかまだ続いているとは思いもよりませんでした。(シリーズは全六作、期間は15年でした)
僕もソードワールドノベルなんで久しく読んでいませんでしたし、著者自身でさえ既にソードワールドの主要メンバーからドロップアウトしてしまっているわけですしね?

ただ…やっぱり思い入れはあるんですよね。
冒険に出たいという気持ち、自分だって何か出来るんだって言う気持ち、今の自分を打破したいっていう気持ち…、サーラが故郷の村で抱いていた全ての気持ちは、やっぱり自分とクロスするんです。

最後にサーラは村を飛び出していくわけですが、僕はさすがに家を飛び出していくわけにもいかないですし(寧ろ飛び出す前には左右を確認しないと危ないですし)、その旅の行き着く果ては、まだ見なくてもいいのかな…って。
もう少し頑張って今を生きてみて、自分の人生に満足できたら、もう良い年のおっさんになっているかもしれませんが…、続編を読んでみたいなって思います。

ちなみに…読んだ事があるのは『愛を信じたい!』までです。
今みたいに通販が盛んだったわけではない当時、レジに持っていくのは勇気が必要だったなぁ…。(※リンク先参照→愛を信じたい! (富士見ファンタジア文庫―サーラの冒険)


テーマ:本に関すること - ジャンル:本・雑誌


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。

ブログ内検索

amazonで探す

本の虫を管理する!

ブログマニア

古本の雄、ブックオフ ネットデビュー! ¥1,500以上送料無料

リンク

このブログをリンクに追加する

旅行記