本の虫、中毒日記

読書感想文、乱発中。

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

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What's Michael?6/小林まこと
猫を主人公にした漫画の大家、小林まことさんの『What's Michale?ホワッツ マイケル』。
画風やキャラクターも安定した時期の第6巻を読んでみました。

色々と出揃ったキャラクターたちの熟成期だと言えそうです。
まずキャラクターの中からたまみが挙げられます。
既に先の5巻で登場、マイケルたちの同居人となった大林家待望の長女ですが、Vol.110「ライバル」やVol.116「たまちゃん」において猫と赤ちゃんの同居の難しさが描かれています。
同時に赤ちゃんというものを上手く理解できないマイケルはすぐに泣いたり、興味本位に目の前のものを口にしたりしてしまう様子を見ながら、彼女の将来を憂いています。(Vol.121「OLたまみちゃん」)
ここでは小林まことさんの猫への観察眼がそのまま赤ちゃんに活かされ、なかなか詳細に描かれています。才能ですね。
ちなみにマイケルの想像の中でたまみちゃんが勤めたのは『ネコマタ商事』でした。…さりげなくとんでもない名称です。

そしてニャジラもメス猫としての喜びを掴んでしまいます。
Vol.111「乙女の祈り」で恋をしたニャジラは、Vol.112「続・乙女の祈り」において、アメリカンショートヘアーの大介と結ばれ、子種に恵まれます。
このエピソードも今になって読み返すと深いんですよね。
立派な子供を産んでくれる雌という意味では、丈夫なニャジラはそう悪い相手ではないでしょうし、小林さんの解説によると『(相手を選ぶ権利が)オスにはないのである』という事もあるそうです。
ちなみにコレを専門用語で『悲しい男の性(さが)』と呼ぶそうです。
果たして専門用語なのかどうかは判りませんが、人間にも通じる深いエピソードだと思います
ところでニャジラのフェロモンは他の猫にとっても魅力的だったようですが、集まったオス猫の中に何気なくマイケルも混じっています。何やってるんですか、あんた。

そして何よりもマイケル*ポッポの息子であるミニケル。
この1冊を通してメチャクチャ成長します。
まず巻頭カラーで好奇心で色々なものにちょっかいを出すのをマイケルに助けられるという心温まるエピソードが紹介されているのですが、巻末に収録されたVol.129「成長」においてニャジラさえも超越する立派な巨体に育ってしまうのでした。

他、この第6巻では5巻と比べると猫の習性に関する作品も増えており、Vol.114「ニャー丸」では、こうした漫画では禁断ともいえる虚勢に関する記述まで登場します。
またVol.117ではマイケル・ジャクソンを思わせる外国人と、ナメ猫ばりのコスチュームに身を包んで踊るマイケル(猫)が描かれています。
いやぁ、猫って本当にいいですね。
……。

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罠に掛かった人/甲賀三郎
甲賀三郎さんが殺人を犯す人のギリギリの心理状態を表現した作品が『罠に掛かった人』です。
この作品には三人の殺人犯が登場します。
それぞれの登場人物がそれぞれの思いで殺人を犯そうとするというものです。
ただしこの内の二人は犯行を思い留まります。

トリック云々を語るミステリーではありませんが、心理描写と三人目の殺人犯の『殺人のきっかけ』を作ってしまった殺人犯(未遂)の心理状態の描写も興味深いです。

運命と云う奴はいつでも罠を掛けて待っているんだよ。それが人生なんだ』と割り切ろうとする心、しかし半面で『深い溜息をついた』表情を見せます。
お金が左右したそれぞれの人生。
人が犯罪を犯すきっかけなんてそんなものなのかもしれなません。
誰かが犯罪を犯す運命から解き放たれた拍子に、誰かが罪に手を染める―。

願わくば、僕の人生が『罠』に掛からないことを祈るばかりです。



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「見えない小さなこと」で仕事は9割できている/金児 昭
この本はタイトルに頷いて、躊躇なく読みました。

大きな仕事を好む人は多いです。
やはり新入社員はメインの仕事に憧れているし、早くその仕事ができるようになりたいと思っています。
でも新入社員のうちだからこそ、小さな仕事の積み重ねの大切さを知ってほしいものです。
華々しい舞台に立っている先輩ほど、小さな仕事を積み重ねてきています。

僕の知っている方は会社の中でも中心的な役割を果たしていますが、未だに暇さえあれば資料をまとめたりメモを清書して詠みやすくしたりという作業を続けています。

遠回りが一番の近道です。

僕は以前、机の上に溜まった資料をいっぺんに片付けるのによりよい方法を模索していましたが、最近になってようやく一つずつをさっさと取り上げて処理していく事が一番の近道だと気づきました。

それぞれの仕事で小さなことがあると思います。

この本はその中でも特に重要視すべき『小さいこと』を紹介した本です。
この本を読んで納得できる人は、きっと『大きいこと』への挑戦権を手に入れる事ができるでしょう。



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日本全国ヤバい村/ミリオンコミックス
日本中に伝わる伝聞、都市伝説などを漫画化した一冊です。
コンビニで見かけてタイトルだけで購入しました。

色々な物語、昔の言い伝えなどはどこにも伝わっているものです。
でもそれを素直に現実に直してみると、やっぱり違和感があるんですよね。
それを違和感として受け止められなかったので、僕にはこういう本は向いていないのかもしれません。

その辺りで評価が分かれそうです。

青年向け漫画雑誌に掲載されていたものという事で、多少エロ傾向強めです。


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怪しいお仕事!/北尾トロ
世にあるとは聞くけど、知り合いにはいない仕事―。

ちょっと危なくて、とても怪しいそんな仕事の現場を紹介したものです。
ゴースト(幽霊)ライター、街中で見かけるちょっと心惹かれてしまいそうな甘い言葉を掲げる金融業者、各種賭博業、挙句には寝室覗き屋なんて仕事まで。

こんなの電子書籍じゃないと買えない!
レジに持っていく勇気が出ない!

時代の恩恵と共に社会の裏側がよく見える一冊です。

怪しいのを通り過ぎて法に抵触している仕事まで様々に紹介されています。
また最近話題になった『お寺売買のコーディネーター』も紹介されているので、興味がある人は是非どうぞ。

※この本は電子書籍で美味しく頂きました。


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シゴトのココロ/松永真理
楽しいことをするのではなく、することを楽しんでみてはどうだろうか

仕事に挑む際の心持を問いかけるようにして説いた一冊です。
冒頭に紹介した言葉は、前書きとして掲載されているものですが、これが全てだと思います。

先日の記事で紹介した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』でも紹介されていますが、自分がやりたいと思う仕事だって入社してすぐに与えられるわけではありませんし、この心得はとても身に沁みる一言です。

この本ではこのように、自分が置かれている状況に対して不満を感じるのではなく、それをチャンスや前向きな思考に切り替えていく考え方を紹介しています。
最近では仕事もステップアップとして自分能力を向上させながら、それに伴ってより大きな会社への転職を…という考え方もありますが、『転職を目的にしていませんか?』のコンテンツを読んで、何か感じるところがあるかたもいるのではないでしょうか。
僕は今のところ転職を考えていませんが、転職する事を前提で働いている方というのは、転職をおもい留めさせたいとは思わない方が多いです。
きっと今、目の前の自分に与えられている仕事を楽しめていないのでしょう。

自分の仕事の向き合い方と向き合わせてくれる一冊です。
転職を考えている方に目を通していただきたい内容です。
後、著者が女性と言う事もあって女性向けの内容も多く含まれています。




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デキる上司はほめ方が凄い/日本語力向上会議
より効率的な人の褒め方の本です。

誰かのさりげない一言で気持ちが奮起した事がありませんか?
そんな一言を自分でも使うために、とても勉強になる一冊です。

『前から思ってたんだけど~』や、『信じています』といったフレーズは、さりげなく使えてなかなか便利。
落ち込んでいる人にも『いい経験をしたね』の一言は良い刺激になるでしょう。

自分が相手に対して抱いている気持ちを伝えるのに、より良い方法や、より伝わりやすい方法を模索していく上で、この本に一度は目を通しておくといいかもしれません。

※この本は電子書籍で美味しく頂きました。


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殺人狂の話(欧米犯罪実話)/浜尾四郎
最近、コンビニへ行くと心霊特集や任侠物の実話など、廉価で色々な本が取り扱われています。
昔であればワニブックスなどでよく取り上げられていたような話題ですが、やはり人というのはこういう話題が好きなのかもしれません。

今回手にとって見た『殺人狂の話』は、なんと1931年に発表された、欧米での残忍な犯罪を紹介したものです。
…やっぱり昔から、こういうのってコッソリ興味があるのですね。
そのコンセプトは現在でもこんなのこんなのが出ていますが、まさにそのまま。

欧米で発生した事件の詳細が紹介されています。

紹介されている事件は以下。
1.ヴァッヘル事件
2.メネルー事件
3.ソレイラン事件
4.ジャン・ウェーバー事件

たまに登場する形容詞が古めかしい以外は、このままコンビニに並んでいても不思議ではありません。


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地中魔/海野十三
帆村荘六シリーズのスピンオフのような扱いになる作品がこの『地中魔』です。
少年探偵三浦三吉と、ホラ探偵大辻又右衛門の二人が主人公となる作品です。
帆村荘六は海外出張中だそうです。

…まぁ、矛盾や無理なこじつけは海野十三さんのエッセンスの一つだと割り切っているのですが、市立探偵が一体どういう用事でフランスへ出張するのか、とても興味を惹かれます。
さて、帆村荘六の留守の間にこの二人が事件解決に乗り出す事になるのが本作です。

既に三吉がマイクを操作して客とのやり取りを聞いたり、色々なボタンが登場したりと、既に推理小説の枠を飛び越えてSFの域に到達しています。この傾向は作品全体にいえることですが、今回は事件そのものもかなりSFチックなものに仕上がっています。

留守をしていた帆村に変わって大辻老が引き受けたのは、かなり特殊な盗難事件だった。
沈没した船から失われたのは地下鉄会社が買い入れたという穴を掘る為の特殊な機関車だった。3tもあろうかという巨大な機械が沈没した船から綺麗に失われていたと言うのだ。
それと時を同じくして警視庁は不死身と恐れられている強盗紳士『岩』の存在をキャッチしていた。
そして「岩」は、厳重な警備をすり抜けて銀行の金庫から金貨百万ドルを盗み出して見せたのだった…。


と、こんな物語です。
いつもの事ながら、そんなに華麗な推理があるわけではないのですが、設定ほど事件の真相がぶっ飛んではおらず、結構地に足が着いたような内容になっているのが、却って新鮮でした。
ちなみに帆村荘六は事件の背後で動き回っていたという設定になっており、物語の途中で少し触れられているのと、ラストに登場するのみになっていますが、生真面目な正統派探偵の三吉、そして少し天然ボケの入った迷探偵大辻老という対照的な二人の活躍する物語はなかなか読み応えのある面白いものでした。



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Linux100% Vol.10
同誌では以前、Linux7と名づけられたUbuntuの改良バージョンが配布されていましたが、Vol.10では更に突き詰めたLinux Oneと名づけられたOSが収録されました。

ただし全開のLinux7が比較的元々のUbuntuの雰囲気を打ち壊して作られたものだったのに対し、このLinux ONEはベースとなるUbuntuから大きく外れる事はなく、アレンジしやすく作られたものです。

まず『全自動インストール』。
Linux100%のサイトとの連携やUbuntuTweakなどによる簡単にソフトがインストール出来るように改良が加えられています。
とくにLinux100%サイトとの連携は誌面で紹介されているソフトの導入が手軽に行えるので、とても便利な機能になっています。もちろん従来の『追加と削除』や『Synapticパッケージ・マネージャー』によるインストールも可能なので、かなり幅広く対応しているといえるでしょう。
その他にLinux7の際と同様に定番ソフトながらUbuntuに標準では搭載されていないソフトの搭載も行われているので、初心者の入門用としても便利に仕上がっています。
テーマも、Linux7ではVista風、Mac風と標準のテーマとなっていたのに対して複数のテーマが用意されているので、好みに合わせて選ぶ事が出来ます。

さてそれ以外の内容ではフリーソフト大全集が便利です。
それぞれ動画、音楽、DVD、Webツール、Webサービス、ユーティリティ、オフィス、セキュリティ、バックアップ、グラフィック、Google/AdobeAir、その他といったジャンルで数多くのソフトが紹介されています。
ここにあるもの一通りで大抵の事はできると思います。
僕は今号からLinux用の青空文庫専用ビューワのAozora Viewer、軽快な画像ビューアであるMirage辺りを入手、今後とも僕にとっての定番ツールとなる事を確認しています。
またコーナーは別になりますが、市販ゲーム顔負けのクオリティのゲームも紹介されているので要注目でしょう。

そして最新ニュースでも僕の心の琴線を刺激するものが多かったです。
まず僕自身にとってLinuxの入り口となったリナザウ後継の呼び声高いUbuntu搭載のSHARP、ネットウォーカー。
同じLinuxとは言えど、今回はUbuntuを採用したのでZAURUS時代よりは広くLinux用ソフトを利用することができるといわれ、価格も手ごろな45,000円程度とされているので興味深いところです。
更にVine Linux5.0の話題も。
扱いの小ささがとても身にしみますが、今でも僕にとってはとても愛着のあるディストリビューションなので少しでも紹介されているだけでうれしいです。

この号はフリーソフト類が数多く紹介されているので、興味がある方は手にとって欲しいです。
ただLinuxOneに関しては、Linux7の時ほどは楽しめなかったかな…?


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デキる人間は説明力をこう磨く
相手に説明する際の言葉の選び方や仕草などを紹介した本です。

僕自身も余り自信がないのですが、この本を見るとちょっとしたコツで説明が判り易くなるような、そして伝える力があるようなものになってきます。

例えば『早口なんて三文の損である』もその一つ。
人によっては緊張すると早口になるという方がおられますが、ここは要注意。
早口で説明しても、相手に伝わらずに何度も説明する事になるなら無意味ですよね。
反面、『誰だってだらだら長い説明は嫌い』なのです。
この二点を見るだけでゆっくりでいいから、内容を詰めてしゃべれば伝わり易いということが判ります。

また説明をする際に相手がしゃべる事も上手くこなせばOK。
これも緊張しがちな人に多いのですが、相手がしゃべる事を許容できない。
恐らく自分の説明を読み上げる事に必死なのでしょうが、相手に言いたい事を言わせずに説明しきるなんて絶対に無理です。
上手く相槌を打ったりしながら、最終的に自分の言いたい事を全て伝える。

この本の一つ一つの項目は理解しづらくても、幾つかのパーツをあわせていくと段々と自分に合った(足りない)説明のしかたが見えてきます。
また自分の説明に自身があると思っている人も、見直してみると、意外と自分の言動が駄目なほうに入っていたりすることもあるかもしれません。

※この本は電子書籍で美味しく頂きました。


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デルの革命
私は従来の常識が間違っていると言っておこう

ユニクロの柳井 正さんが紹介していた本の中に、デルの名前を見つけたときには、なんだか妙に納得しました。
デルもユニクロもお客の声を最大限に取り上げ、自社製品を従来だと中間に入っていた業者を省く事で低価格を実現するというビジネススタイルを採ってきた企業です。
デルはその中でも店頭販売には全く力を入れず、お客から注文を受けた希望通りのスペックのパソコンを提供する『ダイレクト・モデル』と呼ばれるスタイルを貫き通してきた会社です。
僕はDELLのパソコンを使った事はありませんが、柳井さんのおススメと言う事で読んでみました。
この本はデル誕生以前から、成長期やその弊害、そして現在に至るまでの流れをマイケル・デル自身の言葉で語ったものです。

□ ダイレクトの始まり
デルのCEOであるマイケル・デルさんが中間業者を配する商法のメリットに気づいたのは、彼の少年時代のことだったそうです。収集した切手を売るのに自らが主催者となる事で子供ながらに大きな収益を上げた事だったそうです。
彼は成長してPCに興味を持つようになるのですが、この時のPCの市場と言うのはとても雑なもので、今のように販売店の店員がPCの専門的な知識や技術を持つという事は少なく、メーカーのサポートも充実していない状態でした。
デルはそんな状況の中で、部品を調達してPCを組み立て、アップグレードさせて知人に販売すると言う事を行っていました。
この頃には『僕はIBMと張り合いたいんだよ』という発言までしています。
これは徐々に事業となり、『PC's Limited』という会社を立ち上げます。
IBM-PCの高性能版の需要が高まるのに、IBMはそれを作らなかったので、デルは過剰な在庫が原価割れの価格で取引されているものを入手し、それを顧客に必要なスペックに増設して販売していたのです。
やがてPCはIBM-PCからデル自身が作るものになって行きますが、これこそがDELLのダイレクト・モデルの起源だったようです。


□ 顧客とダイレクト
デルは『オリンピック』と呼ばれるPCを作っています。これは製品化はされなかったものの、彼自身が『教訓』と称した失敗したプロジェクトです。
これはとても高スペック、多機能なPCとして開発されているものでしたが、そこまでの機能を求めている客がいなかったということで、開発中止に追い込まれたものです。
当時も、そして今でさえもPCの販売はメーカー主導な部分が大きいです。
ワードやエクセルが使えれば、それだけで充分と言う客も、インターネットで動画や音楽を楽しみたいと思っている客も、店頭に用意されているPCを購入するのです。
前者の人は、もう少し自分の目的を絞って注文すれば、安価で購入する事ができるかもしれない。
デルのダイレクト・モデルは推測するのではなく、『顧客の要望を正確に「知って」いた』上で作るのです。
それは顧客にとってもいいことだし、デルも顧客の需要を的確に吸い上げていく事ができます。
ダイレクトな関係であるがゆえに、情報もダイレクトです。
インターネットの時代が到来し、デルは更に顧客との関係を親密にする事に成功しました。
『双方向性』とデルが呼ぶこのような形は、たとえば大手の顧客が参加する『プラチナ・カウンシル』、技術説明会などで更に高い精度で補完されます。
そこでデルは『処理速度は速ければ速いほどいい』という従来のエンジニアの考え方が、顧客の『(処理速度が少し遅くても構わない)本当に必要なのは安定性、何年でも変化しない製品なんだ』という意見と食い違っている事に気づく事ができたのです。

□ 業者とダイレクト
この本を読んでいて面白かったのは、各種パーツを作る業者間でもダイレクトな関係を築いている事です。『意思決定を担う人々と直接コミュニケーションをとる』として、社員や顧客同様にサプライヤーとのコミュニケーションを重視しているそうです。
デルは長らくCPUにインテルのみを採用し、現在でも多くをインテル製のCPUを採用していますが、相手にもデルの考え方を理解してもらい、そして自身もデルと同様に世界的な戦略に挑んでいく企業として成長してもらう事を要求しています。
これは言うのは簡単ですが、本当はとても難しい事ですよね。
一方が『このサービスをとても重視している。すぐに対応して欲しい』と言っても、相手方が『いや、これはすぐに対処しなくても問題にはなりませんよね?』と応える事は間々ありますし、行き過ぎれば『「それに応えられるサプライヤーを見つけてください「と、切られてしまう危険性もあります。
こちらが何を達成しようとしているのかを分かってもらわなければ、サプライヤーは絶対にパートナーにはなってくれない』とし、理解を求めています。
尤も、デル自身もその事には苦戦したようですし、今のように大きな企業として成功していなければ未だに苦戦していたのかもしれません。
しかしダイレクト・モデルを通して得られる顧客の要望をサプライヤーに伝えていく事で、新しい技術開発のきっかけとなるのですから、サプライヤーにとっても悪い事ではありません。
デルはこの流れに関して『ある意味では、デルがコンピューター業界全体の効率改善を促してきたと自負している』と述べていますが、確かにデルほどの規模の企業が顧客の声をダイレクトにくみ上げてきた事は、業界にとっていい影響を与えたと言えるでしょう。


□ 社員とダイレクト
社員に対しても、サプライヤー同様に自分の思いや目指す方向性、目標などを綿密に分け合っています。
この中で面白かったのは、インターネットの普及時期に自身がメールやインターネットを活用する事で社員に対してその重要性を見せた事でしょうか。
これは大切なやり方だと思うし、一番判りやすい方法だと思います。
またメールと言う手段はデルほど大きくなった企業の中において、代表者の率直な意見を伝えていくうえではとても有用なやり方です。
大企業でも社長が積極的に現場に出て従業員と話をするというのはたまに耳にする話ですが、電子メールというやり方もいい手段だと思います。
デルのダイレクト・モデルではありませんが、間に第三者が入ると伝達の中で本来の意味合いと多少違ってきたりする危険があります。代表者の思いをダイレクトに届ける。そうする事で会社の共通の目標を確認したり、従業員同士がそれぞれの仕事に参加している尾言う意識を持つ事が出来ます。
たとえばサーバの販売を開始する際、やはり社内には同意する人ばかりではなかったようで、それを悟ったデルは『サーバで成功するには』というニューズレターによる連載を始め、サーバ販売に対する不安を打ち消す事に勤めています

そして、その社員に求める事も変化していく事です。
インターネットの時代を最大のビジネスチャンスとしたように、デルは変化に対して非常に柔軟な企業です。
それは顧客が持つ『些細なこと』が、大きな変革へと繋がっていくことを重視する事、そして社員に対して採用している投下資本利益率(ROIC)によって優れた業績を上げている事業、そうでない事業を把握する事…様々な要素があります。
しかしそれを支えるのは社員が自社株を持つという事での目的意識の高さ、デルの言葉で言えば『オーナー意識』を持たせる事だったのではないでしょうか。

□ 感想
國領二郎さんが解説でも述べておられるのですが、デルのしている事は実はとても簡単です。
客の要望を聞き、その通りのものを作る。そして時に何かを提案する。
不要なもの…たとえば、デルにとっては店頭販売などは大胆に割愛する。(デルは1994年に小売販売から撤退してる)
これも明確な目標があり、そしてマイケル・デル本人が自分の言葉で説明してきたからこそ実現できた事ではないでしょうか。
デルは開業からずっと、従来の常識では考えられない、上手くいかないと思われてきた事を続けて成長してきた企業です。
マイケル・デルが最後に『だがここでも、私は従来の常識が間違っていると言っておこう』と述べているように、彼は従来のあり方にとらわれずに出来ると思った事を(それはもちろん顧客からの声に裏打ちされている)実践してきたのです。

今後、大きくなったデルという世界的な企業が大勢の従業員、たくさんの拠点を引っ張りながらどれだけ従来の常識を壊していけるのかはとても興味深いところです。
彼の頭にも、恐らく常識や通例といった中間業者が存在しないのでしょう。
アイディアの次は、実践だ。



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小さな会社の総務・経理事典/西尾佳文
職場に置いておく本と言うのは、殆どが実用面で役に立つものばかりです。
最初は仕事で使うたびに持っていっていたのが、やがて会社にずっと置くようになっていった…そんな一冊がこの『小さな会社の総務・経理』事典です。

この本は文字通り、総務・経理の仕事の手続きで必要になる物事を解説しているものですが、最大の特徴としては手続きの仕方、そして所定の用紙への記入の仕方が細かく解説されている事です。
この本を手に取るきっかけは年末調整の記入の仕方が判らないということでした。
僕は未だに同様に困る人がいないのかと疑問に思うのですが、年末調整の書類の書き方などを解説した本と言うのは非常に少ないです。
それがこの本ではしっかりと記入例があるのです。
他にも社会保険/労働保険、各種伝票の記入の仕方など、些細な事過ぎてなかなか紹介されていないものも多く含まれています。用紙自体に記入の方法も記してありますし、専門機関へ尋ねる方が早いのかも知れませんが、予習はしたい。そんな人におススメです。

他に様々な用紙の書式が紹介されています。
早くに先輩がいなくなってしまった僕は、先輩から教えてもらえなかった書類に関してとても疎いです。
書類を作れと言われれば作れますが、どのような書式が一般的なのか、使い易いのか…という部分に関して、外部から知識を得る手段がとても限られているので、この本で紹介されている書式はとても重宝しました。

余りお世話になりたくないですが、『解雇予告通知書』、『解雇通知書』といった書類も、この本を見本に作成しました。
幸いな事に今のところ使う事が無いままフォルダの中へ保存していますが、イザと言うときに出てこないと困る書類を前もって作っておけるかどうかは、とても重要な事です。

小さい会社、そしてこうした積み重ねの少ない若い会社へ勤めている人は、社有誌として会社に一冊置いてみてはどうでしょうか。



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P丘の殺人事件/松本 奏
日本の推理小説の古典に分類される事になるのでしょうか、『P丘の殺人事件』を読んでみました。

日本人が主人公ながらロンドンを舞台とした内容です。
主人公の身の回りで発生する誘拐事件、そしてその誘拐犯が殺されるという結末―。
そして疑われた身内の無罪を証明しようとする主人公…。

推理小説として面白い材料が一通り揃ったこの作品ですが、実は雰囲気どまりで余り推理というほどのものはありません。
容疑者になってしまった人の無罪を晴らすのにも、被害者の傷口の位置から無罪であろうと推測するところまでで、実はそれ以上の部分に関しては偶然に頼るような部分が大きい内容になっています。

でも、こういう雰囲気が楽しまれる時代だったのでしょう。
異国の地で起こる殺人事件、そしてその真相。

今でこそ僕たちはハリウッドやら韓流やらと異国の作品にも気軽に触れることが出来るようになっていますが、こういう雰囲気に浸る楽しみというのも忘れちゃいかんなと思うのでした。


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PDAデジタルスケジュール管理術/坂下丈俊
昔はコレを持っているだけで時代の最先端だったのに、いまや時代遅れの象徴か…。
愛用のZAURUSを見つめながら、そんなため息が漏れる今日この頃ですが、ZAURUSがレンガになるまで負けるものかと、スケジュール管理をより強固なものとするために、こんな本を手にしてみました。
『PDAデジタルスケジュール管理術』。
この本はPDA単体としての性能を活かそうというよりは、PCとの連携やグループウェアとの連携を目指したものです。

□ デジタルtoデジタル
よく紙の手帳と電子の手帳(PDA)のどちらが優れているのかという事が叫ばれます。
確かにPDAはデータの許容量が大きく、辞書としての機能や電卓、アラームなどの機能も優れていますが、紙の手帳のように即座にメモを取るという面では劣ります。
またアレンジが無限大の紙の手帳に対して、その性能やソフトの有無で限りのあるPDA…。
メリットもあればデメリットもあります。
しかしPDAの最大の魅力はPCとの連携にあります。
主な入力をPCと割り切れば大量の記入も苦にならず、しかも変更なども綺麗に行える。
著者の考えるPDAの割り切った役割は、前述の不毛な紙の『手帳VS電子手帳』の不毛な争いへ一石を投じるものとなる事でしょう。

□ グループウェアとの連携
この本へ興味がある方で気をつけていただきたいのは、この本でもっとも力を入れているのは、このグループウェアによる使い方だという事です。
これは著者が大企業で仕事をした経験を持ち、本を執筆したいる時点でもITの企業に勤めているという事にも関係があるのかもしれません。
グループウェアによるスケジュールの共有には、管理上のメリットが多々あります。
そしてそれ前提で考えるならPDAというのはとても便利な存在です。
著者はこのグループウェアとの連携の重要性や、導入の仕方、更にプライベートの予定を除去したり、(会社のソフトに登録しないため、データが壊れた場合に失われてしまう個人の予定の)バックアップを別に取っておく方法なども紹介しています。
今であればグーグルカレンダーなど、携帯電話でも対処可能なやり方もあるでしょう。

□ 感想
これからPDAの後継的な存在ともいえるスマートフォンが伸びてくれば、グループウェアなどでも新しい時代が来るのかもしれませんし、そういう為の予習としては面白い内容だと思います。
ただ個人的にはPDAというものがもう少し個人的なツールであってもいいと思っているので、あまり参照にする部分はありませんでした。
PDAも個人の手帳と同様に様々な使い方をする事が出来ると思います。
僕はもう少しそういったアレンジの部分を知りたかったのかもしれません。



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DIME(雑誌)
少し大人向けの年齢設定で販売されている雑誌、DIME。

年齢層は20~30代くらいの社会人、男性といった感じでしょうか。
仕事に使える携帯電話や手帳など、ちょっとした小物の工夫がよく紹介されています。
僕が今回手にした2009.10.20号では手帳特集。

従来からのシステム手帳に、インターネット上のスケジューラーや、携帯電話との連動での使い方などが紹介されています。
対象年齢がそこそこ高めの恩恵か、紹介されている価格帯も幅広く、財布機能がついたような高額なものから数百円で手に入る手ごろサイズまで色々あります。
後、DIMEといえばコラボ商品もはずせません。
今回紹介されている手帳にもコラボ商品があり、ライフオーガナイザー+というこの商品は昨年に引き続いての登場で、SDカード、CD-R、USBメモリーなどのメディア用ポケット、キーリング等の収納に加えてA4を二つ折りで保存が出来る資料用ポケットなど、かなり便利な一品です。
また資料、PC、折り畳み傘などの収納スペースを確保したユニクロとコラボのカバンも紹介されています。

ついでに。
この本、たまにオマケ付で発売されているのですが、たまーに驚くほど豪華。
毎号買うかどうかは特集されている内容によって決めればいいと思うのですが、それに加えてオマケの有無も是非確認していただきたい雑誌です。



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廃墟本2/中田 薫、中筋 純
風景写真を見るのが好きで、ネットでも色々な写真を検索したりするのですが、その途中で見つけた少し風変わりな趣向に『廃墟』がありました。
この廃墟を好む人たちは、廃業した店舗や人が住まなくなった家、時には閉山された鉱山などからまとめて人が居なくなった廃集落などを尋ねる事で、ノスタルジーに浸ったり、なんともいえぬ寂しさをまとった風景の写真を撮影しているのです。

そんな趣味の集大成ともいえそうな、まさにそのままの『廃墟本 The Ruins Book』という本を見つけたので読んでみました。

これ、シリーズになっているようでその中から、僕自身も思い入れの深い廃ホテル『ラ・レインボー』の紹介が含まれている『廃墟本〈2〉』を選びました。

□ 充分な情報調査と綺麗な写真
さすがに本として出版されているだけに情報調査はネットよりも充実していると言えそうです。
現役で運用されていた当時の出来事から建物が手放されるまでの経緯まで詳細に記されています。
写真も大半がカラーで、そこへ解説が加えられています。
心霊関連の噂がある建物にも臆することなく侵入しており、北海道の由仁町にある『ホテルリリ』では浮浪者が自殺をしたという部屋、首を吊るのに使われたであろう椅子まできちんと撮影してあります。
また写真はないものの相模湖町にある『ホテルサンヒルズ相模湖』では禁断の扉、禁断の部屋と呼ばれるタブーにも挑戦しています。…写真がなかったのは、少女が自殺した部屋というのは自殺自体が事実ではなく、入ってはいけない地下の隠し部屋は備品倉庫ですが水が溜まって降りる事が出来なかったということが原因のよう。
第三セクターの揉め事が記された伊豆の国市『スポーツワールド』やオーナーの逝去によって終わった鉾田市にある『竜宮城』、稲敷市の『天守之櫓』などは、解説と併せて見るとなんとも言えない物悲しさが伝わってきます。

□ …無許可?
僕は余りネット上のそういった写真を見ないようにしていました。
…というのも、その多くは不法侵入のようで個人的に余り賛同しかねるような部分があった為で、こういう本なら所有者の許可を得た上で撮影しているのだろうと堂々たる気持ちで購入したのですが、木になるコラムが。
廃墟取材のイタイ失敗談』というコラムですが、ここで『ついに訴えられてしまったのです!』として紹介されているエピソードは、なんと現役で営業している飲食店を廃墟と誤って紹介してしまったというものです。
外観が少し荒れていた事と、夕方からの営業という変則的な営業をしていた為に取材をした時点でお店の方と接触できなかった事から生じたミスだったそうです。
…もしかして、撮影自体の許可って余り取っていないのだろうか。

□ 崩れいくものの美しさ。
廃墟の写真から感じるのは、普通の風景写真から感じる感動とは別物だと思っています。
それは美しいものが崩れる中で見せる、別の美しさもあるでしょうし、人工物が自然へと還っていくその過程に対して感傷的になっているような気持ちもあるのでしょう。
そこで誰かが夢を見ていた事、恐らく僕の勤めている会社と同様に頑張ろう、お客様に満足してもらおうと誰かがすごしていた日常があった事。
思いを馳せるには、現役の建物よりも役目を終えた建物の方がいいのかもしれません。

他方、こういった趣味を持つ方からは反感を買うかもしれませんが、やはりどの建物にも廃墟になった後の来客や居住者の存在が見られます。
更地にするのにもお金が掛かるでしょうし、残して再利用という道もあるでしょうが、放置したままにするというのは、どうにも危険なような気がしてなりません。
この辺りの事は行政主導でもう少し考えた方がいいかもしれませんね。

※紹介されている物件の一覧は下記リンク先、なか見!検索で目次が見れますのでどうぞ。



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若者はなぜ3年で辞めるのか?/城 繁幸
この本をはじめて書店で目にしたのは3年前の事でした。
丁度ちらほらと面接の手配など、採用に関する仕事を手伝い始めていた頃です。
その頃、よく若者がすぐに辞める、もたない、3年で辞める―そんな事がよく囁かれていました。

それから3年。
面接の手配などをして入社した後輩たちが綺麗に居なくなり、ふとこの本を思い出し読んでみました。
彼らはなぜ、3年で居なくなってしまったのでしょう。

□ 若者の望むもの
まず若者の責任という見方では、価値観の変化があります。
これは採用する会社の側としても同様で、『なんでもやります』というタイプの人材を採用していた方針を転換し、明確に目標や目的意識を持った学生を採用するようになってきました。
僕もその世代ですが、『この会社で何がしたいのか』という質問への返答を用意して面接へ挑んでいました。
しかし会社のシステムは年功序列を引きずっており、入社したばかりの若者には新人用の仕事が回され、花形の仕事はなかなか回ってきません。仕事は勤続年数に振り分けられているのです。
上の年代から言えば、忍耐力がない
当事者から言えば、報われない。
崩壊し始めた年功序列が残り、定期昇給や退職金という制度が消え始めている現状でそれではがんばれない…そんな現実が見えてくるのが、3年程度なのでしょうか。

□ 年功序列の終焉
年功序列という形が駄目かといえば、個人的にはそうでもないと思います。
長く同じ会社に勤める事は専門的な人間を増やせるし、昨今能力主義が騒がれる半面で注目を集めるようになった『愛社精神』のようなものも培われる事でしょう。
しかしこのシステムには経済が成長し続けている事という条件がつけられます。
そしてそれが翳ってしまった今では『一気に矛盾が噴き出した』のです。
これは年金似たシステムで、若い頃に頑張って長く勤めていけば年長になった時には給料も上がるし、それなりの身分も保証されるというものでしたが、今の若者たちが年長になった頃に彼らが掴むものがどれだけ残っているのかは判りません。
無駄になりかねない投資―。民間企業であることを考えれば、年金よりもリスキーな投資でしょう。
著者の言葉を借りれば『若者もまた、そんなものを背負わされる義務などないのだ』という事になります。

□ 転職というものの軽さ
この本でも簡単に触れられていますが、転職市場の充実も一つの原因のようです。
転職はして当然という風潮があり、更にスーツで街中を歩いていてもフリーペーパーの求人情報誌を渡されるような時代です。二~三度の転職は経験した方がいいなんて言い切った人もいました。
事実、どの企業でも中途採用も活発です。
この本の中でとてもいい台詞を見つけたので紹介します。
転職後悔組と名づけられたグループの、転職に対する希望を言葉にしたものです。
もっとマシな義務を与えてくれ
言葉の表現はともかく、こういった気持ちで居る限りは転々と転職を繰り返す事になるでしょう。
自分が何をしたいのか、その何かを受け止めてくれる社風があるのかどうか。
そして何より、それを求めて自分が声を出していく勇気があるのかどうか。
ここさえはっきりと見えていればきっと次の転職は上手くいくことでしょう。


以上、実は若者が3年で会社を辞めてしまう理由というよりは現状で崩壊し始めている終身雇用/年功序列といった制度に関する記述が多い本です。
国の政策にしても、従来若者に対する手当ては薄く、高齢者に対して厚い制度が採られてきたように、日本にはそういった風土があるのでしょう。
ただ、もう変化は始まっています。
企業も国も、どこかで全体として痛み分けをしながら変化していかなくてはいけません。もう年功序列の制度を成果主義の中に残そうなんて姑息な真似はやめたほうがいい時代が来ているのでしょう。
今、若者が育たない事は将来を担っていく世代が育っていない事になってしまうのですから。

ちなみにこの本を書いたのは、年功序列と成果主義の谷間の世代、本人曰く『やる気を失った30代社員たち』の世代です。



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鼠/岡本綺堂
岡本綺堂さんの短編で『鼠』という作品を読んでみました。

□ あらすじ
江戸から来ていた三人連れ男が伊勢参りの帰りにある少女と出会った。
お糸と呼ばれる少女は伊平という老人の下へ泊めてほしいと転がり込んできた娘だった。

彼女は急に病気に掛かった伊平の看病をし、気立てのよさと勤勉さから、そのまま老人の下で世話になり家事や仕事を手伝って暮らしていたものだった。
江戸で生まれ流浪しながら暮らしてきたお糸は継母のいじめにあって江戸の身寄りを訪ねようとしていたが、その身寄りがどこにいるのかも良く判らないという事だったが、三人連れの一人である七兵衛はそれが神隠しにあったと思っていた自分の娘ではないのかと思い立ったのだ。
痣のなどの特徴も合うし、年齢も合う。
大喜びで江戸へ連れて帰ることになったのだった…。

□ キーワードとしての鼠
この作品はタイトルにもあるとおり、鼠がキーワードになります。
お糸の周りへついて回る一匹の鼠―。
これがお糸の正体を暴く鍵になる。
お糸は実は七兵衛の娘ではなかったのだ。
本人もそれを知りながら、自ら欺いてついていっていた。

でも鼠が真実を暴こうとしていた存在なのか?というと、その発想は最後で裏切られます。
岡本綺堂さんの怪談の本領発揮は、最後の数行なんですよね…。
短いながらも、その魅力が凝縮された作品でした。



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根まわし仕事術/門 昌央
仕事を上手く進めるための『根まわし』の本です。

根まわしと言うと、なんとなく汚いやり方が浮かびます。
でも言葉が『段取り』なら、とても大切。

この本で紹介するのも、そんな根まわしです。

タイミング、順番、相手…。
これらを読み誤ると大変な事になります。
特に後者の二つは大切ですね。
上司に確認を取る前にその専門の方と話をしておく事は段取りとして大切。
でもあんまり上司を遠まわしにしすぎると気分を害してしまう。

仕事を上手く進めるために必要な情報が詰め込まれた一冊です。

他、様々な実例として先人の知恵、豊臣秀吉楽天の三木谷さんまで色々な根まわしが紹介されています。
豊臣秀吉は織田信長の下でおもてなしの根まわしを徹底して世に出た人として有名ですが、やはり世に出てくるような人はそれぞれに色々なこと考え、上手く根まわしをして物事を進めているんだなというのがよく判ります。
実際、煮詰めてもいない案を上司に差し出しても没になってしまう事は多々あります。
根まわし上手を目指したくなる一冊です。

…でも、やっぱり段取りの方が響きがいいなぁ(笑)。



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