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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

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本の虫、中毒日記
読書感想文、乱発中。
小説ウィザードリィ 隣り合わせの灰と青春/ベニー松山
ウィザードリィの小説が出ていると知り、早速読んでみました。
僕、ウィザードリィと同い年なんですね。

コンピューターRPGの世界でもかなり初期の作品に当たるウィザードリィですが、この小説が舞台としているのはなんと、#1です。
このゲームはProving Grounds of the Mad Overlord (狂王の試練場)というタイトルで出たものですが、魔術師ワードナが持ち出した魔除けを、狂王トレボーの命令によって奪還しにいくというだけのストーリーしかありません。
後は10階まで続く地下迷宮を延々と冒険し続けるのみというものです。
そこにどんな設定を乗せてくるのか…と興味深く思う僕は、もちろんウィザードリィファンです。

□ 設定をそのまま持ち込む
以前紹介した作品だと、フォーチュン・クエストや、ドラゴンクエスト4外伝-地獄の迷宮-のように、それぞれの解釈でレベルなどの概念を作品に持ち込んだ例はありますが、今作では特に説明をするわけでもなく、ゲームの中に当然に存在するレベルという概念をそのまま持ち込んでいます。
なので作品中で当たり前のように、キャラクターの強さの基準としての『レベル』が存在します。
また作品冒頭で戦士が侍に転職するのですが、この時にレベルが1に戻ること、能力値が変化することなども普通に導入されています。(ただし短期間で転職できる部分に関しては、さすがに説明が加えられています)
もちろん読むのはウィザードリィ愛好家でしょうし、妙な設定を付与させるのは、きっとウィザードリィのファンにとっては好ましいことではないと思うので、間違いではないと思うのですが、個人的には驚いた部分でした。
この小説化は1988年に発表されたもので、コンピューターゲームのノベライズとしてもかなり初期の作品ということになります。なので著者としても手探りで書いたのでしょう。

□ 物語
基本的なところはゲームと変わりません。
奪われた魔除けを奪い返すために地下迷宮へと向かいます。
ただし目的が付与されており、奪還することが出来れば近衛兵に取り立てられます。
その一攫千金の夢を見て世界各地から冒険者を目指した人々が訪れるのです。
今回主人公となるパーティも、やはりこうした夢を求めた一行でした。

また『善』、『中立』、『悪』といったメンタル面の属性も再現されていたり、キャラクターの個性なども出てくるので読み物としてはなかなか面白かったです。
もちろん読んでいると、『善』とか『悪』というのも、奇妙な設定だよなぁと思う部分もあるのですが…。
後、いくらかネタバレになるのですが死に関してDEAD(蘇生可能な状態)、ASHED(一度蘇生に失敗した灰の状態)、LOST(灰からの蘇生も失敗し、消滅した状態。完全な死)の概念も明確に再現されているのは面白いですね。

□ 感想
全体的にシリアスな作風ですが、シンプルなウィザードリィ#1の世界観にはマッチしているように思いました。
世界観を必要以上にいじるでもなく、あんなシンプルなゲームなのにそれなりに再現されている感じがとても好きでした。
サブタイトルにもあるように、初期のウィザードリィ(ごめんなさい、最近のは知りません;)はLOSTの恐怖との戦いでした。DQやFFであれば、ペナルティなく復活させらるので『死なせてもいい』という選択肢がありますが、ウィザードリィではLOSTの危険性を考えて出来るだけ死なせない(DEADにしない)事が要求されましたし、DEADでも緊張したものです。
そういう緊張感が作品中にも残っていたのが、とても楽しかったです。

ところでベニー松山さんはこの後にも小説化をしています。
その続編は『転生』のシステムが利用されているというのですから、嬉しくなっちゃいますよね(笑)。

そうそう。この感想文を書くのに調べていたところ、なんとamazon限定販売というウィザードリィのNINTENDO DSゲームがあることを知りました。評判はまちまちですが、初期に立ち戻った作品との事なので、ちょっと購入してみようかと思っています♪


テーマ:この本買いました - ジャンル:本・雑誌


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たった一言の心理術/多湖 輝
言葉は使い方によって効果を発揮したり、全く発揮しなかったり色々とあります。
普段は駄目だったことが、言い方を変えてみたら大丈夫だったり…そんな経験はありませんか?

そんな人にお勧めなのがこの『たった一言の心理術』です。
人の深層心理から表現を選び、相手をこちらの思う事を的確に伝えていく為の本です。

□ たった一言の力 ―いつの間にか「イエス」と言わせる法
物の頼み方によって、ノーだったところを上手くイエスに持っていこうという部分です。
まず基本的なところで小さなことから順に頼むというものがあります。
いきなり主題から入ろうとしても拒否される可能性があるので、小さな要望を少しずつあげていくと、最終的にこちらの主題が、相手にとってはそれほど大きな事ではないように思えるようになるというものです。
また相手を受け入れる事、キーワードとしては『なるほど』や『たしかに』といった言葉も有効です。
もっと簡単に実践できるところでは、こちらの通したい要望を最後に言うという方法が紹介されています。
本文中に出てくる例では、『お届けいたしましょうか、それともいまお持ち帰りになりますか』というものがあります。
こちらから届けるというのは手間ですから、本心を言えば持って帰ってほしい。そういう時は上記の順番で言うと効果的だそうです。

□ 言葉の「心理戦」に強い人、弱い人
これは会話の中に相手の心理をくすぐる技術を用いることです。
実は僕も販売の仕事をしていたときに実践していた方法が紹介されていましたので、自慢げに紹介してみます。
それは相手の名前を意図的に多く呼ぶことです。
相手の名前を呼ぶことで親近感が沸くんですね。もちろん、相手の名前を聞き出すという作業も大変なのですが、これは本当に効果的なのでまだ実践していない方がいればお勧めの方法です。
他には具体的な数字を伝えるという方法があります。
人はよく抽象的な『大体』や『大抵』といった言葉を使うものですが、これがたとえば『検討されている人の中で80%のお客様はこれを選ばれます』といえば、とても具体的な事を伝えてくれているような気がします。
その具体性は説得力につながります。80%の人が選んでいるなら、間違いないのかな?と思うわけですね。
また世代や人に合わせた言葉や内容の会話を心がけることで親近感を持たせることが出来るそうです。
こうした技術で、気づかない内にお互いの距離感を縮めることが出来るのですね。
採用しやすい方法が多いので、明日からでも…という即効力のある項目でした。

□ 相手の心を動かす一言、閉ざす一言
表現の仕方一つで気持ちが変わってくることがあります。
自己暗示のような方法にも思えますが、たとえば記録的なミスをしたら、それをマイナスに思ってしまえば落ち込む一方ですが、新記録だと言い切ってしまえば、精神的な苦痛から抜け出すことが出来ます。
記号的戦術というそうですが、確かに効果的な気がします。
…もちろん反省することから抜け出してしまう事は許されませんが。
この他にも相手を立ててあげることや、あわてている相手にゆっくり語りかけたり、クレームの際に相手の言葉を穏やかに繰り返すことで相手を冷静にし、会話の主導権を自分のほうへ持ってくる手助けになるといった方法が紹介されています。

□ 言葉の心理トリック ―人がだまされる時
ちょっとした表現の使い方で相手をころっとだませるという、余り使用はお勧めできないような項目です。
こういう内容は知っておくことで、だまされないようにする為に有効ですよね、きっと。
まず比較のトリック。
これはよくお店などで見かけるもので、複数の事実の『ある一面だけを比べる』というものです。
本文中に出る例を挙げれば、品質を無視して価格のみを比べるということです。本当に大切なのは品質と価格のバランスだと思うのですが、効用は変わらないけどこちらのほうが安いという勧め方をされると、安いほうがお買い得に思えてしまいます。
また現在形を強調し、断定的に話すと現実とイメージの区別がつかなくなるそうです。

…と、こんな風にちょっとした表現の仕方で相手の判断を狂わせ、誘導することが出来ます。
「みんながそうしている」式説得術という言葉が登場していましたが、こういったトリックには気をつけたいですね

□ 「魅力ある自分」「印象的な自分」「できる自分」
この項目は興味深いコツが幾つか紹介されていたので、僕が気になったものを少しピックアップしてみます。
・日本語は文末に注意が集中する
・言葉のイメージを意識する(視覚化しやすい言葉は印象が強い)
・相手を説得する時は声を落とす(穏やかな声は怒りを払う
・沈黙の効用
・自分なりのトレードマークとなるきめ台詞
・「あなただから」や、第三者との比較で自尊心をくすぐる

上記以外にも色々な方法が紹介されていましたが、僕は上記のことがある程度実践していければ面白いなと思いました。

□ 人生「ここ一番」の一言解決方法
人生の色々なシチュエーションをより効果的に解決するための言葉の選び方が紹介されています。
・人をほめるとき:意外な長所を
・困っている人に:同情する言葉を
・怒っている人に:同調する言葉を
・緊張したとき:その事実を口にする
・お世辞をいう:段階的にエスカレートさせ、何度か言う
・怒られると思っている人に:怒らない方が効果的

こうした項目だけを読んでみても、実践的には思えないように思うのですが、実際にこの本を一冊丸々読んでこの項目を見ると、なるほど!と思わされます。
単に上記を実践しただけでは駄目なんですよね。
怒っている人に同調して、一緒になって怒っても自体は解決しない。
きちんと『相手を受け入れ』ながら、『穏やかな口調で』同調すれば効果的なのでしょう。
小さなことの繰り返しなのですが、なるほど応用しながら使っていけるんだなと思いました。
こういう事は覚えておきたいですね。



テーマ:新書・文庫レビュー - ジャンル:本・雑誌


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情報は「整理」しないで捨てなさい/奥野宣之
タイトルを見て「どこかで見たことがある気がする』と思ったら、『情報は1冊のノートにまとめなさい』の著者の方でした。

前の記事を参考していただけたらと思うのですが、情報をノートにどんどんメモしていくというシンプルの極致のような情報整理術を教えてくださった方です。
その時の利点としては、
・一冊のノートに最新の情報が詰まっている
・使い終わったノートをデータベースとして活用できる
・何でも書き込み、貼り付けできるノートの自由度の高さ

上記のようなことを教わりました。

少し時間を置いて今回別の著書を拝読した上で正直に言うのですが、当時は余りこの活用術を凄い!とは思わなかったのです。
誤解の無いように言えば、この著書を読んだ後でコクヨS&T カバーノート<SYSTEMIC>(システミック) という商品と一緒にノートを携帯するようにしました。
ノートの自由度の高さという部分に感銘を受けたのは、事実です。

ただしデータベースとしての活用などの部分においては、僕が電子手帳ユーザーで、たとえばEBtのような感じのソフト(メモを双方向にリンクしながら作っていけるものです)を使っていたので、そちらの方が便利に思えていましたし、幾つか欠点に感じる部分もありました。
それはどんどん情報を詰め込んでいくことによる飽和状態です。
たまりすぎたノートはどうするの?というところで詰まったわけですね。データベースにしてもデジタルと違ってノートを引っ張り出さなければいけないし、それはアナログゆえに結構な量になってくるはずです。

そんなところで、まるで「判ってるよ、そんな事」とでもいうように出版されていたのが、この一冊だったわけです。
もしかすると僕と同じように思った人が多かったのかも知れませんね。

この本では仕入れた情報/仕入れる情報をどんどんと整理する技術について触れてあります。
一番はアウトプットすることを念頭に置いた上でのインプットという事です。
この前提は意外と考えていない人が多いと思う。どういう形でその情報を活用するのかがわかれば、自然と入れなくて良い情報のフィルターの網目も細かくなっていくことでしょう。
僕は比較的古い書類なども取っておくような傾向にあるので、この大胆な考え方には畏怖さえ感じるのですが、更に一歩進んで情報を捨てていくことの効果や、選別するコツ(著者のルール)などが紹介されているので、少し勇気を出して実践してみようかな…とも思います。
情報過多になりがちな時代という点では、こういったコツを上手く押さえる事が出来るかどうかは非常に重要だと思います。
たとえば本や家電を購入する際にも色々なレビューを読んだりしますが、大抵の商品は良いと思う人も余り良くないと思う人も色々といる傾向にあります。そんなときにどんなレビューを信じれば良いのか?といった判断をするような作業に似ているのかもしれませんね。


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌


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採用の超プロが教える できる人、できない人/安田佳生
人事のプロとして活躍する安田佳生さん(㈱ワイキューブ代表)が、できる人とできない人とをはっきりと言い切ってみせたのがこの一冊です。
ところどころ耳に痛いような言葉も続くのですが、僕自身も採用関係の仕事に携わることがあるのでまとめてみました。
普段思っていたのになかなか言葉にできなかった、スカッとするようなフレーズもあり、個人的にはとても楽しめました。

□ 会社の目指すべき姿
人件費削減などが叫ばれているご時世ですが、安田さんは『日本一優秀な人材が集まっている会社の人件費は、当然、日本一高くあるべきだ』として、人件費が高い会社を理想として掲げます。
この部分だけをつまんで読むと「え~?本だからと思ってコマーシャルなせりふを入れてるだけじゃないの」と思ってしまうのですが、この人件費の高い会社というのは、能力のある人に正当な評価をしている会社であり、待遇麺の満足度から『出来る人が辞めない会社』なのです。

□ 人を育てる事
人を育てるということに関して、数値を用いた例えが出てきているのですが、これがなかなか面白いです。
僕らはついつい人を育てるのに当たって、100の能力のある人に対して90の仕事を与えて育てていこうとしてしまいますが、それでは最終的にその人の能力は90の仕事をこなす能力で落ち着いてしまいます。
100の能力を持つ人を育てるためには120の仕事、130の仕事と与え続けていくことが大切です。
…と、こう書くのは簡単なのですが新人に能力以上の仕事を与えていくというのは会社にとっても勇気のいる決断になりそうです。

また人を育てる環境に関しても述べています。
求められる環境としては『よい習慣を身につけている人材』を周囲へ配置するべきです。
これは『人は環境に左右される怠け者』という大前提をとって考えたもので、周囲にいる人が向上心にあふれる努力の人であれば、育てられている人もそうなっていくというものです。
ちなみにこの人を育てるということに関して古田とカツノリという例を挙げて素材の大切さも語っています。
安田佳生さんは育てることと同時に育つ素材かどうかもはっきりと分けて考えているようです。
これは倫理的にいうと賛同し得ないのですが、会社の採用活動という面で見ると、確かに割り切って考えなければいけない事実なのかもしれません。
ただ、実際にそれが本当のかどうかということに関しては、だめだろうと思っていた人が嬉しい形で期待を裏切ったり、そういう事は確かにあると、僕は信じています。

□ 入りたい会社を作る
そうは言っても、いい人材が応募してこなければいい人を採用することさえ出来ません。
このことに関しては先述のように人件費を上げたりする事や、会社の立地など様々な要素を含めて考えています。
たとえばステイタスのようなもので、『○○ビルで仕事をしています』とか、『職場は○○地域です』といった面から、色々な人にとって入りたいと思えるような会社作りを進めていくことが出来ます。
またそういった満足度は愛社精神にも繋がります。
また募集の際に求める社員の『志向』にまで考慮した求人をする事で、よりほしいと思った人材を絞って取得することができるようになります。

□ 向き、不向き
やはり向き、不向きはある
…なかなか重たいフレーズですね。
また『人材には育つ人材と育たない人材がある』とも言い切ります。
たとえば頭のいい人でも勉強向きの頭のよさなのか、それともクリエイティブ能力に優れた頭のよさなのか、はたまた記憶力の優れた頭のよさなのか…色々な頭の良さがあります。
そういったところで単に頭がいいからどんな仕事にも対処できるのかというと、それはやはり『不向き』があるとなるのでしょう。

□ ビジネスマンに必要な要素
ちなみにビジネスマンに必要な要素としていくつか紹介されているので面接時の参考にできそうです。
まず素頭のよさ。
これはコミュニケーション能力や論理的思考力です。
会話中のテンポの良さはもちろん、相手の考えを見抜き、相手の反応を見ながら会話が出来る人の事です。
たとえば面接の際にどんなによく出来た内容だとしても、用意してきた話や、的外れなことをひたすらしゃべり続ける人というのはこの能力に欠けると考えられます。
そして素直さ。
これは自分の価値基準を持っているかどうかにより、『自分の価値判断基準を持っていない人間は、永久に仕事ができる様にはならない』そうです。厳しいなぁ…。
でもこれを持っていながらも、輪の中では殺してしまうという人もいますし、注意したいところですね。
最後にはエネルギー量です。
人生の目標バーの高さであり、それを越えていこうとするモチベーションです。
目標があればやりがいにつながり、超えるための人生設計図も出てきます。

□ 仕事の速さ
僕はあまり仕事にスピードを求めないように気をつけているのですが、ここでは持論を捨てて安田さんの話を聞いてみよう…と思ったら、単に速度を求めるだけの話ではありませんでした。
短い時間で同じ仕事をこなすための創意工夫ができるかどうかであり、そのことは即処理することであったり、仕事へ集中したり優先順位をきちんとつかんでいるのかどうか…という事です。
仕事の処理の仕方が間違えていなければ、自然とスピードはついてくるという意味を込めて『スピードとクオリティは比例する』と言い切っています。
なるほど、この言い方なら仕事の速度は求めてもいいと思えます。

□ 経験者=仕事ができるの大きなカン違い
この幻想には陥りがちですよね。
でも僕もここは最近判るようになってきました。中途半端な経験者は危ない。
優秀な人材は会社が手放さない、辞める時点で次が決まっている…を前提に考えるべきなのでしょう。
著者は『即害力』と呼んでいますが、経験者だからやってくれるだろうと思っていたら、余計なことばかりしてくれた…という経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
経験者だから安易に採用するのではなく、注意深く採用していきたいですね。
その人の能力があるとしても、前職との仕事の進め方などに違いが大きい場合も注意が必要かもしれません。

□ 感想
ところどころ耳に痛い言葉も多いのですが、これくらい割り切ったほうがうまくいくのかもしれません。
もちろん自分自身に自省すべき点は自省したいとも思います。
特に人が辞めない体質作りという点では、そこさえしっかりすれば安易に経験者の獲得に走ったりすることもないでしょうし、実践できる部分から導入していければ…と思いました。


テーマ:新書・文庫レビュー - ジャンル:本・雑誌


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1分で人を動かす心理作戦!/臼井由妃
話し方のコツに関して色々と紹介した本です。

この本の帯に『コツと真心と体当たり』というコミュニケーションの秘訣が紹介されていますが、内容に関してもちょっとしたコツで、今までと余り変わらない動作だとしても、より人の心に訴えかけることが出来るような内容になっています。

それはたとえば人と会うときの、ちょっとした仕草だったり服装だったり。
また話をしにいく日の天候や、話を持っていく相手等々、簡単に実践することが可能な内容が多いです。

こういった本を手に取る方には部下を持つ立場の方は余りいないのかもしれませんが、部下に対してよりやる気を出してもらうためのちょっとした一言が紹介されています。
個人的に響いたのは、ミスが続いた方へ対する『見守っているよ』でしょうか。
これを言われると、ほっとすると同時に期待に応えたい!というハングリー精神が出てきますよね。

ちょっとしたコツがほしいと思う人、もう一歩なのに…と感じている人、本当に気楽な一歩が踏み出せる一冊だと思います。


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「3年目社員」が辞める会社、辞めない会社/森田英一
タイトルにある通りの状況が自分の勤めている会社でも起こっています。
3年目を越せる社員が少ないので、古くからの常連さんにはいつも笑われてしまいます。
そんな状況を打破するヒントになればと、この本を読んでみました。

この本で僕が感じた、3年目社員が辞めない会社作りはとてもシンプルでした。
細かい内容を…というより、簡潔にまとめてみました。

□ 先にいる人たちの姿
尊敬の対象となる先輩や上司、競争相手や相談相手にもなりえる同期社員の存在
まず入社して、自分たちの将来を考える時に見えるのは先輩、上司といった先にいる人たちの姿でしょう。
先輩社員や上司という存在が尊敬の対象となるかどうかは、各人の努力も必要そうですね。
先輩や上司の動きは新しく入った社員にとっては、自分の未来の姿です。
そういった時になりたい自分の姿が見えないというの問題です。
先に勤めている僕たち自身も、彼らの目標とならなければならないという事を意識する必要はありそうです。
僕は基本的に下にほとんど人のいない立場の仕事をしているので、ちょっと自覚という面でも難しいのですが、実際にこれを達成するにはかなり長期戦になりそうな予感がします。
…が、これをクリアしない事には状況は変えられないのでしょう。

□ 目標設定
長く勤めていくためには自分が目指すべき目標が見えたほうがいいようです。
それは自分が成長しているという実感であったり、やりがいなどにもつながっていくのです。
確かに、一通り仕事を覚えて『後は一生こんな事の繰り返しか…』ではやる気も減退してしまいます。
なので明確な基準として、最初の一年はここまで、次の一年はこれくらい、三年目ならこれくらい、五年目にはここまで出来る事を期待します…といった目標設定があれば効果的かもしれません。
要するに会社が社員の目指すべき姿を提示するのです。
その為に、その目標設定をボーナスなどの査定に影響させてみたり、社内での資格のようなものがあると判り易いかもしれません。

□ 人を育てる環境の再構築
昔は人を育てることに専念するマネージャー職があったそうですが、現在では現場の仕事と兼ねているというケースが殆どのようです。これは僕の会社にも当てはまることで、人を育てる立場になる人も、やはり自分の仕事を処理しながら新人教育を行います。
この為、人を育てるメリットが失われてしまいます
どうしても仕事上の評価は自分の仕事に対する処理になってしまうので、新人教育は片手間になりがちです。
しかし人員削減が進んだ現在の会社では、再び新人の育成自体を評価対照とするマネージャーや管理職を設置することは難しいでしょう。
しかし当時と同じように、明確に新人教育の達成度を教育係の評価対象とする事は可能なはずです。
この時には新人にとっての目標達成率のようなものがあれば判り易いかもしれませんね。
このようにする事で教育係には人を育てるメリットが生じ、更に育ちたいと思っている新人社員にとっても自分を積極的に成長させてくれる人がいてくれうと言うことになり、人を育てる環境の再構築が見込めます。

□ 感想
ザザッと、本を読んで僕がまとめたことだけを書いたのですが、この本自体も読み物として興味深い内容になっています。
実際に転職に踏み切った若手社員の方の考え方なども紹介されており、参考になる部分もありました。
転職市場でよく叫ばれている三年=経験者扱い(大体、正社員として三年間ほど勤続すればその仕事の経験者として、転職時に優遇される傾向にあると言われているようです)のような考え方もあるので、転職市場の熟成に伴ってある程度は三年目の社員が流出するようになるというのは傾向としてパーマメントな部分もあるのでしょうが、最大限それを予防できればいいなと思いました。
こんな事を言う僕自身も含めた先輩社員が後輩にとっての目標となること、そして会社が目指すべき通過地点を用意する事など、言うのは簡単ですが実際に導入するのはとても大変な作業となりそうです。
でも三年目の社員が残ってくれるかどうかは、実際に重要な問題なので出来るだけ取り組んで行きたいと思います。



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電子書籍の衝撃/佐々木 俊尚
長くZAURUSのMIシリーズ~SLシリーズと電子書籍のお世話になってきた僕にとっては、『今更?』といった内容の一冊です。
日本では環境が整っていないものの、既に他国では大ヒットを記録するキンドル、そしてiPadやiPodといった電子書籍リーダーを持つ媒体の登場によって、今後日本でも電子書籍へ対する需要が一気に伸びるであろう事は容易に予想されます。

この本ではそういった時代に本という業界がどのような進化を遂げていくのかを考えます。

今までは市場が大きくなかったので、僕も偉そうなことは言えないのですが電子書籍と実際に紙で買う本では全く違ってくると思います。
たとえばこのブログでも女性向けと思われるような内容の本、ちょっとグロい系統の本など、紙で購入する場合にはレジへ持っていくことを躊躇してしまうような本、そしてアングラすぎて店頭に並ばないような本を購入して紹介しています。
これは僕だけに限ったことではないと思うんです。
もちろん買う内容だけではなく、買い方も変化していく事でしょう。
アマゾンさんでは注文してその日には届くといったようなサービスを展開しているようですが、電子書籍は買いたいと思ったらその場で購入できます。
ネットに接続さえ出来れば、出先で暇かもしれないから本を買っていこうという感覚が、出先で暇だったらその場で本を購入(ダウンロード)して読めばいいに変わるのですから、流通は本当に変化していくでしょう。

この本で紹介されている『セルフパブリッシング』に関しても、もっと敷居は下がってくると思います。
携帯電話向けサイトから人気を博した作品が出てくるような感覚でしょうか、きっとチャンスは広がると思います。

色々な可能性がある。
そして僕は何の因果か、それを楽しみに待っていました。
もう、今からワクワクしていますもん。


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鈴木敏文 商売の原点/緒方知行
私のためにこの会社があるわけではないのです。
 もちろん、セブンイレブンの社員のためにこの会社があるわけでもないのです。
 だれのためにあるのかといえば、それはお客様のためにあるのです


セブンイレブンの鈴木敏文さんの商売に対する考え方は、過去に幾つかの著書で紹介したのですが、その度にお客様本位で物事を考える姿勢に感銘を受けてきました。
商売において単純なことですが、それでも自分たち業者の立場で考えてしまう。
単純なように思えて、とても難しいことです。

さて、今回は鈴木さんの商売における理念を記したともいえる『商売の原点』という著書を読んでみました。
やはりとても感じる部分が多かったので、幾つかピックアップしてみたいと思います。

□ 基本の徹底
この著書の中で何度も登場してくるのが、この基本の徹底です。
鈴木敏文さんがもっとも重視する点で、店頭においてはクリンリネス、フレンドリーサービス等が該当するようです。
商売における『基礎体力』があるからこそ、プラスアルファが効いてくるのです。
なので鈴木さんはキャンペーンなどを打ち出して、それに依存してしまうことを『邪道』と切り捨てます。
高レベルの品揃えのお店でキャンペーンを打つからこそ、他の商品もそれに合わせて売れる
キャンペーン以外の商品が売れれば、それがお店にとっての利益になるのです。
基礎が出来ていないのに、それ以上のことをしても効果がない。だからこそ基礎が大切なのです。

□ 消費は心理学で考える
前に『セブンイレブン流心理学』という本でも勉強したのですが、セブンイレブンは早くから商売に心理学を取り入れています。
これは売り手市場から買い手市場への移行に伴って必要となってきた概念で、既に単純な価格だけで商品が売れる時代は終わったということを意味します。
これからは単純な価格だけではなく、『効用を超えた価値観』を持つことが重要です。
買い手市場で商品をより売るためには『効果+付加価値』である必要があります。
本文中ではマフラーが例として登場します。
マフラーの効果は暖かい事ですが、暖かくて安いだけでたくさん売れるのかというと、そうとは限りません。
暖かいマフラーにステイタス(有名ブランド)や目新しさ(斬新な機能、デザインなど)が加わってこそ、より売れる商品となるのです。
買い手市場では売る側の立場で考えるのではだめです。
たとえば気候や温度、湿度などを自分たちの皮膚感覚で考えなければなりません。
単なるディスカウントだけでは考えられない、情報の取り方や活かし方が重要になるのです。

□ 適正価格
最近ではコンビニで時期が外れた商品が少し安く売られていたりすることもあるようですが、昔のイメージで言えばコンビニは安売りをしないという雰囲気がありました。
そこには鈴木敏文さんの『フェアプライス』という考え方があったようです。
僕も以前販売の仕事をしていた時期があるのですが、商品の価格は仕入原価によって決められていました。原価はこれだけだから、これだけ利益を乗せて、この価格で売る…というものです。
しかしこれはフェアプライスという考え方では、決して適正価格であるとは限りません。
買い手市場に移行した今の時代において、価格はお客様へ認知していただける適正な価格でなければならないのです。
なので原価に対して乗せる利益が減ってしまったとしても、市場の中でその価格が一般的であるならば、その価格がフェアプライス、適正な価格であるのです。

ただし鈴木敏文さんはこうも言います。
私は安売りをもっとも否定している人間の一人です
高すぎればコンビニは高いというイメージを持たれますし、かといって安くすれば品質を落としたととらえられかねないのです。
この二点のバランスを客(買い手)の立場で考慮しながら、価格は決められなければならないのです。
確かに言われてみると、コンビニは安売りをしないというイメージがあるのに、逆に高いと思ったこともありません。
この感覚こそがフェアプライスなのでしょう。

□ 信用
冒頭で紹介した文章は、鈴木敏文さんの経営理念のようなものであると同時にお店の信頼を得るために必要な優先順位を言い表した言葉でもあります。
セブンイレブンでは市場よりも更に厳しい鮮度管理などを徹底していますが、これもセブンイレブンの信頼度を高めるためです。また先述の基本の徹底なども同様でしょう。
大した事のない製品でも安くすれば売れるというのでは、信頼を勝ち取ることは出来ません。
安いけれど品質が良いからこそ、信頼になるのです。

この項目に関して、とても興味深い発言があります。
基本がしっかりしていれば、勝敗は競争以前に決まっているのです

これは競合店の出現によって売り上げが落ち込んでしまう店舗に対しての発言で、基本が徹底している店舗は競合店が出てきても競走に負けることはないという確固たる自信からくる発言です。
また同時にもっとも簡単なはずの基本の徹底がなかなか難しいという事でもあるのでしょう。

ちなみにこうした事からくる信頼度が端的に判るのは商品そのものではなく、イメージが重要な商品の売り上げだそうです。
おにぎりのような商品自体に力がある売れ筋商品はどの店舗でも売れるのですが、バレンタインデーの贈り物のようにイメージが大切な商品は、お店に対する信頼度やイメージのよさがないと売り上げが上下してしまうそうです。
このイメージの部分に関しては商品開発よりも、普段の積み重ねによる基本の徹底でお店自体の信用やイメージを向上させていかねればならないのです。

□ 人を動かす
この本の後半はほぼセブンイレブンの社員に対するメッセージだと思いました。
フランチャイズのお店を回って、お店の運営を調べる役割を持つ人たちへの提言です。
教育はテクニックではありません
まず大前提として、自分たちが実際に動いて伝えることを伝えています。
漠然とした説明ではしないよりはした方が良いのは判る程度で、実際に人が動かすのにはまだ弱い部分があります。
そこで人に合わせた深い説明であったり、自分の実践で伝える事で『納得』してもらう事が重要になります。
相手の納得を勝ち得るためには、伝える人自身が表面を取り繕った形だけのような仕事では駄目です。
鈴木敏文さんの言葉で言うならば、『熱意をもって取り組む』ことが大切です。
また仕事上の立場も大切ですが、仕事と人格は切り離しておく事も大切です。
僕も仕事上の役職や立場だけを考えて、ついつい年長の方や部署の違う方に偉そうな言い方になってしまう事がありますが、これは改めるように気をつけなければならないことだと思いました。

ちなみに鈴木敏文さんが言うリーダーシップを幾つかまとめてみました。
・発言に責任を持ち、自らチェックを行うこと
・相手のタイプに合わせて行動できること
・障害を克服しようと、対処できること
・優れた上長は「うるさい人」であるべき


□ 感想
まず一番に思ったのは、これまで色々なセブンイレブンに関する書籍を読んだ中で共通して感じていた理念が鈴木敏文さん自身が掲げるものだったんだなということです。
僕の場合は順序が店舗~鈴木敏文さんだったのですが、もしこれから幾つか書物を読んでみようと思う人がいれば、この本を入門として、それから他の本を読んでみるようにすると、内容が理解しやすくなると思います。
セブンイレブンで徹底して行われていることの全ての根底にある理由に触れることが出来ます。

でも結局、一番は『基本の徹底』だったように思います。
このフレーズだけは本の中で、項目を選ばず常に登場し続けています。
クリンリネスと、フレンドリーサービス。
でも、何はなくとも店舗が小奇麗で、店員さんの対応が良いと、やはりその店舗を選びたくなります。
大きな事をやってのけるからこそ、基本が大切になる。
セブンイレブンという最大のコンビニチェーンを紐解いていくと、そんなとても単純な結論に行き着くということに驚きと感動を覚えました。


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プロジェクトX 窓際族が世界規格を作った/VHS・執念の逆転劇
VHS誕生秘話に関して読んでみました。

僕が子供の頃、ベータ対VHSのというのはたまに耳にしていました。
その中で出てくるベータは負けた側で、購入した人も大変だったといった論調なのですが、どういった対決だったのかよく判らないままだったので、今回でいい勉強になりました。

まず意外に知らなかったのですが、VHSは日本ビクターが開発したものなんですね。
当時はまだメーカーとしては中堅どころで、家庭用VTRの開発が上手くいかなければ開発事業部の方はリストラの憂き目にあってしまうという、かなり苦しい状況だったそうです。

しかしこの苦境の中で、ミスターVHSと呼ばれた高野鎮雄さんはいくつかの興味深い行動を取っています。

まず第一に、リストラなどのコストカットは行わない事でした。
売れていない状況下で生産を停止する事をすれば、VTR事業で重要な技術が鈍化してしまい、急に再開するといっても技術が追いつかなくなってしまうことを懸念したもので、たまたま石油ショックの際に値上げせずに出せる在庫を抱えていた事で状況を改善できたものの、そういった状況が予想できなかった時点では、とても勇気のいる決断だったことでしょう。
また予算が限られたために開発よりも従来の技術の洗い出しを行ったことも、当時の環境が芳しくなかったからこその動きでしょう。充分な予算の中で開発が行われていれば、今と違った製品に仕上がっていたのかもしれません。

そしてもうひとつはVHSを世界基準とするために他社へ試作機の積極的な公開を推し進めたことです。
普通に考えれば出来るだけ最新の技術は知られずに独り占めしたいようなものですが、先行して発売されていたベータ形式に対抗するために、広くVHS形式が採用される必要性を感じていたのでしょうか。
当時の関係者の方は積極的に広めてきた高野鎮雄さんの行動に関して、各企業の方も驚いたそうです。
この連帯感は製品としての性能以上に、連帯感を強めたり、協賛した企業による新機能の追加など進歩へつなげていくことに役立ったようです。

高野鎮雄さんは余りビクターの名前がVHSに関して際立って出過ぎることを嫌っていたそうで、もしかすると僕がVHSを作ったのがビクターだと知らなかったのもそのあたりの事情なのかなーなんて考えたりしました。
ひとつの企業の枠組みを超えてベータに立ち向かったその心意気こそ、勝負の最大の分かれ目だったのではないでしょうか。

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ここから会社は変わり始めた/柴田昌治
スコラ・コンサルタントの代表者である著者がオフ際とミーティングを通して企業風土改革を達成した際のケーススタディをまとめたのがこの本です。
僕自身会社内でのコミュニケーション不足を強く感じることがあったので、この機会に目を通してみました。

まずこの本は実例集です。
なので具体的な事例が数多く紹介されています。
実際には本を手にして読んでいただくとして、僕が感じたことを書きなぐってみます。

□ 気楽に真面目な話を
まずオフサイトミーティングが目指す目的として、飲み会のような圧迫感のない会話を目指すということがあげられます。
普段はどうしても付きまとって来る上下関係はもちろん、あまり会話のないような別部門などとも忌憚なく会話をすることが求められます。
その為にはミーティングの目指す意図を明確にすることや、できれば会社から離れた場所で実施するなど、普段の仕事上の雰囲気を打破することが大切になってくるようです。

□ 結論を出すのではなく、吐き出すことの重要性
意外に感じたのはオフサイトミーティングという形では、必ずしも結論を導き出すことが最大の目的ではないということです。
対話をすることで活かしていけるアイディアや、燻っている問題を拾い上げていくというための連続性を持った活動であることが重要で、活動の契機となるものである事こそが重要なのであり、そこで結論が出るかどうかということは、少なくともオフサイトミーティングという段階では絶対ではないのです。

□ 立場や周囲を気にせず、当事者意識で発言を
ここは僕自身にも当てはまる部分だったので反省しようと思っているのですが、ミーティングの場においてどうしても『上司』であるとか、『先例』というものが引っ掛かってしまうことがあります。
しかしせっかくの対話の場なのだから、そういうものはとりあえず置いておいて、当事者としての自分の意見を口にしていく事が大切です。
こうした当事者意識を持った発言が、やがて相談しあえる関係の構築へとつながり、そしてそれは最終的に組織の自浄能力へ昇華していくものなのです。

□ 他部門との連携
何か問題が起こったとします。
たいていの場合、その問題が起こった部門の中で問題解決を考えようとします。
しかしそれは発生している部門だけの問題なのでしょうか?
他部門の方も交えた話の中で、問題を幅広く考えていくと問題の本質が見えてくる事があります。
もしかすると、他部門からの働きかけなどで問題を解決していくことが可能になるかもしれません。

□ まとめ
1.具体化していない問題、提案を見つけ出す
2.話し合い、解決へ導く能力を養う

オフサイトミーティングで本当に大切なのは、ミーティングの結論を導き出すことではなく、上記に点のようなポイントを押さえていくことなのではないかと思いました。
社員の人数などの問題もあるので、この本で紹介されているような大規模なオフサイトミーティングは難しいかもしれませんが、話し合う事の大切さを、気楽に真面目な話をすることでみんなにも知らせていくことができればと思います。


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お前らにも出来ル! ネットで流行っている料理まとめ本
ネット上で色々なレシピを見ることが出来ます。
本よりネットブックでも台所に置いたほうが効率がよさそうな時代ですが、そんな料理のまとめ本が出ていました。

ただしこの本でミソとなるのは『お前らにも出来ル! 』という、独特の言い回し。
そそそ、2ch辺りがメインなんですね。
アクアフレッシュ丼(秒刊サンデーさんより)だの、うまい棒盛合せ(うまい棒を重ねただけ)だの、ちょっとどうかと思う料理(これって料理なのか、これって!)もありますが、サケフレークとパスタを合わせた料理(ちなみにサケフレークはなんでもOKとの事。この本にこだわりは皆無だ)や、ココットベーコンごはん辺りは(やはり料理なのかどうか微妙に疑問だけど)意外と美味しそう。

まぁ遊び心があっていいかな、なんて思います。

ただ、少し前にバカ日本地図(地理に詳しくない人たちだけで、イメージを重視しながら作られた日本地図)のまとめの本を買ったのですが、どうしてだろう、まとめって『まとめサイト』だと楽しめるのに、『まとめ本』だと、読後に充実感がありません。
偉そうなことを言うつもりはありませんが、ネットで見るからこそというテンションは、本には持ってこれないものなのかなーなんて思いました。
リアルタイムで意見を交わしながら見ているネットに対し、一方的に情報を入れ続ける本では、『面白い』という感覚も多少変わってくるのでしょうか。


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フォーチュン・クエスト1 世にも幸せな冒険者たち/深沢美潮
深沢美潮さんによる、王道ファンタジーのライトノベルです。

□ ファミコン世代の王道ファンタジー
ファンタジーのライトノベルとしてはかなり王道の内容ですが、設定面ではかなり新時代の影響を受けています。
著者自身があとがきで自分の夢から生まれた作品だという旨の発言をしていますが、きっと誰もがゲームをしたり本を読んだりしながら夢想したような世界観がこの作品には反映されています。
緊張感なく、偽善者ぶることもなく自分たちの本音を語り合うパーティは、決して世界の平和に貢献するために身を粉にして頑張ろうというわけではなく、たまった宿屋の支払いを達成するために冒険へ出向きますし、それぞれが冒険者として目指している部分も、そう高いところにあるようには感じられません。
この緩い感じは、まさに『あ、ゲームしよ』といった感じなのかなぁなんて思いました。
主人公のパステルは詩人という立場で、主にパーティの家計や冒険を記録するという、実働部隊から一歩引いた立場の役割ですが、彼女こそが著者の化身であり、コントローラーを持って画面を見つめていたプレイヤー自身の化身なのでしょう。

□ 『冒険者』という制度
このブログで紹介した中だと『ドラゴンクエスト4外伝-地獄の迷宮-』で、モンスター退治によるレベル制度と収入という制度を具体的な形にして発表したいたものがありますが、このフォーチュン・クエストでも同じような試みがなされており、冒険者支援グループ という支援団体が、サービス価格であったり最低限の生活保障などを行うことで、職業としての冒険者の生活を保障しています。
この作品で言う冒険者とは、上記団体の恩恵を受けるためのライセンスのようなものであり、レベルというのもそのライセンスに付属するもので、冒険の中で倒したモンスターによって徐々に上がっていくものです。
本人の実力と必ずしもイコールになるとは限らず、冒険者が受ける依頼の難易度に対する目安のような数字として扱われているようです。

□ キャラクターたち
パステル・G・キング:主人公、女性の詩人。物語の語り部。
クレイ・シーモア・アンダーソン:名家の出の戦士で、名剣と竹の鎧を装備する。1巻なのに大半リタイアしてた。
トラップ:盗賊。現実主義で口が悪い。プレイヤーを物語に登場させるとこんな感じ?な人。
ルーミィ:幼いエルフの魔法使い。操られると強くなった。
ノル:巨人族。余りにしゃべらないので、読んでて急に登場したのかと思ってページを捲りなおしました。
キットン:薬剤師。作中では図鑑ばかり捲っているので攻略本に頼る人を彷彿とさせる。本作で少し謎を残す人。
シロちゃん:この作品は、このホワイトドラゴンとの出会いを描いたものです。


□ 感想
王道という表現はしたものの、伝統的なファンタジーからするとかなり風変わりな作品だと思います。
ただテレビゲームのファンタジーからファンタジー作品に触れる機会が増えるであろう今後の世代の事を考えれば、こういう入り口が広く認められていく事はファンタジー小説全体にとってもいい傾向なんじゃないかな…なんて、少しえらそうな事を言います。
バランスも独特で、たとえばライトノベルにありがちな本当に『ライト』すぎるものでもないし、スレイヤーズのように伝統的なファンタジーへのオマージュといった風でもない、なんとなく隙間を埋めてくれるような感じが好きです。

世界を救うばかりが冒険じゃない。
ゲームだって、途中のカジノにはまる人もいればメタルスライム退治に没頭してしまう人もいるし、どんな楽しみ方だって自由なはずです。
DQ3で役に立たないと思っても、商人みたいな職業をなんとなく選んじゃった人っていますよね。

そうして冒険を楽しんでいられる彼らは、本当に『世にも幸せな冒険者たち』なんじゃなかろうかと思うのです。


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霧の別荘/横溝正史
横溝正史さんの短編です。
避暑中の金田一耕助の元へ持ち込まれた事件です。
名探偵でも暑いんだなぁ…。
まだ暑いと聞いて滞在を延期してみたりと、なんだかとても優雅です

名探偵の下を訪れた女性は、サイレント映画時代の名女優の親戚の者だった。
彼女が言うには、その女優がかつて行われた迷宮入り事件の犯人と思われる人物と遭遇したのだそうだ。
そこで事件の真相解明、そして相手が口止めのために手を出してこないか保護してほしいと依頼してきたのだった。

…ということで、なんだか冒頭だけを読むと長編に出来そうな雰囲気すら漂う作品ですが、とても簡潔にまとめられている短編です。
長さゆえに横溝正史さんらしからぬ淡白な感じは否めないのですが、物語自体は意外と手が込んでいて横溝作品らしさが随所に見られる上に、余りグロテスクな表現も見られないので、金田一シリーズの入門として選ぶなら、とてもいい作品だと思います。

ネタバレ等は続き以降で。

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だからWinMXはやめられない/津田大介
少し前に著作憲法の違反があり、違法にアップロードされているファイルの一部をダウンロードすることが違法となりました。
僕はP2Pという言葉は知っていたものの、個人的に試したこともなく、唯一知っているのは青空文庫のデータをつめたDVDをBitTorrentというソフトで配信するというものでした。
これもよく判らなかったのと、Winnyの情報流出などのニュースで『なんかよく判らないからやめておこう』ということで、結局手にしていないまま、法律改正のニュースを見ることになったので、おそらく今後も試すことはなさそうです。

そんなところに、電子書籍として悪名高い(?)WinMXのユーザーのレポートが発売されているのを目にしたので読んでみました。

これは実在の人物がWinMXへ夢中になっていく様子を描いたものです。

読んでみて感じたのは、無料ダウンロードの魅力だけではなく『駆け引き』のような部分も、おそらくユーザーをひきつけるのであろうという点です。
今使用されているファイル共有ソフトとは違う部分もあるのかもしれませんが、WinMXでは興味があるファイルを見つけても、ダウンロードしようとする相手が見返りを持っていないと、そのファイルのユーザーが接続を切ってしまうということもあるそうです。
この本の主人公の方はそういった駆け引きを積極的に行っています。
何かのファイルを落とす際には自分も色々なファイルを共有してみたり、OSのような大きなファイルを落とす際には相手に見返りを提示してダウンロードさせてもらったりと、そこにはコミュニケーションがあります。
このコミュニケーションの部分は大きいようで、最終的に主人公の方はWinMXを始めたことがきっかけとなって自分でコンテンツを購入するようになっています。
もちろん、これは良いことであるとは言い切れません。
そのファイルを共有することで、チャットで盛り上がろう…というような目的だったり、サーフィンの動画を共有することでユーザー同士で新たにサーフィン仲間を…というようなもので、結局共有することが目的であることには変わりないのですが、無料ダウンロードを目的とするソフトが、購入意欲を刺激するという点には、今後のビジネスモデルのあり方に一石を投じる部分があるのかもしれないと思いました。
今、音楽や動画のコンテンツで無料視聴などが多く見られるのはそういうことなのかもしれません。

ただどれだけソフトの魅力などが判っても、やっぱり余り気分の良い話ではないですね。
そうして手に入れた物は、お小遣いの中からやりくりして手にしたコンテンツのような魅力を与えてくれるのでしょうか?
結局情報過多の時代の諸症状のひとつでしかないのかな、なんて僕は思いました。


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プロジェクトX 友の死を越えて/青函トンネル・24年の大工事
青函トンネルに夢を見た事はありませんか?

世界中がトンネルでつながり、リニアモーターカーのような乗り物で、ひとっ飛び。
子供の頃の僕にとって、それは最も現実的な『どこでもドア』の姿のように思えたものです。

青函トンネルはちょうど僕が小学校の頃に完成したトンネルです。
その当時は余り意味を理解していなかったのでしょうが、海の下を通り抜けていける夢のようなトンネルに思えたものでした。
今回読んでみたプロジェクトXの資料によると、53.9kmという長距離です。
海の中になくても、長さだけでも非常に巨大なトンネルです。
それが海底から100mも下で行われた難工事だったんですね。

少し前に瀬戸大橋の記事を紹介したのですが、瀬戸大橋のような四国と本州を繋ぐ橋を作るという議論が本格化したのは、紫雲丸事故という非常に凄惨な事故が発生したことがきっかけでした。
青函トンネルが作られる契機となったのも洞爺丸事故という台風の影響で発生した事故がきっかけとなったそうです。
その為か、作業のために工事に出向いた人々は吉岡駅で1000人もの人々から歓迎を受けています。
(上記二つの事故は共に国鉄戦後五大事故に数えられています)
瀬戸大橋の工事の際も、そしてこの青函トンネルの工事の際も、こういった人々の期待というのは、きっと工事に携わる人々を奮い立たせる原動力になっていたのでしょう。

普通のトンネルの工事が2~3年で済むところを、この青函トンネルは当初の計画でも10年。
さらに最終的には24年もかかる大仕事だったそうです。
この工事の際には、家族の方は『あんた、すごい人をだんなさんに持ったね』といわれたそうです。
初期の頃には工事の継続にもかかわるような大規模な浸水が何度も起こったそうです。
子供の頃には夢ばかり見えていたのですが、大人になって現実のすごさに、再び圧倒されてしまいます。
やっぱりすごいトンネルだったんだなぁと、今更ながら思うのです。

ところで僕が子供の頃に見ていた、世界を繋ぐトンネル。
このプロジェクトXの中で同じような構想があったことが紹介されていました。
シベリア~満州~朝鮮半島~釜山~九州~関門トンネル~津軽海峡~宗谷海峡~サハリン~シベリアという『大陸銃弾弾丸列車計画』というものだったそうです。
もしかすると、こんな夢もいつか叶うような時代が来るのかもしれませんね。


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メタルカラーの時代1/山根一真
メタルカラーの時代という本がブームになったのはしっていたのですが、具体的にどういう内容なのかは知らないままでした。
最近プロジェクトXの著書を読んでいたところ、似たようなコンセプトだからと勧められて遅ればせながら読んでみました。

このメタルカラーの時代という本は、現代の匠とも言える工業に携わる人々の仕事内容を紹介するもので、その仕事をメタルカラーと定義づけています。
本文は専門の特殊な職業の方と、著者の対談形式をとっています。
案内人がエピソードを辿って行くような構成になっているプロジェクトXに対して、メタルカラーの時代シリーズは、著者が読者と同じく素人の立場で専門家の話を聞いているという点で、とても共感しながら読み進めていけます。

対談をする相手も、プロジェクトXが色々な話題に触れているのに対して、この1巻で言えば例えば明石大橋
造るのに際して、話しの中で気になった工程に携わった人々と次々に対談をして行くので、読んで行くほど点と点が繋がっていくように理解し易くなっていきます。
一通りを読み終わるころには、その工事に関してかなり詳しくなれるという、無理のない構成は、基本的に文系の頭しか持ち合わせていない僕にとって理解し易くて助かりました。

ということで、第一巻のみですが気持ちよく読破しました。

少し前にプロジェクトXの本も含めて色々と瀬戸大橋の建設に関して調べていた時期があるのですが、この巻では明石大橋の建築に携わった業者の方との対談も収録されてるのですが、瀬戸大橋のころとの比較や、瀬戸大橋での経験がどのように活かされているのかがよく見えて面白かったです。
著者の語り口調が明るいせいか、そう専門的な内容を読んでいるような感じは受けずに読めるので、ドラマティックに仕上げているプロジェクトXに馴染めない人にも勧められそうな一冊です。

最後にプロジェクトXとの最大の違いを紹介します。

下ネタの有無。

以上っ。
著者の方、結構好きなんでしょうね(笑)


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プロジェクトX 魔法のラーメン 82億食の奇跡 ― カップめん・どん底からの逆襲劇
普段何気なく食べている日清カップヌードルに関して調べてみました。

普段容易に手に入るし、当たり前に食べてしまうのでなんとも思わなかったのですが、これはなかなか難しい開発秘話を持った食品でした。
ケースやお湯だけで戻る麺、そして具。
一つ一つが慎重に開発されていたそうです。
ところでカップヌードルで僕が気になっていたのは、その具です。
普段からあまりラーメンは食べないのですが、カップヌードルの具は結構変わっていますよね。
卵、えび、ミンチ肉。(最近、肉は変わったそうですね。まだ食べていないので、ちょっと興味があります)
ラーメンとしてはもっとも多く食べられているはずのカップヌードルの具ですが、実際にこういうラーメンを見た覚えはありません。
これはエビは豪華さの立役者として、卵は色合いを引き立てる役割だけではなく、好き嫌いなく誰でも食べられる食材として選ばれたそうです。

開発秘話としては、まずカップヌードルの成り立ちに驚きました。
当時の日清食品の代表作であるチキンラーメンのようなタイプの食品を売り込むために他国へ渡った際に、アメリカの家庭にはラーメンを作るのに適したようなどんぶりが存在しないことを知ったというのが、そもそもの始まりです。
そこでアメリカでいろいろな食品の容器として使われていた紙コップや、飛行機の中で出されたカップを参考にしたカップヌードルの開発が始まったそうです。
怪我の功名とはこのことでしょうか。
ただ今でこそ押しも押されぬトップメーカーの日清食品ですが、当時は激安競争の中で非常に苦しい日々が続いていたそうです。そんな状況の中だからこそ、真新しい商品の開発が急務であり、ささやかな情報でも斬新なアイディアに結びついたのかもしれませんね。
このカップの中に入れるという条件を満たすための社員の方々の努力が実ってこそ、いまや国民食となったカップヌードルが誕生したのですが、そう簡単に受け入れられたわけではないようです。

世間的にはあさま山荘事件の中継を見て人気に火がついたということになっていますが、そこに至るまでに地道に売り続けた営業の方たちの尽力があってこそ、警察の手にもカップヌードルが渡っていくことができたのだという事実も、忘れずに特筆しておきたいところです。
機動隊に売り込みたいと思った際には警視庁の玄関に入り込んで、守衛に止められてどこへ売り込んでいけばいいのかを確認したというのですから、かなりの猛者だったと言えるのではないでしょうか。

俺は日本一のラーメン屋になるよ
これは企業の際に創業者の方が奥様に告げた台詞だそうです。
まさに、本当に日本一のラーメン屋になってしまいました。
味は生のラーメン屋にっはもっとおいしいところがあるかもしれない。
制約の少ない中で作くるのだから、きっともっとおいしいラーメンはいくらでも作れるでしょう。

でもこれほどまでにラーメンを家庭に広めることができたのは、やはりカップヌードルだからこそ。
魔法のラーメンとはいいえて妙。
とても素敵な魔法でした。

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無印良品VSユニクロ 小売を塗り替えるSPA戦略の全て/溝上幸伸
少し古い本なのですが、長く続く不景気の中で古いデパートなどの旧勢力の小売を抜き去ってトップに躍り出てきた『無印良品』と、『ユニクロ』の飛躍の理由を分析した本を読んでみました。

□ タイトルに偽りアリかも?
この本のタイトルから、どうしても無印良品とユニクロの比較を期待してしまうのですが、意外と二つを照らし合わせて云々といった表現は少ないです。
SPAという形態を取った新勢力の小売という事で紹介されている程度に過ぎず、たとえばSPAという形を取っていれば、ここへ『しまむら』が加わっても問題のない程度の内容です。
タイトルから想像できるような過激な(?)描写に期待をした人には少し残念な内容かもしれません。
第5章の『類似点と相違点』という項目で比較はなされているのですが、基本的にライバル視という観点ではバッティングする商品同士の価格面というところくらいで、他に関しては基本的に広い年齢層に受け入れられるようなユニクロ、団塊Jr世代に絞った無印良品という辺りでも、読めば読むほど逆にライバル関係は薄いのかな?と思ってしまいます。
タイトルは2000年代に入って飛躍したSPA戦略をとった小売…という意味でしかないのかもしれません。

□ 無印良品
僕は余り無印良品を利用したことがなく、実は西友のPB(プライベートブランド)から始まったという事さえ初めて知りました。
だからファミリーマートで扱われているんだなぁ…なんて、妙に納得したりしました。
岡山は西友と余り馴染みがないので、この不勉強もご容赦いただきたいところです。
そのコンセプトはシンプル。元々、正規の販売からは外される部位の食品や、包装やロゴなどを徹底的に省いたもので安い理由が明確なものです。
その象徴的な商品がロングセラーの自転車です。
最低限の商品だけで、必要なものは後からつける。
近年の消費者の意識を表現した言葉として、本文中に以下のフレーズがあります。
自分のほしいもの以外のものは、いかに類似していても買いの手を出さない。ほしくないものは絶対に買わない
無印良品というのは、そんな消費者の要望に対してシンプルさで応えたものだと言えるでしょう。
素材感を活かした商品戦略は、ブランド志向の高くなく、エコ志向の高い海外の市場でも好評で、海外戦略の面では無印良品はユニクロよりも順調に進んでいるようです。

□ ユニクロ
ユニクロに関しては、僕は柳井社長の考え方にとても共鳴していることもあり、別の記事でも紹介しています。
特筆すべきはその商品数の少なさです。
徹底的に商品を絞り込んで、数を販売する。
商品数の少なさは色やサイズのバリエーションで補う。
この点はユニクロの強さの秘密といえるでしょう。限られた商品を大量に生産するため、生産コストは非常に低いものとなり、それは販売価格として商品に反映されていくのです。
また大量に生産するために、中国にある工場に特派員を常に常備して品質や生産に関して徹底した管理を行っています。かつてフリースの大ブームの際にはさすがに欠品が出ましたが、多少のブームでも欠品を出さずいられる体勢が作られている事も強みでしょう。
ちなみにこの事はユニクロの店舗展開にも影響しており、商品数が少ないので大型店舗は必要がなく、商圏を区切りながらどんどん出店していくことが出来ます。店舗の大きさによって商品のラインナップを変えていく無印良品との差異といえそうです。

□ SPA
SPAという言葉はメーカーが小売までする業態の事です。
なので無印良品もユニクロも、自分たちが売る商品を自分たちで作って売っています。
こうする事で売れない原因を製造側に向けてしまう悪循環を断ち切れるだけではなく、ユニクロがフリースを大量に何年も立て続けに売るという業界の常識を打ち破るような事も可能だったのです。
ちなみに無印良品とユニクロは共にSPAの業態ですが、西友のPBから始まった無印良品は、製品を自社で作ることから(西友から独立して)小売にも手を伸ばした会社で、父親の営んでいた洋服屋を継いだユニクロは自分たちの理想を追求するために製造にも着手するようになったという点で、実はスタート地点が全く別々です。
この本では百貨店との比較になっていますが、SPAの場合は自分たちが作るものをお客様に提案していくことが出来るので、基本的なコンセプトがしっかりしていて、客に受け入れられれば後は容易ですが、従来のようにお客様が求めるものを模索しながら売るものを決めていくと、やはり無理や差異が生じてしまいます。
特に無印良品は生活用品全般を扱うなどライフスタイル提案の要素が強く、またユニクロにしても流行っているものに便乗しようとするだけではなく、新商品の提案をしてきます。
成功した企業だからこそ当てはまるのでしょうが、この点でSPAは楽だといえるのかもしれません。

□ 第三の脅威
まさかこの本の後半でこの企業の名前を目にするとは思いませんでした。
しまむらです。
SPAという形を取っているために、デパートやスーパーはそれほどユニクロや無印良品とバッティングはしません。
しかししまむらという企業は、デパートやスーパーと同じように商品をメーカーから仕入れて販売するという旧来からの手法で成長してきた企業です。
その為に同じ商品を安価で販売されてしまう可能性もあり、その点では直接的な脅威になると言えそうです。
しまむらの飛躍の理由は安さですが、自分が製造しない為に利益率を高めるにはメーカーから大量に安く仕入れる事が求められます。
その為にしまむらはメーカーに対して返品をしないということを取り決めます。
その事で仕入れを他社よりも安くすることに成功、さらに商品管理を本部に一元化することで売れ筋、死に筋の管理を徹底、尚且つ地域集中展開する事で物流コストを圧縮しています。(地域集中展開はセブンイレブンでも実施していた手法ですね)
革新的な二社に対して、基本に忠実に、しかもそれを徹底的に追求したしまむらという感じでしょうか。
この対比はとても興味深く感じました。

□ 感想
僕はもう少し直接的な対比に期待していたので、期待はずれなところもあったのですが、二社(しまもむらも含めると三社)の販売上のコンセプトや手法が効率よく見比べることが出来たという点は、とても面白かったです。
同じように伸びてきた会社でも、これほど違うんだなと。
特に前述の通り無印良品は余り購入したことがなかったのですが、この本をきっかけにとても興味がわいてきたので、早速時間があるときにでも近くの店舗に寄ってみたいと思います。
後、これは僕が立て続けにユニクロ(柳井社長)に関する書籍を読んだことも影響するのかもしれませんが、著者の溝上さんは無印良品ほどはユニクロに詳しくないのかもしれません。
ユニクロの今後に対する提言があったのですが、他の著書を読んでいく中でユニクロが規模にそった組織作りを進めている側面などもあるので、『あれ?』と思う部分もありました。後、本自体が古いということで、商品として補っていくべき部分などに関しては、どのくらい参考にしていいのか不明な部分も多くありました。


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すべて分かる!完全就活マニュアル2011/松田真理
就職活動はしていませんが、こんな本を読んでみました。
…というのも、受け入れ側の仕事をするためです。

就職活動にも色々なブームがあると思います。
その中で、常套句のようなものも変わってきますし、自己PRの内容にも多少の流れはあると思います。
聞く話によると、かつては集団の中にうまく溶け込める人材が求められがちだったそうですが、今はもちろん集団の中でうまくやっていくコミュニケーション能力は欠かせませんが、その中でも一人ひとりが異なる個性を持っていることを求められがちのようです。

企業として求める人材はある程度決まっているものの、やはりこういった本から今時の就活生たちがどういった考え方をしているのかなどは興味深く調べておくようにしています。
もちろん採用したいなと思うのは、こういう本の通りにやるのではなく、自分なりのアレンジを含めた動きをとる人です。
そういった意味ではある程度自由度のある内容に仕上がっていると思うので、参考にし易い一冊だろうなと思います。
内定後のことにも軽く触れてあるので、社会人になる前にいい勉強になると思います。

新人といえども、社会に出れば学生ではなく社会人。
ついこの間まで仕方がないで済まされた事も、いきなりそんな事も知らないのに変わってしまいます。
就職活動での話し方やしぐさというのは全て社会へ出ても役に立つものばかりです。
こういった本でしっかり勉強をして、自分なりにうまく咀嚼して自分らしさというものを築いてくれればいいなぁと思いつつ読ませていただきました。

ちなみにこういう本を読む理由。
マニュアル通りに動こうとする人を見破るため、です。

※この本は電子書籍でおいしくいただきました。iPhone/iPod touch向けも発売されているようなので、就職活動に励んでいる方は落としてみてはどうでしょうか。

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犯罪の心理学 なぜ、こんな事件が起こるのか/中村希明
精神科医の目から犯罪者の心理に言及した内容になっています。

学者らしく多面的な見方をしているのが特徴で、遺伝や周辺の環境、時代など犯罪にいたる心理状況を細かく分析しています。
その為に一つ一つの事件を細かに分析しています。特に遺伝のことに関しては母方、父方の親族などに至るまで調べていたりと、かなり細かい描写が見られます。
そういったことに興味関心がある人にとってはとても興味深いものだと思います。
ひとつの側面から見ようとしていないことも、個人的には好意的に受け止められました。

ただ作品のコンセプト上、どうしてもそうなるのかもしれませんが選ばれている事件が基本的に残虐なものが多く、読んでいる途中でその残酷さに閉口してしまいそうな勢いです。
そういった内容にある程度耐性がある人、もしくは理路整然と事件を分析する事に興味がある人には勧められるのですが、それ以外の人にはもう少し軽い内容の本もあると思うので、そちらの方がいいかもしれません。



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