本の虫、中毒日記

読書感想文、乱発中。

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

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日本人と中国人/陳 舜臣
大学生の頃に良く中国から来ている留学生の方とお話をさせていただく機会がありました。
中国人と日本人は本当に良く似ているなぁと思う反面、だけど意外に違うところも多いんだなとも思う事も多々ありました。

日本の文化の多くは中国から渡来してきていますが、やはり中国人には中国人らしさ、そして日本人には日本人らしさがあったのでしょう、同じ文化を手にしても解釈の仕方や時代の流れと共にどのように咀嚼していったのかは違ったようです。
この本はそうした部分をつぶさに拾い上げて紹介しています。
たとえば仏像にしても静的なのか、動的なのか…。
また日本人は言葉を交わさず意思疎通出来る事を重視するのに対して、中国人は言葉を尽くして判り合う事を重視する…など、ちょっとした差異の多さに驚かされます。

ところでこれまで陳 舜臣さんはお名前は知っていた(中国物の歴史小説をかかれる方…くらいの認識です)ものの、詳しいことは知らなかったのです。
この機会に少し調べてみたところ、ご両親が台湾の方で、実はご本人は日本生まれ、日本育ちなのだそうです。
1990年には日本国籍を取得されていますが、台湾で暮らした時期はごく僅かで、生粋の日本人となんらかわりのない人生を送ってこられたそうです。
ご両親やご親族と自身や周囲の日本人との比較、そして様々な研究の中から見出した物を集約したものがこの本なのでしょうか。
自ら中国人を名乗られた日本育ちの陳舜臣さん。
どちらの国に対しても強い愛情を持っていることが伝わる一冊でした。

テーマに興味を惹かれて読んでみたのですが、陳 舜臣さんの印象が変わる(ごめんなさい。中国の歴史の本っていうだけで、漢字が多くて難しそうなイメージを持ってます、ワタクシ)ような、とても読みやすい一冊になっています。



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涼宮ハルヒの溜息/谷川 流
大人気、涼宮ハルヒシリーズの第二弾を呼んでみました。

第一弾は社会的なブームともいえる流れの中で読んだのですが、ちょっと興味があっての二作目です。

□ 思いを具現化していく少女
第一作目では神のように語られた主人公(もしかしてキョンが主人公なのかな?)のハルヒ。
彼女の願望は世界を変え、未来人や超能力者を呼び集めてみたり、空間のねじれで歪な生物を暴れさせてみたりとしていたわけですが、第二作目のテーマは世界が変えられていく事と、その意味です。
今回描かれたハルヒは世界を作っていく神としてだけではなく、世界を壊してしまう危険性を持つ存在でもあります。
ライトノベルなので余り深読みはよくないかもしれませんが、世界を変えられる少女の能力に、世界が変えられることの弊害というテーマに挑んでいるといえばいいかもしれません。
今のところ第三作以降は読んでいないのですが、そう勘ぐりたくなるほど第一作目と比べてハルヒの思いはどんどん実現されていきます。
SFチックなテーマの追求、そしてそれを阻止するための『キョンの役割』の明確化など、結構読みどころのある作品だと思いました。

□ 文化祭だっ!
そういったテーマもあるのですが、今回のメインとなる話題は文化祭です。
SOS団として文化祭へ出展する映画制作のためにいつものメンバーが駆け回る…というものです。
ハルヒの特殊な能力というものを除いても、なかなか楽しめます。
文化祭でみんなで学校が終わった後もぎりぎりまで校舎にへばりついて頑張っていた学生時代…。
もちろんこれから文化祭を迎える世代の方は参考に、負けないように楽しんでいただいて、僕ら老兵は当時の思い出に浸りながら楽しむことができます。

□ 感想
はじけ具合では前作よりもかなり弾けたと思います。
ただ今作は連載をにらんでいたのかな、なんて。
前作が弾けつつもコンパクトにまとまっていたのに対し、今回はかなり派手に弾けています。
前作は一冊でなんとなく終結していけたのが、今作は故意かどうか判りませんが一冊の中では収拾がつかないまま物語が終了していきます。
これからこのペースで進めていくんだろうな、と。
問題や人間関係を大きく、複雑にしていくような流れが見えます。
ただ、涼宮ハルヒシリーズを最初から読むのであればとりあえず前作からじゃないと、とても入り込めそうにないなと思います。




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われら茨の道を行く ~国産乗用車・攻防戦~ /プロジェクトX
トヨタが乗用車を開発するまでの物語を読んでみました。

トヨタとホンダ、この二社は自動車業界に再編の動きがあるたびに話題に上がります。
両者とも海外の自動車会社と本格的な提携をしない、純粋に独立した日本企業だからでしょう。
今回読んだトヨタは戦後、日産や他の自動車会社が外国と提携しながら乗用車を開発しようとする流れの中であくまでも自社単独での開発を進めてきた経緯があります。
もちろんその為の設備投資などで経営危機に陥った際には労組から叩かれ、トヨタ自動車の創立者である豊田喜一郎さんはリストラを断行すると同時に、その責任を取って自らも辞任するという判断を下します。

その後、戦争に伴う朝鮮特需で体力を回復したトヨタは、その勢いで一気に乗用車の開発を進めます。
今回、この物語の中心となったのは乗用車への進出をかなり早い段階から訴え続けていた中村さんです。

この方はとても勉強家で部下から愛される優れた上司だったそうです。部下を最大限かばい、上からの突き上げや厄介ごとは全て自分で処理する…。
彼の上司としての哲学のようですが、部下に独創的な仕事をさせるためにできるだけ外部の雑音を聞かせないよう努めていたそうです。
更に専門家さえも舌を巻くほどの勉強家なのですから、部下からの信頼は非常に厚かったそうです。
方向性の定まらない乗用車開発の中でも、中村さんにならついていける…そんな想いが大掛かりなプロジェクトを成功に導いたのではないでしょうか。
他の作品を通してプロジェクトXというのは技術者の努力、躍進というものを体験する作品だと思っていたのですが、この作品で最も強調して描かれているのは理想の上司像なのではないかと思います。
自分もそうのようにありたいとさえ思うのです。

さて、そんな中村さんが中心となって生み出した第一号、それがクラウンです。
そして乗用車を作ろうという中村さんやかつての豊田喜一郎さんとは反対側の立場に居た長谷川さんという方がカローラを生み出した方です。

後、余談なのですが中村さんは後にクラウンなど乗用車の開発からは身を引かれ、動力への新たな燃料などを検討する研究を続けていたそうです。
在籍中は大した結果を出すことも、そして評価をされることもなかったそうですが、この時の研究データは後に世界初の量産型ハイブリッドカーであるプリウスに活かされたといいます。

トヨタ自動車にとっての新時代のドアを二度も開いていったのですね。

※この本は電子書籍でおいしくい。ただきました。



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男たちの飽くなき闘い 誕生! 人の目を持つ夢のカメラ オートフォーカス・14年目の逆転 /プロジェクトX
僕は結構カメラが好きだったりするのですが、それなりにこだわる時を除いてはオートフォーカスや、撮影モードにしてもオートに頼りっぱなしのなんちゃってカメラマンです。
でも下手に自分で決めるよりもオートの方がうまく取れたりすることもあるんです。
それくらい最近のオートというのは優れものなのです。

今回はオートフォーカスの開発に関する物語を読んでみました。

オートフォーカスをはじめて実用、商品化したのはコニカさんだったそうです。
そしてそれを搭載したのはジャスピンコニカの愛称で親しまれた手ごろなサイズのカメラであるC35AFというカメラです。
普通、世界初の素晴らしい技術なので自社のハイエンド機にでも搭載したくなるところでしょうが、当時の経営者の方の判断で、高級なカメラを持っている人はフォーカスで困ったりしていないだろうから、まず写真は撮りたいけどフォーカスで苦戦しているという層が多いであろう手ごろなサイズのカメラから搭載したそうです。
この為に小さなカメラに新機能を詰め込むという大変な作業が加えられ、0.1g単位での軽量化などの苦難が起こったそうです。
しかし、この判断は英断ですよね。

もしコニカさんが見栄でも張って自社のハイエンド機にでも搭載していれば、もっと普及が遅れたでしょうし、もしかしたら未だに一眼レフなどの高級なカメラにのみ特権的に搭載されるような機能になっていたかもしれません。
オートフォーカスを商品、量産化したということよりもその意義は非常に大きいと思います。
また同時に14年間、研究費を打ち切られ出世コースからも外れながら研究を続けた百瀬さんとおっしゃる技術者の方の信念の強さにも驚かされます。
出口の見えない、あるかどうかさえも判らない道を14年間走り続ける思いの強さは、同じサラリーマンとして尊敬に値するものがあります。

そのおかげで僕も素晴らしい趣味と出会えたんだと思います。
今後、オートフォーカスの恩恵にあずかるとき、技術者の方への感謝の気持ちも忘れないようにしたいと思います。

ただ、ごめんなさい。
愛用の機種はオリンパス社製です…。

※この作品は電子書籍でおいしくいただきました。


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卒業式まで死にません―女子高生南条あやの日記/南条あや
このブログの1,000記事目を敬愛する一人の少女に捧げます。


あなたは本当に名前を呼ばれなくなることを望んだのでしょうか?

でも、聞こえますか?

未だにあなたの名前を呼び続ける声が。

きっと、あなたは多くの人に愛されている。



あなたが生きてネット上へ残した声が、やがて根を張り、多くの生命を支えていくのであれば。
卒業式まで頑張って生きたあなたの命は、なんて有意義なものだったのでしょう。
同じ時代に、同じようにネットの中に居れたことを誇りに思います。










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【2010/07/29 11:28】 | ノンフィクション | トラックバック(-) | コメント(-) | Page Top↑
心霊殺人事件/坂口安吾
奇術師の伊勢崎九太夫が殺人事件に挑む作品です。

□ あらすじ
九太夫の下へ心霊術師のからくりを暴いて欲しいという依頼が舞い込みます。
依頼主の父親は戦地で死んだ息子がビルマで子供を作っていると幽霊から聞いたとし、その詳細を心霊術師によって聞き出し、探そうというものでした。
そこで九太夫はその場へ立ち会うのですが、なんとその場で父親が殺されてしまいます。
殺人現場は心霊術師が術を披露していた現場、真っ暗闇の中だったのです。

□ 感想
日本にとって推理小説としては初期の作品になるので、トリックありきで動機が弱い感じでしょうか。
心霊術師の作り出した簡易的なクローズド・サークルのようなシチュエーションと、それを活かした殺人という意味では揃うべきものは揃っているのは興味深いところですね。
坂口安吾さんはお若い内にお亡くなりになってしまいましたが、こういう作品群を見ると、もう少し長く生きて作品を作っていて欲しかったなーと思います。

…結局のところ心霊が余り関係ないシチュエーションのような気がしたのは僕だけでしょうか。



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ファイリングの技術/野口靖夫
古書店で見つけたファイリングに関する本です。

この本、かなり古いです。
1991年初版なので、既に20年。
その間に時代はPC、PDAを経てミニパソコン、携帯電話と変化しているので、その辺りの知識は手に入りません。
とてもアナログな知識ばかりなんですね。

でも僕は最近思うんです。
携帯電話の機能もいいし、僕ならPDA辺りを愛用しているわけですが、デジタルを使うことが問答無用でアナログよりも便利なことだと決め付けているのではないか、なんて。
僕自身で言えば高校生の頃から携帯電話を持ち、社会に出てまず購入したのがPDA、ザウルスのMIシリーズでした。
正直、髪のメモやファイリングということを突き詰めてデジタルの恩恵を求めていった世代ではないんですね。
多分、僕たちはもっとアナログの管理方法の限界を知らないといけないし、アナログの方が効率的な場面があるということも、もっと思い知らなければいけないんです。

良くも悪くも最近の本では、そうしたデジタル機器を組み合わせた方法を書いているわけですが、この本ではもっと原始的なファイルの種類であるとか、ラベルの貼り方や色の使い分けといった根本的なところから教えてくれます。
この本を制覇した先に、これまでとは違ったデジタル機器との付き合い方があるんじゃないかと期待しています。




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白鷺舞え 空前の解体工事~姫路城・定年前の大仕事/プロジェクトX
世界遺産にも指定された美しい城である姫路城。
知り合いに城のマニアが居るのですが、その人もやはり姫路城はかなりお気に入りのお城だったそうです。
白鷺に形容されるように、大空へ羽を広げる白鷺を思わせる白く優美な城は今でも見る人を感動させますが、この姫路城は世界遺産に指定される前、城が傾いたり尼漏りで木材が傷んでしまうなど、倒壊の危機に瀕していたといいます。

今回はその改修にまつわる物語を読んでみました。

まず補修がなされたとは言うものの、実際には一度バラバラに解体しているんですね。
バラバラにした状態で使えるパーツと使えないパーツに仕分け、必要なパーツを集めます。
この時に必要となるパーツの割合が4割に満たなければ(=元の材料の6割を再利用できれば)、この作業は補修とみなされるのだそうです。
姫路城の際にも6割の材料が再利用されたそうです。
ただし姫路城の使えなかった4割の中には城を支えるための心柱が一本含まれており、この柱の大体となる巨木探しなどの苦労が多く綴られていました。

この大改修は昭和の大改修と呼ばれ、戦後間もない時期に行われています。
終戦後に故郷へ戻ってきた人たちは戦争の傷跡の中で尚、優美な姿を保っていた姫路城に励まされ、誇りに思ってきたそうです。
その象徴の復活というのは、戦後の混乱からの復活の象徴という意味合いもあったのかもしれません。

もちろんただの修復だけではありません。
瓦や外壁の塗装などはさまざまな実績から、より長く耐久性を持つものへ進化しています。
きっとこの辺りには昭和の宮大工から、かつての大工への挑戦のような気持ちもあったのかな?なんて思いました。

プロジェクトXでは毎回中心となった人物数名にスポットを当てて物語を進行させるのですが、今回登場した方は寺社の工事、それも瓦などを中心とした方だったそうです。
こういった人たちにとっては城の工事というのは格下のようなイメージがあったようで、最初の辞令の時点ではなんと断ろうとしています。
しかし最終的には老後も何度も姫路城に通い、城が傾いていないかを調べていたというのですから、きっとやりがいのある工事で、自分自身の大切な子供のように思えるようになったのではないでしょうか。

※この本は電子書籍でおいしくいただきました。



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般若心経脳ドリル えんぴつ写経/川島隆太
読んだというよりは書いた感じでしょうか。
以前より、写経というものに興味を持っていました。

別に修行をしたいわけでも、仏教徒でもないのですが、過去に何度か般若心経に関する本を読んだり、仏教に関して勉強したりしたこともあったので、やはりのその中心にあるともいえる般若心経への関心は強くなっていました。
しかし生まれながらの悪筆で筆どころかペンさえまともに扱えないような無精者なので、なかなか写経には挑戦できずにいました。

そこで見つけたのがこの本。
えんぴつ写経!!

えんぴつなら簡単で良いや。解説もついているので、読みながら勉強ということも可能です。
しかも綺麗な見本に沿って書けば良いので、文字の練習にもちょうど良いです。
一応目指すところは般若心経を嗜む事と、脳の活性化だそうで。

でも書くことって大切だなって思います。
僕はブログに掲載したいなーと思って読む本はノートに感想を書きなぐりながら読むのですが、そうして読んだ本と、ただ読んだだけの本では頭への入り方が違います。
きっと僕の頭に般若心経がたっぷりと注ぎ込まれていることでしょう。

…あ、まだ写経は完成していませんよ(笑)。



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宇宙ロマン すばる/プロジェクトX
大型反射望遠鏡「すばる」が話題になったころ、すばるほど遠くは見通せないものの天体望遠鏡がちょっと人気を集めたりしました。
宇宙というのは、もしかしたら僕たちに残された残り少ないロマンなのかもしれません。
科学の進化によって色々な事象の真実が暴かれる中、それでも尚神秘性を帯びているのが宇宙です。

その果てまで見れる望遠鏡…。
それを作ろうとした人々の物語を読んでみました。

まず驚いたのは、これって国家プロジェクトとして始まったものではないんですね。
小平桂一さんの情熱によって始まったものだったのだそうです。

この本を読んでいてまず驚くのは、小平さんがこのプロジェクトに参加するとき、自らの研究者としての未来を投げ捨てる覚悟で挑んでいます。
プロジェクトXのほかの物語だと、上司から与えられた仕事というケースもありますが、たいていは自らのキャリアの集大成として挑んでいるように思えますが、小平さんにとっては研究者としての立場を一時撤退して、天体望遠鏡を作るための交渉に入るという行為は、研究者としてのキャリアを止めてしまうことでした。
それでも尚…という情熱には頭が下がる思いです。

この本を読んでいて、ついつい思い出すのが某『二位じゃ駄目なんでしょうか』的な発言です。
この高性能な望遠鏡を作る意義はたくさんあっても、意味となると難しい。

ほかの国の作ったものを使うんじゃ駄目なの?、そんな遠くを見てどうなるの?

夢のない話ですが、これも現実でしょう。
でもこの現実を小平さんは打ち破って完成に至らせます。
僕は思うんです。
小平さんの努力は、もちろんすばらしい。彼無しですばるは誕生しなかったでしょう。
でも、やっぱりみんな子供のころのロマンみたいなのを持っていて、見てみたかったんじゃないかなぁ…。
宇宙の果てってヤツを、なんてね。

※この本は電子書籍でおいしく頂きました。紙の本では出版されていないようですが、小平さん自身の手によるものがあったのでリンクしておきます。



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愛、深き淵より。/星野富弘
私が死にたいと思っていたときは、もっとも死を真剣に考えていなかったときではなかっただろうか

星野富弘さんは教師として学校の授業で体操の実演をしている際の事故で、肩から下が麻痺してしまった方です。
この本は星野さんが事故に遭うまで、そして入院生活を経て故郷の家に戻るまでをつづったものです。

星野さんの作品は言葉を飾ることなく、そして本音を隠すことなく素直に表現されます。
そんな作風の源泉となったのは、もしかすると両手が動かせなくなったことに影響するのかもしれません。
この本の中で何度か綴られていますが、星野さんは涙を流しても拭う事は出来ません。
大勢の前で涙を見せ、それを隠す事もぬぐう事も出来ずに照明に照らされたままだった…というシーンは、星野さん自身にとっても自分が動けなくなったという事を痛感させられる出来事だったそうです。
涙を隠せない事は、もしかすると涙を隠す必要は無いという純粋な気持ちの出発点になっているのかもしれませんね。

しかし、この物語は美談ばかりかといえば、そう言い切れない部分もあります。

星野さんはキリスト教との出会いや、自分の病状と向き合う中でどんどんと大らかな感情を手にしていきますが、初期の頃には些細な事への苛立ちや、自分の不幸を呪うような描写も登場します。
お母さんに八つ当たりしたり、他者に憤りを感じたりした事もあったそうです。
これも星野さんの本音でしょう。
でもそれを乗り越えてきたからこそ、星野さんの作品は人の胸に響く。
タイトルにもあるように星野さんは大きな事故によって落とされた深い淵から、大切なものを手にして戻ってこられたのでしょう。

やっぱり僕も本音を言えば、健康でいたい。
失礼な表現かもしれませんが、星野さんのような気持ちを手に入れることが出来るかも知れないとは言えど、貧しい心のままでもいいから五体満足でいたいと願ってしまいます。
これも、きっと人としての本音でしょう。
ただ、星野さんの言葉に触れることで、星野さんが見つけたすばらしいものの片鱗を知ることは出来ます。
星野さん自身の言葉が沢山綴られたこの作品は、その最適な機会となってくれる事でしょう。
作品集ではないのでカラーページも少ないですし、登場する作品自体も少ないです。
それでも、他の作品集に負けない輝きを、この本は持っています。



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運命のZ計画 世界一売れたスポーツカー伝説/プロジェクトX
世界一売れたスポーツカーがフェアレディZだと言われたときには、少し驚きました。
別にZが嫌いというわけではないのですが、世界中にはZの先輩格ともいえるスポーツカーも多々ありますし、そちらのが売れているんじゃないの?と思ったのですが、これは事実なんですね。
タイトルだけで驚きながら、読んでみました。

今回、プロジェクトXではフェアレディZの開発物語が紹介されています。
誤解を恐れずに言えば、他の物語と比べてこれといった特徴がある開発物語ではないと思います。

ただ日産がフェアレディZへ賭けた思いの強さは特筆すべきものがあります。

今では日本車といえば世界中で認められる品質の高さを誇りますが、フェアレディZ登場以前の様子を見ると決してそうではなく、壊れやすい上に元々が海外の超高速走行を念頭においていないためにトラブルも多く、その評価は『安かろう悪かろう』の域を出ないものだったそうです。
フェアレディZはポルシェの半値で購入できる本格的スポーツカーとして開発されていますが、おそらく当時の日産の方々にとっては日本車の、日産自動車の、そして日本の自動車産業のレベルを実証し、汚名を挽回するための挑戦だったのでしょう。
その熱意が実ったからこそ、フェアレディZは世界一を取れたのではないでしょうか。


日産だとフェアレディよりも上位車種とも言えるGT-Rがあるし、他にも印象的なスポーツタイプの車は幾つもありますが、日本の威信を背負い、世界中を走り抜けたフェアレディZの功績は忘れてはいけないんだと思いますし、もっともっと世界に誇っていっていいんじゃないかなって思います。



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プロジェクトX 悪から金を取り戻せ
少し前に動画共有サイトのYoutubeを見ていた際に、衝撃映像として『豊田商事事件』という映像が紹介されていました。
最初に見たときはよく判らない動画だと思っていました。
後日、電子書籍で見かけた豊田商事が起こした大犯罪を読むにあたり、ようやくその動画の意味が判りました。
教訓にあふれる事件であるはずなのに、僕も周囲の同世代の友人もあまりこの事件を知っている人はいませんでした。
しかしペーパー商法など、後に模倣され続けているというこの事件。
風化させてしまうのは、どうなんだろうと思うのです。

 事件の概要
事件が発覚、社会問題となったのは1985年の事です。
時代はバブル景気に向かっており、人々の間では投資/運用が人気を集めていました。
豊田商事はその中でも金(カネではなく、キン。ゴールドの方です。)を扱い、銀行の倍近くの利息を返すという強気な商売をしていました。

もちろんその強気の理由は詐欺です。

豊田商事が用いた手法は先述のとおり、ペーパー商法と呼ばれるものです。
基本的には人に金を売るという仕事なのですが、単に金を売るのではありません。
客に対しては「金を購入したからといって、金を持っていても仕方がないでしょう。金を買ったという証書を渡しておきますね。金のほうはこちらで運用して、儲かった分はきちんとお渡ししますよ」…という形を取ります。

しかし実際はどれくらい金を購入したのかは不明で、社員の給料(多い従業員だと月に1,000万円を設けていたといいます)や、代表者である永野一男の投資運用に消えていってしまったのです。

この事件の被害者は60歳以上の方が殆どで、30,000人にも上るそうです。
被害金額は1,200億円(それ以上とも言われる)にもなったそうです。

豊田商事の会社内には伴侶を失った老人に親切にするようなそぶりで騙すマニュアルなどもあったとそうです。
その為、実際に被害者の中にはその親切ぶりに『騙されてもいい』とさえ思っていた方もおられたそうなので、手口の巧妙さが伺えます。

 金の行方
そうして集められたお金の内、半分くらいが従業員の給料になっていたそうです。

従業員の方は騙せば騙すほど収入になったのでしょう。多い人で1,000万円を一ヶ月で稼ぎ上げ、事件発覚時にはすぐに姿をくらませられるように構えていたというので、知らずに働いていたというのではなく、確信犯です。
ちなみにこの確信犯ぶりは後にお金の回収の際に役立つ要素になります。

残り半分は投資に使われていたそうです。
ゴルフ場開発や不良物件の買取などを積極的に行っていたそうです。
これは実は第二の詐欺の準備だったのです。
金の相場が動かなくなってきたということを理由に、当時人気のあったゴルフの会員権と金の証券を換えるという手口を考ていたのです。

金の証券は全てが購入されたわけではないので、違法性の高い商売です。
しかしその架空の証券を実在するゴルフ場の会員権と交換すれば、豊田商事は詐欺をしていないことになります。(ゴルフ場は豊田商事の持ち物なので、会員権と交換しても豊田商事に別途出費が必要になるわけではなく、客から預かったお金が丸々懐に入ることになる)

そして会員権が値崩れを起こそうと、逆に値上がりしようと、投資なのだから儲かることもあれば損をすることもあるのは当然なので豊田商事が咎められる事は無いのです。
この第二の詐欺のために行われた投資の際には、既に豊田商事をまともな会社ではないと見抜いていたゼネコンなどからかなり無茶な契約(豊田商事が急に倒れても自分たちが損をしないようにしていた)を交わしており、このことも後のお金の回収の際の障壁となってしまいます。

 解決への突破口
当時の弁護士の間では、この事件にはあまり勝算がないということで受けたら弁護士人生が終わる等と噂されていたそうです。

そんな事件に抜擢された中坊さんという弁護士の方は裁判官の方から管財人になることを直接依頼され、『司法の信頼がかかっている』という言葉に奮い立たされて受諾したそうです。

まず解決への糸口として会社を破産宣告させて破産管財人を立てて、会社に残っている金をかき集めて被害にあった人たちへ返済していくという方法をとります。
しかし前述の通り豊田商事にお金は残っていませんでした。
そこでお金の流れを洗い出し、持っているものは家具から不動産まで売り払い、遣り掛けになっていた工事などの手付金などを徹底的に回収するなしてお金を作り出していきます。

…こう書けば簡単な作業ですが、実際にはとても細かな作業で、なおかつ暴力団関係のトラブルに巻き込まれるなど非常に危険な仕事でもあったそうです。
この事件の中で、中坊さんはいくつかの革新的な挑戦をしています。

まず一つは世論を動かすことです。
彼は司法の力のみならず世論の力の大きさを巧みに使うことを知っていたのです。
まず被害者の方々が正式には債権者と呼称されるところを被害者と呼ぶ事を押し通すことや、ゼネコンなどを相手に法律や契約書の内容云々だけではなく社会通念上の問題を持ち出すことなどの方法を取っています。
ゼネコンも本来は返す義務がないお金ですが、世間での評判を落とすよりはマシ…という判断をして返金に応じたのです。

そして警察との連携も強めています。
被害者の多くが高齢な方であることも含めて、事件の解決に2年というタイムリミットを設けていました。
その為に捜査資料を即座に開示することを求め、解決を早めるように勤めています。事件の質を考えてもこの方法は非常に有効だったのだと思います。

そして最後には国から税金を回収するというウルトラCを決めています。
これは国側の配慮があったことは当然なのですが、収入が極端に多かった人を狙い撃ちにして詐欺で訴訟を起こしています。
詐欺行為と立証されれば、給料は雑収であることになり、源泉分の税金を取り戻すことができます
こうした努力の末に、被害金額の10%…約130億円の回収に成功しています。
豊田商事に殆どお金が残されていなかったという状況からの回収であった上に、詐欺事件としても異例の数字になるそうです。

 司法の力をなめるなよ!
事件当時、ペーパー商法は違法ではありませんでした。
その為、警察は積極的に捜査ができなかったそうです。

かかわった弁護士の方たちは司法の力を最大限に活かしながら事件を解決に繋げていくしかなかったのです。
新しいタイプの詐欺に司法が無力であると思われるのがいやだったのでしょうか、弁護を受けない方が良いとまで言われたこの事件ですが、実際にはかなりの人数の弁護士がボランティアで参加、事件の解決に挑んでいます。
中坊さんや他の弁護士の方の活躍を見ていると、普段は堅苦しい感じの司法の柔軟な格好よさに気づかされて、とても痛快な気持ちになります。
中坊さんはこの事件に挑んだ理由を『一言で言えば悪を許さない』としています。
司法に携わる人たちが法律の味方ではなく、正義の味方だった瞬間ですね。

そして最後にもう一つ、この本を読んで知った事実があります。
この事件の経理方の調査に協力した人の一人に、オウム真理教の事件に巻き込まれて非業の死を遂げた坂本 堤弁護士の奥様である都子さんも含まれて居られたそうです。正義を愛する人の生き様に敬意を表し、故人、ご家族の皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。



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ズバリ図解 仏教/仏教史編纂委員会
仏教の歴史を単行本サイズに詰め込んだ一冊です。
情報量の多さに対する手ごろさとしてはかなりお勧め出来ます。

釈迦の生前、仏教の発祥~日本に伝わってくるまで、そして日本での発展まで入っています。
詳細な情報を入手したいと思っている人にとっては、一つ一つの項目が簡潔すぎるきらいがあるかもしれませんが、たとえば一般常識として仏教を広く浅く知っておきたいという人にとっては最良の内容です。
見開き二ページが一つの項目で、左側にテキストの解説、右側にイラストや図などによる解説という流れはとても読みやすく、理解しやすくなっています。

豆知識も多かったので、僕が興味を惹かれたものを幾つかピックアップしてみます。

□ 三蔵法師
西遊記に登場するあの人ですね。
この三蔵というのはお名前ではなかったんですね。
三蔵とは、釈迦の死後に弟子がその教えをまとめた物です。
経蔵:釈迦が直接説いた事
律蔵:出家者向けの集団生活の規則
論蔵:仏の教えを整理し、解説しなおした物
これらが三つで三蔵であり、三蔵法師とはこの三蔵を完璧にマスターした人の通称であり、僕たちが一般に三蔵法師と呼んでいる方は、玄奘さんといわれるそうです。
この人は三蔵をマスターしただけではなく、天竺(=インド)への旅で手に入れた仏教の原典を漢訳した数も半端ではなく、75部、1335巻の経典を漢訳しています。
ちなみに彼のように聖域、インドへ旅をした僧の事を『西行求法僧』と呼ぶそうです。

□ 空の思想
かの有名な般若心経は『空の思想』を端的に表現したものだといわれます。
ではこの空の思想とは何なのか…?これを初めて明らかにしたのが龍樹さんといわれる方です。
彼は空の思想を人同士の呼び方に例えています。
ある男性がいて、この人の子供から見ればこの人は『親』ですが、この人の姉からみるなら『弟』です。
またこの人の親から見ればこの人は『息子』ですし、見る人によってその人の呼び方(=存在)は変化し続けます。このように『ものには本質がなく空である』として、空の根拠は縁起にあるとしました。
ややこしい話ですが、この表現が僕も一番判り易いと思いました。
ところで般若心経というのは大量になった般若経を凝縮させたものだそうです。
さすが長い歴史がこもっているだけに、現在でも般若心経の内容に関する本が出版され続けていますね。

□ 意外な仏教用語
知らずに使っていた言葉が仏教用語だったというものがあったので紹介してみます。
まずは『戒律』です。
』が個人の心構えで、『』が集団の規則で、二つが合わさって戒律なのだそうです。
そして『慈悲』。なんとなく宗教的な感じのある言葉ですが、こちらも仏教用語でした。
』は平等、誠実な思いを意味し、『』は憐れみや同情を意味する言葉で、二つの言葉で不殺生の戒めへと繋がるそうです。

□ 日本への伝来
日本への仏教の伝来はなんと軍事的な意味合いがあったそうです。
…学校で習ったっぽいのですが、こんな事で驚く僕は不真面目な生徒だったと先生も嘆くことでしょう
当時は外交の手段になっていたようで、百済に軍事援助をすることを条件に伝えてもらったそうです。
また国内でも仏教の流入を巡って対立が起こっており、それが有名な蘇我馬子物部守屋の争いです。結果はご存知の通り仏教を取り入れたい蘇我馬子が勝ち、聖徳太子は仏教の教えをふんだんに取り入れた十七条憲法を作ります。
ちなみに後に仏教は政治に保護されるなどした為に、それ絡みのトラブルを抱えるようになったそうで、それを嫌がった天台宗の最澄や真言宗の空海は都市から離れ、山での活動を主体とします。この事が日本に伝統的にある神々の信仰と結びつくことになったというのですから、歴史というのは面白いものです。

□ 感想
冒頭でも書いたとおり、かなりコンパクトなサイズにまとめられています。
仏教の本となると、少し読んでみようかなーと思うと、かなり分厚い本が登場する事が多いので、このサイズはなかなか良いなと思います。
ただところどころで興味を惹かれるような内容が見つかっても、それを満たしてくれるほどの解説を見つけることは出来ないので、まさに入門編とでも言える内容でしょう。
一般常識レベルで仏教を知っておくという意味では必要充分な内容ですが、既にある程度の知識や興味があるという人はもう少し分厚い本を探した方が吉かもしれません。
仏教の長い歴史の中での分裂などもありますし、今まで知らなかった仏教の一面などを見ることも出来ると思います。



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気のきいたホウ・レン・ソウ/今井繁之
言葉としては知っていてもなかなか実行できないホウ・レン・ソウ。
報告、連絡、相談というのを事細かにやろうと思っても、なかなか出来ないものです。

この本はそんなホウ・レン・ソウの大切さを説くと同時に、一歩進んだ『気のきいた』実践方法を提案してくれます。

色々と紹介されている事例をここに説明するのは長くなるので、一つ事例ではなく著者の言葉を本文から引用してみます。
ホウレンソウの心構えとして何が一番大切かといえば、それはあまりむずかしいことではなく、相手を思いやる気持ち、あるいは相手の役に立ちたい気持ちで対応するということに集約される

この言葉が著者が様々な事例を挙げて伝えようとしていたことの全てなんだろうなと思います。
これを伝えてあげれば相手は安心するだろうな、言っておけば間違いないだろうな、この情報があれば相手にとってプラスになるだろうな…。
どこまですれば良いのか判らず、ホウ・レン・ソウを迷っている人は、この言葉を覚えておいて欲しいです。

僕自身も意識改革をして、今後に活かしていきたいなと思います。



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インストール/綿矢りさ
そういえば、自分よりも年下の方の小説を読むのはこれが初めてでした。

綿矢りささんを一躍有名人としたこの作品は、女子高校生を主人公とし、そして作者自身も女子高校生だった頃の作品です。


ありきたりな高校生で、受験戦争に少し疲れて、学校をエスケープして持ち物すべてを捨てて…。
自分をリセットしようとする女子高生、朝子が主人公です。

ちょうどひきこもりなんて言葉が騒がれだしていた頃だったのでしょうか。


自分をクリーンアップすることはできても、再度インストールする事ができずにいる人は、きっとたくさんいたことでしょう。
この作品では一人の少女が稀有な体験を通して、自分自身を再『インストール』していく過程を描いています。

僕は年齢的には比較的綿矢さんに近いのですが、なんとなく判るような部分ってあるんですよね。
まるで電気屋に置いてあるPCのように、僕たちは目指すべき方向性をなんとなく決めてあって、なんとなくそこを目指していく。
なんだろう、別に使うOSはWindowsでいいんだけど、最初からWindowsが入っていて全てのことをWindowsを前提に考えている…ということに、疑問を覚えたりするんですよね。
で、いったんWindowsじゃなくってもいいじゃん!って思ってOSを消去して、LinuxとかMacとか、色々と比べてみて、それでWindowsに戻るなら、別にそれはそれでいいんですよね。
別にWindowsが嫌いなわけじゃないし、何より自分で納得できているから、自分で選んでいるから。

受験シーズンにふと思ってしまう疑問も、そんなことなんじゃないかなって思うんです。
受験していい大学にいきたいのは誰の選択なんだろう?という気持ちが芽生えてしまうことがあります。
あの頃、大人から与えられるものは全て自分の可能性を削っていくもののように思えた。そんな子供の頃の自分が、この作品の中にはまだ残っていました。

結局、どんな選択をするにしても自分で自分自身をインストールすることって大切な作業だし、そういったことを意識させてあげることも非常に大切なことなんだと思うんですよね。

綿矢りささんのこの作品は、そんな少し重ささえ感じるようなテーマをまさに主人公のような今時の女子高生らしいノリでさらっと伝えてくれます。
ベテランのような重厚さはないけど、新しい時代の純文学のあり方として、この作品に漂う雰囲気はとてもいいなと思いました。




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なぜ閉店前の値引きが儲かるのか/岩田康成
会計を判りやすく解説…といった趣の本です。
内容としては事業部や予算(PDCA)などなど、結構踏み込んだ部分も多いのでタイトルのみに惹かれて購入すると、少しハードルが高くなってしまうかもしれません。

著者が自分たちも将来的には開業を目指すOL二人に講義をするような対談形式になっており、初心者にも判るような噛み砕いた表現をしてくれるので理解しやすさは抜群だと思います。

多くの人はタイトルに惹かれると思うので、自分なりに解釈した部分で紹介してみます。
まずこの問題で根本にあるのは『管理会計』の概念です。
原価計算や利益の有無などを考慮して、たとえば安値注文を受けても良いのか、新店舗の出店は可能か…といった事に対して、短期的な意思決定をするのに役立ちます
閉店前の値引きに関しては、人や場所などの生産量などではぶれない『固定費』と、原料費などで生産量などによって変動する『変動費』についてを考える必要があります。
閉店前の値引きであれば、もうそこから固定費が増える事はありません。
たとえ大幅な値引きをしたとしても、売り上げと変動利益のみが増えるだけです。

ちなみに。
売上-変動費=限界利益です。
グラフを作った際にこの限界利益が固定費と交わる点が『損益分岐点』で、ここを超えた部分からが黒字になります。

値引きの有無で何が変化するのかを考え、今回のことで言えば閉店前の値引きが儲かるかどうかを決めれば良いのです。

ちなみに値引き前の価格の決め方としては『原価企画』も紹介されています。
これは商品を作る際に『売値-利益』の計算をして、原価を作り出してそれに合わせるようにしていくというものです。

会計などに疎い僕でもこんな風に考えられるので、きっと判り易い内容だと思います。
ただ入り口過ぎてもう少し突っ込んだ内容が欲しいという人には、物足りないかもしれません。
専門的な本を買ったけど内容が理解できずに困っている…という方には、ちょうど良いステップになるかと思います。



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フランシス・カーファックス姫の失踪/シャーロック・ホームズ最後の挨拶
それじゃワトソン君、これまでにも時々やってきたように、立派にやってのけようぜ

ホームズのお風呂談義から始まる作品です。

この作品でワトソンはトルコ風呂に言ってきたことを言い当てられますが、ここでいうトルコ風呂は昔の日本で用いられていた性風俗的な意味合いではなく、本来の意味である蒸し風呂のことで、ワトソンがトルコ風呂は薬の代用品と言ったのも色々な意味を含んだ表現ではありません。
ちなみにトルコ風呂(=蒸し風呂)に対するホームズの評価は『だるくなる上に高価』との事で、なんだか非常に誤解を助長しかねない(日本限定!)ものでした。
最近はそういう表現は無いから思わないけど、当時の人々は「ワトソンってばスケベ…なんて思ったのでしょうか。
ちなみにホームズはワトソンの靴紐の結び方がいつもと違うことからトルコ風呂へ行き着いています。さすが、色々なところまで観察しています。

気分転換にトルコ風呂に行ったワトソンに対し、ホームズは一等の切符つきでローザンヌ行きを誘います。
その度の目的こそがホームズにとっての気分転換、今回の依頼なのでした。

失踪したフランシス姫を探すと言うのが今回の仕事だった。
ある伯爵の直系である彼女は小額ながらも充分な遺産を相続し、あちこち放浪の旅を続けていた。
そんな彼女が昔の家庭教師に二週間おきには出していた手紙が五週間前から突然途切れたと言う。
しかし彼女の銀行口座からは三週間前に一度、かつて使っていた女中へ小切手が切られている。
そんな姫の行方を、ワトソンが調査することになるのだった…。


ちなみに事件の調査をホームズがワトソンに投げたのはアブラハム老人に生命の危機が迫っていることや、余りロンドンを離れると警視庁も寂しがるし、悪人社会を有害に刺激することになるので余り離れたくないと言うものでした。

彼の調査でカーファクス姫は滞在中のホテルを急に発った事、そしてしきりに面会を求め、断られた男がいたことなどが明らかになりました。
ちなみにワトソンの調査は順調で、彼曰く『ホームズでもこう機敏にいろんな事実をつかむことは出来ないだろうと思った』との事です。


過去にも何度かワトソンはホームズの代理で調査に出ていますが、この人って自分で調査すると急に態度が横柄になるような気がします。

でも、結局のところ辿り着く結論はいつも一緒。
ネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


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戦国自衛隊/半村 良
リメイク/映画化もされた名作、戦国自衛隊を読んでみました。

戦国時代にタイムスリップした昭和の時代の自衛隊が主人公です。
現代から移動した戦国時代は、しかし史実そのままではなく、微妙に違っている部分があった。
自分たちはどうしてこの時代、この世界へ移動したのか…?

その答えを追い求めながら、自分たちが天下をとることで歴史に大きな波を起こし、再び自分たちの時代に戻れるのではないか…と、戦国時代を戦い抜いていくのです。

…あらすじは以上のような感じ。
半村さんの奇抜な発想が活きた作品ですね。
自衛隊VS戦国武将という判り易い構図で映画化などもされていますが…。

結局のところ、色々な感想はあると思うんです。
この作品で一番描きたい物が何かという答えについて。

まずひとつには戦国武将と自衛隊の戦いというコマーシャルかつ興味深い議題。
もちろん現代兵器を持つ自衛隊が圧倒的なわけですが、戦略云々の面から考えても興味深いところです。
ただもうもう一つ、タイムパラドックスのようなテーマも見え隠れします。
一番最後に結末として用意されている答えも、結局親殺しのパラドックス的な議題ですし。
映画を見ていると前者が強く感じたのですが、原作を読むと後者が目に付くような気がします。
どちらに主眼をおいて読むかで印象が変わりそうな作品だと思います。



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CLIEを長ーく使うためのテクニック―もっと扱いやすく!もっと能率的に!TJ25/TJ37/TH55/NX80V/UX50/VZ90対応
クリエを長く使うために必要なこと…。
この本はクリエを自分流にアレンジすることを紹介した本です。

クリエに搭載されたパームはPDAとして長い歴史を持つOSです。
そのため、かなり大量のソフトがあります。
そんな中から、利便性を高めたり、使い方に沿って便利になるだろうソフトを紹介してくれます。

もちろんこの本一冊でクリエ(パーム)の使い勝手が完璧にできるとは思いません。
しかしどういったソフトを組み込んでいくことで、どういう風に自分好みのPDAを作っていけばいいのかという基本的な部分はよく理解できるようになると思います。
海外製のソフトや、シェアソフトも多いのでちょうどいい参考書になると思います。

色々と機種ごとでの解説も行われているのですが、僕自身はPeg-UX50のみしか使ったことがないので、この点がどこまで便利になるのかは判りませんでした。
ただZAURUSのように、SL-C×××、SL-C××××…と、三桁シリーズ、四桁シリーズで完全に分かれてしまう事を思えば、こういう設定はありがたいような気がしてくるから不思議です。




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人生は手帳で変わる 3週間実践ワークブック/フランクリン・コヴィー・ジャパン
人生をマネジメントする…なんて手帳の話を聞いて、興味があったので、実践編の本を買ってみました。
フランクリン・プランナーという手帳の使い方ですね。

記入例や、フランクリン・プランナーの思想がどういったものか…というのを紹介する一冊です。

自分の人生の目的、理想、そして現状を綴っていきます。
今の自分というものを知り、そして歩いていきたい道筋を知り、その上で今を生きる。

…簡潔に言うとこんなことなのかなーという感じです。
手帳自体を持ってなくても楽しめると思うし、どういったものなのかを把握できると思います。
フランクリン・プランナーの価格を考えると、こういった本で内容を確認しながら購入を検討してみるのがいいかもしれません。



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